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鈴の音が鳴り終わった頃、気が付けばいつの間にか一人の女の人が目の前に立っていた。
【こんにちは、皆さん。 本日はお越しいただきありがとうございます】
女の人は口ではそう言っているが、私と海斗の頭の中には直接別のことを言ってきていた。
『こうして話すのは久しぶりですね、お姉様、お兄様、お元気でしたか?』
私と海斗は、目を見開くと同時にあることを口に出していた。
「「久しぶりですね、美海みかも元気そうで何よりです」」
私と海斗は、口ではそう言いながらも内心パニックになっていた。
ぽろりと口から溢れ出た言葉だったが、二人は「美海」のことを知らなかったからだ。
いや、覚えていなかったというべきかも知れない。
「七海と海斗はこの人、美海さん?のことを知っているの?」
お母さんはもっともなことを私と海斗に聞いてきたが、私と海斗はその問いに対して首を横に振った後、首を縦に振った。
「「ううん、知らない。 でも、知ってる」」
私と海斗がそう言うと、黒炎と美海は顔を輝かせた。
【やりましたぞ❗ お嬢達は完璧には忘れてないようですぞ】
黒炎は私達の周りをグルグルと走り回り、美海は私と海斗の手を取ってぶんぶんと振った。
【嬉しいです❗ 美海のことを覚えていて下さったのですね】
美海の顔は満面の笑みで、誰?と聞くことは躊躇われた。
だが、そこで聞いてしまうのが海斗である。
これまでそのせいで何度も辛い思いをしたにも関わらず、海斗は今回も聞いた。
「美海さんはなんで僕たちのことを知っているの? あと、なんで僕たちも美海さんのことを知ってるの? あとは…」
必殺、海斗のなんでなんで攻撃である。
【ストップスト―ップ❗ 全部答えるから、だからそんなにいっぺんに聞かないで下さい】
美海は胸に手を当てると、一つ一つ話し始めた。
【改めまして、私の名は美海です。 まあ、正式な名前は美海那姫神みかなひめのがみですが…まあ、今これは関係ないでしょう。 まず一つ目の質問、なぜ私があなた達のことを知っているかですがそれはあなた達七海と海斗が私のお姉様とお兄様だからです】
私達はビックリして顔を見合せると、すぐに美海の方を見て顔の前で手をぶんぶんと振った。
「「ないないない❗ そもそも私達(僕達)より大きな妹なんているはずないし」」
私がそう言うと美海は悲しそうな表情をして、覚えていないのですか?と言ってきた。
これはなんだろうか、美海の頭の上に可愛い犬の耳が見える気がする。
【まあ今のは事実ですから、受け入れてくださいね。 では次の質問に移りましょうか】
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