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第二十五話 『……っ瑠衣くん、やっぱり黒かった』

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 村長のツリーハウス、2段目の食堂のログハウスから優斗たちの騒ぐ声が、広場の方まで聞こえていた。 食堂のログハウスでは、瑠衣とクリストフが睨み合っていた。

 瑠衣の方からは火花が散っていたが、クリストフは笑いが止まらないらしく、ニヤニヤとしていた。 いつも人を揶揄っている瑠衣からしたら、揶揄われる立場はとても腹ただしいだろうと、優斗は瞳を細めて、心の中でだけで乾いた笑い声を上げた。

 (あははっ、瑠衣、頑張れ)

 瑠衣と楽しそうに言い合っていたクリストフが、突然、真面目な表情をして瑠衣に問いかけた。

 「で、ルイ、どうするんだ? お嬢も、仇討ちをしたいか?」

 ムスッとした表情で瑠衣は答えた。

 「……正直、両親の記憶がないから、仇討ちをしたいかと言われてもピンと来ない。 でも、俺たちは魔族退治事業を立ち上げる目標がある。 仇討ちではなくて、そいつを見つけたら悪魔を剥がして、悪魔退治をする。 それに正直に言って、そいつと顔を合わせてみないと分からない」
 「うん、そうだね。 私も瑠衣に賛成。 私も記憶がないから、やっぱり瑠衣と同じでピンと来ないわ」
 「私も賛成、私が浄化すれば元に戻れるだろうしね」
 「俺も瑠衣に賛成するよ。 魔族退治は俺たちが主さまから与えられた使命だしな」
 
 (そいつを探す事も、頭に入れとかないとな。 後は……)
 
 優斗たちの言葉を受けて、クリストフは小さく笑った。 クリストフの表情には慈愛の色が混じっていた。

 「そうか、魔族を追うなら、これだけは理解して置けよ。 悪魔に打ち克ったエルフは、魔族よりも強いからな。 絶対にカラトスとまた、戦う事になる」

 クリストフの視線が優斗に移動した。 視線が合った優斗は、クリストフの次の言葉に、ハッとして顔を上げた。

 「それに、カラトス1人だけとは限らねぇしな……」

 (そうか、俺のブートキャンプが直前で変更になった事……。 反対派の嫌がらせかと思ってたけど、もしかしたら、本部にもいるのか? カラトスみたいなやつがっ)
 
 「もし、カラトスと闘う事があるとして、お前ら、カラトスが死ぬときは気を付けろよ」
 「それって、悪魔の囁きの事ですか?」
 「いや、違う。 カラトスが死ぬ前に、悪魔が身体を乗っ取ろうとするんだ。 しかも、悪魔が勝った瞬間から、そいつは魔王候補だ」

 「でも、魔王候補になるには、何百年もかかるんだよっ!」

 今まで大人しく黙っていたフィルが声を上げた。 フィルの隣でフィンも頷いている。

 「おいおい、エルフの寿命は、どれだけあると思う?」
 「「「「「「……800年弱?……」」」」」」

 ハッとした優斗たちは、黙り込んだ。 ニヤリと笑ったクリストフが頷いた。 フィンがボソッと呟く。

 「魔王候補になるには、充分な時間ね」
 「そうだ、充分な時間だ。 カラトスと再び戦う事になるとしても、いつになるか分からない。 それに、800年と言わず、500年位なんて直ぐだしな」

 ((エルフの時間の感覚ってどうなってるんだ?))
 ((……500年って凄く長いんですけど……))

 優斗たちが元人間で、転生者とか、元異世界人だとか知らないクリストフは、困惑している優斗たちを置いて話を続けた。

 フィルとフィンは長い年月を生きているので、クリストフの話に頷いていた。

 「でも、悪魔もカラトスの死期を待つわけないだろうし、力を付けたら一気にカラトスの身体を奪おうとするはずだからな。 カラトスは戦士隊の本部も追う事になる。 エルフが『災害』を起こすのと、悪魔を取り込んでいたエルフが起こす『災害』は、全く規模が違うんだ」

 『本当に悪魔に勝ったら魔族にはならないようだね。 しかも、悪魔に負けた時の『災害』が大変みたいだ』

 (ああ、そうだな)

 監視スキルの声に頷く。 華が隣で心配そうに優斗を見つめている姿が脳内のモニター画面に映し出された。 瑠衣の嘆く声が左側から聞こえてくる。

 「エルフの魔王候補か……人間が魔王候補になるのと全然、次元が違うんだろ? 悪魔を取り込んだ奴らがいっぱいいるとして。 そいつらが一斉に、悪魔に負けたらどうなるんだっ?!」
 「やめろっ、瑠衣っ! フラグを立てるなっ、本当にそうなるだろうっ!」

 瑠衣の言った事が頭の中で妄想され、優斗たちの背中に悪寒の棘が刺した。

 『うん、フラグを立てたら、絶対にそうなるんだったよね。 主さまが楽しそうに言ってたな』

 (いや、本当にそうなるかは分からないけどなっ、不吉なフラグは立てない方が良い。 しかもまた主さまかっ! だから、それ何処で聞いたんだよっ)

 『だから、企業秘密だって』

 監視スキルの楽しそうな声が響く中、片眉を上げたクリストフの訝しそうな声が聞こえて来た。

 「お前らが何を言ってんのか分からんが、取り敢えず気を付けろ。 本部もお前らが動く事は分かってるだろうしな。 で、この後はエーリスに帰るのか?」
 
 優斗は華を見てから答えた。

 「俺は、華が治療を終わらせてから戻ろうかと。 リューさんたちにも無事な事を知らせたいし、一度、華と一緒にエーリスへ帰ります。 それから首都に行って華の父親と面会します」

 華が隣で頷いているのが視界に入った。 華と目を合わせた後、クリストフの方を見ると、眉を寄せて白銀の瞳に怪しい光を宿して細めていた。 そして、鬱陶しそうに舌打ちをした。

 「結婚に向けて動くのか」
 「「は、はい」」

 優斗と華は声を揃えて返事を返した。 クリストフのやさぐれた表情には、『幸せそうで何より』と、如何にも祝福してなさそうな感情が出ていた。

 『他人の幸せを祝福できないタイプの様だね』

 監視スキルの呆れた様な声が頭の中で響き、優斗の頬が引き攣った。

 「そ、それと、魔族退治事業の話も詰めようかと思ってます」
 「そうか」
 「エーリスへ戻る前に、俺はドリュアスがあった所へ行ってみたいんだけど」
 「あ、それは私も行ってみたい」

 (ドリュアスか……エーリスとは反対方向だな)

 瑠衣の意見に仁奈が手を挙げて同意した。 二人とも、一度エーリスに戻る事には、賛成してくれている様だ。 瑠衣の話を聞いたクリストフの瞳が煌めいた。

 「ほう、里帰りか」

 クリストフの楽しそうな声に、優斗たちの胸に嫌な予感が過ぎった。 そして、的中した。

 「よしっ! 俺がついて行ってやるよ。 んで、案内してやるよ」

 クリストフがいい笑顔で片目を瞑って宣った。 優斗たちは思っていた事が現実になり、ガクッと肩を落とした。 特に反対したのは、瑠衣だった。

 「はぁ、俺は絶対に反対だっ! 何であんたと一緒に行かないとならねぇんだっ!」
 「いいだろうがよ、俺も里帰りしたいしよ。 それにお前たち覚えてないだろう? 自分たちの家の場所」

 クリストフの言葉に、瑠衣の顔が悔しそうに歪む。 反して仁奈は、軽い調子でクリストフに同意した。

 「別にいいんじゃない? 案内してもらえば? そっちの方が良く分かるしね」
 「おっ、やっぱり、お嬢は分かってるね」
 「なっ、仁奈っ! ……っお前、着いて来るなら俺らから離れて歩けよっ!」
 「連れないなぁ、ルイ坊。 お嬢の事を抜きにしたら、小さい頃はあんなに懐いてくれてたのにな」
 「だから、覚えてない話で揶揄って来るなっ!」

 騒ぐ瑠衣を見て、思った事がある。 ちょっとだけ、皆の性格が前世とは違う様な気がすると。

 瑠衣がたまに、粗野で口調が悪くなる。 前世では、もうちょっと育ちが良さそうで、柔らかい話し方だったような気がした。 そして、時々黒い性格が出ていた。

 仁奈は変わっていないように見えるが、少しだけ前世よりも大人しいように視える。 何と言うか、立ち姿がお嬢様なのだ。

 『そうだよね。 ハナだってちょっと気が強くなっているよね。 お姫扱いで育ったからかな』
 
 優斗の考えを読んだ監視スキルの言う通り、華の事は、少しだけ気が強くなった様に思っていた。 エカテリーニにハッキリと厭味を言っていたし、優斗にもちゃんと不満をぶつけて来た。

 前世の華だったら、エカテリーニに強く言われたら、少し尻込みしていただろう。

 (だからといって、華を嫌いになる事はないけどな)

 「あんなに余裕のない瑠衣、初めて見た。 やっぱり、育った環境なのか? 皆、ちょっとづつだけど、性格が違う様な。 基本は変わってないと思うんだけど」
 「うん、私もそう思う。 瑠衣くんは、もうちょっと黒かったと思う」
 「うん、華、それは瑠衣には言わない様にな」

 華が小さく笑う。
 
 「でも、嫌いじゃないよね?」
 「それはないな。 変わらず、大事な親友かな。 それに、瑠衣を揶揄えるネタがっ」

 左側の瑠衣から擬音ならば、ギランという文字を付けられるだろう鋭い睨みが飛び、優斗の左半身に突き刺さった。 突き刺さる視線に、優斗の言葉は言い切らないうちに喉の奥で詰まった。

 低くて重い声が瑠衣から発せられる。

 「今、揶揄えるネタが出来たとか言ったか? 優斗」
 「い、言ってないっ! 言ってないからっ! 揶揄わないからっ」

 優斗は両手を前で左右に振って、必死に否定した。 華の『黒かった』はスルーされ、瑠衣は華には何も言わなかった。 きっと、瑠衣自身も思っている事だろうし、黒い性格を悪いとも思っていない。

 『あ~あ、ルイを揶揄おうなんて、余計な事を考えるから』

 (うるさいよっ、いつも揶揄われるから、ちょっとくらいはって……)

 再び、瑠衣の鋭い視線が突き刺さり、優斗の肩が小さく跳ねた。 監視スキルの呆れた様な声を聞き、優斗は瑠衣には絶対に『ルイ坊』で弄らないと心に決めた。
 
 優斗たちは、華の治療作業が終わるのを待って、瑠衣と仁奈の故郷、キュテーラ村にある集落ドリュアス跡地へ行く事にした。 何故か、クリストフも一緒にだ。

 突然、ラッパ音の様な響く音が食堂に鳴り響いた。

 クリストフが隊服の懐から、鏡型の魔道具を取り出して確認すると、僅かに瞳を細めた。 クリストフが片手を上げて食堂の外へ出て行った。

 クリストフが出て行ってから、優斗たちはテーブルの上で顔をつき合わせた。 フィルとフィンも寄って来る。 風神には後で瑠衣が話すとして、疑問に思った事を全員が口に出す。

 「優斗、どう思う? クリストフの奴」
 (瑠衣、もうさん付けするのも嫌なんだなっ)
 「どうだろう? フィルとフィンは、何かを感じたか?」

 何も感じなかった様で、フィルとフィンは同時に顔を左右に振った。
 
 「ううん、何も感じなかったよ。 親切心で着いて来るって言ってるんじゃない?」
 「私も、何も感じなかったわ。 それに、ルイとニーナを大事に思っている事は分かったわよ」

 フィンの意見に瑠衣が軽く舌打ちをした。 全員が瑠衣を残念な眼差しで見つめた後、優斗が真面目な表情で話す。

 「でも、誰が味方か、敵なのか分からない。 俺のブートキャンプの場所が事前に変えられた事も気になるし。 用心はした方が良いと思うんだ」
 「うん、でも、私もクリストフさんは、純粋に心配してくれてる様に見えるけど」
 「華の言う通りだろうけど、私も用心は必要だと思う」
 「それと、魔族退治の旅へ出る前に、カラトスの事を片付けてから行きたい」
 「だな」
 「「うん」」

 華と仁奈もクリストフは白だと思った様だ。 優斗たち6人は頷き合い、クリストフは取り敢えず信用するが、警戒は怠らない様にしようと決めた。

 瑠衣がチラリと窓の外に見えるクリストフの背中を見つめると、口元に黒い笑みを拡げた。

 優斗たちは、瑠衣の不敵な笑みに、嫌な予感が過ぎる。 クリストフが何を話しているのかは、食堂までは聞こえて来なかったが、優斗たちはクリストフの背中を同情するように見つめた。

 ◇

 クリストフは瑠衣が黒い笑みを浮かべている事に気づかず、食堂の螺旋階段の踊り場で本部と話を続けていた。 通信先は本部のクリストフが所属する部隊の部隊長だった。

 「はい、彼らとキュテーラ村へ行く事になりました。 ウィルビウス・ルイと、ドリュアス代表だったアムピオンオルフェイス家の娘が、ドリュアスの集落跡地を見てみたいと言い出しまして。 その後は一度エーリスに戻ってから、首都へ行くという事です。 出発は、エレクトラアハナ様の治療作業が終わり次第となります」
 『そうか、了解した。 こちらも誰が敵か、味方なのか分からない。 カラトスには、次期里長のブートキャンプ場所の変更は出来ないからな。 もしかしたら、上の方で何かあるのかもしれない。 そちらも気を付けろ。 無事に次期里長の二人を首都までお連れしろ』
 「了解しました。 では、また報告します」

 鏡型の魔道具を閉じると、息を吐き出した。

 「次期里長の二人か……ルイ坊とお嬢はどうでもいいって感じだな。 まぁ、当たり前なんだが……」

 短髪の白銀の髪をくしゃりと掻くと、クリストフは食堂に戻った。 しかし、食堂に戻って直ぐ、クリストフが悲痛な叫び声を上げる事になる。

 ◇

 本部でクリストフの連絡を貰った部隊長は、周囲を見回して誰も居ないか確かめてから、詰め所へ向かった。 背後で話を盗み聞きされている事には、気づかなかった。

 盗み聞きしていた人物が呟いた声も聞こえていなかった。

 「ふ~ん、ドリュアス跡地に行くのか、丁度いいじゃないか。 あいつに行ってもらおう。 ドリュアスで死ぬ事になったら、それはお前らの運命だったって事だ」

 真っ黒い装束を着た人物は、黒い笑みを口元に浮かべ、カラトスに連絡をする為に鏡型の魔道具を懐から取り出した。

 ◇

 クリストフが食堂へ戻って来ると、黒い笑みを浮かべた瑠衣が出迎えた。 クリストフは、瑠衣の只ならぬ雰囲気に少し、引いている。 瑠衣の背後にいる優斗たちも。

 「トウフ、お前を連れて行くのには、条件がある」

 瑠衣の言葉に、クリストフの白銀の瞳が驚愕で見開いた。

 「ルイ、お前……っ記憶がっ?」
 「少しだけな。 俺たちに着いて来る条件は、その通信できる魔道具を俺たち全員にくれたらだ」
 「いや、これは戦士隊に入隊しないと支給されねぇんだ。 それより本当に記憶が戻ったのか? トウフって呼び方、ルイ坊が俺の名前を最後まで言えなくて、省略していった結果、トウフになったんだったよな」

 (瑠衣……っ墓穴掘ったよっ。 大丈夫か?)

 『あちゃ~、ルイ、撃沈かっ』

 瑠衣の羞恥心を刺激したのは間違いない。 瑠衣から不穏な空気が溢れ出る。 優斗たちは瑠衣から数歩、距離を空けて離れた。 瑠衣から低くて重い声が吐き出される。

 瑠衣の声には魔力が籠っていた。 クリストフの眉間に皺が寄る。

 「お、おいっ、ル」
 「あぁ、思い出したよ。 クリストフォロスメノンがずっと好きだった人に、ど……っぐ」

 クリストフが足音もさせずに、一瞬で瑠衣に近づいて口を塞ぎ、先を言えない様にした。 クリストフの表情が苦虫を噛み潰したように歪んでいく。 優斗たちは二人の張りつめた空気を感じて、不安そうに見つめるだけしか出来なかった。

 何処からか、誰かの喉が上下する音を鳴らした。

 瑠衣はクリストフに両手を上げて仕草だけで、これ以上は言わないと示す。 だから手を離せ、と白銀の瞳で訴えている。 クリストフは暫く思考していたが、そっと手を離した。

 まだ二人の間には、緊張感が漂っている。

 「……条件はなんだっけ?」
 「通信できる魔道具を俺たち全員にくれたら、離れて歩いて着いて来ていい。 後、俺と仁奈を『ルイ坊』と『お嬢』って呼ばない事。 以上の事を守ってくれたら、同行を許してもいいぜ」
 「……おい」
 「あ、口が滑っちゃうなぁ。 こんやくっ……うぐっ」

 クリストフの悲痛の叫び声が食堂で響き、瑠衣の声を再び手で口を塞いで遮る。

 「分かった、分かったから。 それ以上、喋るなっ! 本部に連絡取って来るから待ってろっ! ルイっ、絶対に言うなよっ!」
 
 クリストフは、大きな足音を鳴らして再び食堂を出て行った。 優斗たちが瑠衣のそばへ寄る。

 「瑠衣、記憶が戻ったのか?!」
 「いや、全然」

 優斗たちの表情が一瞬で点になった。 そして、クリストフが慌てていた様子を思い出す。

 「瑠衣、あんた、まさか、当てずっぽうで?」
 「いや、そうでもないぞ。 トウフって言う言葉しか思い出さなくてさ、この世界に豆腐なんてないだろうし、クリストフの名前かも知れないって思ってな。 ドンピシャだったけど、由来がアレってのは、最悪だったけどな。 でも、そのおかげで信憑性が出たから、もう1つの方はカマかけて当たったしな」

 瑠衣が爽やかな笑みを浮かべて片目を瞑って見せた。
 
 「えぇぇ、マジで! でも、何で分かったんだ? クリストフさんが失恋してるって」
 「それはな、優斗と華ちゃんが幸せそうなのを祝福できない感じだったろう? それは、恋愛にトラウマがあるんじゃないかって思ってな。 カマかけたら当たった」
 「なるほど……」
 「それと、声に魔力を込めて失恋した時の事を思い出させたんだ。 俺が思い出したと、上手く誤解させられた様で良かったよ」
 「瑠衣……」
 「瑠衣、あんた……」
 「……っ瑠衣くん、やっぱり黒かった」
 「えげつない事するわね、ルイ」
 「……可哀そうだね」
 
 少し変わったと思っていたが、やっぱり瑠衣は前世と同じで、ただでは転ばない。
 
 『うわぁ、可哀そう。 今後もその話でルイに振り回されるんだね。 クリストフ』

 (ああ、相当、腹立ったんだな。 ルイ坊って呼ばれるの……)

 戻って来たクリストフは、本当に戦士隊で支給される魔道具を、本部に掛け合って全員分の手配をしてくれた。 華の治療作業が終わった頃に届くだろうという事だった。
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