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37話 『フォルナ―ラが『神の愛し子』!!』

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 王城の謁見の間は騒然としていた。 王の前で膝まづき、頭を垂れているピンクゴールドの髪がふわりと揺れる。 王からの面を上げよと言う声に、フォルナ―ラは顔を上げた。 まだ幼さが残っているが、自信にあふれた瞳の美少女に、謁見の間に集まった重鎮たちが息を呑む。 重々しい王の声が謁見の間に響く。

 「そなたに『神の愛し子』の印の痣が出たとは、まことか?」
 「はい、まことにございます。 掌の痣をご覧になって頂ければ、ご理解頂けるかと存じます」

 フォルナ―ラは、利き腕の掌に現れた痣を王に見えるように掲げた。 フォルナ―ラの痣を見た王は、大きく頷き、司祭に確認をさせた。

 「司祭よ。 確認しろ」

 恭しく礼をした司祭がフォルナ―ラの掌を確認する為に、フォルナ―ラの側へ寄った。 痣を確かめた司祭が王に向けあう。

 「ふむ、確かに文献と同じ痣です」
 「そうか。 では、文献通りに儀式を執り行うように」
 「御意」
王の言葉にフォルナ―ラは首を傾げた。
 (文献通りって?)
 「あの、」
フォルナ―ラが疑問を口に出す前に、司祭が答えた。
 「フォルナ―ラ嬢、そなたは今から、教会預かりになり、住まいを大聖堂に移してもらいます。 あなたは、創造主の花嫁です。 生涯、創造主以外の男性との接触を避けていただきます。 勿論、全くとは行きませんので、出来るだけですが。 それと、瘴気を出す結界石の浄化の巡業を行って頂きます。 世界中を回る巡業になると思いますので、大変ですが、世界の為にご理解ください。 これも創造主の思し召しでしょう」

 にこやかな笑顔で語る司祭をフォルナ―ラは、信じられない気持ちで見つめた。 謁見の間に、フォルナ―ラの叫び声が響き渡った。



――フォルナ―ラの話をヴィーたちが聞いたのは、朝食の席だった。
 ネロの領地に着いた日は、領主館にある大聖堂と他に2つの結界石の地に赴いた。 翌日は、3つ結果石がある場所に行く予定だった。 ヴィーとネロは、クロウの報告に本当に驚いていた。

 「それは本当なのかっ?」
黒装束を纏ったクロウが膝まづき頷いた。
 「はい、ご自分で王城に惨状し、証拠となる痣を王の前で示したそうです。 司祭が確認したところ、文献通りだったと。 王城で保管されている結果石の浄化も出来たそうです。 それを受け、明後日『神の愛し子』を創造主に捧げる儀式が執り行われます。 殿下方は、このまま結界石の巡業を予定通りに続けて頂きます。 それと、ヴィオレッタ様の結界石の浄化も引き続き、秘密裏に行って欲しいとの事です」
クロウの言葉にネロの濃紺の瞳が光った。
 「なるほど、浄化を見ても尚、王はフォルナ―ラ嬢の力を信じていないのだね」
クロウは、ネロの言葉に瞼を閉じただけだった。
 「分かった。 結界石の巡業は今日で終わるし、予定通りに王都に戻るとしよう。 持ち場に戻ってくれ」
 「御意」
ずっと黙っているヴィーにネロが話しかける。
 「ファラ?」
 「あの、愛し子って王家からしか生まれないのでは?」
 「フォルナ―ラ家は元平民で、最近になって男爵位を陛下から賜ったばかりの新興貴族だよ。 だから、王家の血は流れていない。 でもね、『神の愛し子』は、今までで1人しか生まれてないんだ」
ネロの言葉にヴィーの朝食の手が止まった。
 「えっ、1人だけなんですか?」
 「うん、そうなんだ。 残されている文献によるとね、『アメリア』っていう王女の名前が記されているだけなんだ。 だから、分かってない事も多いんだよ。 さ、朝食を食べよう。 今日は3箇所回らないといけないからね」
 「はい」

 『アメリア』という名のを聞いたヴィーは、魂の奥が震えた様な感覚を覚えた。 何故か分からないが、懐かしくて切ないような感情が沸き上がる。 その感傷は一瞬で消え、デザートのプリンを口に含むと、忘れてしまった。 視察も兼ねた結界石の巡業は、魔道具で簡単に移動出来ても、全てを回って終わったのは、夕刻まえだった。



――ネロは領主館にある自身の部屋で、執務をしていた。
 天井から音もなく、黒装束に身を包んだ男が降りてくる。 クロウとはまた別の男だ。 膝まづき頭を垂れる男は、ネロに報告を始めた。

 「殿下、カーナの調査ですが、魔物の動きが顕著なってきています。 近く魔物の暴走があるかもしれません」
 「そう、『神の愛し子』も現れたし、近く出兵があるかもね。 それも踏まえて準備しておいて」
 「仰せの通りに。 引き続きカーナの調査を続けます」
 「うん、頼んだよ」
黒装束の男は頷くと、再び音もなく天井へ消えた。
 「フォルナ―ラ嬢が『神の愛し子』ね。 面倒な事にならなければいいけど」


 ネロが執務室で仕事をしている頃、ヴィーはというと、久々の主さまの指示書と睨めっこしていた。 ヴィーの眉間には深い皺が寄っている。 ネロの黒蝶もヴィーの周囲を心配気に飛び回っている。 ヴィーは、ネロの黒蝶を見ると、唇に手をあてて内緒のポーズを取った。 ネロの黒蝶は、ヴィーの様子に呆れた様な羽ばたきをしている。 ネロには隠し事は出来ない。 直ぐにネロに報告が行くだろうと思われる。

 (っむぅ。 この監視体制なんとかならないかしら)

 もう1人、ネロに報告しそうな人をヴィ―は忘れていた。 ノワールだ。 ヴィーに宛がわれた部屋の居間のソファーで、ヴィーは何やら羊皮紙を難しい顔をして眺めている。 そんな様子を冷ややかな瞳でノワールが見つめている事に気づいていなかった。

 (ネロ様はお仕事で忙しそうだし、つき合わせるのも悪いわよね。 よし、久々に主さまの指示書をやりましょう。 1人で出かけるのも久しぶりね)

 翌日、ネロの監視の元、ヴィーは主さまの指示書を完遂する為に出かけるのだった。



――翌日、ヴィーはロマーリアの郊外にいた。
 主さまの指示書には、瘴気を出す結界石の場所が印された地図が描かれていた。 きっと、探すようにという指示だと理解した。 動きやすい乗馬服に着替えると、ヴィーは黒蝶の羽根を拡げ領主館の窓から飛び出した。

 (こっちの方が早いし、ネロ様に言うと自分もついて行くって聞かないだろうしね。 飛ぶのは久々だわ。 帰ったら髪がバサバサになってるわね)

 ヴィーの後ろから風呂敷を拡げ、ムササビの様について来ているノワールに、ヴィーは気づいていなかった。 大分上空を飛んでいるので、ヴィーの黒に近い濃紺の髪がバサバサと羽ばたく。

 ヴィーは『神の愛し子』について考えていた。 主さまがフォルナ―ラ嬢を花嫁に指定したとは思えない。 しかし、フォルナ―ラ嬢にはやってもらいたい事があると言っていた事を思い出した。 結界石の浄化を、フォルナ―ラにもしてもらおうと思ったのだろうかと。 主さまはヴィーだけでは不安だったのかと、少し寂しさを覚えていた。

 (う~ん、もしかしたら『ゲーム』に関係するかもしれないし。 主さまの考えてる事が分からないわ。 フォルナ―ラ様が『神の愛し子』か、嫌な予感がするわっ!)

 考え事をしながら飛んでいた為、目的地を通り過ぎていた事に気づき、慌てて戻った。 後ろからつい来ていたノワールは、進行方向を突然変えたヴィーから素早く離れ、魔道具である風呂敷を閉じると、森の中に隠れた。 ヴィーは主さまの地図を眺めていた為、ノワールに気づかず、自身も森の中へと降りて行った。

 森の中は鬱蒼としていた。 瘴気を出す結果石は、いつも森の中にある。 魔物も集まってくる為に気を付けないといけない。 ヴィーは、主さまの指示書を片手に、森の中を駆け回ったっていた幼い頃を懐かしく思い出していた。 あの頃も楽しかったが、今も楽しんでいた。 鼻歌を謳いながら、森の中を突き進む。

 主さまの地図では、森の名前が書いてあり、中心部に〇が書いてある。 〇は瘴気を出す結界石らしい。 ヴィーは周囲を見回すと、草木に尋ねた。

 「瘴気を出す結界石が何処にある知らないかしら?」
ヴィーの質問に黒い煙幕がモクモクと草木から現れる。 草木は森の奥を矢印で示した。
 「ありがとう」
草木にお礼を言い、矢印の方向に向かう。

 森の奥に向かう程、瘴気は濃くなっていった。 草木も元気がなくしなびている物が多くなってくる。 ヴィーは目的地が近い事を感じていた。 周囲から魔物の気配を感じ、ヴィーの身体が震えた。 纏わりついて来る瘴気に顔が歪む。

 (そうだよね。 ここまで瘴気が濃いといるよね。 魔物っ)

 ヴィ―は自身の考えなしだった事に、今更ながら気づかされた。 主さまの指示書だから安全だと思い込んでいた。 ネロの黒蝶が鱗粉を振りまくと、纏わりついていた瘴気を払う。 チラリとネロの黒蝶を伺いみた。

 (いやいやいや、駄目よっ! 今更、ネロ様に頼るなんてっ! 魔物に気づかれずに結界石に近づければっ、何とかなるはずっ!)



 ヴィーが不確かな物に望を掛けていた頃、ネロは自身の黒蝶とノワールからの報告に眉間に皺を寄せていた。 侍従もヴィーの令嬢らしからぬ行動に、度肝を抜かれたようだ。 しどろもどろに追加の報告をした。

 「どうやら飛んで移動した様で、大勢の領民がヴィオレッタ様が空を飛んでいる姿を見たと、報告が寄せられています」
ネロは瞳を閉じて、こめかみを抑えた。
 「そう、分かった。 直ぐに行こう。 きっと、瘴気を出す結界石を発見したのだろう。 領民に森に近づかぬように勧告と、森の入り口に警備兵を配置しろ。 この後の謁見は延期だ。 緊急事態だと説明しておけ」
 「承知致しました。 直ぐに取り掛かります」

 主の指示に侍従が急いで執務室を出て行く。 深い溜め息を吐くと、ネロの濃紺の瞳が光り、呟いた。

 「全く、後でお仕置きだよ。 ファラ」

 ネロの背中から黒い煙幕が立ち込め、黒い羽根を描き出す。 執務室の両開きの扉を開けると、バルコニーから飛び出して行った。 背後にいたクロウも魔道具の風呂敷を拡げ、ネロの後に続いた。



――森の周辺は騒然としていた。
 森の入り口には領民の立ち入りを防ぐため、結界が張られ、森の奥からは魔物の咆哮が響いていた。 そして、森の奥にあった結界石の周囲には瘴気が立ち込め、魔物が集まって来ていた。 

 ヴィーは目の前の光景に息を呑んだ。 双剣の短剣を振るい、次々と魔物を切り伏せていくノワールの姿が視界に入った。

 「ヴィオレッタ様! ご無事ですか?」
 「ノワール!!」

 ノワールは素早い動きで魔物を翻弄し、屠っていく。 ジグザグに閃光が光り、剣の道が出来ていた。 ノワールの技に、最後の一匹、熊のような魔物が倒れた。 地響きが鳴り、重量のある物が草地に倒れ、地面を揺らした。 ノワールが振り返り、ヴィーの無事を確認している背後から、木々を薙ぎ倒し、新手の魔物が現れた。

 「ノワール、後ろ!!」

 ノワールから『ちっ』という舌打ちが漏れた。 ヴィーが駆け出し、中央に鎮座している結界石に駆け寄る。 前回と同じように、ネロの黒蝶が浄化された空気の層を創り出して瘴気を阻んだ。 ヴィーが結界石に触れる。

 素早く古代語の詠唱を唱えると、浄化の魔法を発動させた。 膝ぐらいの高さの結界石が光り輝き、浄化されていく。 ヴィーの周囲から浄化の光りが広がって行く。 前回と同じようなパターンに、ヴィーは理解した。 危険な時にしか、浄化の魔法が発動しない事に。

 (まだまだ、精進しないと駄目ね)

 ごっそりと魔力が抜かれたが、今度は倒れなかった事に少しは成長したかなと、独り言ちた。 新手の魔物も浄化されたのか、普通の熊に戻っており、森の奥に駆け出していった後ろ姿が見えた。

 「えっ?! もしかして魔物も浄化されたの?」
駆け寄って来たノワールを見たヴィーの表情が恐怖で固まった。
 「ノ、ノワール、」
ノワールのいつもの無表情の顔に、青筋が出来ていた。
 (うわっ! もの凄く怒ってらっしゃるっ)
 「ヴィオレッタ様、帰りますよ。 殿下がとても心配されています」
 「はいっ」

 青くなったヴィーの背後から草地を踏みしめ、走って来る足音が聞こえた。 このタイミングでここに来る人はあの方しかいないだろうと、ヴィーのこめかみから冷やせが流れた。

 「ファラ、どういう事が説明してもらおか? 何故、1人で行動したのかな?」

 ここに居ないはずの人の声が耳に届き、ヴィーの肩が大きく跳ねた。 そろりと振り返ると、ヴィーの口から情けない声が出た。 ヴィーの視線の先に居たのは、思っていた通りの人だった。

 「ネ、ネロ様っ」
にっこりと笑みを浮かべているが、ネロが怒っているのは、一目瞭然だった。

 (ひえぇえっ! やっぱり、もの凄く怒ってらっしゃるっ!!)



――フォルナ―ラは、数日後に迫っている創造主に捧げる儀式の準備に追われていた。
 フォル―ラは、王との謁見の後、王都にある大聖堂にある信徒たちが住む居住区に引っ越していた。 自身に宛がわれていた部屋のソファーに座り、こんなはずではないと深い溜め息を吐いた。

 『ゲーム』とは違う展開に、地団太をふんだ。 このままでは、ネロと結ばれる事はおろか、生涯、誰とも結婚出来ないのだ。 司祭には、最後のお願いとして、学園だけは卒業したいと頼み込んだ。 浄化の巡業もあるので、そんなには通えないが、残れる許可をもらった。

 「何とかして、ネロと仲良くなるチャンスを掴まなきゃ。 その時に、ネロを浄化すれば『ゲーム』が始まるはずよ。 そうだ、ネロを浄化の巡業に引っ張り込めばいいのよ!」

 一緒に行動を共にすれば、浄化のチャンスが訪れるだろうと踏み、新たなお願いの為に司祭がいる部屋へと急いで向かった。 フォルナ―ラの願いはすんなりと通ったが、王からはヴィーも同行させるようにと言われ、フォルナ―ラの機嫌は更に悪くなった事は言うまでもない。



――王城にある後宮の離宮で、第二夫人にも『神の愛し子』の報告がされていた。
 『神の愛し子』の報告に、第二夫人はニヤリと嗤った。 いつもの様に、離宮のテラスで紅茶を愉しんでいると、1人の人物が第二夫人の元を訪れた。 第二夫人は、訪れた人物の挨拶に鷹揚に返事をすると、本題を切り出した。

 「こちらの手紙を『神の愛し子』様に。 それと陛下に謁見のお願いを」
 「はい、承知致しました」

 手紙を受け取った人物は、茶色の長い髪を揺らし、恭しく礼をした後、第二夫人の部屋を出て行った。
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