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ゾーイ11歳
デート!デート!デート!
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「グリーン家の庭園より劣るが、俺の王宮のバラも見事だろう」
「えぇ、見事ですわね」
目が覚めてから怒涛の一週間が過ぎ、今日は家族曰く『デート』の日だ。
ソフィアに付いてきて欲しいと頼んだのだが、学園生活が忙しいと――ソフィアは12歳になっていて学園生活が始まったばかりだった――断られた。学園生活を満喫しているのはとても素晴らしい事だ。仕方ない。
だったら、ダニエルはどうだ。彼は私と同じ11歳だったので問題ない筈だが、なんとその日彼はうちの兄と共に隣町へ出かけるという。…兄と仲良しだなんて聞いていませんが。
こうなったら最後の砦、リリーだ。
「リリー、明日なのですけど…」
「明日は、ゾーイママたちとお買い物の約束をしているから駄目なの」
リリーも何故かうちの母と姉と仲良くなっている。なんだかおかしい。これは、もしや…
「うちの家族の仕業…」
心当たりならある。心当たりしかない。この一週間で頼みもしていないドレスと、それに似合うアクセサリーが次々と部屋に運び込まれたのだから。勿論、靴もバックも帽子も。うんざりする私を見るに見かねたソフィアが『これ以上は必要ありません。ゾーイは着飾らなくてもそもそも可愛いのですから。十分です』と家族の暴走を止めてくれて、ようやく暴走は半減して私は心底感謝した。私では『遠慮するな』と倍増しただろうから。
それに、彼女は私の家族の扱いのコツが分かって来たと言っていた。なんと頼りになる友人なのだろう!
だけど、このデートに関しては助けてくれる気は端からないみたいで、曰く『行って来たら?色々変わるかもしれないわよ』と。
またしても、私の味方はいなかったのである。
「また、考え事か?」
「あ、いえ、申し訳ございません」
そして今日を迎えた訳だが、なんと体調を気遣ってルイスは車いすを用意してくれていた。そして自らそれを押して下さっている。
―――こんなに親切にしてくださるなんて…まるで別人の様だわ
初めて受ける心配りに私は動揺を隠せなかった。
『君の事は嫌いじゃない』
ルイスの先日の発言を思い出す。
今までは私のワガママの所為で、ジョシュアは毎回命を落としていた。そのせいで、ルイスに疎まれ、憎まれ、嫌われ尽くされてしまう。
―――この人、嫌いじゃない相手にはこんな風に振る舞うのね…
思い切って自分の殻を破って行動して良かったと思った。死ぬ気の決意、というか実際そういうつもりだったのだけど。
―――それにしても、今回何故いつもと違うのかしら・・・ジョシュアは生き残り、婚約は保留なんて今までに無かった事だわ。いいえ、それでもきっと最後の結末は一緒に違いないわね。
私は小さくかぶりを振った。もしかしたら…なんて期待してはいけないのだ。
「着いたぞ」
ガゼボにはアフターヌーンのティーセットが用意されていた。
「…お茶を?私と?二人きりで!?」
「他に誰がいる?嫌なのか?」
「いえ、そういう意味ではありませんわ…」
私と殿下がお茶!?信じられない事が起こっている、二人っきりでお茶なんて今まで一度も無かったのに、と内心動揺しながら、目の前の5段ほどの階段を登る為に車いすから降りようとした。
「・・・・え?」
「医者から『健康ではあるが、まだ日常生活を普通に送れるほどの体力は整っていない』と聞いた」
まさかのお姫様抱っこ。ひょい、とルイスは私を抱き上げたのだ!
「あ、あ、あ、あ、あのっ!」
「転んで、あのフォレスト卿に睨まれるのはごめんだ。しっかり掴まれ」
「わ、私、歩けますわ!そ、それにお、重い…」
「つかまれ、と言っている。二度も言わせるな」
これ以上恥をかかせるなと言う事だ。こうなったら仕方ない。ぎゅ、と首に手を回す。こんなに近づいても良いのかしら。大丈夫なのかしら。
不安になったが目を合わせる事ができず視線を襟元に定める事にした。ふわり、と透明感たっぷりのシルバーアッシュの美しい髪が私の右耳を擽って思わず目を瞑る。それに何だかとってもいい匂いもする。
今までの私が悪役になってまで手に入れたかったひと。が、こんなに近くにいる。
近づこうとすればするほど、離れて行ったひと。今、離れようと決意した時に近寄れるなんて何と皮肉な事なんだろうか。
最初は『この世で一番でないと気が済まないというだけの理由』で婚約者の座を狙おうと動いた。皇太子の顔や性格なんてどうでも良かったのだ。王妃という座が欲しかっただけ…だけど、
聡明ですっきりした顔立ち、奥二重のきりりとした瞳、美しい立ち振る舞いに一瞬で心を奪われた。
私は、好きになってしまったのだ。彼を。
好きで堪らなかったあの日々の事が急に頭の中によみがえって…私は、
『今までの私がずっと叶えたかった事をしている』と、胸が高鳴りながらも、なんだか泣きたい気持ちでいっぱいになった。
―――嫌われずに終われるのだから、良かったじゃないの
そうよ、これ以上は贅沢というものだわ。最後に良い思い出が出来て良かったと思う事にしましょう。
「殿下、良い匂いがしますわね!」
そんな気持ちを誤魔化す為に、私はわざとふざけた口調で言った。
「君こそ。これは何の香水だ?」
くん、と首筋に顔を近づけられたのでびくりと身体が跳ねた。
「ひぇっ!!!ちょ!な、何をなさってっ!?」
「ふ、君は不意打ちに弱いな。ムスクの香りと、これはローズ?フリージア?甘い。」
耳元で囁くように言われた私は声にならない声を上げ、更に腕に力を入れた。ぎゃあ、と叫ばなかった事を褒めて欲しい。何なの?なんなの一体?これは!!!
今までとは全く違うルイスの対応にパニックになった私は、落ち着くまでたっぷりと10分はかかったと思う。いや、それ以上かもしれない。
私が腕の力を少し緩めたのが分かって、くつくつ、とルイスが肩を揺らした。
「・・・・悪趣味ですわ」
「君が先だ。俺のは何の香りか分かったか?」
「シストローズ、タイム、それからレモンも少し入ってますわね」
「さすが、グリーン家の娘。さて、そろそろお茶を淹れても良いか?」
「え、まさか殿下が?」
「俺はいつも自らお茶を淹れる。この宮中の5本の指に入る美味さだ」
知らなかった。というか、意外すぎる。私の前ではいつも無表情で会話も最低限だったから。
「それから、今日のクッキーは俺が焼いた」
「まさか!」
思わずルイスの顔を覗き込む。アイスブルーの瞳の目じりが下がって、食べてみるか?と尋ねられた。
「え、えぇ!」
「それから、」
まだサプライズが?と口を半開きにしながら待っていると、ルイズは顎で向こう側の椅子をさした。
「君の席はあっちだ」
そこで私はようやく、重要な事を思い出す。
「・・・・・・あ、お手間をお掛けした様ですわね、私」
我々は、とうの昔にガゼボに着いていた。私がパニックを起こしてルイスから剥がれなかった為、ルイスは私ごと椅子に座って落ち着くまで待っていたという訳で。つまり、
現在、絶賛『ルイスの膝の上』中なのである。
「このままでもいいぞ。茶は使用人に淹れさせて…」
ぎゅう、と腰に回された腕に力を入れられた。
「!!!!こ、これ以上はご勘弁くださいませ!」
これ以上の刺激は容量オーバーだ。続けたら倒れてしまう。私はルイスの手を離れふらふらになりながら自分の椅子へと移動して、そこでようやく自分を取り戻した。
そして私は陛下の驚くほど美味しい紅茶と、まぁまぁな味のクッキーを満喫して王宮を後にした。
「今日の事は一生の思い出ですわ。大切にします」
帰りの馬車の中でルイスへ感謝の気持ちを言葉にした。
「大げさだな、またいつでも用意してやる」
ルイスの言葉に、曖昧に笑って返事を誤魔化した。
この一回でもう十分だ、最後に良い思い出となった、とは言えないから。
それにこれ以上は未練が残ってしまいそうな予感がする―――…
―――『行って来たら?色々変わるかもしれないわよ』
あぁ、ソフィア、私、色々変わってしまいそうで怖いわ。
そうならない様に、この感情が育たない様に、私はこれに蓋をする事を決めた。
「えぇ、見事ですわね」
目が覚めてから怒涛の一週間が過ぎ、今日は家族曰く『デート』の日だ。
ソフィアに付いてきて欲しいと頼んだのだが、学園生活が忙しいと――ソフィアは12歳になっていて学園生活が始まったばかりだった――断られた。学園生活を満喫しているのはとても素晴らしい事だ。仕方ない。
だったら、ダニエルはどうだ。彼は私と同じ11歳だったので問題ない筈だが、なんとその日彼はうちの兄と共に隣町へ出かけるという。…兄と仲良しだなんて聞いていませんが。
こうなったら最後の砦、リリーだ。
「リリー、明日なのですけど…」
「明日は、ゾーイママたちとお買い物の約束をしているから駄目なの」
リリーも何故かうちの母と姉と仲良くなっている。なんだかおかしい。これは、もしや…
「うちの家族の仕業…」
心当たりならある。心当たりしかない。この一週間で頼みもしていないドレスと、それに似合うアクセサリーが次々と部屋に運び込まれたのだから。勿論、靴もバックも帽子も。うんざりする私を見るに見かねたソフィアが『これ以上は必要ありません。ゾーイは着飾らなくてもそもそも可愛いのですから。十分です』と家族の暴走を止めてくれて、ようやく暴走は半減して私は心底感謝した。私では『遠慮するな』と倍増しただろうから。
それに、彼女は私の家族の扱いのコツが分かって来たと言っていた。なんと頼りになる友人なのだろう!
だけど、このデートに関しては助けてくれる気は端からないみたいで、曰く『行って来たら?色々変わるかもしれないわよ』と。
またしても、私の味方はいなかったのである。
「また、考え事か?」
「あ、いえ、申し訳ございません」
そして今日を迎えた訳だが、なんと体調を気遣ってルイスは車いすを用意してくれていた。そして自らそれを押して下さっている。
―――こんなに親切にしてくださるなんて…まるで別人の様だわ
初めて受ける心配りに私は動揺を隠せなかった。
『君の事は嫌いじゃない』
ルイスの先日の発言を思い出す。
今までは私のワガママの所為で、ジョシュアは毎回命を落としていた。そのせいで、ルイスに疎まれ、憎まれ、嫌われ尽くされてしまう。
―――この人、嫌いじゃない相手にはこんな風に振る舞うのね…
思い切って自分の殻を破って行動して良かったと思った。死ぬ気の決意、というか実際そういうつもりだったのだけど。
―――それにしても、今回何故いつもと違うのかしら・・・ジョシュアは生き残り、婚約は保留なんて今までに無かった事だわ。いいえ、それでもきっと最後の結末は一緒に違いないわね。
私は小さくかぶりを振った。もしかしたら…なんて期待してはいけないのだ。
「着いたぞ」
ガゼボにはアフターヌーンのティーセットが用意されていた。
「…お茶を?私と?二人きりで!?」
「他に誰がいる?嫌なのか?」
「いえ、そういう意味ではありませんわ…」
私と殿下がお茶!?信じられない事が起こっている、二人っきりでお茶なんて今まで一度も無かったのに、と内心動揺しながら、目の前の5段ほどの階段を登る為に車いすから降りようとした。
「・・・・え?」
「医者から『健康ではあるが、まだ日常生活を普通に送れるほどの体力は整っていない』と聞いた」
まさかのお姫様抱っこ。ひょい、とルイスは私を抱き上げたのだ!
「あ、あ、あ、あ、あのっ!」
「転んで、あのフォレスト卿に睨まれるのはごめんだ。しっかり掴まれ」
「わ、私、歩けますわ!そ、それにお、重い…」
「つかまれ、と言っている。二度も言わせるな」
これ以上恥をかかせるなと言う事だ。こうなったら仕方ない。ぎゅ、と首に手を回す。こんなに近づいても良いのかしら。大丈夫なのかしら。
不安になったが目を合わせる事ができず視線を襟元に定める事にした。ふわり、と透明感たっぷりのシルバーアッシュの美しい髪が私の右耳を擽って思わず目を瞑る。それに何だかとってもいい匂いもする。
今までの私が悪役になってまで手に入れたかったひと。が、こんなに近くにいる。
近づこうとすればするほど、離れて行ったひと。今、離れようと決意した時に近寄れるなんて何と皮肉な事なんだろうか。
最初は『この世で一番でないと気が済まないというだけの理由』で婚約者の座を狙おうと動いた。皇太子の顔や性格なんてどうでも良かったのだ。王妃という座が欲しかっただけ…だけど、
聡明ですっきりした顔立ち、奥二重のきりりとした瞳、美しい立ち振る舞いに一瞬で心を奪われた。
私は、好きになってしまったのだ。彼を。
好きで堪らなかったあの日々の事が急に頭の中によみがえって…私は、
『今までの私がずっと叶えたかった事をしている』と、胸が高鳴りながらも、なんだか泣きたい気持ちでいっぱいになった。
―――嫌われずに終われるのだから、良かったじゃないの
そうよ、これ以上は贅沢というものだわ。最後に良い思い出が出来て良かったと思う事にしましょう。
「殿下、良い匂いがしますわね!」
そんな気持ちを誤魔化す為に、私はわざとふざけた口調で言った。
「君こそ。これは何の香水だ?」
くん、と首筋に顔を近づけられたのでびくりと身体が跳ねた。
「ひぇっ!!!ちょ!な、何をなさってっ!?」
「ふ、君は不意打ちに弱いな。ムスクの香りと、これはローズ?フリージア?甘い。」
耳元で囁くように言われた私は声にならない声を上げ、更に腕に力を入れた。ぎゃあ、と叫ばなかった事を褒めて欲しい。何なの?なんなの一体?これは!!!
今までとは全く違うルイスの対応にパニックになった私は、落ち着くまでたっぷりと10分はかかったと思う。いや、それ以上かもしれない。
私が腕の力を少し緩めたのが分かって、くつくつ、とルイスが肩を揺らした。
「・・・・悪趣味ですわ」
「君が先だ。俺のは何の香りか分かったか?」
「シストローズ、タイム、それからレモンも少し入ってますわね」
「さすが、グリーン家の娘。さて、そろそろお茶を淹れても良いか?」
「え、まさか殿下が?」
「俺はいつも自らお茶を淹れる。この宮中の5本の指に入る美味さだ」
知らなかった。というか、意外すぎる。私の前ではいつも無表情で会話も最低限だったから。
「それから、今日のクッキーは俺が焼いた」
「まさか!」
思わずルイスの顔を覗き込む。アイスブルーの瞳の目じりが下がって、食べてみるか?と尋ねられた。
「え、えぇ!」
「それから、」
まだサプライズが?と口を半開きにしながら待っていると、ルイズは顎で向こう側の椅子をさした。
「君の席はあっちだ」
そこで私はようやく、重要な事を思い出す。
「・・・・・・あ、お手間をお掛けした様ですわね、私」
我々は、とうの昔にガゼボに着いていた。私がパニックを起こしてルイスから剥がれなかった為、ルイスは私ごと椅子に座って落ち着くまで待っていたという訳で。つまり、
現在、絶賛『ルイスの膝の上』中なのである。
「このままでもいいぞ。茶は使用人に淹れさせて…」
ぎゅう、と腰に回された腕に力を入れられた。
「!!!!こ、これ以上はご勘弁くださいませ!」
これ以上の刺激は容量オーバーだ。続けたら倒れてしまう。私はルイスの手を離れふらふらになりながら自分の椅子へと移動して、そこでようやく自分を取り戻した。
そして私は陛下の驚くほど美味しい紅茶と、まぁまぁな味のクッキーを満喫して王宮を後にした。
「今日の事は一生の思い出ですわ。大切にします」
帰りの馬車の中でルイスへ感謝の気持ちを言葉にした。
「大げさだな、またいつでも用意してやる」
ルイスの言葉に、曖昧に笑って返事を誤魔化した。
この一回でもう十分だ、最後に良い思い出となった、とは言えないから。
それにこれ以上は未練が残ってしまいそうな予感がする―――…
―――『行って来たら?色々変わるかもしれないわよ』
あぁ、ソフィア、私、色々変わってしまいそうで怖いわ。
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