この恋、腐れ縁でした。

氷室ユリ

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第五章 扉の先で待ち受けるものは

  刃物の扱い方(2)

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 若干雨に濡れて冷えてしまった体を、早めの夕食で温める。

「新堂さん、風邪引かないでね?」不安になってこんな言葉をかけるが、「そっくりおまえに返すよ」と即座に返されてしまった。
「そうだ、ビタミンを摂ろう!風邪予防に」言い分をスルーして提案する。
 夕食後のデザートに最適な物を思い出して、グレープフルーツの皮を剝き始める。

「それはいい。ユイにこそ必要だな」
 私を見て笑いながら、彼がキッチンカウンターにやって来る。
 横から眺める彼に言う。「もうちょっと待っててね……もうすぐできるから」

「いつも思ってたが、おまえって不器用そうで、なぜか刃物の扱いだけは別格だよな」
「何それ。きゃっ、危なかったぁ~……変な事言うから手元狂ったじゃない!」
 調子良く動かしすぎて、刃先がいつの間にか自分の方に向いていた。
 危うく手に当たるところだった。

「おい、気をつけろよ?まあ、俺から見れば危なっかしい事がほとんどだが。あり得ない事するだろ?時々!」派手に指を切った事もあったな、と続けられる。
 ここはとぼけておこう。「何の事ですかぁ~?」
「ミサコさんは手先も器用で料理上手だったな。何で似なかったんだろうな?」
 相変わらずムッとする事を平気で言う!

 幼い頃から、母には散々不器用だと罵られていた。そりゃあの人に比べたら誰だって不器用になる。母は究極に手先が器用だから。
「え~え~。どうせ私は父親似で野蛮です!」私だって、母の繊細さを受け継ぎたかったと心から思っている。
「そんなに怒るなよ。おかしいな、俺は最初、おまえの刃物の扱いを褒めてたんだが」
 いつの間にか話題が冷やかしに変わったという事だろう。そんな事は良くある。

 彼の言い分を無視して手元に集中する。彼がその手元を再び眺め始めた。
「それにしてもその薄皮の剥離、そそる様な手捌きだな……」
「ちょっと?また変な事言わないで!イヤらしいっ、そそるだなんて」
 それにしても剥離という表現は合っているのか?

「ユイは案外、外科医に向いてるかもな。度胸もあるし?」
「ええ。躊躇いなく切れると思うわ。でも、縫い合わせるのは苦手よ?」
「今は一針一針縫わなくてもいいんだ」
「テープ貼ったり、ホチキスみたいなので留めたりするんでしょ?」
「ああ。俺はオーソドックスな手法を使うがね」
「新堂さん器用だもんね~。今度お裁縫、やってもらおうかしら」

 こんな事を言った後に母の顔が浮かんだ。先生にそんな事をさせるなんて?間違いなく怒られる!「冗談、冗談よ?」
「別にやってもいいが」
「冗談だったら!センセイはそんな事しなくていいです、私が頑張ってやるから!」

 不思議そうな顔の彼を無視して、剝き終えたグレープフルーツを盛り付けてダイニングに運ぶ。

「さ、食べましょ!」
「今日はお疲れ様」
「私的にはイマイチ納得行かないけどね」それは、敵は弱かったのにケガ人が出てしまった事だ。
「タイミングが悪かっただけだ。ユイは十分すぎるくらい貢献したよ」

「それはあなたの方よ……」自分だけでは不十分だった。実際救ったのは彼だ。
 急に元気を失くした私に、彼が心配そうな顔になる。「どうした?」
「いいえ。何でも!ねえ新堂さん、たまには一緒にお風呂入ろうよ」
「ああいいよ。喜んで」

 断られなくてほっとした。
 一年前のあの日に断られて以来、誘っていなかった。断っておきながらも結局あの日一緒に入った訳だが、痩せてしまった彼の体やあちこちにできたアザが、見ていられなかった。それでも一緒に入ってくれたのは、彼の優しさ故だ。


 こんな事を思い出しながら、久々に二人で湯に浸かった。

「気持ちいいね~」
「なあユイ。さっき、途中で口籠もったろ。何を考えてた?」
「さっきって?」
「もしや、夕方のあれで、どこか痛めたのか?」
「違う違う!そうじゃないの。ホントに何でもないってば」

 先ほどの事はもういい。それを上回る不安が、今私を雁字搦めにしているから。

 今目の前にいる彼の体にアザは一つもない。がっちりタイプではないけれど、それほど痩せてもいない。
 向き合ってお互いの足を伸ばす。彼の長い足は、残念ながらやや折れているが。
 その体勢のまま、両手を伸ばして湯の中で繋ぐ。

 ふと聞いてみたくなった。

「ねえ?新堂さん、今エッチしたい?」
「やけに唐突だな。何を見て思うんだ?」
「っ!イヤだ!何も見てないから!」全く何て事を!思わず目がそっちの方に行ってしまったではないか?
 けれど不思議なのだ。普通はハダカで向き合う男女が考える事はそういう事だ。でも私達にはそんな感情はほぼない。特に彼には……?

「……そういう不満があったなら、言ってくれよ」
「不満なんてない。そりゃ私だって無性にしたくなる事も、ない事もないけど……。少なくとも今の私達に、そういう感情はゼロじゃない?」
「ゼロ、かどうかは、はっきり言えないが」

「え?」予想外のコメントだ。
「当たり前だろ。こんなに魅力的な裸体を目の前にして、男ならば誰だってそうだ」
 こんな言葉に驚きを隠せない。本心であるならば。そういう意味で沈黙していたのだが、彼は別の意味で取ったらしい。

「おいっ!だからって、イヤらしい目で見てるって意味じゃないからな?」慌てて補足してくる彼がおかしかった。
「分かってる。ありがと」

 彼はきっと、私に気を遣ってくれたのだ。新堂さんにあまり性欲がないのは知っている。それは前に打ち明けてくれた遺伝子異常のせいだろう。
 もちろんそれを責めるつもりはない。むしろ私にはその方がいい。私もあまり好んではいないから。

「もしかして、心配だったんじゃないのか」不意に彼が聞いてきた。
「何がよ」
「俺がおまえを、患者としてしか見てない、とか?」
 そんな事で言い合いした事もあったか。もちろん今はそんな心配はしていない。

 けれど答えずにこんな事を言ってみる。「実際、患者として見てたりするでしょ」
「するよ」
「ほ~ら、やっぱり!エッチしたくなるはずないわよね」
「ただしユイに限っては、ただの患者ではないが。だから何でもアリだ」そう言って、彼が私の胸の先端を摘まんだ。
「きゃっ!いきなり反則よ?くすぐった~い!お返しっ!」

 こうしてふざけ合いながら、楽しいひと時を過ごした。


 入浴を終えた新堂さんは、冷蔵庫からスポーツ飲料を取り出して飲み干す。

「涼しくなったお陰で、久々に長湯をした」
「ええ……」涼しくなった、の部分にビクリとしてしまう。
「おまえも水分補給しろ。……何だ、やっぱり元気ないじゃないか」心配げに顔を覗かれる。「湯当たりでもしたか。ほら飲め、脱水じゃないのか?」
「ありがと、大丈夫よ、そういうんじゃないから」受け取って飲み干す。

 コップをシンクに置くと、堪らずに目の前の彼に抱きつく。
 やっぱりダメだ。この不安は、どうすれば消えてくれるのだろう?

「ユイ?どうしたんだ、さっきから変だぞ?」抱きついた私の体を離して、再び顔を覗き込まれる。
「……ごめんねっ、突然」
「さあ、座ろう」

 彼に手を引かれてソファに腰を降ろす。

「ちゃんと話してくれるか?」
 優しい眼差しに見つめられて、私は口を開いた。「……新堂さん、元気だよね?」
「ああ。そう見えないか?」
 首を左右に振って否定の意を伝える。
「ほら、急に涼しくなったでしょ。何だか去年の事、思い出しちゃって……怖いの」
「何が怖い?」

「新堂さんが、また……」彼を見つめて言葉に詰まる。
「また急に病気になるかもって?」
 彼を見ていられず、下を向いてしまった。そんな私を安心させるように、彼は私の顔に両手を当てて視線を自分に戻させる。

「良く見ろ。おまえのお陰で、俺は今こんなに元気だ。むしろ俺はユイの体調の方が心配だよ」先日ダウンしたのはおまえだからな、と少し笑って続ける。
「そうだけど……」
「そんなに不安なら、証明しようか」彼が悪戯っぽく微笑んだ。

「おまえを押し倒して、思うままに……」そう言って、本当に私をソファに押し倒す。
「うふふっ、新堂さんったら、何する気?」
 見つめ合った後、彼は私の唇を奪った。

 着衣のまま、しばしこんな事をして軽く戯れた後、私達は座り直す。

「私も、心配性なのかも」
「気持ちは良く分かるが。おまえでも、そういうトラウマ的なものを感じるんだな!」
 感心したように言う彼に、ついムッとしてしまう。
「何よ。私はそんなもの感じないって思ってた?」

 彼は首を横に振って否定する。
「分かるだろ?どれだけ俺が、おまえを心配してきたか」
「……うん。良く分かる」私よりも、もっともっと彼は不安を抱えてきたはずだ。
「無茶ばかりのおまえを、どうやってここに留まらせるか……。どれだけ考えたか分からない」
「ゴメン……」

「別に責めてない。安心しろ、もうあんな事にはならない。俺は大丈夫だから」
「……うん」この言葉を全面的に信じる事はできない。
 人はいつどうなるか分からないのだから。でもそれは私にだって言えるのだ。
 そう考えたのはどうやら、自分だけではなかったようだ。
「ユイの方こそ、無茶な事はしないでくれよ?」彼がこう言ってきたから。

 ここでふと思う。「それ、今日の事も含まれる?」
「あの程度は、許容範囲かな」
「なら良かった!」私は笑顔で言った。

「あ~、全部話したらすっきりした!」
「俺も聞けて良かった。朝霧ユイもトラウマを感じるんだと分かったから」
「まだ言ってるっ!ムカつくんですけど?」今度はあからさまに不満をぶつける。
「いいだろ?それくらいあっても。強いばかりでは可愛げもない」
 どこか拗ねたようにこんな事を言う、あなたこそ可愛いではないか?

 両腕を上げて背伸びした私の背中に、彼が手を当ててきた。
 何やら探っているようだ。
「何?失言のお詫びにマッサージでもしてくれてる?」
「いや。さっき浴室でユイの体を見ててな……ちょっと思った事が」

「あ~っ、何だかんだ言って、やっぱりエッチな事考えてたのね?」
「エッチな話じゃない!」勢い良く否定する彼に「じゃあ何よ」と即返す。
「相変わらず見事な背筋だな、と思っただけだ」彼が私の背中から手を離した。
「何だ、筋肉の話。そうかなぁ~?最近、筋トレサボってるから、衰える一方よ」
「いやいや。三十代の一般女性がこんな背中をしているものか!」

 体を捻って背中を見る仕草をしてみる。もちろん見えるはずがないけれど。

「ちょっと待って。って事は新堂さん、女性の背中いっぱい見てるって事よね?」
 メラメラとジェラシーが湧き上がる。
「おいおい!そんなところで突っかかるなよ。俺は医者だぞ?見る機会は多々……」
「多々ぁ~?そんなに若い女性の依頼ばっか受けてる訳!」若い子がいっぱいいる会社の健康診断にでも目を付けたとか?

 私の怒りとは裏腹に、新堂さんが何やら嬉しそうだ。

「何?怒られてるのに楽しそうじゃない。そういう趣味あったの?」
「やめてくれ、断じて違う。ユイがヤキモチを妬いてくれてる事が嬉しくてね」
「……っ!」言葉を失った。
 だって彼の笑顔があまりに魅力的だったから。それは少女漫画に出てくるキラキラの王子様のように!

 やはり彼は変わった。どうした事か!天変地異の前触れか?

「話が反れた。だからつまり、今日みたいなあんな動きができるのは、そういう背筋を保持しているからなんだなと、そう思ったって話だ」
「今日って?あんなの腕を回す体操をしただけじゃない」グルグルと腕を回して再現して見せる。
「体操ね……!言ってくれるよ。絶対にユイを敵に回さないようにしないとな」

「大丈夫よ。そうなっても、新堂さんだけはトクベツに可愛がってあげるから!」
「逆に恐ろしいな」

 私達は大いに笑ったのだった。


 数日後の朝、リビングから彼の声がして行ってみると、新堂さんが珍しくテレビを観ている。

「何かやってるの?」
「見てみろ。彼女、先日の警官だろ」
「ああ。ホントだ」

 例のケガを負った女性警官がローカル番組に登場していた。

『あの時、彼女達が現れなければ、私は間違いなく右手の指を何本か失っていました』
 手にはまだ包帯が巻かれている。
『この番組をご覧になっていたら、是非、名乗り出てください!お二人に、どうしてもお礼が言いたいんです』

 私の様子を窺っている彼をよそに、私はテレビを消した。

「おい、いいのか?名乗り出てやったらいいじゃないか」
「他人事みたいに言うけど、あなただって。行きたいならお一人でどうぞ!私は止めないわよ」
「俺は別に何もしてない」
「私だって」

 厄介事に巻き込まれるのはゴメンだ。残念だが警察関係の人間には関われない。

「どうしても会いたければ向こうから探すでしょ。何せ警察なんだから?」
「探されるのは困るけどな」
「あそこで私、あなたの名前呼んじゃったから。それが聞こえてたら、ここが突き止められるのは時間の問題かもね」
「ユイ!」

「ごめんなさい!つい、口が滑っちゃったのよ」
「バレたらおまえのせいだぞ?」
「お言葉ですけど、あなただって自分から外科医って名乗ってたじゃない。あれはどうなのよ?」

 彼が固まった。「口が、滑ったな……」
「これでお相子ね!」
「新堂なんて苗字、他にもいるだろ。それに俺が医者だって役所の連中は知らないはずだし」
「どうかしらね。まあ、いいじゃない、バレても」

 何も悪い事はしてないし、と思った後に後ろめたい事がどんどん浮かんでくる。

「どうしよう……!」
「だから言ったんだ、首を突っ込むなって」
「だってぇ」
「まあ。何を言ってもおまえはああしただろうけどな。俺も今さら反対もしないさ」

 不安そうな私の肩に手を置いて言う。「大丈夫だよ。何も心配する事はない。何しろ相手は……」これに私が続ける。「新米警官だから?」
「おまえなら上手く言いくるめられる」
「言ったわね?それよりも、あなたの魅力で彼女を言いなりにしたら!」
「いいのか?俺がそんな事しても」

「あっ、ダメ……良くない!やっぱり私が言いくるめる!」
 今のこの人は予想もつかない事を言い出す。あんな素敵な笑顔を向けられたら、相手が本気になってしまうかもしれないじゃないか?

 新堂さんは、私だけのもの!ここへ来てどんどん魅力的になって行く彼を前に、心の中だけでそう宣言した。


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