この恋、腐れ縁でした。

氷室ユリ

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第四章 不屈の精神を養え

  訪れた試練(4)

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 移植当日の朝。私はすでに手術台を前にしている。

「体調も取りあえずは申し分ない。自己血も十分ではないが確保した。何とか行けるだろう」
 手術着姿の貴島さんにこう言われて、「ええ。覚悟はできてる」と返す。
「朝霧、もちろん最善を尽くすが、万が一……」ここで言葉を濁された。

 満足な状態とはとても言い難く、万全の体制で行えない事に医師としては納得が行かないだろう。でもその事を気に病んでほしくない。
 むしろそんな状況で引き受けてくれた事に、心から感謝している。
「私の方は心配しないで。貴島先生、よろしくお願いします」

 私のはっきりとした口調に、貴島さんが頷いてくれた。

「それじゃ、始めるぞ。この注射はちょっと痛いかもしれない」
「え……。あのさ、そういう事一々言わないでくれる?」決意が鈍るではないか!
「何だよ、わざわざ説明してやったのに!」
 先ほどまでの緊張感はどこへやらで、どこか楽しげな貴島さん。

 ブツブツ言いながら台に横たわると、上腕に注射器が向けられた。その針がいつもよりも太く見えるのは気のせいだろうか……?
 恐怖のあまり身を竦める。「ちょっと待ってっ!それ、何だか太くない?!」

「だから言ったろ、痛いかもしれないって。何だ、ならやめるか!こんな事で?」
「もう、意地悪っ!」注射は眠ってからだと思っていたのに、これは想定外だ!
「お~お~!もっとイジメてやるよ、ほらっ」この言葉の直後に、針は上腕筋に突き刺さった。
「っ!痛ぁ~い……もう、サイアクっ」筋肉への注射はとにかく痛いものだ。

 これは麻酔を効きやすくするための導入剤との事だったが、この段階であっという間に朦朧とし始めた。

「じゃあ麻酔かけるぞ。それから挿管して尿カテも入れるからな」
「……はぁ、何、ソウカンって。……ニョウカテ?」そういう説明はもっと早くしてくれないと困る。朦朧とした頭では処理が追い付かない。
「なぁに大丈夫だ、お前は何も感じない。じゃ、お休み!」
 どこまでもおどけ続ける執刀医に、言い返したいのに口が動かせない。

 けれど最後に聞こえた声は違った。
「頑張れよ、朝霧……。お前に頑張ってもらうしかないんだからな?」


 目が覚めたのは日が傾きかけてきた頃だった。

「ユイ、具合どう?」
 いつでも明るいまなみの声がして、ぼんやりと目を開く。
「まなみ?……学校は?」
「さっき帰って来たのよ。大丈夫そう?」私を覗き込んで聞いてくる。
 例え辛くても、本音を言うのは気が引けるほどに無邪気な瞳だ。
「ええ……大丈夫。新堂さんの方、どうなったか知ってる?」

 今は自分の事より彼の事だ。何か情報を知りたい。
 けれど期待は外れた。「私が帰ってから、まだソウ先生見てないよ」
「そう、ありがとう。何か分かったら教えて」
 そう言ってまなみを解放した。

 しばらくして貴島さんが現れた。

「朝霧、起きたか。痛みや吐き気は?」
「少し気分悪いわ。何だか半身麻痺に戻ったみたい……体が重く感じる」
 そう訴えると、足元の布団が捲られて、露わになった足を擦られた。

「分かるか?」
「くすぐったい!」
「これは?」
「痛っ!今何か刺したでしょ!」当分注射の類は勘弁してほしい。
「問題ないな」体勢を起こして私に笑顔を向ける。
「もっと優しくしてよね……」ぐったりしながらも文句は言う。

 そんな私に、今度は声高に笑った。「ははは!至って正常だな。だるいのは骨髄液を抜いたせいだ。自己血の輸血が済めば良くなるよ」
 すでにそれは開始済み。先日採取した血液が、今戻されているところだ。
 一度それに目を向けてすぐに貴島さんに視線を戻す。
 新堂さんの事がどうしても気になる。「ねえ、新堂さんに、私の骨髄、無事に入れられたんでしょ?」
「心配するな。今のところ全て順調だ。じゃあ、また見に来るから」

 いつもと同じ調子でサラリと言い放つと、そのまま出て行った。


 その夜。気がつくと貴島さんがこんな事を言っている。
「朝霧。呼吸、苦しかったな。今酸素を入れてる。やっぱり血液が足りてないんだ」
 いつの間にか私の体は配線だらけで、モニターに体温三十七、八度と出ている。
「これ以上、上がってくれるなよな……」貴島さんが呟く。

「ねえ。新堂さんはどうした?」

 一瞬の間の後、「なあ……お前ら、お互い相手の事しか聞かないのな!」と呆れたように言われた。どうやら彼も私の心配をしているようだ。
 それでも貴島さんを見続けていると、ようやく答えてくれた。
「少し発熱しているが、意識はしっかりしてるよ」
「熱……?私の骨髄、拒絶されてるの?」不安で堪らなくなる。

「まあ落ち着けって。まだそうと決まった訳じゃない、良くある事だ。しっかし!二人揃って同じ症状を同時に出しやがって」どこまで仲がいいんだ?と冷やかされる。
「ごめんなさい、私まで迷惑かけて……。二人を同時に見るなんて大変よね」
「そんな事ない。ここには優秀な助手がいるからな」
 貴島さんが振り向いた先には……。

「そうよ~!このまなみサマに、ま~っかせなさい!」彼女のパワーは果てしない。重病人も元気を貰えそうだ。
「じゃあまなみ、お前に朝霧の看護役を任命する」
 厳かに言い渡され、まなみはかしこまる。「了解しました!」

「ちょっと……まなみに徹夜させる気?」
「まあ、場合によっては。明日は土曜だし、いいだろ?まなみ」
 問題な~い!と手を振るまなみだが、私としては複雑だ。「そんな……ダメよ!」
「つべこべ言わない!患者さんは大人しく寝てなさい!」まなみが透かさず口を挟む。
 相変わらずの辛口で!

「そういう事。とにかくお前は、熱を下げる事に専念しろ」
「それってどうやるのよ……?」
 当然返事はもらえず、ただ意地悪そうな笑みを浮かべて見下ろされる。
 そしてまなみに二、三指示をして部屋を出て行った。

 二人きりになる。もう大分遅い時間のはずだ。

「ごめんね、まなみ。眠くなったら寝ちゃっていいからね」
「ユイ、痛いところがあったら、ちゃんと言うのよ?」
「うん。ありがと」可愛らしいナースに笑顔で答えた。


 朝方目を覚ますと、ベッドに突っ伏してまなみが眠っていた。申し訳なく思いながら、しばし見つめる。
 モニターに目をやると、体温は平熱に戻っていた。自分の額にも手を当ててみる。
「どうやら下がったみたいね……」
 それならばと体を起こそうとするも、腰の痛みとだるさで起きられず。

 ベッドでモゾモゾしていたら、まなみが目を覚ました。

「ふぁあ~……。良く寝た!……あれ?ここどこ」辺りを見回している。
「ふふっ!おはよう、まなみ」
「ユイ?……あっ、私寝てた?いっけない、ソウ先生に叱られちゃう~!」
 おろおろするまなみに言った。「まなみが寝てた?何も知らないけど。だって私、今起きたんだから」
「ああん、ユイ!さすが私のお師匠さんっ!」

 まなみが抱きついてきて言う。「熱、下がったみたいね。良かった良かった!」
「あなたの看病のお陰よ」
 こんな言葉に照れながら笑うまなみが可愛かった。

 そこへ貴島さんがやって来た。「おはよう。見たところ元気そうだな」
「ええ、何とか。熱も下がったみたい」

 モニターの数値を確認後、一通り診察を受ける。体を横向きにされて骨髄採取をした箇所も確認される。

「まだ若干出血してるな。当分仰向けで寝てろよ。いいか、間違っても暴れるな?」
「暴れないわよ!動物かっ?ワタシは!で、どのくらい?」そんなに信用できないなら縛ってくれ!どうせだるくて動く気にもなれないのだし?
「状況によるが、三、四日ってとこだろう。鎮痛剤は必要か?」
「大丈夫ですっ」針は刺さないでください!と目で訴える。

「これを期に、注射嫌いが改善される事を期待したが。無理のようだぞ、新堂!」
 こんな事を言いながら貴島さんは出て行った。

 少ししてまなみが朝食を運んできてくれた。

「は~い。お食事ですよ~。食べないと点滴だからね?ユイ!」
「分かってます……」
 ベッドを少し上げてもらい上体を起こすと、頭がフラフラした。……気持ち悪い。
 まなみの目が、早く食べろと急かしている。
「ゆっくり食べるから、行ってて」
 完食するのよ?と言い放って、まなみが出て行く。

「ああ……新堂さんの気持ちが少し分かるわ!」

 空腹のせいで胃がムカムカしているのかもしれないと前向きに考えて、無理に掻き込んでほぼ食べ終えた。
「片付けくらいは自分でしないとね……」
 そう思って、ベッドから両足を出して床につけた。ところが、どういう訳か足に力が入らない。
「何?何で?」不安になる。

 感覚は確かにあるのだが、下半身が言う事を聞かない。無理に立ち上がろうとしてそのまま倒れてしまった。

「ちょっとユイ?どうしたの、凄い音したけど。大丈夫?」
 音に気づいて、まなみが部屋に駆け込む。続いて貴島さんもやって来る。
「朝霧、何を騒いでる?」
「先生、大変!ユイ、ベッドから落ちた!」
「暴れるなって言っただろ?まだ寝てろって。貧血が酷いんだから」

 倒れ込んだままの私に手を差し伸べる。貧血でフラついたと思っているようだ。

「どうして?」これは自分自身に言ったも同然だ。
 話の見えない貴島さんが首を傾げている。
「立てない……!」
 二人で私の足を見つめ、しばし黙り込む。
 貴島さんは私を抱き起こしてベッドに戻してくれた。

「この間、感覚はあるって言ったよな?」再度私の足に触れて言う。
「あるわ。ちゃんと感じるもの。一体どういう事?まさか失敗したとか……」
「ふざけるな、俺の処置は完璧だった!脊髄採取後に麻痺なんて聞いた事ない」
「じゃあ、どうして!」

 少し考えた後に呟く。「恐らく精神的なものだろう。例えば暗示、とか……」
「暗示……」嫌な言葉だ。またこの言葉を聞く事になるとは!
「背部の痛みへの恐怖が過去の記憶と重なり、体が思い込んでしまっているのかも」
「下半身が麻痺してるって?」

 難しい顔で見下ろされて、思わず縋り付いてしまう。「どうしたらいいの!」
「しばらく様子を見るしかない。済まんが、俺では対処法が分からんよ」
「そんな……困るわ、こんなのっ!」
「で、痛みは?」
「腰痛は持病みたいなものだから。でも強い痛みはない。痛くないのに暗示にかかってるって言うの?」

「分からん。単なる憶測だ」
「何て事!まさかこんな事になるなんて」
「新堂に聞いてみよう」そう言って背を向ける貴島さんに「待って!……彼には、まだ内緒にしてくれない?」と懇願する。

 貴島さんが不思議そうに私を振り返る。
「前にも似たような事あったんだろ?新堂なら対処法が分かるはずだ」
「ダメ!そんなのダメよ。彼は今、大変な時期なのよ?私の事で邪魔したくない」
「しかしなぁ……」

 まなみが車椅子を押しながら戻って来た。「これ使うのよ、ユイ!」

「おお、その手があったな」
「それはイヤ!」
「我がままを言うな。それじゃ何か、俺に背負えとでも?勘弁してくれ!」
 何も言い返せない。これを見ると嫌でも思い出してしまう。夢も希望も持てない抜け殻同然の日々を!
 だがこんなのは、ただ自分がもう二度とお近づきになりたくないと思っているだけの、単なる我がままだ。

「ねえ、ユイ」まなみが私の前に車椅子を持ってくる。
「だって……そんなのに乗ってたら、新堂さんが怪しがる……」
 何とか言い訳を探して対抗してみる。
「平気さ。実際貧血でまだ立てないだろ。ドナーが貧血を訴えるのは良くある事だ」
 私が酷い貧血状態になる事など、ドクター新堂ならば予想しているはずだと続ける。

 自分との葛藤の末、彼に会いたい一心で、私はそれを使う事を受け入れた。


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