60 / 82
第肆話──壺
【拾陸】大掃除
しおりを挟む
「ぎやぁあああああ!!」
だが、結界内に響いたのは、女の悲鳴だけだった。
反射的に伏せた顔をゆっくりと上げる。……ハルアキの両手と言わず、白いシャツも、紺のニッカポッカも、全身が赤く濡れていた――だが、痛みはない。
不思議に思って顔を上げると、零と目が合った。
彼はニヤリと微笑んでいた。
「この刀は便利ですね。斬りたいと思うものだけ斬れるとは。あなたが留置場の扉を壊した時に、まさかと思いましたけど、いやあ、大したものです」
……要するに、刃はハルアキを通過して、背後の大吉だけを斬ったのである。
つまりは、零が天一貴人を完全に操っている、という事だ。
甚だ信じられない状況である。式神がハルアキの操作下から離れ、零の指図に従っている。
特異体質なのか、或いは「器」となる事に慣れているのか……。
呆然とするハルアキの後ろで、脳天から真っ二つに叩き割られたホムンクルスの残骸が、徐々に形を取り戻していく。先程と比べ、回復速度が格段に遅くなっている。何とか零から逃れようと、不完全な姿のまま床を這う。
そこへ再び斬撃を叩き落とした零は、チラリとハルアキに目を向ける。
「あなたも手伝ってくださいよ」
「……何を?」
「分かりませんか? 掃除です」
「掃除、じゃと?」
「拭き掃除です。この赤い水が床や壁にある限り、ホムンクルスは再生してしまいます。雑巾で拭いてください」
……まぁ、理には適っている。絵面が酷く無様ではあるが。
とはいえ、安倍晴明たる彼に掃除を命じる者など、千年生きてきた中で一人としてなかった。余りに無礼な物言いではないか。
そんな彼を不満を感じ取ったのか、零が冷たい目でハルアキを睨み下ろした。
「掃除の仕方が分かりませんか? ならこの先、掃除夫としてみっちり仕込んで差し上げましょう」
「わ、分かった! 分かったから、そう怒るな」
ハルアキは慌てて立ち上がる。そして辺りを見回すと、
「茶箪笥の横が掃除道具置き場です」
と顎で示される。
聞こえないように小さく舌打ちをして、ハルアキはありったけの雑巾を持ってきた。
「足りないところは、毛布を使ってください。絞ってはいけませんよ、復活してしまいますから」
「分かっておるわ」
言いながら、ハルアキは床を拭く。……我ながら、情けない事この上ない。
一方で、零はひたすら、大吉……であったものを切り刻んでいく。
ホムンクルスは形を保つ事すら許されず、ただ赤い水を撒き散らしている……既に、これは戦闘ではない、作業だ。
人間ひとり分のエリクサーというのは相当な量だ。十枚ほどあった雑巾はすぐさまぐっしょりと濡れ、毛布もじっとりと重くなってきた。なかなかの重労働である。
汗を拭き拭き掃除に精を出しながら、ハルアキは考えていた。
ホムンクルスは、エリクサーに魂を入れたもの。しかし、本体と離れればただの赤い水である――分裂する事はないのだ。
それはつまり、エリクサーに魂が溶け込んでいる訳ではない。核となる魂がひとつ、本体に存在している。
ハルアキは、チラリと無残な本体に目を向ける。
そして、ある事に気付いて声を上げた。
「おい! 何かが逃げようとしておるぞ!」
それは、赤い水の塊からそっと抜け出し、暗闇に向かって素早く駆け出した。まるで小人のようだ。
あれがホムンクルスの核となる魂だろうか?
ハルアキはそれを追い掛けるが、家鼠ほどの黒い小人が物陰に入り込めば、容易に見付かるはずもない。
舌打ちをして零を振り返る。
「これはどうしたものか」
一方、目の前の塊が突如、水となって形を失ったものだから、濡れた装束の裾に忌々しい目を向けて、零も大きく息を吐く。
「参りましたね……」
だが、すぐさま転機が訪れた。
茶箪笥の裏辺りから、「フギャー!」という猫の悲鳴が聞こえたのだ。
クロである。ハルアキに操られ、疲れ果てて眠っていたところを、小人に踏まれて目を覚ましたのだろう。
途端に、狭い隙間から小人、続いてクロが飛び出してきた。
「ニャー!!」
猫の持つ本能のまま、鼠を追う勢いで突進されてはたまらない。
「イヤああああ!」
甲高い悲鳴を上げながら、小人は右へ行ったり左へ来たり、必死の形相で逃げ惑う。
その姿は、山羊頭の悪魔を小さくしたものである。初めは二本足で走っていたが、やがて鼠のように四本足で駆けだした。
それがまた、猫の狩猟本能を刺激したのだろう。クロの金色の目が闇に光ると、
――ピョーン。
見事な跳躍で小人に猫パンチを食らわすと、ガブリとその頭に食い付いたのである。
「…………」
唖然と見ていた二人だが、やがてハルアキが声を上げた。
「た、食べられたら、まずくはないか」
「クロさんが、不死になってしまうかもしれませんね」
「そんな事を言っている場合か! 止めよ!」
「ハルアキがやってくださいよ。私は猫が苦手なのです」
のうのうと宣う零を、ハルアキが横目で睨む。
「そなたは、今は余の式神である。言う事を聞かぬか」
零は渋い顔をしつつ溜息を吐いた。
「やれやれ……」
そして、恐る恐るクロに歩み寄ると、しゃがみ込んで猫撫で声を掛ける。
「クロさん、後でかつおぶしをあげますから、それを私にくれませんかね? あまり美味しいものではないと思いますよ」
「…………」
クロは身を低くして零を睨む。そして小人を咥えたまま、スタッと物陰へ走ろうとするから、零は咄嗟に手を出した――尻尾を掴んだのである。
「フギャー!」
バネのようにクロが振り返る。そして牙を剥いて零の手首にガブリと齧り付いた。
「痛ッ!」
引き離そうと手を引くが、クロは牙を抜こうとしない。更には爪まで立てて、零の腕にしがみ付いてくる。
「た、助けて、ハルアキ!」
「犬神に何とかさせよ。余はそれどころではない」
そう答えるハルアキの手には、小人が握られていた。クロが口を開けた隙に逃げたしたようだが、散々振り回されて目を回したのだろう、フラフラとしているから簡単に捕まえられた。
とはいえ、抵抗する小人を両手で押さえているハルアキは、零に手を貸す事ができない。
「な、何か封じるものを用意せよ」
「自分でやってくださいよ。この姿では、小丸が出て来てくれません」
零はクロと格闘している。ハルアキも暴れる小人に指を引っ掻かれて、
「痛いわ! 無礼も程ほどにせい!」
と周囲を見回す。小人を閉じ込める容器はないか、小さな壺のようなもの……。
「――そうじゃ!」
と、ハルアキは応接テーブルに走る。そこには空の蜂蜜壺がそのまま置かれていた。
そこに小人を押し込んで蓋をする。何か喚きながら壺をガタガタと揺らすから、ハルアキは手近な護符を剥して蓋に封をした。これで容易には出て来られないだろう。
「クロさん! 勘弁してください。お願いですから……!」
そうして振り返ると、零は未だクロと格闘中だった。
ハルアキはスタスタとそこへ向かい、五芒星の描かれた札をクロの額に貼る。その途端、クロは大きく瞳孔を広げ、キョトンと大人しくなった。
ハルアキが小さく柔らかい体を受け取ると、零は首を横に振る。
「やれやれ……」
と、血の滲む手首を押さえて、零はハルアキに撫でられて首を伸ばすクロに忌々しい目を送った。
「これで、終わったんですかね」
「一応は、じゃな」
ハルアキが二本の指を立てた手を振る。すると、天将の衣装は煙と消え、零は普段通りの着物姿に戻った。
彼は長髪をガシガシと掻き乱す。
「……まぁ、今回はうまくいきましたけどね……」
と、零はハルアキに目を向ける――その瞳の色の冷たさに、ハルアキはギョッとした。
「今度同じような事をしたら、あなたの命は保障しませんから」
「わ、分かった……そう言うな」
ハルアキは首を竦める。彼としても、二度とは使えない禁じ手だと思った――何を考えているか分からないこの男に式神を託すのは、余りに危険すぎる。
それからいつも通りの様子で、零は辺りを見回す。
「大掃除、朝までに終わりますかね……」
と絶望的な表情で、彼は赤い飛沫の残る天井を仰いだ。
だが、結界内に響いたのは、女の悲鳴だけだった。
反射的に伏せた顔をゆっくりと上げる。……ハルアキの両手と言わず、白いシャツも、紺のニッカポッカも、全身が赤く濡れていた――だが、痛みはない。
不思議に思って顔を上げると、零と目が合った。
彼はニヤリと微笑んでいた。
「この刀は便利ですね。斬りたいと思うものだけ斬れるとは。あなたが留置場の扉を壊した時に、まさかと思いましたけど、いやあ、大したものです」
……要するに、刃はハルアキを通過して、背後の大吉だけを斬ったのである。
つまりは、零が天一貴人を完全に操っている、という事だ。
甚だ信じられない状況である。式神がハルアキの操作下から離れ、零の指図に従っている。
特異体質なのか、或いは「器」となる事に慣れているのか……。
呆然とするハルアキの後ろで、脳天から真っ二つに叩き割られたホムンクルスの残骸が、徐々に形を取り戻していく。先程と比べ、回復速度が格段に遅くなっている。何とか零から逃れようと、不完全な姿のまま床を這う。
そこへ再び斬撃を叩き落とした零は、チラリとハルアキに目を向ける。
「あなたも手伝ってくださいよ」
「……何を?」
「分かりませんか? 掃除です」
「掃除、じゃと?」
「拭き掃除です。この赤い水が床や壁にある限り、ホムンクルスは再生してしまいます。雑巾で拭いてください」
……まぁ、理には適っている。絵面が酷く無様ではあるが。
とはいえ、安倍晴明たる彼に掃除を命じる者など、千年生きてきた中で一人としてなかった。余りに無礼な物言いではないか。
そんな彼を不満を感じ取ったのか、零が冷たい目でハルアキを睨み下ろした。
「掃除の仕方が分かりませんか? ならこの先、掃除夫としてみっちり仕込んで差し上げましょう」
「わ、分かった! 分かったから、そう怒るな」
ハルアキは慌てて立ち上がる。そして辺りを見回すと、
「茶箪笥の横が掃除道具置き場です」
と顎で示される。
聞こえないように小さく舌打ちをして、ハルアキはありったけの雑巾を持ってきた。
「足りないところは、毛布を使ってください。絞ってはいけませんよ、復活してしまいますから」
「分かっておるわ」
言いながら、ハルアキは床を拭く。……我ながら、情けない事この上ない。
一方で、零はひたすら、大吉……であったものを切り刻んでいく。
ホムンクルスは形を保つ事すら許されず、ただ赤い水を撒き散らしている……既に、これは戦闘ではない、作業だ。
人間ひとり分のエリクサーというのは相当な量だ。十枚ほどあった雑巾はすぐさまぐっしょりと濡れ、毛布もじっとりと重くなってきた。なかなかの重労働である。
汗を拭き拭き掃除に精を出しながら、ハルアキは考えていた。
ホムンクルスは、エリクサーに魂を入れたもの。しかし、本体と離れればただの赤い水である――分裂する事はないのだ。
それはつまり、エリクサーに魂が溶け込んでいる訳ではない。核となる魂がひとつ、本体に存在している。
ハルアキは、チラリと無残な本体に目を向ける。
そして、ある事に気付いて声を上げた。
「おい! 何かが逃げようとしておるぞ!」
それは、赤い水の塊からそっと抜け出し、暗闇に向かって素早く駆け出した。まるで小人のようだ。
あれがホムンクルスの核となる魂だろうか?
ハルアキはそれを追い掛けるが、家鼠ほどの黒い小人が物陰に入り込めば、容易に見付かるはずもない。
舌打ちをして零を振り返る。
「これはどうしたものか」
一方、目の前の塊が突如、水となって形を失ったものだから、濡れた装束の裾に忌々しい目を向けて、零も大きく息を吐く。
「参りましたね……」
だが、すぐさま転機が訪れた。
茶箪笥の裏辺りから、「フギャー!」という猫の悲鳴が聞こえたのだ。
クロである。ハルアキに操られ、疲れ果てて眠っていたところを、小人に踏まれて目を覚ましたのだろう。
途端に、狭い隙間から小人、続いてクロが飛び出してきた。
「ニャー!!」
猫の持つ本能のまま、鼠を追う勢いで突進されてはたまらない。
「イヤああああ!」
甲高い悲鳴を上げながら、小人は右へ行ったり左へ来たり、必死の形相で逃げ惑う。
その姿は、山羊頭の悪魔を小さくしたものである。初めは二本足で走っていたが、やがて鼠のように四本足で駆けだした。
それがまた、猫の狩猟本能を刺激したのだろう。クロの金色の目が闇に光ると、
――ピョーン。
見事な跳躍で小人に猫パンチを食らわすと、ガブリとその頭に食い付いたのである。
「…………」
唖然と見ていた二人だが、やがてハルアキが声を上げた。
「た、食べられたら、まずくはないか」
「クロさんが、不死になってしまうかもしれませんね」
「そんな事を言っている場合か! 止めよ!」
「ハルアキがやってくださいよ。私は猫が苦手なのです」
のうのうと宣う零を、ハルアキが横目で睨む。
「そなたは、今は余の式神である。言う事を聞かぬか」
零は渋い顔をしつつ溜息を吐いた。
「やれやれ……」
そして、恐る恐るクロに歩み寄ると、しゃがみ込んで猫撫で声を掛ける。
「クロさん、後でかつおぶしをあげますから、それを私にくれませんかね? あまり美味しいものではないと思いますよ」
「…………」
クロは身を低くして零を睨む。そして小人を咥えたまま、スタッと物陰へ走ろうとするから、零は咄嗟に手を出した――尻尾を掴んだのである。
「フギャー!」
バネのようにクロが振り返る。そして牙を剥いて零の手首にガブリと齧り付いた。
「痛ッ!」
引き離そうと手を引くが、クロは牙を抜こうとしない。更には爪まで立てて、零の腕にしがみ付いてくる。
「た、助けて、ハルアキ!」
「犬神に何とかさせよ。余はそれどころではない」
そう答えるハルアキの手には、小人が握られていた。クロが口を開けた隙に逃げたしたようだが、散々振り回されて目を回したのだろう、フラフラとしているから簡単に捕まえられた。
とはいえ、抵抗する小人を両手で押さえているハルアキは、零に手を貸す事ができない。
「な、何か封じるものを用意せよ」
「自分でやってくださいよ。この姿では、小丸が出て来てくれません」
零はクロと格闘している。ハルアキも暴れる小人に指を引っ掻かれて、
「痛いわ! 無礼も程ほどにせい!」
と周囲を見回す。小人を閉じ込める容器はないか、小さな壺のようなもの……。
「――そうじゃ!」
と、ハルアキは応接テーブルに走る。そこには空の蜂蜜壺がそのまま置かれていた。
そこに小人を押し込んで蓋をする。何か喚きながら壺をガタガタと揺らすから、ハルアキは手近な護符を剥して蓋に封をした。これで容易には出て来られないだろう。
「クロさん! 勘弁してください。お願いですから……!」
そうして振り返ると、零は未だクロと格闘中だった。
ハルアキはスタスタとそこへ向かい、五芒星の描かれた札をクロの額に貼る。その途端、クロは大きく瞳孔を広げ、キョトンと大人しくなった。
ハルアキが小さく柔らかい体を受け取ると、零は首を横に振る。
「やれやれ……」
と、血の滲む手首を押さえて、零はハルアキに撫でられて首を伸ばすクロに忌々しい目を送った。
「これで、終わったんですかね」
「一応は、じゃな」
ハルアキが二本の指を立てた手を振る。すると、天将の衣装は煙と消え、零は普段通りの着物姿に戻った。
彼は長髪をガシガシと掻き乱す。
「……まぁ、今回はうまくいきましたけどね……」
と、零はハルアキに目を向ける――その瞳の色の冷たさに、ハルアキはギョッとした。
「今度同じような事をしたら、あなたの命は保障しませんから」
「わ、分かった……そう言うな」
ハルアキは首を竦める。彼としても、二度とは使えない禁じ手だと思った――何を考えているか分からないこの男に式神を託すのは、余りに危険すぎる。
それからいつも通りの様子で、零は辺りを見回す。
「大掃除、朝までに終わりますかね……」
と絶望的な表情で、彼は赤い飛沫の残る天井を仰いだ。
0
お気に入りに追加
92
あなたにおすすめの小説
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
京都式神様のおでん屋さん
西門 檀
キャラ文芸
旧題:京都式神様のおでん屋さん ~巡るご縁の物語~
ここは京都——
空が留紺色に染まりきった頃、路地奥の店に暖簾がかけられて、ポッと提灯が灯る。
『おでん料理 結(むすび)』
イケメン2体(?)と看板猫がお出迎えします。
今夜の『予約席』にはどんなお客様が来られるのか。乞うご期待。
平安時代の陰陽師・安倍晴明が生前、未来を案じ2体の思業式神(木陰と日向)をこの世に残した。転生した白猫姿の安倍晴明が式神たちと令和にお送りする、心温まるストーリー。
※2022年12月24日より連載スタート 毎日仕事と両立しながら更新中!
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
下っ端妃は逃げ出したい
都茉莉
キャラ文芸
新皇帝の即位、それは妃狩りの始まりーー
庶民がそれを逃れるすべなど、さっさと結婚してしまう以外なく、出遅れた少女は後宮で下っ端妃として過ごすことになる。
そんな鈍臭い妃の一人たる私は、偶然後宮から逃げ出す手がかりを発見する。その手がかりは府庫にあるらしいと知って、調べること数日。脱走用と思われる地図を発見した。
しかし、気が緩んだのか、年下の少女に見つかってしまう。そして、少女を見張るために共に過ごすことになったのだが、この少女、何か隠し事があるようで……
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。