呟怖あつめ

山岸マロニィ

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⿴⿻⿸ 幽霊や怪異の話 ⿴⿻⿸

【お題】熱帯夜

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 暑さで寝付けず、私は夜風を求めて窓の外を眺めた。
 無人の公園。外灯に照らされたブランコがひとりで揺れている。ギーコ……ギーコ……。
 気味悪くなった私はベッドに入り、翌朝母にその話をした。
「良かったわね、見えなくて。揺らしているモノを見た父さんはね……」
 母は遺影に目をやった。
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