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EXTRA FILM ※一章の幕間

これからもよろしくお願いします!!のはずが... ★★★

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    噂観測課に入ってからいろんな事があった。彼女と出逢ったのだって、思えばかなり非日常的なものだった。それが今では肩を並べて怪異なんていう都市伝説や神話の話が噂となり、実態を持って現れた現象を鎮める仕事をしている訳だから自分でも驚きだ。そして何より────。

龍生りゅうせい様、間もなく怪異との戦闘が予想されます。…………?龍生様?どうかなさいましたか?わたくしの顔を眺めて……。何かあれば遠慮なくお申し付けください」

    神木原かみきばら 麗由りゆ
    彼女が僕の相棒な訳で、初めての出逢いが当時住んでいた貸家に合鍵を作って勝手に入っていたというになっているものだった。
    さっきも言いかけたが、今では彼女のことが好きだ。今日に至るまでの間に一度というものを体験している自分を本気で気にかけてくれた彼女もまた、凄惨な過去と運命を背負って噂観測課の人間として日夜怪異との戦闘に身を投じていることを知り、その想いは確かなものとなった。

「やはり大型の怪異、【女郎蜘蛛】でしたね。龍生様、薙刀を……の力を使いますので、離れていてください」

    そう言って麗由さんは中級怪異の【女郎蜘蛛】に一人立ち向かっていく。人型を模した上体から捕獲用ネットを放つが、麗由さんのもつ薙刀。かつての師より受け継いだ怪異を形にした武器【陽炎纏いし一閃】アン エクレール デ リュミエールの振るって零れ出す火の粉で焼き払って突き進む。
    負けじと、八本の脚を地面へと突き刺して加速する麗由さんの足止めと牽制をかける【女郎蜘蛛】。

「───遅いっ!!」

    蜘蛛の糸によるネットと四本の脚で包囲された麗由さんのその声と同時に、一瞬黒い闇に自身を包んでいくと同時に内側から銅色の閃光を放ち、そのままオーラとなり纏って迫る【女郎蜘蛛】の攻撃を全て跳ね返し、メイド服の姿から黒いドレスに身を包んだ姿へと変わって再び走り出した。
    仰け反りながらも必死の抵抗に脚を地中と頭上の両サイドから差し向けるが、全てを踊り舞うように躱し斬りしていき上空の月が銀色を強めにして輝き始めた。その光を受け取るように薙刀を突き上げて、何度も聴いたを【女郎蜘蛛】に向けて言った。

「冥刻がやって参りました。残念ですが、あなたの冥界への扉は開けられております。今宵、冥土へと続く道────このわたくしが介錯いたします」

    麗由さんの足元から螺旋を描くように金色の光が天井目掛けて伸びていき、光柱を中心に巨大な烏のシルエットが浮かび上がった。あれこそが麗由さんの中の怪異【金烏】の力を解放したものだ。薙刀で空を円を書くと刀先に導かれるように【金烏】も飛び回り、光を集結させてシルエットを小さくして薙刀に止まった。

「冥界の向こうに君臨いたしますオシリス神よ……、どうか悪しき人々の心によって邪現してしまった哀れな魂を冥界へとお繰り返すお力を貸していただきたい」

    しっかりと自身の怪異を使いこなす麗由さんは、祈りを込めた一閃を【女郎蜘蛛】に向けて解き放った。

━━━ 清浄の調べを持つ黒点ターシュ ソレイユ ピューリファイ────ッッ!!!!

    麗由さんの放った閃撃が蛇竜となり、【金烏】の翼を頭部に宿したの姿を模して【女郎蜘蛛】をその業火で包み込んだ。
    最初は悲鳴を上げていたが、徐々に心に安らぎを取り戻したように大人しくなりその巨大な姿が透明に点滅して霧のように夜風に乗って姿を消した。これで【女郎蜘蛛】は浄化されて怪異の討伐が完了した。僕は戦闘を終了した麗由さんに近付いてお疲れ様の声をかけた。

「それにしても、麗由さん。それ……どうやってるんですか?」
「?……ああ、このドレスの事でしょうか?あれ以来、【金烏】の力を全開すると自然とこの姿になるようになりました。おそらくは、ディフィート様のドゥームズデイと同じようなものかと……」
「え?それって、ディフィートさんっていつも似たような格好していたんじゃなくて、怪異の力で適した格好になっていたってことですか?」

    驚きだった。まさか、怪異を宿して戦うものにそんな法則があったなんて。車へと荷物を乗せて事務所へと帰社してその日は解散することにした。

━ 翌日 ━

「お待たせいたしました」
「────っ。ぁぁ…………」

    少しだけ待ち合わせに早く着いた僕の前に現れた麗由さんは、普段の髪を結んだ姿と打って変わってストレートに降ろしたロングヘアーで登場した。いつもと違って緊張感が押し寄せてくるくらいにギャップを感じている僕の手を掴んで麗由さんは、今日のデートの予定を確認してきた。
    今日は以前に二人で観にいった行った映画────。あの時は、【アルミラージ】を封印して結晶化した麗由さんを助けたお礼として観に行ったのだった。しかもその時麗由さんが笑顔を見せないことが気になり、拗れてしまった苦い思い出でもあった。
    しかし、今回その時観た映画の続編を観に行こうと麗由さんに誘われたのでこうしてデートプランに入れることにした。上映時間となり照明が暗転した時、麗由さんが僕の手を握ってきた。こういう時、恋人繋ぎをしながら映画を観るなんてあるのだろうかとも思ったけど、僕にも貰ったデートプランで覚悟を決めなくてはいけないことがあった。

    映画を観終えて、次に向かったのは動物園。流石、僕よりも麗由さんと長くいる燈火あいつの情報なだけあって麗由さんは笑顔を絶やさずに動物達を見ていた。すると、麗由さんが触れ合いコーナーに立ち寄るとウサギの餌やり体験をやりたいと言って一緒にやってみることにした。

「ウサギか……。小動物として見ると、やっぱり可愛いですね」
「はい!時に龍生様知っていますか?ウサギは年中なそうで、その習性も相まって世代交代が激しい動物でもあるのですよ?」
(芳佳よしか様からのお教えによれば……これで)
「へ、へぇー……そう、なんだ……」
(うっ!?急な、知識の内容がリアクションに困るのだが……何か言わないと)

    ただでさえ、見慣れない麗由さんの容姿にキャパが追いついていないのに際どい話題は処理が追いつかない。だが、ここで変に麗由さんに気を遣わせてはまたしても上手くいかない関係になり兼ねない。ここは、思い切って乗っかるしかない。

「それって、人間と同じように食欲や睡眠欲で補えたりしないのかな?」
「さぁそれはどうでしょう?うふっ♪そもそもウサギにそれらを識別するだけの知性があるかによるかと思いますよ」
(ありがとうございます芳佳様っ!流石でございます)
「あ、確かにそうですね?あはは……次行きましょうか?」
「はい!ここの動物園はアトラクションもあるようですから、メリーゴーランドなんて如何でしょう?」

    ナイスアイディアだ麗由さん。これは乗っかるしかないと思って、直ぐに触れ合いコーナーを出ることにした。何故か、麗由さんは上機嫌なようでウサギに向かってガッツポーズを送ってから後を着いて来た。
    その後、メリーゴーランドとフリーフォールに乗ることになったがフリーフォールの最中、急降下するのに恐怖を感じていた僕とは裏腹に麗由さんはウキウキとした様子で終始揺られていた。一度は僕でも命の危険を感じるくらいにはスリル感のあるアトラクションだと思った。

    動物園を出てから、街中のレストランでディナーをすることにした。普段から通い慣れている訳でもない高級感のあるお店。正直、何を頼んでいいのか分からない。値段的な意味ではなく、この雰囲気にあったメニュー選びが分からない。そんな僕を見て麗由さんもソワソワしていた。

(ヤバい……。あいつはここで常連でなくとも、来たことあるふうに振る舞わないといけないと言っていた。)
「どうかされましたか龍生様?わたくしはもう決めましたけど……」
(芳佳様は、龍生様より早くメニューを決めろと……)

    嘘でしょ。いくら何でも早すぎる。まさか、麗由さんがここの常連だったのか。だとしたら、待たせる訳にはいかない。
    そうして頼んだものはパスタ料理と白身魚のフライと、若干物足りない可能性のある組み合わせを注文してしまった。一方で麗由さんはというと……。

「流石に……頼み過ぎじゃないですか?」
「ん?そうでしょうか?この大盛りチャレンジなるものは、時間内に食べられれば料金が無料タダになりますので問題ないかと」
(つい、緊張のあまり食欲に負けてしまいましたが……龍生様は腹6分……。これは芳佳様のプランどおりですね)
「た、食べられなかったら僕も食べるからね?」
「大丈夫です。食べることに関しましては、怪異討伐の次に得意ですのでっ!!」

    その言葉に偽りはなかった。麗由さんの食欲が凄いというのは燈火ともしびから聞いてはいたが、これほどとは思ってもいなかった。やはり、怪異調査で人ならざるものと闘う以上は消費カロリーも半端ないものだろうか。
    なんて言ってる間に大盛りチャレンジの料理を平らげてサイドメニューに頼んだステーキに手が伸び始めていた。麗由さんの完食は僕とほぼ同着だった。これには僕だけでなく、シェフも驚きだった。一緒に頼んでいた白ワインを飲み干して口を拭くと席を立った。

「龍生様、お会計を先に済ませて来ようと思いますが他にご注文はございますか?」
「あ、いや……ないですけど?お会計なら僕も払うから行くよ」
「はっ……!?そうでしたっ!!では、こちらの伝票を見て龍生様の分を大体お預かりして行って参ります」

    何で一人で行きたがるのか。燈火が言っていた。

──女の子が一人になりたいと席を外したがる時はですね。トイレ行くのを我慢している可能性がありますね、はい。性格的に言い辛いタイプの人だとそれで膀胱炎に悩まされる場合もあるんですよ?いいですか?はい?──

    そこまで大袈裟なことかと半信半疑ではあるが、麗由さんがもし本当にそれで体調に不調を来たしても困るのでここは座して待つだ。会計から戻ってくるまで多少時間があったことから本当にそうだったのかもしれないと思っていると、両手にグラスを持って麗由さんが戻ってきた。

「こちらシェフからのサービスにと受け取ってきました。シャンパンだそうですよ。こちらをいただいたらお店を出ましょう」
「う、うん」

    サービスに貰ったシャンパン。これで時間がかかっていたのか。なら、僕も様子を見に行くべきだったと思いながらもグラスに口を添えて飲んだ。

「うふっ♪」
「?」

    その様子を麗由さんは笑いの吐息を漏らしながら見つめて、僕の後に続いてシャンパンを口に運んだ。この後、麗由さんに勝負をかけなければと思うと緊張が湧き水のように内心で溢れだしてくる音が聴こえてくるようだ。気を紛らわすのではなく勇気を持つためにグイっと残りを飲み干す。
    シャンパンがキツイからか身体の内側が急に熱くなる。もしかしたら酔いが回って来ているかもしれないが、麗由さんも同じタイミングで飲み干したのでお店を出ることにした。

    お店を出て歩道を歩くなか、分かれ道となる駅の方へ足を進める麗由さんを呼び止める。こちらを振り返ることはないが足を止める麗由さんに向かって一言告げる前に腕時計を見る。今から来る便を逃せば終電のため、お互いに交通機関を使って帰ることは出来ない。
    このタイミングこそ、燈火が麗由さんに想いをぶつける最大の瞬間だと言ってくれた。僕はそれを信じていることと、何よりも自分自身に鼓舞するには押すも引くも一度きりの状況を作らないと覚悟を決められない。それに、酔いがかなり深くまで来ているのか頭がボーッとして来ているこの感覚を吹き飛ばしたいと思っていた。

「あの、麗由さんっ!この後……飲み直しに行きませんか?それで……朝まで2人で過ごしませんか?ホテルでも取って休めばいいですし」
「────。」
「麗由さん……?あ、あの……」
「────っ?」

    ようやく振り向いてくれた。言うなら今しかない。僕は麗由さんのことが好きだ。だから、だから────。

「僕と、付き合ってくださいっっ!!!!」
「────はッ……!?!?」

    麗由さんは衝撃を受けたような表情を見せたあと少し視線を逸らしながら、ゆっくりとこちらに向かって歩いて来る。目を合わせてくれないということは、やっぱりダメかな。職場で。それも怪異を解決していくための相棒でしか居られないのだろうか。この際それでも────。

「はいっ♪」
「ッ!?…………え?」
「ですから、喜んでっ♪」

    そっと手を拾い上げてくれた麗由さんがそっと微笑みながら首を横に少し傾ける。すると、いきなり抱きついてきて耳元で囁いた。

「これで、初対面の時のわたくしの言葉。実現しましたね?」

    それは、噂観測課の場所へと案内された時の車内で僕に麗由さんが向けて言った一言。本当にお付き合いしてみようかという囁きのことだった。確かに、何故あの時そんな言葉を言ってしまったのか麗由さん自身も分からないと言っていた。その答えが、今の麗由さんには分かっているのか顔を見合わせ身長差の関係で自然とそうなる上目遣いで言った。

「飲み直しはなしでお願いします。このまま、宿を取りましょう?────」
「────っ//////!?」

    返答するよりも先に唇に温かいものが入ってくる。これは、麗由さんの唇の温度だ。そのまま息を鼻で少し吸ってから、目を閉じて口付けして来た麗由さんの背中に手を回してこちらも応えるように前へと唇を進める。綺麗な放物線を描いた糸が重力に吸われて落ちていくなか、手を繋いでホテルへと向かう。

    部屋に着き早速、浴室に向かうとジャグジー付きの浴槽がありお互いに身体を洗うためにシャワーを相手に向ける。初めて見る麗由さんの裸。日焼けしていない白い肌に、ピンク色の乳輪をした乳房は一度燈火も含めて泊まった最初の怪異調査の時には、まともに見ていなかったが手に収まるサイズの膨らみを持っていた。
    ボデイーソープを洗い流してシャワーを麗由さんに渡す。今度は自分のことを洗ってもらいのかと考えた途端、下腹部がキスをした時から熱を持っていたことに今気がついた。

「うっ……」
「龍生様のココ。初めて見た時よりも大きい……。それでは、お体を洗っていきますね」

    自分ではそこまでになっていないと思っていたが、意思とは反して反り返っているソレがドクドクと脈打って熱を冷まそうとはしない。それどころか、シャンパンを飲んでから感じていた胸の内側の熱さがより一層の強さで全身に興奮を与え始めてきた。
    その言いようのない感覚に苦しむ僕を見つめながら、身体を洗ってくれる麗由さんは後ろに回って背中を洗いはじめた。シャカシャカとハンドタオルが擦れる音すら脳内に振動を感じるほど鮮明に聴こえてきているのに、意識が朦朧としている。すると、下腹部の反り返ったモノを下から握り込むのを感じて意識が戻ってきた。

「あうっ!?」
「あ、痛かったでしょうか?その……殿方のモノの扱いに関しましてはしかないもので……。こうするとあまり痛みがなく洗えると言っておられましたので……どうでしょうか?」
「ぅぅ…………、あ───ぁぁ……」

    痛いなんてことがあるわけがない。その逆だ。しかし、それも感じたことないほど気持ちのいいもので恐怖すら同居しているほどに。こちらの反応を見ながらシャワーで泡を落としていくが、下腹部。特に陰茎を洗う手の力加減が絶妙にもどかしさを与えてくる。

「く、ぅぅ……」
(こんなの……、1時の比じゃない……!?)
「りゅ、龍生様のなんだが膨らんでおられる様子ですが……。苦しいのでしょうか?映像では、気持ち良くなると出るそうですが……」
「き、気持ち……イイ、よ……。あっ!ダメっ///」

    エビ反りになってしまいそうになる身体を押し込めて必死に耐える。少し出た気がするけど、シャワーが止まりなんとか体を洗い終えた。それにしてもおかしい。シャワーを当てたことは幾らだってあるのに、水が当たるだけで反応しているなんて今までにだってない。
    二人で浴槽に肩まで浸かる間も、陰茎の反りは萎えることがない。風呂に浸かると多様なりとも縮むはずなのに硬さも保ったままというのは、麗由さんを一緒にお風呂に入っているから起きていることなのかも分からない。

「こちらに入ってもよろしいですか?この方が、かと思いまして」
「そ、そうだね。────うっ。ごめん、何でか収まんなくて……」

    浴槽に座り股を開いて間に麗由さんが入ってくるのだが、背中をくっつけてくる麗由さんの尾骶骨に陰茎の根元が当たる。その硬い柱で肌の完全接触を阻むなか、首を振り向かせて焦っている僕に麗由さんが言った。

「殿方のソレにつきましては、勉強不足だったもので……。芳佳様より頂いた芳佳様がとお楽しみなる時にお使いになっているお薬を龍生様のシャンパンに入れました」
「え?もしかして……この胸の熱い感じはそれの効果?だから、いつも以上に元気なのかな」

    ようやく、体の異常の原因が分かったことで安心したその時理性の糸が切れた音がした。ボデイーソープで洗い流しても微かに残る麗由さんの匂いが、密着している肌から伝わってくる。心臓の脈打つ鼓動がドラムロールのようにバクバクと音を奏でている。
    息切れしながらも、麗由さんの肩からスルっと手を伸ばして胸に手を当てる。

「んっ…///龍生様…///…………上がりましょうか?」

    麗由さんの問いかけの最後に吹き抜ける吐息にすら反応している自分を感じる。その問いに頷き浴室を出る。バスタオルで水を拭き取りベッドへと向かう。仰向けになる僕に寄り添う麗由さんが陰茎を優しく握ると、上下にゆっくりと擦り上げていく。
    この日のために自己学習AV鑑賞で身に付けたテクニックを初の実践をすると言って愛撫を続ける。シャンパンに入れたという媚薬の効果も相まってもう持たない。

━━ ビュルビュルルル────ッ!!!!

「く、はあ゛ぁ゛ぁ゛//////うっ、ダメっ///止まらないっ!!」
「きゃ///顔にかかって……」

    麗由さんも初めて男の絶頂である射精を目の当たりにしたことで、どうしたらいいか分からずに顔面で溢れ出した精液を受け止めた。麗由さんを汚してしまっているのに、気にかけていられないほどに身体が波打って射精を続けてしまう。

「いいですよ♡遠慮なさらず、もっと射精してください。ひゃんっ///」
「ぐあ゛ぁ゛……!?ぁぁ……く、ぅぅ」

    早く止まってくれと祈るばかりの快感の波。こんなことは、一人でする自慰行為オナニーでは味わったことがない。

    数分の絶頂の末、ようやく出し収まったがまるで何事も無かったかのように自分のイチモツは硬さを保っていた。直ぐに起き上がり麗由さんの顔に着いてしまった精液を拭き取ろうとして見開いた。
    麗由さんは顔に着いた精液を人差し指でかき集めて自身の口に含んだ。

「ぷはぁ♡……やはり苦いのですね。ですが、龍生様のおカラダから出たものです。────美味しいです♡」
「麗由さん……」

    うっとりとした目をしている麗由さんに近付くと、もう一度精液を口に含みそのまま唇を重ねてくる。目を見開く間もなく口の中に自分の出したものと麗由さんの唾液が混ざった液が入ってくる。
    そのまま後頭部に手を回して自ら、唾液を貰いに行く。苦い。それと同時にほのかに甘い唾液がブレンドされたものを飲み込むと、また一段と陰茎が膨れ上がったことを感じる。麗由さんが掌でそそり立つ亀頭を回していきながら、要望を述べた。

「次は、わたくしの方も……お願いします。それと────、え、エッチの時は……。麗由────と呼んで欲しい、です///」
「────。分かった……麗由……。それじゃ、触るね?」
「はい……。コチラになります♡」

    そう言うと手の中指を自分の膣口なかへと通じる場所に当てる。背筋をブルブルと震わせながら、第一関節、第二関節と咥え込んでいき愛撫を始める。

「んんっ...///そこ……、もっと上下に来て……ください」
「こうかな?……ねぇ麗由。僕からもお願いがある」
「なんで、しょう”?龍生様?」
「敬語は辞めて……」
「───っ!!…………出来ませんっ//////あっ♡激し、ん~~~~っ///」

    少し乱暴に指の出し入れを繰り返していると、麗由が果てた。ビクビクとカラダをバウンドさせているのを見て陰茎が独りでに我慢汁を吐き出し始めていた。自分自身ももっと麗由のイキ姿をみたいと好奇心に駆られて、手が乳房に伸びる。バックハグで指を今度は二本挿入れて、手前奥をトントン叩くように愛撫しながら、胸を揉んでいくと麗由が胸を触る手を押さえてクルっと首を向けて物欲しそうな眼で言った。

「こういうふうに、母乳をひり出すように優しく回して欲しい♡♡」
「それが麗由の気持ちやり方なんだね?僕、頑張るよ……」
「あっっ///はぁ、ハァ、ハァ///イ、く……ィ゛キュウゥゥ゛ゥ゛────ッ♡♡♡」

     ボタンが弾けとんでいくみたく飛んでいくみたいに、腰を中心に反り返って潮を吹き始める麗由。その快感に声にならない声を上げながらこちらの陰茎に手を伸ばしてきた。するとその手にはいつの間にか着けたローションがあり、ヌルっとした感触が触れた途端に高速で扱き上げた。

「なっ───ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛//////」

    ゆきずりでこちらも達してしまう。壁に向けて未だに絶頂した愛液を吐き出しているところに再び果てて吐き出される精液が降りかかった。二人してベッドにぐったりするも、息を整え終えた麗由が仰向けになって自ら陰部を開口して懇願してくる。

「龍生、様ァ……///来てください♡」
「───────。」

     パックリとさっきまで指を出し入れしていた箇所が見えていた。中からはキラキラとライトに反射するほどの純度を持つ愛液が入口を浸らせていた。生唾を飲み込んで麗由に覆い被さり、未だに勢いが増し続けている陰茎を当てて挿入した。

「んんっ//////────痛ゥゥ♡」
「大丈────ッ!?」
「────んぱぁ♡続けてください……///」

    口付けで言葉を封じられた際の、麗由の動作で一気に深くまで入ってしまった。麗由の腟内なか。セックス自体が初めてで、僕はこの瞬間童貞を卒業したのだ。同時に結合部から鮮血が溢れ出すことで、麗由が本当に男性経験がなく僕と同じくしたことを物語っていた。

「ヤバっ────射精っ!?」

    挿入れた途端に蠢いている麗由の肉ヒダは、今すぐにでも精液を求めている。を迎えているとでも言わんばかりに絡み付いてきていた。初めてのセックスなのもそうだが、も萎えていないせいでどこまで射精るのかも分からないのに込み上げて早速放とうとしていることで腰を引こうとしていた。

━━ガシッ...♡

    何が起きたのか一瞬分からなかった。けど、その衝撃とは関係なく中出ししてしまっていることを打ち付けられるような快感で理解した。
    なんと、射精しそうになって腰を引くのを察した麗由が両脚を腰に回してホールドしてそのまま腟内射精中出しをするしかない状態にしてきていたのだ。後悔の念すらも掻き消される快感に二人とも喘ぎ声を汚く上げることしか出来ずにいた。
    壊れたポンプのように遠慮を知らない射精をもっともっとと促すように、に合わせて収縮をして搾り取ってくる。頭の中まで真っ白になって快感に飲まれて行くことしか出来なかった。

✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳

━ 麗由視点 ━

    初めて殿方に抱かれる経験をした。それも、自身の辛い過去を知っても諦めずに傍に居続けてくれて次第に気持ちも芽生えた大好きな人との初セックス。

「はぁ、はぁ、はぁ……。龍生、様?お次はわたくしが……いいえ。が気持ち良くさせてあげます♡」

    そうは言ってもお互いに気持ち良くなるように愛し合っていたと思ってますけど。もう三回も射精したというのに、更に熱く硬くしている龍生様のチンポ。芳佳様のおかげで無事に愛し合うところまで来れたのは嬉しいけど、少しおいたが過ぎたところもあります。
    龍生様に飲ませた媚薬なるものは、男女共通で効き目のあるものでしたのでわたくし自身にも服用してしまったのです。その効果は絶大で、密かに始めるようになった龍生様を妄想して自慰行為マスターベーションでも、精々連続二回までしか達したことないのにも関わらずお風呂場で肌を重ねただけで何度も軽いイキしていました。

「くっはぁ゛ぁ゛//////」
「あんっ///龍、生……様ぁ♡とっても、可愛いですよ♡先ほどはかっこよかったですしぃ///」

    事前の単なるAV鑑賞シュミレーションで得た知識が活きてます。グラインドと呼ばれる技法で悶絶している龍生様を観ているだけでまたしても絶頂してしまいました。
    良い意味で悪循環なのか、わたくしのイッてる鼓動で龍生様のチンポも一段と強固なものとなってわたくしを更なる絶頂へと運んでくれます。そして、芳佳様が教えてくださった《龍生様にトドメ刺す一言》を告げて最後は同時絶頂アクメをキメさせていただきます。

「龍生様……、ハァ、ハァ、ハァ……」
「あ゛っ///はっ、はっ、はっ……な、何……?」
「あんなに腟内射精大量にだされては、……ですね♡」
(────ッ、来たッ♡)

    龍生様のチンポがビクビクと跳ね回り、精巣からグツグツと煮えたぎるような音が聴こえてくるかのように昇ってくるのを感じて、わたくしもはしたなく腰を打ち付けて子宮に届かせて聞き苦しい嬌声を上げて

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ♡♡イ゙ィ゙ッ───///グゥ゙ゥ゙ゥ゙ゥ゙♡♡♡♡」

     きっと龍生様もケダモノのように絶頂を声にしていたと思いますが、その声を完全に掻き消す勢いで快感の波を声に出したわたくし。下手をすれば、防音性の壁すらも越えて隣の部屋───それどころかこのフロア中に聴こえているかもしれないと恥ずかしくなるも、そんな余裕すらなくなるほどに眠気が襲ってきました。

    媚薬の効果も消えたことで、どっと疲労が押し寄せて来ていることもあり龍生様の放心する顔が観られないのは残念ですが、これだけは伝えておかなくてはと思い声を振り絞りましたが、聴こえているかは分かりません。

──安心してください。避妊薬ピルは飲んでおりますから...

✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳

━ 数日後 ━

「おはようございます麗由さん」
「────。」

    出勤して挨拶を交わすが、麗由さんに無視された。それどころか、不自然に目も合わしてくれなくなった。初夜を過ごして、その後の記憶が曖昧になるほどの性行為だったことは確かだが、もしかするとそこで何かしてしまったのかもしれない。そう思って、すれ違った麗由さんを呼び止めた。

「その……僕、何か嫌がるようなこと……しちゃったかな?」
「────っ。いいえ、何も……」

    そう返す彼女は一切目を合わすことなく、若干逸れた場所に向かってお辞儀をして立ち去ってしまった。
     これは何かやってしまったのだろう。ようやく想いを伝えて付き合うことも出来たと思った矢先、ワンナイトで恋が冷めてしまったようだ。そう落ち込んでいると、背中をトントンと複数回叩かれるのを感じた。誰なのかは直ぐに分かる。

「何だよ燈火……。僕を笑いに来たのか?」
「何言ってるですか後輩♪その様子だと、麗由さんとは肌重ねたしカップルにもなれたって感じですね……はい♪」
「お前な……今の見てただろ?麗由さんは目すら合わせてくれなかったんだぞ?きっと、僕に落ち度があったんだ……」

    膝を着いてその場に倒れそうになる。に笑われて終わる恋なんて、どれほど惨めなことか。こんなことなら、告白した後に終電でお互い帰るべきだったと思っているとディフィートさんがそこに現れた。
    燈火が意気揚々と現状に至るまでを説明すると、腹を抱えて笑っていた。やっぱりこれから噂観測課の笑い話に使われるのかと確信した。

「はぁ~~♪いや、なぁそれ♪」
「ですよね?誰しも、女の子がはああなりますよ、はい♪」
「おい、何を盛り上がっているんだ?」
「だからよぉ?好きな子とエッチ出来たら、次の日から気不味くなんのよ♪周囲にバレバレだったら尚のことよ♪」
「第三者はどこまで行ったのか知りたがってますからね?やってなければ、まだしも嘘つける自信ないですからねぇ……はい♪」

    謎のガールズトークで盛り上がっている二人曰く、今の麗由さんは初体験をした後で照れている。そのために、片想いの時よりも近付きにくい状態になっているから今は放っておけというのだ。

    結局、付き合えてもものが女性にはあるらしいということだけは分かった。麗由さんの機嫌が直るまで、しばらくは大人しく怪異調査の仕事をこなすことにしよう。
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