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第一章
灰となって消えても ─ 前編 ─ ★★☆
しおりを挟む「あんっ♡だめ……」
ラブホテルの一室に響く、愛を確かめ合う喘ぎ声。男のモノを咥えて火照る感覚に弾ませている女性の背中に手を回す男性の手がみるみるうちに人ならず者に変わっていく。
腹上で男性の分身を出し入れして果てる女性を見て抱き寄せるように、鋭利な爪で抱き寄せようとした時にドアを破って何者か突入してきた。
「はいはぁ~いっ!!ごっこ遊びはそこまでにしてくれる?あーし、こう見えても忙しいし?ねぇ……【美女と野獣】さん?」
「ッ!?まさか彼女も怪異だと見破ッテいた、ノカ?」
「当然でしょ♪うぅ~ら、行くよぉ♪」
━━バキンッ!!ガシャ~~~ンッッ!!!!
「あ……ヤバッ……」
勢い余ってベッド毎壁を貫く波動をバトルグローブから繰り出して備品を想定よりも多く破壊してしまった。
音雨瑠 空美は、「あちゃー」と頭を掻きながら報酬は修繕費で完全に飛んでしまうことにしょんぼりしつつ、こうなったら絶対に逃がさないで鬱憤晴らしして倒してやると【美女と野獣】を追いかけた。
「来ましたわあの人」
「ったくぅ!あーしだってこのところ男ひでり日照りでヤリたいってのに、怪異がリア充の真似事すんなしッッ!!」
「────ぬっ!?こ、コイツゥゥ!?」
滑り込みからスカイアッパーを繰り出した空美の一撃を避けて、反撃に爪ではたき落とそうとするも両腕で胸前に盾を作り直撃を防いだ空美は三点着地の受け身で衝撃を地面へと逃がした。立ち上がって再び走って向かう空美は腕を引いた野獣の直前で壁を蹴って後ろに隠れていた美女の方に回り込んで拳を突き出した。
美女の体を拳が貫通すると、黒い霧となって消滅した。その様子を見ていた野獣は全身を獣人化させて完全なる獣へと姿を変えた。
「へへっ……上等じゃん♪あーしもガントレットでケリ着けにいくし♪」
「グァアァァァァ────█████████ッッ!!!」
「新必殺、いくからねぇ?」
ドスドスと豪胆な前脚で切り刻もうと起き上がる野獣に対して、ガントレットの右側にボウガンのアタッチメントを装着して、矢先に自身の怪異【知恵の女神ミネルヴァ】の力を集中させる。
「必中の一撃ッ!!アテーナー・クラスタァァ────ッ!!!!」
次の瞬間、スタングレネードでも発火したのかという程の目映い光を収束させた、光の矢が野獣の身体を中心から真っ二つに斬り裂いた。光の矢はそのまま貫いた先の湾岸へと流れ星のように消えていき、同時に野獣も塵となって消滅した。
怪異を討伐して一息つこうとしたタイミングでスマホが鳴った。渋々と応答に出るとスピーカーから一気に耳を話したくなるような爆音で怒鳴られた。今打った新必殺の現象をどう説明して揉み消すかとラブホテル一室を半壊させた事を咎められた。
「そんなこと言われましてもって感じなんですけど?教官……」
『連戦続きで疲れが溜まってるのは、あたいもみんなも同じさ。そんななか、悪いまた追加だ……頼めるか?』
電話主のトレードから確認をされるが、拒否権なんてどの道ないのだからと嫌々ながらも要件を聴く空美は次の一言で即OKの返答を返すのであった。
『第2課の方も連投続きらしい。んで、あたいも総司のヤローがいない分補填で向かうんだけど、辰上と神木原の妹のところに応援行ってほしいとさ。……っておい?聴いてんのか?』
「聞いてますよ教官♪龍生先輩のところですね♪おっけー、すぐ行くしぃ~♪」
━━ ブチッ...ツーツー...
一方的に通信を切ってルンルン気分でスキップしながらバイクへと乗りヘルメットを被ってフルスロットルで合流地点へと向かった。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
暗い夜道に鉄柱に身体を縛り付けられていた。目の前には婚約者と俺の父親が居る。二人は肉体関係を持っていた。それをついさっき知らされた。
絶望に打ちひしがれていると、そこへ現れた銀髪と黒髪が半分のオッドアイの双子なのか。とにかく、子どもの見た目をした奴らによって拘束された。この双子のような子どもたちは狂っている。
「ねぇ?ヘンゼル姉さん……。ボク飽きたんだけど?」
「フフフ……♪そう言わずに、その子に聞いてあげて?私の方もそろそろ2発目が来るわ♡」
口に布を噛まされた父親が、仰向けに倒されてヘンゼルと呼ばれている女の子のリズムに踊らされながら、剥き出しになったモノを一層に硬くして腰を突き上げて達していた。
対して、婚約者の方は散々肌を重ね合わせた父親のモノとグレーテルのソレを比較させられながら、犯されていた。最初こそ、拒否している悲鳴を上げていたが徐々に快感に抗えなくなって行ったのか相手を興奮させるような嬌声を上げていた。
「ねぇ?ボクつまんないからさ……?やめてもいいんだけど……」
「いやッ♡やめ、ないで……ぇ♡♡」
「じゃあさ、答えてよ?ボクのチンポとそこのおじさんのチンポ。どっちが気持ちいいの?」
「そ、そんなの♡勿論、貴方よ♡あなたのに゛ぃ゛!?決まってる、じゃない♡♡」
「あ、そっ……」
地獄だ。
婚約者が父親に寝取られていたことですら、受け入れ難い事実だった俺にとってこんな子どもの見た目をした見知らぬ奴にその情報を上書きされているのを目の当たりにさせられているのだから。
「ふぐぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛────、…………」
「あらあら♡こんな子どもの穴なんかに必死にコキ出しちゃって……♡余程気持ちいいのね?私の穴は……、ほら?何とか言ってみなさい、変態……」
寝転がる事しか出来ていない父親のモノが萎えないように、プロの娼婦でもAV女優でもそこまでは出来ない腰の叩き付けで卑猥な音を響かせるヘンゼルは父親の口元布を解いた。
バチュンバチュンと何処から発せられている音なのかも分からない、行為の音を掻き消すくらいの大声で父親は情けないことを口にしていた。
「ぎも゛ぢい゛い゛っ♡ま、また……出そうだ……。た、頼むッッ!!い゛い゛か…せてくれ゛ぇ゛ぇ゛♡♡」
「じゃあ言って♪“ヘンゼル様のおまんこ最高です。でも、私は若い女の穴ならなんでもいいです”って♪」
「い、言う゛っっ!ヘ、ヘンゼル様のおまん、こ最高ォ♡♡ワタ、しは若い女の穴なら誰の穴デモ、いいサイテーのオトコです♡♡」
「あら?そこまで注文していないのだけど♪───まぁいいわ♪さぁ、思う存分イキなさい♡カウントダウンしてあげるわ♡」
父親の最低な発言を聞き終えたヘンゼルは更に腰のピストンを激しくさせながら、父親の耳元に唇を当てて絶頂へ誘うカウントダウンを始めた。
3──、2──、1...ゼェ...ロッ♡
━━ドバァ───ッ!!ビュクルルル...
溶岩が溢れ出した火山のように白い熱液を地面に垂れ流しながら、腰を思い切り突き上げてヘンゼルをまるで肉袋のように上下に譲りながら果てた。全身の血管が浮き出しながら徐々に青ざめていく父親は死の間際に落とされていた。
全ての欲望と尊厳を白濁液に乗せて吐き出した父親の腹上に腟内に出されたモノをお返しするヘンゼルは、こちらを見ていた。さっきまで子どもが決してしない愉悦に浸りきっていた顔を見せていた彼女は身体にこびり付いた父親の体液を履き捨て切ると、行為をする前の姿に戻りこちらに近付いてきた。
行為中に汗一つかいていなかったことも然る事ながら、男の匂いすら着いていないヘンゼル。今度は俺の耳元で狡く嘯いた囁きを施してきた。
───さぁ、あなたが堕ちる番よ...♡
気が付くと手にナイフを握らされていた。目の前には、性行為で強制絶頂をさせられて息も絶え絶えになっている父親。その隣では今も少年の責めを俺にすら聞かせたことのない声で受け入れ続けている婚約者。
「あっ♡あ゛ぁ゛、死゛ぬ゛ぅ゛ぅ゛♡♡」
「煩いなぁ……。じゃあ狂い死ねよ……」
「グレーテル。まだダメよ?」
正直、今このナイフで自害をすることだって出来る。寧ろその方がいいかもしれない。こいつらは、俺に父親殺しをさせたいらしいが、婚約者を父親に取られただけでなく。横から入ってきて奪っておいて、俺に人殺しを。それも血を分けてもらった親を殺せと要求してくるなんて狂っている。
俺がナイフを持って躊躇っているのを見ていたヘンゼルが俺の手を掴む。そして死に切っている渇いた眼でこちらを見上げて言った。
───こうなったのは全部...あなたのお父さんが招いた結果よ...?
───いいの?お父さんをここで殺さないと、あなたの人生は悪夢がこれからも続くのよ?
そんなの嫌だ。だから死にたかった。でも、ヘンゼルの言うとおりだ。こんな遺伝子が世に残ったままで、世界が平和になるものか。そう思った途端に思考の中が真っ黒に染まった。
そうだ。
全部消さないと。
自分勝手な奴が王であってはいけないんだ。
だから、殺す。
そして、俺が───みんなの英雄になるんだ。
顔に冷たくて赤い液体がかかる。それでも手を止めない。しぶといもので、父親だったそいつは最後に一言浴びせてきた。
「お前も……か────」
ようやく動かなくなった。そこで手を止めて隣の声が大人しくなったことに気付いて目をやる。よく分からないが殺した男の恋人が、グレーテルに犯されて狂死したらしい。
何でか知らないがとてつもない罪悪感に駆られる。それどころか周りにはヘンゼルとグレーテルしかいないはずなのに、咎められている声が聴こえる。
━━━お前が王を殺した。
━━━これで王政は見直さなくてはならない。
━━━有難いことだが、お前の役目は他にも残っている。
━━━実の父である王を殺した罪で、死刑を受けてもらう。
違う。
俺は、お前達を助けたくて王を殺したんだ。やめろ。やめてくれ。俺は英雄になるはずだったんだ。それなのに、何故罪に問われなければならないのだ。教えてくれ誰か───。
禍々しい気に包まれた男は錯乱して何処かへと消えていく。その様子を見届けるヘンゼルは小さく微笑んでその怪異の真名を呟いた。
───ようこそ、【親殺しの反英雄】...。
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このところ怪異の発生が多発している。それもかなり小規模で複数の場所で同時に発生し、噂観測課極地1課2課フル稼働で対処する連日が続いていた。
ようやく記者対策を終えた矢先のことで、ひっきりなしに仕事詰めでメンバーの疲労も蓄積して来ていた。辰上と麗由もまた、連投で怪異の発生場所へと向かっていた。
「今日は少しだけ落ち着いていますね。しかし、まるで何者かに操られているかのように怪異が起きています。麗由さん達の出方を見ているような感じもします」
「はい。わたくしも龍生様と同じことを考えておりました。どうも、どこか規則性があるような。それでいて既視感のあるような予感がしております」
そう言って不安そうに小刀【冥府桜】を持つ手に力が入る麗由を気にかけつつ、運転を続けた。報告にあった怪異は以前も出会った事のある怪異【歳を言い当てる男】で、ディフィートとの同行で行動パターンは理解している辰上が麗由の持つ武器の中で適切な得物を割り出して小刀を持っていくことにしたのであった。
現場に到着し、早速ターゲットの姿を確認した。麗由は即座に抜刀して状況を開始すると、近くの廃工場内へと逃げ込んだ【歳を言い当てる男】を追いかけた。直ぐに後を追おうと、走り出した辰上であったがその寸前を青い斬撃が横切った。
「オレ、は……ヒーロー……なん、ダ……」
「くっ!?あ、新手?しかも見たことがない怪異だ」
ヒーローに固執した考えを呟きながら襲いかかる怪異を飛び込み前転で交わして、麗由の替えの武器である鉤爪を腕に装備して攻撃を受け止める。しかし、鍛えている訳でもない辰上は刺傷を受けずには済むも吹き飛ばされてしまった。立ち上がる間も与えてくれない怪異は獲物を仕留める肉食獣のように一心不乱に、辰上を目掛けて一直線に走ってくる。
間に合わないと鉤爪を盾に衝撃に備えて耐える。助走の勢いを殺さないように両脚を揃えて飛躍して手に持つナイフを光らせる怪異。すると、その怪異の肋に球体が直撃して辰上の目の前から、近くのコンパネの山に向かって吹き飛んだ。
「危ない危ない───、っと♪せんぱぁ~い、大丈夫ですかぁ?そいつは、あーしに任せてください」
「あ、空美さん!来てくれたんですね?」
「そっちが先輩なんだから、いい加減“さん”付け呼びとか抜きにしていいしッ!!うぅらぁぁ────っ!!」
辰上への挨拶を交わしつつ、起き上がった怪異に飛びかかる空美。砂埃を巻き上げながらバトルグローブにメキメキと音が出来るほど力を込めた拳を怪異の腹部に突き当てた。ずざざと音を立てながらも耐えたところに幅跳びの勢いで顔面に右ストレートを一発お見舞いして、吹き飛ばすと覚えた手の感覚に率直な感想を述べた。
「なんか、あんたの怪異……気持ちの悪い感じがするし。その怪異とは分かり合えそうにないかもだし」
「オレハ……オレ──ハ、ヒー……ロー、二……」
「あ~~ッ!!ジメジメと鬱陶しいなぁもぉぉ!!あーし直伝、あーし流奥義ッ!!かますし、必殺ッ!!ブリッド オブ フィストォォォ!!!!」
地面を殴りつけて自身を鼓舞した怪異が、カマキリが獲物に飛びかかる如く向かってきた。空美はその動きに合わせたカウンターブロウを急所に当て地面に投げつけるように打撃を叩き込んだ。
斜線状に叩きふせられた身体をバウンドさせながらパラパラと塵になっていく怪異を確認してから、笑顔でVサインを辰上に送る。そして、【歳を言い当てる男】を追跡した麗由に合流すべく直ぐに移動を開始した。
麗由を見つけた時、既に怪異は討伐されていた。駆け寄って状況の終了を確認を始めた。
「空美様が駆け付けていただいて助かりました」
「ほんとだよ麗由先輩。最近、龍生先輩とイイ感じらしいじゃん?なら、ちゃんと守ってあげないと♪龍生先輩、か弱い男の子なんですから」
「そう言われると、何も言えないよ……」
笑い話をしてその場から離れようとしたその時、殺気を持った視線を周囲に向け始める麗由を見てとてつもない緊張感が走る。足音がこちらに向かってくる。すると、その正体を見た麗由は瞳孔を開いて立ち尽くした。辰上と空美もその視線の先を見ると、そこには小柄の女性が立っていた。
しかし、空美も怪異と数多く対峙している経験からソレが怪異であることは直ぐに分かった。そして、本人が口を開いて自己紹介をして来たことで噂観測課全体に周知していた存在であることを知り、空美の表情も本気になった。
「お久ぶりね。ピンクの髪の怪異ハンターさん♪それとはじめましてお二人さん。私の……、いいえ。私達の名前は【ヘンゼルとグレーテル】と言います。早速で悪いのだけれど────」
戦闘態勢を取った麗由にもう一つの影がぶつかって一瞬にして辰上の傍から、遠くに位置する壁際にまで移動した。小刀と乱入して来た怪異の持つトマホークが激突するなか、先程の言葉の続きを麗由に向けて浴びせた。
「死んでもらおうかなぁ♪」
「────ッ!?」
「麗由さん?……ぬっ!!??」
「あなた達の相手は私よ♪」
「上等じゃんッ!先輩下がっててッ!!」
一気に距離を詰めてきたヘンゼルの襲撃を迎え討つべく、掴み合いに転じた空美はそのまま押し込むように前進して辰上から遠ざけた。最悪なことにヘンゼルもまた同じガントレットを主武装としている怪異であることから、お互いに入るべき間合いが一緒であった。
一方、鍔迫り合いから抜け出した麗由に辰上は持っていた鉤爪を渡し、二刀流でグレーテルのトマホークの強撃を受けて立った。グレーテルはその身に余る方がおかしい力で素早く得物を振り回しており、麗由に反撃の隙を与えてくれなかった。
このままでは【ヘンゼルとグレーテル】の方が優位であることは間違いなかったため、何か打つ手はないかと観察する辰上はあることに気付いた。それは、相手はそれぞれが有利になるように相手を選んだ可能性があることであった。
小刀は隙こそ少なく、素手や腕武器に対してその機能を損なわせながら攻撃を行うことも出来る中距離対応武器種。しかし、トマホークとの打ち合いになってしまえばリーチのあり与えた力がダイレクトに伝わるトマホークの方が反撃の隙を作らせにくい。
「うぅ、く……っ────こ、んのぉぉ!!」
「うふふふっ♪あなた、力こそあるけど連戦疲れかしら?そうなれば、同じ武器を使うもの同士。体力が残っている方が有利よね?【親殺しの反英雄】をやったことは褒めてあげなくもないけども♪」
ヘンゼルの打撃を諸に腹部に受け、怯んだ空美を金色のガントレットが高速に光を反射させて至る箇所を殴りつけていく。口角が張り裂けそうになるくらいに笑みを浮かべた狂気の顔に、辰上は恐怖でその場から動けなくなっていた。
目で見てわかるほどの外傷を負わされている空美であったが、大きく振りかぶったヘンゼルの一撃を紙一重のところで受け止めた。もう少しで地に着きそうになっていた上体を起こしていつの間にかガントレットにアタッチメントを装着していたボウガンをヘンゼルの胸部に押し当てていた。
「はぁ、はぁ、はぁ……。あーしと似た色したガントレット、使ってんじゃねぇよっっ!!」
「あら────…………」
━━バシュン...ドゴォォォ────ッ!!
矢を放ち爆発を起こして吹き飛ぶ。空美は爆風で地面に倒れ附せるほどの破壊力で炎が立ち込めながらヘンゼルが壁奥に叩き付けられた。
その間も戦っていたグレーテルと麗由であったが、鉤爪を叩き落されて不利に陥っていた。肩で息をし始めている麗由を鉄柱にぶつけて押し込みながら、オモチャを目の前に興奮する子どものような目で言った。
「お姉ちゃん、また弱くなったんじゃない?もっと、奪ってあげないと強くなれないのかなぁ?」
「うぅ……!?ぅ゛ぅ゛ぅ゛ぅ゛っ!!」
涙を浮かべながら、尚も抵抗してみせる麗由に飽きたという濁った目で見つめて押し込みを緩めて、廻し斬りで叩き付ける。倒れている麗由が仰向けになっている腹部を思いっきり踏み付けた。
「あ、が────は、ぁぁ……」
「弱いクセに向かってくるからさぁ~。あん時は見逃してやったけど、今回で終わりでいいや。知ってるよ?人間って此処で子作りするんだろっっ!!」
「ぁ゛ぅ゛、ぐぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛────────ッッッ!!!!!!」
完全に勝敗を決している事を見せつけるかのように、踵を下腹部にグリグリと押し付けて踏み躙るグレーテルを見た辰上は恐怖よりも勝る想いで叫んで走り出していた。
「やめろォォォ────ッッ!!!!」
「ふふっ♪お兄さん、優しいのね……♡」
「ハッ!?!?」
「せんぱ────」
━━ズギンッ...
走り向かう辰上の背後にヘンゼルがガントレットの甲手から弾丸を放ち心臓を穿いた。よろよろと減速していく辰上の身体にオーバーキルとも言えるトドメを刺しに駆け出したグレーテルが辰上の身体に回転がかかる勢いの斬込みを脇腹に与えた。
有り得ない光景が麗由と空美の目の前で起きていた。さっきまで笑いながら、苦楽を共にしていた辰上があられも無い傷を負わされて言葉なく地面に倒れた。
「あれ?このお兄さん死んでるんだけど?」
「私が心臓撃っちゃったんだもの♪死んでて当然でしょ♪」
「んー、そう……なのかな?ま、いいや♪これで────」
『ッ!?』
まるで同じゲームでスコアを稼いでいるテンションで、辰上の殺害を語っている【ヘンゼルとグレーテル】に白銀のオーラを纏った麗由が激突した。激しい衝撃を生じさせながら廃工場の外までヘンゼル達を押し飛ばしてその場を離れた。
全身のダメージが酷いながらも立ち上がった空美が辰上のもとへ駆け寄った。直ぐに病院へ運ぼうと、残りの力を振り絞って立ち上がり車の方へと向かう空美であった。
激しい怒りで我を忘れている麗由は、力任せに小刀と鉤爪を振り回して【ヘンゼルとグレーテル】と対峙していた。
「龍生様をっっ!!よくも……よくも────っっ!!」
「へへっ♪いいねいいね♪やっとらしくなってきた」
「そうね♪でも……人間らしくないのは、やはり駄目ね♪」
力を解放しきって、半ば暴走気味の麗由の攻撃すら話半端に処理出来てしまうヘンゼル達は最初こそ楽しんでいたが、動きが単調であることに気付いた途端に連携攻撃で反撃に出た。斬りかかって崩れかけた体勢の顎に膝蹴りを入れて宙に舞い上がらせて、グレーテルが追撃で拳を組んで地面に叩き付ける。
それでも、立ち上がる麗由の腹部にガントレットを押し当ててヘンゼルが発砲する。間に小刀を噛ませて直撃を避けて踏みとどまった背後にトマホークを振り降ろした。掠めて薄皮膚を裂傷するも小刀を逆手持ちで延伸力に乗せた麗由は地面に転がり込む。
「────あら?グレーテル♪うふふふっ……♪」
「おい。女?ボクの顔に……傷───入れたな?」
「ゥ゛ゥ゛ゥ゛ゥ゛……」
「チッ!人間ならよォ?大人しくヒトの言葉喋ってりゃあいいんだよッ!!」
トマホークを投げ捨てて、寝転んでいる麗由を掴みあげて頭突きを入れる。麗由のリアクションは見向きもせずに重い殴打を与えていく。抵抗の気配が消えたところでゴミをゴミ箱に投げ入れるように放り捨てる。
怒りをぶつけている間に再生している頬に手を当てて、自身の怒りを鎮めるグレーテル。すると、さっきまでの狂気地味た笑みを取り戻して意識を失いかけている麗由に笑ってみせた。
「りゅ───ぅ……せい、様……」
理性を取り戻すのと入れ違いで意識を失った麗由を見下ろす【ヘンゼルとグレーテル】の姿。
次に麗由が意識を取り戻した時、そこは病室だった。
「龍生様ッ!!」
意識を取り戻すや否、病室が何処かも聞かずに病院内を駆け回って辰上の事を探し始めた。すると、受付ロビーで俯いている空美の姿を見つけて肩を掴んで揺らしながら辰上の容態を確認する質問攻めをした。
「龍生様は無事なのですか?今は、集中治療室にいらっしゃるのですよね?龍生様は助かりますよね?なんとか言ってください空美様ッ!!」
「その……麗由、先輩……見てましたよね?龍生は、もう……」
そんな言葉を聞きたくないと壁に空美を叩き付けて言葉を遮った。死んだなんて認められない。受け入れられない麗由は激しく空美を責め立てるように揺すった。遂には平手を構えて、意味のない八つ当たりをしてしまいそうになったところを背後から手首を押さえつけられて我に返った。
「よせよ。あたいの弟子もお前も、やれることはやったんだ。受け入れたくない気持ちも分かるが、今司法解剖にかけているところだ」
「そうなんですよ。どうも後輩、死因が他にあるかもしれないんですよ……はい。とりあえずは、自分達の体の休息に努めろです。これ、上司としての命令です……はい」
止めに入ってきた燈火とトレードの口からも出てしまった以上辰上が死んだことは紛れもない現実の出来事のようだ。
悲しみで胸が。心の全てが壊されそうになる麗由は、自分が何故病院で目を覚ましたのかを尋ねた。
「あーしが龍生先輩と麗由先輩を一緒に車に乗せて病院まで運んだんです。【ヘンゼルとグレーテル】は────」
あの後、空美が気を失った麗由を連れ出して病院まで運ぶことが出来たことについてゆっくりと説明を始めた。それは遡ること約一日前。麗由を激昂したグレーテルが打ちのめした後のことであった────。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
「はぁ……。あのお兄さんのこと好きだったのかね?このお姉ちゃん」
「ま、どうでもいいことよ。あのお兄さんはもう居ない訳だし。そんなことよりも、この子どうする?」
気を失った麗由の頭を鷲掴みにして、見つめるヘンゼルはすっかり賢者タイムの弟に顔を向けて聞いた。以前麗由達を襲った際に、噂観測課の人間は皆その体内に怪異を飼っている事を確信したヘンゼルは、同時にそれはこちら側に堕とすことも可能であることを麗由の目の前で見せた。
今度は麗由を怪異堕とすのはどうかと提案をする。しかし、どの方法が怪異化を早めるかは人によって異なると面倒だからやりたくない意志を全面表示するグレーテルはトマホークを拾い上げた。
「このお姉ちゃん。もう愉しくないから要らないや……」
「そう。じゃあ、思い切ってお片付けしちゃっていいわよ♪」
掴んでいた手を離し、この場から立ち去ろうとケンケンパをしながら遠ざかっていくヘンゼルに対して、虚無に近い殺気でトマホークをギロチンのように垂直に麗由の首に固定して振り上げた。
━━ブンッ!!────ザクシュッ...
「あ゛?」
トマホークを握っている拳が腕からズレ落ちる。何が起きたのか分からないと首を傾げようとした時、身体に衝撃が生じて遠ざかっていたヘンゼルのところまで吹き飛んだ。
同時に、気配を察知したヘンゼルがガントレットを構えるよりも先に腰部に打撃が加わり地面に頭を何度も打ち付けてタイヤのように転がって地べたに顎をぶつけて倒された。
「よっし!麗由先輩。回収したしッ!!急げ急げだしッ、あーしッ!!」
「あの女……」
既に手負いの空美が不意を突いて、腕を斬り落としたのかと追いかけようとするが脚が動かない。首根っこを誰かに掴まれている。
「おい……。相手に背を向けて、どこに行こうってんだ?こらぁ”?」
「────ッ。あなた、何者?」
起き上がったヘンゼルがグレーテルを掴んでいる背中に仕込弾の発射口を向けて尋ねた。すると、グルっと振り返ってグレーテルの腰を蹴り出してヘンゼルの方へ渡して答えた。
「テメェらが大好きな噂観測課の人間だけど?それともなんだ?可愛い新入りに怪我負わせてきた輩風情に名乗れってかい?」
「へぇー。ボクらを観て動じないってことは、噂に聴くディフィートって人?」
怒りを抑えきれずに全身を身震いさせながら、下目で眺めるように頭を反らせるグレーテルであったが、誰であれ手首を斬り落としてきたことに再び激昂して斬りかかった。
向かった先に黒い雷切が湧き出して弾き返されて、着地して体勢を立て直した。愛剣の雷切を斬り分けて進むディフィートとグレーテルが激突する。
大振りではあっても、隙が肉眼で視認出来ないほどの速さで打ち出しているグレーテルの閃撃。麗由は辛うじて凌いでいるだけだったそれの二倍はある速さだというのにディフィートは、球技のラリーをやっている要領で捌ききっていく。背後に回り込んで弾丸を撃ち出すヘンゼルの一撃を跳び箱のように開脚飛びで避けて、グレーテルも合わせて避けることで生じた隙えを逃さなかった。
宙に浮いた下半身をプロペラのように振り回してグレーテルの顔を蹴り飛ばして、片腕で落下の衝撃を受け流して体勢を即座に立て直してヘンゼルに接近戦を仕掛けた。
「テメェらが噂の【ヘンゼルとグレーテル】って訳か。でも……麗由達でも勝てそうな相手ではあるがな……?」
「あら?私達は目からウロコって感じよ?まさか、あなたほど怪異を掌握した存在が居るなんて……」
「はっ……。別に大したことねぇよ……────、テメェらを根絶するためならこんなもんは、チュートリアルだってのっっ!!」
腕を交差して受け止めるヘンゼルに漆黒の雷切を帯びた剣圧を加えて、跪かせるディフィートは後ろに感じている駄々漏れの殺気に気付いていない訳がなかった。愛剣を押し込んだままフェンスを超えるように身を翻してヘンゼルを盾にしてグレーテルの反撃を退いた。
「お姉ちゃん……悪魔だね♪」
「悪魔?何抜かしてやがんだ……悪魔はテメェらの方だ────あたしはなぁ……」
水平蹴りでヘンゼルの両脚をすくい上げてサッカーボールのように上体を蹴りつけてグレーテルに向けてシュートして言った。
「とっくに悪魔なんて領域を越えてんだよォ!!」
「うっ!?この人、強いわよ……」
「だね……。ッ!?来る……」
「遅せぇ!!」
電光石火。いや、雷光一閃。既に見ている姿は残像でしかない。それを防ごうと防御の姿勢に出るが、まるで追い付いていない【ヘンゼルとグレーテル】は空中に浮き上がり、その空間だけ重力が働いていないのかと疑う程に滞空し続けていた。
しかし、黙ってやられている訳でもないとヘンゼルが地面にガントレットの残弾を撃ち尽くして拘束を脱して、トマホークに渾身の力を込めたグレーテルの反撃の一手で、ディフィートの手元から愛剣ドゥームズデイを手放させることに成功した。
丸腰になったディフィートに容赦なくヘンゼルは殴りつけかかるが、バク転、側転とアクロバットに立ち回るディフィートを捕まえられずにいた。しかし、そのまま愛剣ドゥームズデイを取り戻そうとしていることを見逃さないグレーテルはドゥームズデイを踏み付けて待ち構えていた。
「残念だったわね♪これでもう、あのトリッキーな技は使えないわよ?」
「────。」
「部下を助けに来たのに、そんなあなたが命を落としたなんて知ったら、さぞ悲しむでしょうね?」
「あのさ……」
「ん?何かしら?命乞いなら幾らでも聞くわよ?」
すっかり形勢を牛耳った気でいるヘンゼルの攻撃を相変わらずのテンポで避け続けるディフィートは死んだ魚の目。いや、感情も湧かない光景に向ける眼差しで口を開いた。
「勝った気になるのはいいけどさ……。あたしの武器……全部見てから、言った方が───カッコよかないかなって。まぁ、人じゃねぇヤツにそこまで求めるのがおかしいか……」
そう言い残して、ガントレットの肘部分に肩を入れててこの原理でへし折って突き飛ばし指笛を鳴らし、最初の相棒の名を叫んだ。
「終焉を刻む羅針よ!今この場に諍いの終焉劇を齎すべく、その姿を現せッ!!来いッ────【終焉の秒針】ッッ!!」
四つん這いの体勢になっているヘンゼルの中心地に振動が生じた。すると、地面から長剣が突き出しヘンゼルの身体を串刺しにした。
その様子に動じて踏み付けている脚の重心がブレたグレーテル。その一瞬で愛剣を指を鳴らして取り返したディフィートは肩を鳴らすようにぐるぐる回しながら、五体満足のグレーテルの方へゆっくりっと歩いていく。大切な姉を傷付けられたこと。そして、【ヘンゼルとグレーテル】としてのプライドに泥を塗られたことに激しい怒りを覚えて髪を逆立たせて、トマホークを二つに増やして斬りかかった。
「今更すぎんだよ。あっちはオトシゴちゃんを殺ってくれた分……こいつは音雨瑠 空美をいたぶってくれた分……」
「ボクはあのギャルのお姉ちゃん、やってないけど……ねっ!!」
重ねて振るってきたトマホークを流し受けて、背後に回り込んで両脚を斬り伏せて愛する姉の近くまで愛剣の側面でバッテングして吹き飛ばす。まだあと一撃が残っていると、愛剣に力を込めていき解放して口上前に言葉を告げる。
「そしてこいつが……幼馴染であるヒマワリちゃんに絶望を与えてくれた分だァァァ────ッッッッ!!!!」
復讐心を乗せて、麗由の笑顔を運べッ!!ドゥ~~~ムズッ!!デェェェ────イッッ!!!!
地面を抉りながら、【ヘンゼルとグレーテル】の逃げ場を完全に奪う包囲網の布陣を完成させながら、【終焉の秒針】諸共に焼き尽くしていった。
黒焦げになった大地に燃え盛る掃き溜めのなから、トマホークが飛んでくる。それを軽々と愛剣で弾き飛ばして、火の海の中心にさっきを向ける。火の中から両脚を再生させたグレーテルが姿を見せ、遅れて土手っ腹に風穴を開けたまま串刺しから抜け出せたヘンゼルが現れて口を開いた。
「驚いたわ。まさか、ここまでの強さを持った人間が。噂観測課に居るだなんて……」
「ボクらの攻撃が一切通じないなんて……。お姉ちゃん、化け物だよ」
「へっ、抜かせ。テメェらだって大概、面倒なバケモンだよ」
ディフィートが言うのも無理はない。ドゥームズデイの一撃をまともに喰らっておいて致命傷は負っているものの、消滅には至っていない現状がないよりもそれを物語っていた。
しかし、自身の最大技を持ってしても倒し切れなかった【ヘンゼルとグレーテル】に対して、余裕である態度を崩すことなく笑いながら確信を持った声で話した。
「でも。テメェらの倒し方は既に判明してっから安心しな。伝えるとすればテメェらを消滅させられんのはあたしじゃないってとこさ」
「そう……。流石に傷が深いわ。ここは退いてあげる。傷が治るのは精々半日あれば完治するわ」
「それまで楽しみに待っててあげるよ♪ボクらを倒せるとか言うその人間のことをねぇ~♪ハハハハッ♪」
そう言うと、火達磨になっている身体のままバッタやウサギのように跳び跳ねてその場から姿を消した。溜め息をつきながら愛剣をケースに閉まって背中に背負った。ドゥームズデイが納められたのと同時に周りに立ち込んでいる炎がまるで最初からなかったように消え失せて地面も焦げの一つない大地に戻っていた。
一先ず【ヘンゼルとグレーテル】を撃退出来たと落ち着くディフィートは、慌てて地面から参上してくれたラグナクロッカーのもとへ駆け寄って抱きしめた。頬をスリスリとくっつけながら涙を流して謝罪した。
「ごめんよぉラグナクロッカーぁぁ!!助けに来てくれたのに、火炙りにしちゃってさぁ!!」
ひとしきり泣いて、自分の怪異に懺悔をした。
やがて、戻ってくる気配もないことを確認したディフィートは空美が無事に病院に着いたことを確認した。同時に辰上 龍生が死亡していたことも聞かされ、これから合流する旨を伝えて空美が置き去りにしたバイクに乗って向かうことにした。ただ、一つ確証はないが思い当る節を口にして────。
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