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第一章
救った生命に奪われた生命 ─ 前編 ─ ★★☆
しおりを挟むまただ──。またこの光景だ──。
「先生……」
「────。」
「先生、お願いします……」
やめろ───。
中学生くらいの背丈が低い女の子が、目の前にいる教師の方を向いて、捨てられた子犬のように目をキラキラさせながら、何かを懇願している。するすると近付き、教師の男を上目遣いで見上げて懇願を続ける。
「先生ぇお願い。私をいっぱい、殴って下さい」
「────。」
「思い切り首を絞めて、全身の至るところに痣が出来るほど……鞭でも酒瓶でもいいですから。この身体が壊れるくらい」
やめろ、やめろ、やめろ───。
女の子は困惑している教師の前で服を脱ぎ、裸体を晒して手を取り胸の中心に引き寄せて跪く。そして、手の甲を舐めて上目遣いで涙を流しながら、懇願の声をヒートアップさせていく。
「私……、やっぱり生きているって実感が持てなくて……。このままだと……私、もう────」
「────、───っ!!」
「嬉しい♡先生……たぁ~ぷりっ♡シてください……」
何かを大声で、浴びせかけた教師が女の子を近くにあったベッドに、力任せに叩きつける勢いで押し倒した。
そして、女の子は脚を教師の腰に回してホールドすると、躊躇いもなく接吻を交わす。教師も要求に応えようと、平手で女の子の頬を引っ叩いて、息継ぎの余裕を与えないように接吻で口を防ぐと、次に腹部に拳を作って殴りつけた。
「っんぱぁ♡ダメぇ……足りなぁい。先生ぇ……もっと、もっとください……」
「───……、────。──────ッ!!────ッ!!」
「私、今。生きています。この世界に生まれた理由を、感じられて…いますぅ」
最早、女の子が狂っているのか、その要求に応えて暴行を強めていく教師が狂っているのか分からない。
頭が痛い。こんなの……覚えが、ない。だから────、
やめろォォォォ!!!!
□■□■□■□■□
ガバッと起き上がると、全身冷や汗をかいた状態で目を覚ます。息も荒くなっているが、決して興奮していたからじゃない。直前まで観させられた夢に、激しい嫌悪感と狂気性を感じたことが原因だ。
「最悪だ……。というか今何時だよ……。えぇ!!??ヤバッ!!」
飛び起きて、急いで支度を済ませて家を飛び出した。
まだ時間があると昼寝をしたせいもあるが、よりによってまたしてもあの夢に魘されて、起きる羽目になるとは思っていなかった。
仕方なく、定期券を持っている訳でもないオレは、タクシーを捕まえて中学高校時代の同級生達と、再会を約束した同窓会会場へと向かった。
会場に着いて時計を見ると、40分前に到着していることに気が付き、こんなことならもう少し近くまで歩いてからにすれば、タクシー代も安く出来たのにと残念に思った。同時に、急な腹痛に襲われたので近くの公衆トイレに駆け込んだ。
公衆トイレには個室が二つあって、奥側の個室は使われていたが、そんなことはオレには関係なかった。便座に腰掛けスマホを開いて、他の同窓会メンバーは誰が来るのか観ていなかったと思い、SNSのグループメッセージの通知を確認していた。ふと、メッセージの中に変なリンクが貼られているのが、不思議と目に止まった。
───意味が分かると怖い話。
内容は酒に酔った男が気分が悪くなり、トイレへ駆け込み気分が落ち着いた時に、隣の個室から聴こえてきた音に恐くなって飛び出したという話だった。
昔から、この手の話が大好きだったオレは、大凡のオチは知っていたから見るまでもないと、画面を閉じてポケットにしまった。
「…………カケ、………バン、…………ワレ、…………セン……」
「あん?」
「ニナ………、デン………、ハゲ…………、ツカ…………リマ……」
隣の個室からだった。それも音漏れしているらしく、一体どんな音楽を聴いているんだと、聞き耳を立てようとした瞬間。ふと、さっき観た怖い話のオチが脳裏に過ぎった。
確か、男が飛び出して逃げたのって、隣から聴こえていた音が……、電話の音声で────、
━━…カケニナ………デン……バン………ハゲ……………ツカワレ………リマセン
━━オカケニナッタデンワバンゴウハゲンザイツカワレテオリマセン
━━おかけになった電話番号は現在使われてなりません。
この話のオチが、覗いたスマホ画面に映し出されたのを観て、身の毛もよだつような恐怖に駆られた。そして、文章の最後に記載されている一言────。
「あ、もしもし」
「ぎやぁぁぁあああ!!??」
普段読み漁っていた話が、現実に起きたというだけで頭が真っ白になった。オレは、何が何だか分からないパニック状態になって、ズボンがちゃんと履けているかなんて気にせずに、直ぐに個室のドアをこじ開けて、ダッシュでトイレを飛び出した。
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隣の個室から、騒々しい物音がしてビックリする少女。
『もしもし?如何されましたか?燈火様』
「あ、いえ。なんか隣に入った人が随分と慌てていたようでして、はい」
『今どちらでお電話をされているのですか?』
「え?男子トイレです、はい。女子トイレ何故か工事中だったので……手早く済むなら公衆トイレだしな……と思い、入りましたね……はい」
燈火が、手に持って通話しているスマホと別に、もう片方の下げている手に持っていたスマホから、例の音声が流れていた。
「と、殿方の厠にてやるような事でも無い気も致しますが。……それで首尾の程は?」
「相変わらず心配性ですね麗由さまは……。はい、ちゃんと電話番号登録も抹消されておりましたよ。これにて、彼の痕跡は一切残っていないことになりますね……はい」
なんと、何者かが以前まで使っていた電話番号へ電話をかけて、繋がらないことを確認していたのだ。
しかし、麗由が疑問を抱くのも真っ当であった。何故、男子トイレでそれをやる必要があるのかという点においては、これまた意味が分かると恐い内容なのかもしれないと、特に深掘りするようなことはなかった。
「してして?例の新人。どうです?1人に関しては、何しろこのカメレオンフレアの異名を持つワタシが見込んで、スカウトしたんですから」
『辰上 龍生様、ですね。とても、優れた人材かと思われます。それと、カメレオンフレアは初耳でございます』
「あの青年、恋人いないから狙い所かも知れませんよぉ?はい?それとも、自宅に押しかけて早々に、やることやったとかだったりするんですかね、もう?ぷふっ!!」
マイク越しに、「ギャーハッハッハッ、ゴホッ、ゴホッゲホ……」と燈火が一人盛り上がっているなか、スピーカーにシューッと湯気すら上がりそうになっている表情。
その恥ずかしさからくる熱が、燈火に伝わっているのではと思い、口を開けずにいる麗由であった。言われたことが当たってもいないが、概ね外れている訳でもなかった。
あの時、警察に通報だなんて面倒を起こされる前に、取り押さえた際に彼の裸体を見てしまっていることを思い出して、更に恥ずかしくなった。
「あ~~、はぁ……。久々に思い切り笑ってやったです……はい。まぁ、近いうちに事務所の方には顔を出しますので、もしも進展あったらこっそり教えてくださいね……はぁ~いっ♪」
弁解の余地すら与えずに、ブツっと切話して首から下げている、ボロボロのポーチにスマホをしまう。そして、中からドライフルーツの入った袋を取り出して、手に取った内容物を見ずに取り出した。
「えぇ……!?……キュウイですか……はい」
嫌いなドライフルーツを引いてしまったと、表情に全開に出しながらも、口に含み渋々噛み締める。そのまま、公衆トイレから街中の方へゆっくりと歩いて、人混みの中へ姿を消すのであった。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
「まったく……。とりあえず、アフターケアも無事終了のようですね」
「あれ?麗由さん、どしたの?顔赤いね?もしや、辰上君に早速告られちゃったとか?」
「ひゃっ!?こ、これは……芳佳様。おはようございます。わ、わたくしのお顔……そんなに赤いですか?」
「ううん、別に。でもぉ♪今の反応は~、惚れたね?」
近くにあった鏡で、自身が赤面していないことなんて分かりきっていたため、冷静さを欠かないように取り繕うのは、簡単な事だった。
そもそも、辰上という人間をそんなに知りもしない段階で、一方的にこの感覚を好きと解釈するのは、違う気がしていたのもある。
「職務上、同じ課に属しているだけに過ぎません。それに、先日もお伝えしたとおり、わたくしは課に属する皆さまへ奉仕の心で接するメイドの立場でございますので、1人の職員を……増してや一殿方として見るなど……」
「お堅いなぁ麗由さんは。男って案外チョロいもんよ?特に、辰上君は直ぐに落とせちゃうわよ?」
配属初日に、気を失った人から出る言葉とは思えないほど、からかいの意味すら籠った言葉で、コミュニケーションを測ってくる茅野に対し、「そろそろ朝礼でございます」とクールに振る舞い、朝礼をする場所までエスコートするよう手で、行き先を示しながら歩き始めた。
事務室に入ると、既に辰上と実は席に着いていた。辰上のデスクと向かい合わせの位置に座る麗由は、「おはようございます」と小さくお辞儀をして着席した。
「それじゃ、新人2人が来てからの2日目の業務を開始します。初日は色々あって朝礼とかすっ飛ばしちゃったけど、とりあえずは昨日サラッと話したとおりに、今日から現場直行する人と所内業務の人に別れますのでよろしく」
「相変わらず中身のないご挨拶でございますね実様」
「なんだよぉ?じゃあ神木原くん(妹)がやってくれるのかい?業務報告」
「お望みとあらば」
いつもこの二人で、こんな感じで朝礼をやっているのかと思うと、いわく付きとまでは行かなくとも、ハズレ部署であることに間違いはないと思う辰上であった。
ふと、事務室一帯を見回して疑問に思ったことがあり、実に質問していた。
「あの課長……と言った方が自分にはしっくり来るのでそう言わせてください。この部屋を見る限り、少なくてもあと1人は職員がいらっしゃいますよね?」
「おっ?新入り早速鋭いねぇ♪オレと神木原くん(妹)意外にあと2人居ます。でも、2人とも別件で出払っていてね。1人の方に関しては、基本外回り依頼しているからさ。あんまり顔見る機会ないと思うよ」
「はいはい!居るのは男性ですか?女性ですか?」
「先輩、そこ聞く意味ありますか?」
本当にそのとおりだと思うものはいないのか、実は「うん男女ですよ」と軽く答えた。それに続くように、席を立った麗由が起き上がると、茅野と辰上の方を見て補足するように言った。
「男性の方は、神木原 総司。わたくしの兄に当たります」
「へぇ、お兄さん居るんだ麗由さん。これは高い壁がありますな?辰上君♪」
「あのですね、先輩。職場恋愛とかの話はですね────」
「あ、いいよ全然♪寧ろ、もうそんなに進展しちゃってたの2人?オレの知らないとこでさ?」
何の事情も知らない実すら、茅野の口車を鵜呑みにして麗由と辰上を交互に見て、口を挟んで来ていた。今から、何の仕事をするのか教えてもらうはずなのに、それをまったく感じさせようとしない、緊張感ゼロの会話が展開されていた。
「やはり、兄様の許可は取るべきでしょうか?」
「あの……麗由さん?課長も先輩も、ただ冗談半分でからかって来ているだけですから気にしなくていいんですよ?」
「そう……ですね……?」
身を乗り出して、言葉を告げてきた辰上を見て、先日自分がワゴン車に乗車したい際に、辰上に向けて放った言葉を脳内で再生していた。
──── 本当にお付き合いするのも、悪くありませんよね?
何を思って、あんなことを口にしていたのか。他ならぬ自分自身が、理解することが出来ずにいた。
辰上という男のせいなのか、それとも単に自分が、男性を性的な目で見るといった経験がないせいなのか。
「────くん。お~いってば。神木原くん(妹)と辰上くんが現場直行だから、共有内容や規則については移動中に教えてあげてね?」
「は、はい。かしこ、まりました」
「よしっ!それじゃオレの方は、これ……ねっ!」
歯切れの悪さには目もくれず、連絡事項確認を終えた実は、茅野の座るデスクの前にずっしり山積みになった書類を、ドスっと置いた。まさか、これ全部目を通せというのかと目配せをする茅野に、そうだよとウィンクで返答する。
「真さん……私、今日で腱鞘炎になったら労災出ます?」
「考えておきます。ちなみに、オレも一緒にやるけどこのロットであと4つあるから。これを今週中、つまりは今日明日で全部終わらせます♪」
陽気にそう話して、コーヒーメーカーの電源を押している実は、これが日常ですといわんばかりに、鼻歌交じりに煎り作業を見つめていた。茅野は、辰上に役割変わりたいと目で訴えていた。
それを感じ取った辰上は、急いで上着を羽織り麗由の手を引いて、事務所を出ようとした。
「さぁ行きましょう麗由さん。はじめての業務なので色々ご指導お願いします」
「は、はい……何なりとお申し付けください」
「いいなぁ。私も外回りがいい~」
外に停められている車に乗り、現場へと向かう二人を見送った実は、コーヒーカップに煎り立て珈琲を入れて茅野のテーブルに一つ置くと、一口喉を通した後に茅野の方を見て、陽気さを崩さずに不気味さを含ませて言った。
「そうでも……なかったりしますよ。何せ、ここ噂観測課が取り扱う噂っていうのは────」
茅野の目線を、積まれた書類に向かうように指をさして、この部署が何を取り扱っているところなのかを伝えた。
その説明を聞いて、茅野も流石に目を見開いて指さされた先に書かれていた文字を、黙読していた。
───都市伝説の信憑性の安定化。
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公衆トイレでの一件で、肝が冷えたオレだったが時計を見れば、もう集合十分前といい時間になっていた。会場に向かうと、既に殆どの同窓会参加メンバーが揃っていた。
「拓磨君じゃない?久しぶり。覚えてるかな?わたしのこと……」
「え?」
声を掛けてきた女性の方を観る。忘れるはずもない。彼女は、小学校の頃からの付き合いで高校まで一緒だった、幼馴染のようなものだ。
佐竹 拓磨、それがオレの名前だ。そして、声をかけてきた女性、前嶋 京子。
「覚えてるに決まってるよ。京子、変わんないなお前」
「ちょっとそれどういう意味?そういう拓磨君の方こそ変わらないじゃない」
「よお、拓磨。去年ぶりか。俺らしょっちゅう合っては旅行とか行くもんな」
「そうだな。もう全員揃ってるのか?」
「いや、まだ2人来てない。えっと……名前は確か……ん?」
名簿を眺めて首を傾げる様子を見て、一緒に名簿を覗き込んだ。
仕切りたがりのこいつが、同窓会に出席するメンバー。ましてや、高校時代の人には全員に絡んでいたやつが、まさか覚えていないなんてことあるかよ。少なくとも、オレですら名前くらいは覚えているし、さっきトイレでも確認していたが、見知った名前しか見ていなかった。
覗き込んで、チェックの着いていない名前を見ると、そこには覚えのある名前がしっかりと書かれていた。
「覚えてないのか?錦 総司。特待生で大学に行っただろ。まぁ頭脳明晰、スポーツ万能と絵に書いたような完璧なやつだったけど」
「え?でもそれって、高校2年生になってから直ぐに転校した子でしょ?何で今回の同窓会に出席しているの?拓磨君が特別仲良かっただけじゃない?」
「そうだよ。俺あいつと喧嘩して以来、口一回も聞いたことねぇし。だから、記憶にも残んなかっただと思うわ。でもよ……こっちは流石にお前も記憶になくないか?こんな変わった名前、そうそう忘れはしないだろ?」
自信なさげに指さした、もう一つのチェックされていない名簿の名前に視線を向ける。確かに、記憶に残りそうな名前だ。だけど、オレも顔まで覚えているか自信がない。
夜永又 素美。
一度聞いたり観たりしたら、ネタにしづらくともインパクトのある名に、聞き覚えもないし顔も思い出せない。必死に脳内ある、当時の記憶を絞って思い出そうとしているが、全然駄目だ。
そうこうしているうちに、本人が来れば分かることだろうと思い、指定された席に着く。まさかの四人席で、両サイドがその二人なのかよ。錦の奴はともかく、本当に記憶から出てこない夜永又という女と会話って、普通に無理だろ。
「遅れた……すまない。ここかな?俺の席」
「そうだよ。ねぇ、本当に錦君なの?2年の時に転校した?」
「はい……そうですけど」
そうだったそうだった。コイツは口数が少なくて、それで友達が出来ないまま転校して行ったんだった。顔を見たが、こんなにイケメンだったかってくらい、いい顔立ちしてやがる。
「久しぶり。オレさ、あの後もお前と連絡取り合ってたじゃん?だから、多分オレがこの中で1番お前と思い出あるぞ」
「そうか……。拓磨、今は何をやっているんだ」
「仕事の話?いきなりネタ切れですか?相変わらず変わってないねぇ真面目なとこ」
不思議なもんで、数年も合ってないやつともこうして顔合わせすると、童心帰ったみたくスラスラと話せる。ついさっきまで、どんなやつだっけ?って思っていたのが嘘みたいに、どんどん絡んでいけるんだしな。
「お待たせしました」
「ん?貴女が夜永又さん?なんとなく一緒に居た気はするけど、拓磨君と錦君も覚えてる?」
「ごめん……。1年の時、女性とは馴染めなかったから……俺は」
「んー、夜永又ねぇ……」
目の前に姿を現したってのに、全然思い出がないのか本当に思い出せない。こんな顔も可愛くて、スタイルもいい女を学校中の男どもが放って置くわけないだろってのが、今の第一印象だ。
「無理もないですよ。アタシ、不登校気味でしたから。そちらの錦…さんとは1回くらいしか、合ったこと…ないです」
「不登校って、うちの高校いじめとかなかったよね?なんかあったの?」
前嶋の言うとおりだった。少なくとも、オレ達が居た三年間はいじめとかそんな噂は一切なかったし、特に自分達の学年は言いたいことは直接言い合うことで、恨みっこなしって感じで話し合いもするクラスだった。
それなのに、不登校っても分からない。しかし、不登校であったのならオレや仕切りだがりのあいつが分からなくても、無理はないかもしれない。それにしたって、綺麗な声もしていて歌手をやってますって言われても、信じてしまいそうな程に魅力的な人だ。
「でも拓磨さんは知っています」
「え?オレ?悪いけど、オレはまだピンと来てないんだよねぇ」
(嘘だろ?何処で合って、顔見知ってるんだオレ?)
「部活動……オカルト研究会、でしたよね?」
「は?うん、そうだけど?────ハッ!?」
オカルト研究会。そう言われてやっと思い出した。というか何でこんな大事なことを忘れて、学生生活の記憶を思い返していたんだ。そう、彼女はオレと当時の先輩達で立ち上げた、同好会のオカルト研究会に入部してきた子だ。
「そうだ。モトミン。……モトミンだよ?」
「よかった…覚えていてくれたんだ」
「あ~オカルト研究って、あのおかしな先輩と一緒に立ち上げた同好会のね。私パスしてたから全然知らない」
「そうそう。前嶋のやつさ、部員数を規定値満たすために幽霊部員でもいいから入ってくれって言ったのに、嫌だって聞かなくてさ。あん時は大変だったぜ。そこに現れた我らの救世主、それがモトミンだったって訳」
思い出してしまえば、なんてことなかった。
そして、モトミンと呼んでいたから夜永又って苗字のこと、覚えていないのも納得だ。加えて言えば、あの頃は取り憑かれたようにオカルト研究に没頭していた。
大人になった今だからこそ、当時近くにいた美人に気付けるってこういうことか。しかも、研究会の話をすれば、笑って話が出来るから酒も進む。
「それで……、実際に出たのか?その怪異」
「そうなんだよぉぉぉ。隣のトイレから、『おかけになった電話番号は現在使われておりません』ってさ」
「ネットの中だけの話じゃないのね……。ていうかもう私、聞きたくないんだけどそういう話」
「うふふふ。拓磨くん昔の頃みたいに、面白そうに話すのね」
気が付けば、さっき起きた出来事をおちゃらけ話にするし、夜永又もオレのこと『くん』呼びしていた。しかし、楽しい時間はあっという間で、そろそろお開きとなるタイミングになって、夜永又が今度は思い出話を切り出した。
「アタシと拓磨くんしか知らない話になっちゃって悪いけど。あ、前嶋さんは耳塞いでいた方がいいかも」
「ヤダっ!?夜永又さんも拓磨君と同じ話をするの?勘弁して~」
「俺は……聞こう」
置かれている座布団で、耳を塞いでいる前嶋を放っておいて、オレと錦は夜永又の話を聞くことに集中する。それは、夜永又が不登校気味になったきっかけになったあの話だった。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
━━ 高校時代 ━━
「ねぇ、本当に行くの?」
「行くに決まってんだろ。部長達と連絡取れないんだし、ここに居るよりかは探しに行った方が早いって」
「で、でもアタシもついて行かなくちゃってことじゃない?」
廃校に肝試しへ行った。理由は、その廃校にはよく霊が例が出るっていう、在り来りな噂を信じて向かうことになったのだった。
あの時、オカルト研究で数々の近場の噂話が結局、建物の老朽化が原因だとかただの勘違いであることを解明して来ていたことで、すっかり自信がついてしまっていた。
「部長ォ?居ますか?」
「やっぱり戻って待とうよ。拓磨くんってば」
「もうモトミンは恐がりすぎだって。これまでもなんてことないものだったって謎を解いてきただろ?今回もきっとそうだって」
なんてカッコいいことを言っているが、脚はガクガクに震えていた。するとそこへ、隠れていた部長達が一斉に飛び出してきた。驚いたが、腰が抜けるほどではなかった。それでも、表情は充分に恐怖を物語っていたらしくて、部長達は腹を抱えて笑っていた。
「いや~ドッキリ大成功。来なかったらどうしようって思ってたけどな」
「部長、本気で焦りましたよオレ」
「どうした?拓磨?来る途中に観ていた意味が分かると怖い話が効いたのか?」
「ま、確かに怖いやつはいくつかあったわな。中でも人が怖いシリーズのやっとかな?自分は【花束を添えるおばあちゃん】が恐かった」
「もう、やめてくだいよ先輩。アタシもあれでクローバーが恐くなったんですから……」
見事に部長達のドッキリに、はめられたオレと夜永又。そしてこれが、部長達の最後の活動になることを知らされた。つまりは、引退試合みたいなことをやりたかったんだとか。
帰り道で聞かされたことで、既に廃校は部長達で何度も検証に行っているが、一度も心霊現象にも怪奇現象にも遭遇したことがない場所だったそうだ。
「ちなみに、拓磨。お前は何が恐かったんだ?意味怖のやつで?」
「そうですね……。【虐待を受けていた少女を助けたら...】ですかね?」
「確かにあれは恐かった。部長と自分も一緒にちょっとビクってた」
「おい、それ言うなよ」
「だって恐いでしょ?善意で助けたのに、あの警官殺されたんですよ?助けた少女に」
思い出されるように、全部を言わないでくれよと身の毛もよだつ身体を抱きしめていた。ふと、夜永又の顔を見ると顔色が悪かった。
やがて、それぞれの家路が分岐するところまで来たので、そこで解散することになった。夜永又に体調を聞くも「うん、大丈夫」の一点張りだった。
□■□■□■□■□
─ 翌朝 ─
「お前ら、無断で例の廃校に行ったらしいな?3年の連中にも説教をしてもらっているところだ」
「す、すみませんでした。でもオレたち、危ない目にあった訳じゃないです。なっ?モトミンも大丈夫だよな?」
「うん……」
「ったく、まずは佐竹、お前からだ。その後で夜永又。いいな?」
カンカンに怒っている先生の説教を受けることになり、みっちり一時間もオカルト研究会での活動のこととか、日々の授業態度について散々言われた。オレにこれだけ時間かけて、次の説教にも同じ時間費やす気かよと、不満げに教室を出た。
扉を閉めて振り返ると、まだ顔色が優れていない夜永又が立っていた。
「なぁ、具合悪いなら帰った方がいいぞ?棚橋の説教マジで長いからさ」
「うん……。でも、大丈夫。お話、して楽になりたいから……」
正直、不気味さを覚えたのを今でも覚えている。夜永又が教室に入って行くのを見てから、直ぐに下校した。その次の日には、実家に居ないといけなくて、その日の夜には家を出るためだった。
そうして、再び夜永又にあったのは連休明けのことだった。顔色はもとどおりになっていたが、その日の昼に早退したのを境に、不登校な日が多くなった。
オカルト研究会も、入ってきた後輩と小さな活動をするだけになった。その間も、夜永又の不登校に続いて、当時の担任教師だった棚橋も教師を離職したと告げられ、担任が変わったのであった。
✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳✳
あの後、実は夜永又は廃校にいた時、幽霊に取り憑かれていたのだと言うのだ。それに気付いた担任の棚橋が、知り合いの霊媒師を紹介して、除霊をしたが完全に霊を払い切るのに時間が必要だと言われたとのこと。
「その為に、不登校だった?」
「うん。中途半端な除霊のせいで、不登校になる前に学校に出て早退後に車で送ってくれた先生に乗り移っちゃって」
「それで……休職ではなく、離職になった……」
「肝心の取り憑いていた霊は?その後、ちゃんと除霊出来たのか?」
「出来たよ。今は、何事もなく生活出来ているし」
まさか、本日二個目の実話で恐い体験談が出るなんて思ったが、無事に解決出来ていてよかったと肩から力が抜けた。というか、あの時に言って欲しかったという気持ちはあるが、担任だった棚橋が離職した理由が関係しているほどのものであるため、言えなくて当然かとも思えた。
遂に同窓会お開きの時間になり、全員退室準備を済ませて外へ出る事になった。前嶋と夜永又がお手洗いに行くと言っていたので、特に意味はないが待つことにした。
「じゃあ、俺は……これで」
「ん?おう。錦、これオレの連絡先」
「ありがとう……。機会があったら、また」
自由解散で散り散りに帰るやつ、二次会に行くやつがグループを作って、各々の行き着けへと姿を消していく。みんながいなくなっていくなか、店から二人が出てきた。
「お待たせ~。ねぇ二次会行くの?」
「う~ん、飲み直したい気持ちはあるかな?」
「それならアタシも行っていいかな。続き……とはいかないけど、もう少し話したいし」
「えぇ~!?さっきトイレで話してたけど、2人でオカルト第2公演とか始まっちゃう感じ?なら私、帰るね」
本当にこの手の話が嫌いなのか、前嶋は前のめり気味で二次会行くのか聞いてきたくせに、逆に後退っていた。オレとしては、どっちでもいいと思っていたけど、本人は行動で帰ります宣言しているので、ここで解散ということで手を振って見送った。
さて、飲み直しとは言ったものの、まさかの夜永又と二人きりになってしまった。とりあえず、近くに何度か行ったことのある飲み屋があるから、そこに行こうと思い提案した。
「うん、いいよ。そこに行こ」
「少し歩くけどいい?」
構わないと肩を並べて歩く。スマホを取り出して通知を確認すると、さっきまで一緒だったってのに、もう通知の飛ばし合いをしている同好会のグループのポップアップが、ひっきりなしに上がっていた。
面倒くさいから、通知をオフにしてポケットにしまう。夜永又もスマホの通知を確認だけして、画面セーブにすると同時にピタリと足を止めた。
「いけない。忘れ物しちゃった!?ごめん、拓磨くん急いで取ってくるね」
「いいよ、一緒に行こう」
「大丈夫。どうしよ、かな?そうだ、終電逃しちゃうかもだし今から送るお店のところまで先に向かってて。そこなら最悪、宿にも泊まれるから」
早口気味にそう告げて、連絡先を確認して駆け足で来た道を戻っていく夜永又。そういうところが、不思議と新鮮な気がした。仕方なく、送られてきたマップを開き、示されている店まで向かう。オレの行こうとしてた店より、夜永又が紹介した店の方が近いじゃん。
到着してから二十分くらいで、合流すること出来た。だが、急な雨に打たれてしまい、二人揃って濡れてしまった。お店に入って、早く雨宿りしないといけない。だというのに、裾をギュッと掴んで動こうとしない夜永又に、オレは声をかける。
「早く中に入ろう。風邪引くことになるかもしれないから」
「うん……。拓磨くん……」
少し下に俯きながら、指をさしている方へ視線を向ける。
それは、ホテルだった。それもラブホテルだ。近くに宿があると聞いただけで、向かえと言われた店のことしか見ていなかったから、まったく気が付かなかったが隣接はホテル街だった。
ふと、胸に飛び込んで来る夜永又は身体を震わせながら、小声で言った。
「寒いから……暖まりたい。拓磨くんに暖めて欲しいの」
「そんな、こと────」
言われても困る。そう言いかけたが、胸の中から上目遣いで見つめてくる夜永又の瞳。この距離になって、感じざるを得ない女性的な匂い。それらが、何かを狂わせていく。
導かれるままに足が進むとは、こういう事なのだろうか。気が付くと、個室に入って一緒にシャワーを浴びていた。どうにも思考が働かない。
(酒のせいなのか?)
──違う。
(雨が降ってきたせいか?)
──それも違う。
(夜永又がオレを求めているからか?)
──そうなのかもしれない。
「これくらいで、いいかな?ねぇ、拓磨くんは経験はどれくらい?」
「え?そうだな……3人くらい」
(何を嘘をつく必要がある?)
「そうなんだ。その中に、前嶋さんとか居たりするの?」
「いや、居ないけど」
(何故前嶋のやつの名前を?)
その会話に、何の意味があるのかは分からない。でも、これだけは分かる。
(オレ……夜永又を、いやモトミンを抱きたい)
シャワールームを出て、互いの息を吸い合うように唇を重ねた。口内に進入してくるものを感じて、それを舌で絡めていく。息継ぎで離した一瞬に、真珠色の雫を零す。だが、求め合っている二人には、そんなもの関係なかった。
ベッドに押し倒して、顔から視線を離さず右手を背中へ回し、左手で乳房を触る。片手に収まりきる大きさの乳頭も、触れるか触れないところで時計回りを意識して、優しく丁寧に触っていく。
「あ……ぁぁ、たく……ま、くん」
「夜永又……」
「いや────。」
抱き寄せるように、背中に両手を回して上体を近付けて、耳元で放ってきた囁きで、完全にリミッターが振り切れた。
「素美って……呼んで」
「素美……、素美……、はぁ…はぁ……はぁ────」
顔を疼くめて、胃上部から鎖骨にかけて舌で舐める。下腹部に熱を感じた。素美がお返しにと、刺激を加えてくる。お互いの心臓の鼓動が、加速していくのを肌で感じ合うと、そのどうしようもない感覚を逃がしたくはたくはない。
だけど、離れたいという矛盾にも似た想いを揉み消すように、接吻を交わしていった。
「んんッ♡……ダ、メェ…」
「い、痛かったかな?」
「ううん。やめないで♡もっと奥まで、ゆ……び。挿入れて……♡」
ジュプリという音が聴こえてくるほどに、ほぐれている素美の秘部を、言われたとおりに深く出し入れを繰り返していく。心做しか、素美が加えてくる刺激も早くなっているのことを感じざるを得なくなっていき、込み上げてくる快感の波に呑まれそうになる。
「うふふっ♡射精そう?アタシ、イきたい♡お願い……イかせてぇ」
「───、分かった」
「んっ♡嬉し……。拓磨くんの手で……あぁんっ♡♡」
両手を自分の胸元に手繰り寄せ、身体を捩らせて絶頂した。
ピクピクと痙攣させながら、オレの手の位置を気持ちいいところから逸れないように、押さえようとするが突風に飛ばされる草木のように、ベッドに身体を押し倒しながら快楽の波を全身で感じていた。
やがて、波が引いたのか起き上がり、オレを今度は横たわらせた。そして、興奮で高まっている陰部を手で持ち、ガニ股になって息を荒くする。
「我慢させてゴメンね?今から……挿入れるから……♡」
「うっ────、っ…………」
生暖かい熱の中に包み込まれていく、快感に鼓動が高鳴る。あまりの気持ちよさに、少し腰が浮いてしまう。
「あぁんっ♡奥まで…♡♡いき、なり……」
「素美────、く……は、ぁ……♡」
「────っ♡♡じゃ、じゃあ……動く、ね♡」
顔を快感に歪ませながら、腰を上げる。そして、一気にすとんと落とす。休まず腰をまた上げて、落とす。伝わってくる素美の体重と振動に、身体が支配されていく感じがした。
喘ぎ声を漏らさないように薬指を噛み締めて、抽挿を繰り返す素美の姿を観て、より興奮が高まっていく。そうか、ココが素美の気持ちいいところなんだ。
「んあぁぁ♡♡拓磨、くんっ!激……しいっ♡」
「ごめん。オレも、イきたい。イってもいい?」
「うん。来て♡あん、……ぉぉ、おぉぉぉ♡♡♡くる、くる……拓磨くぅぅんっ♡♡♡」
溢れる欲望を解き放つべく、起き上がり素美を押し倒す。自分のモノを扱き、快楽に浸る素美の顔に、滾る欲望のソレをかけた。波のように迫る鼓動で、放出する絶頂の最中、果てているオレに追い討ちをかけるように、モノを口で咥え込む。
「ぐぷゥ~~~っ♡♡♡ぅぅぅ………、ぅ────ッ♡♡♡」
「く、はぁ……、ぬあぁぁ。もと、み…♡それ、やめっ♡」
出し切れずに残った物がないように、ストローで液体を吸うかの如く、締め上げてくる。
もう、頭がぐちゃぐちゃになっていきながらも、吐精が収まるまでかなり時間がかかった───、そんな気がした。
自分が自分でなくなったような感触に、重力が正しく作用しているのか、それさえも分からなくなっていた。
「ぇぇ♡♡────、ん……」
━━ ゴクっ♡
喉越しの音が、スピーカーから流されているのかというぐらいに、大きくはっきりと聞こえた。お互いに昂った反動で、一気に疲労が押し寄せて来てしまい、素美がオレの胸になだれ込んで来たのを黙って、受け入れるしか出来ない。
「拓磨くん……、好き♡」
「──────。」
脱力しながらも、愛の告白をして来た素美の頭を撫でた。今のオレにできる限界だった。込み上げて来ていた性欲よりも強い、倦怠感を引き連れた眠気に逆らうことなく、意識をオレは沈めていった。
────────────
肉体を重ねて、体力を使い果たして眠りに落ちた佐竹を見つめて、余韻に浸る間もなく自身で慰め続けている夜永又は、物欲しそうな目で撫で声を上げていた。
「拓磨くん……。アタシ……、もっとシて欲しいなぁ……」
疲れて寝ている佐竹をオカズに、三度目の絶頂を向かえる夜永又は、身体をエビ反りになる勢いで反り返らせて、ようやく静まった愛欲に開放されて、だらしなく大の字の状態で倒れ込んで息を整える。
呼吸が整ったところで起き上がって、冷蔵庫に入っている添え付けの飲料水を空けて飲む。水分補給を終えて、シャワーを浴びて身体を洗い流してから、服を着る。
「次、逢う時は……もっと楽しもうね♡拓磨くん♡」
手書きの置き手紙の下に、ホテル代の半分と飲料使用料に満たした代金を下敷きにし、一人ラブホテルから姿を消した。
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