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涼しげな声でパキネがそう言ったのに驚いて、振り返ると、パキネは俺の肩の上に手を置いて、何度が撫でるようにポンポンと俺を落ち着かせるように軽く触れてきた。
「ブンだって一生童貞……独り身なんて嫌でしょ?」
「独り身かどうかはわからないし、大きな問題じゃないよ。でも、俺がレナちゃんを好きなる日が来たら、パキネがどうなるかレナちゃんだって知ってるだろ?」
「99%見えなくなるかもしれないわね」
「それを知ってて、他人事みたいに言わないでよ。パキネが見えなくなったら俺は困る」
「だけど、私はブンくんと恋人になりたいの。私たちきっと上手くいくと思う」
「そうやろうね」
何故かパキネが肯定した。もっとルキみたいにダメだ!ってパキネが言ってくれたらと思った。だけど、パキネは言わない。言ってくれない。それどころか後押しされた。それが妙に腹立たしかった。パキネが見えなくなったら嫌だから恋をしてこなかったのに、なんだよって思った。
「恋人になったら何するの?」
「一緒に手を繋いで帰るの。放課後は一緒に勉強したり、休日はデートにも行きたいわ。そして、いつか邪神を倒して、キスしたり、それ以上のことも」
レナちゃんは、財布につけた付喪神付きの鈴をチュリンと指で弾いて鳴らした。
「友達のままじゃ出来ないことってあると思わない?」
「例えば?」
「そうね……私の髪を撫でたり?」
「お願いしたら髪くらい触れさせてくれないの?」
「絶対嫌」
「あ、えっと、そうなんだ」
レナちゃんの意外なこだわりに、少し驚きながらも、俺も好きでもない奴に髪を触らせることが出来るか考えたけど、答えは確かに無理一択だった。体に触られるのも嫌かもしれない。だから、レナちゃんはふざけたこと言っているようで、結構真剣に言っているんだって思った。
「恋愛対象としてみられなくても、恋人になれたら嬉しい?」
「嬉しいわ」
レナちゃんのこともパキネだと思えばいいのかなって思った。友達以上恋人以上家族以上の大切な人。それだったら、上手くやっていけるかもしれない。
俺は耳の横で握り合っていたパキネの手を強く握りしめた。
「じゃあ邪神を倒すまででよければ、恋人になるよ」
レナちゃんは口を閉じ、キュッと口角をあげて笑顔になった。
「ブンだって一生童貞……独り身なんて嫌でしょ?」
「独り身かどうかはわからないし、大きな問題じゃないよ。でも、俺がレナちゃんを好きなる日が来たら、パキネがどうなるかレナちゃんだって知ってるだろ?」
「99%見えなくなるかもしれないわね」
「それを知ってて、他人事みたいに言わないでよ。パキネが見えなくなったら俺は困る」
「だけど、私はブンくんと恋人になりたいの。私たちきっと上手くいくと思う」
「そうやろうね」
何故かパキネが肯定した。もっとルキみたいにダメだ!ってパキネが言ってくれたらと思った。だけど、パキネは言わない。言ってくれない。それどころか後押しされた。それが妙に腹立たしかった。パキネが見えなくなったら嫌だから恋をしてこなかったのに、なんだよって思った。
「恋人になったら何するの?」
「一緒に手を繋いで帰るの。放課後は一緒に勉強したり、休日はデートにも行きたいわ。そして、いつか邪神を倒して、キスしたり、それ以上のことも」
レナちゃんは、財布につけた付喪神付きの鈴をチュリンと指で弾いて鳴らした。
「友達のままじゃ出来ないことってあると思わない?」
「例えば?」
「そうね……私の髪を撫でたり?」
「お願いしたら髪くらい触れさせてくれないの?」
「絶対嫌」
「あ、えっと、そうなんだ」
レナちゃんの意外なこだわりに、少し驚きながらも、俺も好きでもない奴に髪を触らせることが出来るか考えたけど、答えは確かに無理一択だった。体に触られるのも嫌かもしれない。だから、レナちゃんはふざけたこと言っているようで、結構真剣に言っているんだって思った。
「恋愛対象としてみられなくても、恋人になれたら嬉しい?」
「嬉しいわ」
レナちゃんのこともパキネだと思えばいいのかなって思った。友達以上恋人以上家族以上の大切な人。それだったら、上手くやっていけるかもしれない。
俺は耳の横で握り合っていたパキネの手を強く握りしめた。
「じゃあ邪神を倒すまででよければ、恋人になるよ」
レナちゃんは口を閉じ、キュッと口角をあげて笑顔になった。
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