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俺の視線に気が付いたのか、視線が合ってちょっと照れたけど、彼女の視線は俺を通り越し、不思議そうに首を傾げた。それもそうだろう。だって、その女子の視線は明らかにパキネに向けられていたのだ。彼女には完全にパキネが見えているとしか思えなかった。
でも、もう一つ不思議に思ったことがあった。彼女の前にさっきから白のパンツに白のジャケットを着た、とんでもないイケメンが彼女の前の黒板に背をつけて立っていたのだ。
そのイケメンは少し俺より年上に見えたけど、恰好からして、この学校の生徒じゃないのはすぐに分かった。
「お前、名前は?」
イケメンは容赦ない口調で俺に話しかけてきた。
「え、っと」
口には出さず、頭の中で「時田文太」と試しに早口で言ってみたら、イケメンは不機嫌そうに俺とパキネを交互に睨みつけて言い放った。
「守護霊が疫病神だと?時田とやら、人生終わっとるのぅ。もしも俺の担当のレナに危害加えたらただで済むと思うなよ」
と、明らかに喧嘩口調で言ってきた。
俺とパキネが見えるのか?いや、俺がこの女子の守護霊が見えているだけか?
「ちょっとルキ!初対面の人に失礼でしょ!」
驚いたことに、隣の席の女子は口を動かさずに、僕の脳内にも聞こえるように念話してきた。僕とパキネ以外にそれが出来る人を初めて見た。
「疫病神とつるむといいことないからやめといたほうがいいんだ。俺はレナのことが心配なのだよ。俺はレナの守護霊で天使なんだから」
俺に話しかける口調と酷い目つきとは違って、このルキという男はどうやら天使らしい。
他人の守護霊が見えたのも、他人に俺の守護霊が見えたのも初めての出来事だった。
まだちょっと信じられないけど、「ごめんね」彼女が、声に出さずにそう言って、申し訳なさそうにしながら本を閉じだ。
そして当たり前のように口を動かさずに彼女は僕の脳に話かけてきた。
「私もたまに人の守護霊が見えるんだ」
「俺は初めて見た。他人の守護霊、初めて見た」
大切なことなので二回頭の中で言った。
「そうなの?私は時々、霊とかも見えるんだ」
すると、何故か自慢げに、ルキと呼ばれていたイケメン天使が話をさえぎってきた。
でも、もう一つ不思議に思ったことがあった。彼女の前にさっきから白のパンツに白のジャケットを着た、とんでもないイケメンが彼女の前の黒板に背をつけて立っていたのだ。
そのイケメンは少し俺より年上に見えたけど、恰好からして、この学校の生徒じゃないのはすぐに分かった。
「お前、名前は?」
イケメンは容赦ない口調で俺に話しかけてきた。
「え、っと」
口には出さず、頭の中で「時田文太」と試しに早口で言ってみたら、イケメンは不機嫌そうに俺とパキネを交互に睨みつけて言い放った。
「守護霊が疫病神だと?時田とやら、人生終わっとるのぅ。もしも俺の担当のレナに危害加えたらただで済むと思うなよ」
と、明らかに喧嘩口調で言ってきた。
俺とパキネが見えるのか?いや、俺がこの女子の守護霊が見えているだけか?
「ちょっとルキ!初対面の人に失礼でしょ!」
驚いたことに、隣の席の女子は口を動かさずに、僕の脳内にも聞こえるように念話してきた。僕とパキネ以外にそれが出来る人を初めて見た。
「疫病神とつるむといいことないからやめといたほうがいいんだ。俺はレナのことが心配なのだよ。俺はレナの守護霊で天使なんだから」
俺に話しかける口調と酷い目つきとは違って、このルキという男はどうやら天使らしい。
他人の守護霊が見えたのも、他人に俺の守護霊が見えたのも初めての出来事だった。
まだちょっと信じられないけど、「ごめんね」彼女が、声に出さずにそう言って、申し訳なさそうにしながら本を閉じだ。
そして当たり前のように口を動かさずに彼女は僕の脳に話かけてきた。
「私もたまに人の守護霊が見えるんだ」
「俺は初めて見た。他人の守護霊、初めて見た」
大切なことなので二回頭の中で言った。
「そうなの?私は時々、霊とかも見えるんだ」
すると、何故か自慢げに、ルキと呼ばれていたイケメン天使が話をさえぎってきた。
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