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金星クラブ
金星のプリンセス?
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銀太郎は自分が祖先から習っていたことをまた繰り返したのでした。
「西暦2022年5月12日。金星の王女、現れる。だよ」
「へえ。予言書みたいなのかな。そんなことが書いてあるの。でも、私、何か違うと思う。いや、金星に住んでいたことは漠然とは覚えているんだけど」
「そうなの」
「うん。金星の居住区で、お父さんとお母さんと住んでいて……あっ」
リリィは立ちすくむと急に泣き出します。
「思い出した。そう。宇宙船が不時着しそうになって、私だけ脱出ポッドで逃げたんだった。お父さんとお母さん、どうしているだろうか」
「それはどれくらい前なの」
「わからない。長い間、あの中で寝ていたから……二、三日前かな」
リリィは、草藪の中に埋め込まれている、箱のようなものの中に入り、色々な計器をいじくっていたが、しばらくすると絶望的に首を振るのでした。
「ありえない……こんなことって、ありえない」
「え?」
「1700年も経ってしまっているぅ!」
「じゃあ、古墳時代じゃないか」
「そうなのよ」
「じゃあ、お父さん、お母さんはとっくの昔に死んでいて骨になっているよ」
とデリカシーのない銀太郎は思ったままのことを正直にいうと、リリィは号泣しました。
「銀太郎さん。可愛い女の子にそんな冷たいことを言っちゃいけませんぜ」
と八幡越智郎が出てきて片膝をつきます。
「立花リリィ様」
「え?私だけどどうしたの。あなた、誰」
「あなたの到着をお待ちしておりました。私、二代目ヤマタノオロチ、八幡越智郎と申します」
銀太郎もリリィも驚いてしまいました。
「そもそもヤマタノオロチって、屋号みたいなもんなの?家元制?」
と質問したくもなっていたが、ここは黙っておくことにしました。
「西暦2022年5月12日。金星の王女、現れる。だよ」
「へえ。予言書みたいなのかな。そんなことが書いてあるの。でも、私、何か違うと思う。いや、金星に住んでいたことは漠然とは覚えているんだけど」
「そうなの」
「うん。金星の居住区で、お父さんとお母さんと住んでいて……あっ」
リリィは立ちすくむと急に泣き出します。
「思い出した。そう。宇宙船が不時着しそうになって、私だけ脱出ポッドで逃げたんだった。お父さんとお母さん、どうしているだろうか」
「それはどれくらい前なの」
「わからない。長い間、あの中で寝ていたから……二、三日前かな」
リリィは、草藪の中に埋め込まれている、箱のようなものの中に入り、色々な計器をいじくっていたが、しばらくすると絶望的に首を振るのでした。
「ありえない……こんなことって、ありえない」
「え?」
「1700年も経ってしまっているぅ!」
「じゃあ、古墳時代じゃないか」
「そうなのよ」
「じゃあ、お父さん、お母さんはとっくの昔に死んでいて骨になっているよ」
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「銀太郎さん。可愛い女の子にそんな冷たいことを言っちゃいけませんぜ」
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「え?私だけどどうしたの。あなた、誰」
「あなたの到着をお待ちしておりました。私、二代目ヤマタノオロチ、八幡越智郎と申します」
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