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裏山の古墳
巨大ヒキガエルとの遭遇
しおりを挟む突然、巨大ゲジゲジに何か大きな紐のようなものが絡まって引っ張られて、大広間の暗闇の向こうに消えていったので、炎崎アリサは懐中電灯の光をそこに当てたのでした。奥の方から、ドアがまた開いているのがわかり、更に、巨大な物体が座っているような形をしていました。
全身がヌメヌメした茶褐色の皮膚に覆われて、金色の瞳をこちらに向け、舌で絡め取ったであろう、巨大ゲジゲジの身体を、マックのフライドポテトのように、美味しそうに貪むさぼっていたのです。まるで、悪魔があらわれたかのような、おぞましさでしたが、炎崎アリサはスキップして近寄ります。
「ゲジゲジって美味しいの?」
空腹だったのかペロリとたいらげてから、暫く満足そうな潤んだ目をして、ドブ川のような口臭を発しつつ、巨大ヒキガエルは答えたのでした。
「美味い。たとえるなら、少し伊勢海老に似ているかもしれない。どうしてこんなに巨大化したのかはわからないが、肉厚もさらに大きくなっており、鶏肉のようで、外皮もパリパリとして香ばしく、何よりも口の中で、まろやかな風味が広がるんだよ。柚子胡椒と一緒に食べたら、もっと素材の味が引き立つであろうが、まあ、贅沢は言ってられないな」
「そうなんだ。じゃあ、私もひょっとして食べられちゃうのかな」
「ふむ。とりあえず、今、わしはものを食べたところであるから、満腹ではあるが、あと数時間経てば腹が減ることだろうから、その時にここにいれば食われることになるだろうな」
「よかった。それにしても、カエルさん、何でここにいるの?」
「お前がボタンを押したからだろうがっ」
「へえ。そうなんだ。起こしちゃってごめんなさい」
やけにあっさりと快活に炎崎アリサに謝られると巨大ヒキガエルとしては笑うしかなかった。
「アッハッハッハ。ごめんなさいですむ問題なのか。貴様は押していけないものを押してしまったんだぞ」
というと巨大ヒキガエルは舌を伸ばして、炎崎アリサの身体を掴んで宙に振り上げたのでした。
「ギャー、ちょっと何すんの。カエルのおじさん、やめてー」
オーバーは反応をする彼女が面白いみたいで、暫く左右に振ったりしてから床に降ろしたのであった。
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