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私小説 2
登山で年間300人死んでいるよ!
しおりを挟む「俺もおかしいと思ったんだ」
ガストで私は会田鉄夫と話を繰り広げていた。
「何がだい」
「登山で年間300人も死んでいるんだよっ」
「そうか」
「つまり、登山というのは、自殺行みたいな部分もあるんだよ」
「日本は山がちな所が多いからね」
「そう」
「多くの人がそういう自殺と紙一重なことをしている。たとえば、バイクでツーリングというのだって、あれだって、ヤバいだろ」
「令和二年で、原付などを含めて、死者は500人」
「あれ?意外と少ないな」
「いや、怪我をする人は年間30000人だよっ!」
「うぐはっ。登山とバイクだけでそんなに」
「そうだよ。そして、風呂の死者が、19000人だよ」
「あぐはっ」
「そう考えると、登山しない。バイクに乗らない。長風呂しない。これだけで、生存率は上がるな」
「うん」
「大切なのは生存率だと思う」
「静馬、最近、本当に良いこと言うなあ」
「えっ?そう」
「うん。その内、良いことあるよ」
「俺もそんな気がしてきた」
「そう。俺思うんだけど、人生、気のせいだからさ。だから、良いと思えば良いことしか起きないし、悪いと思えば悪いことしかないのさ。それが、引き寄せの法則の正体だよ」
「なるほど」
「たとえば、長風呂している人はそれが快感なんだろう。バイクをしている人は「俺かっこいい!ヒャッハー」なんだろう。登山している人もハイになっているんだろう!そういう人たちは死亡率のことは考えない。考える前に死んでいる。そうではないとは言わせないよっ!!!」
「誰に対して言っているんだよ」
「いや、ごめん。とにかく、君はこれからも小説を書きなさい。そうしていれば、ハッピーという誤解があるんだろう」
「そうそう。誤解というか、気のせいね」
「そうそう。もう、今、喋っているのが、静馬だか、鉄夫だか、わからなくなってきているけど、そーゆーことしないってのも、つまり、危ないことしないってのも、一つの人生だな」
「うん」
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