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 私はミルダ、貴族令嬢だ。

 
 貴族令嬢とは名ばかりかな、偉そうに振る舞うのは性に合わないっていうか、庶民の生活の方が好き。

 
 私の双子の姉サランは私とは真逆、家の使用人にはきつく当たるし庶民とは口をききたがらない。


 特にひどいのは奴隷の扱いだ。


「ごめんなさい!ごめんなさい!」

「奴隷の分際で人の言葉なんて使っているんじゃないわよ!!」

「サラン!!何しているの!」


 サランは自分のお小遣いで奴隷を買いイジメていた。まだ10歳の時にだ。


「私のお金で買ったんだからどう扱おうと勝手でしょ」

「人間なんだよ!?そんなの許されるわけない!!いくら?買った値段の倍払うからその子を開放して」

「3倍。じゃないと売らない」


 サランは異常だ。貴族の悪い部分をその小さい身に詰め込んだみたいな性格をしている。金にがめつく人を人と思わない。


 私は奴隷の子をサランから買い、その場で開放してあげた。


「これで君は自由だから……ごめんね、私はこんなことしかできなくて」

「……」


 奴隷の子は何か言いたそうな顔したが結局何も言わずその場を走り去った。


 彼にとっては私もサランと同じ貴族なのだ、あんな反応をされても文句は言えない。


 貴族か…くだらない。


「サラン、私家を出る。だから私の前に一生姿を現さないで」
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