恋に夢中だが所詮は僕。

 高校生活とは短いものだ。


多くの学生が青春を謳歌する。

 ーー勉学、部活、恋愛ーー

これらに時間を費やすだろう。


高森柊、僕もその一人だ。顔は中の下、勉強と運動は並であろう。そんなごくごく一般層より下のカーストにいる僕が夢中になる恋をした。


ー入学式の日ー

 僕は胸躍らせ、今にもスキップしそうな程の期待感を持つ見知らぬ同級生達と正門をまたぐ。クラス表を見てホームルーム教室に向いクラスを入ろうとしていた。

「ねぇねぇ!!」

 女子に後ろから馴れ馴れしく声をかけられた。

「君クラスここ???」

 頷くしかなかった。

「じゃあ一緒だね!やっぱ初日って緊張するよねぇ。」

 ここも頷くだけにしておいた。

「私は高島由季!よろしくね!」

 頷くわけにいかなかった。

「よろしく、」

 僕の第一声だった

ーーチャイムの音が鳴るーー

彼女は笑顔を見せ自分の席へ向かった。ありきたりな出会いではあるが、内心少し嬉しいと思った。

席に着き腰を下ろすと彼女は前にいた。苗字が近いことに今気づいた。なにか嬉しかった。

担任が諸説明を行っていたとき。彼女が後ろを向いた。

「ねぇねぇ、君名前なんていうの?」

また彼女が話しかけてきた。

「高森柊」

素直に答えた。

「しゅう君ね!よろしく!」

「よろしく」

下の名前で呼ばれたことに違和感を覚えつつも素直に返答した。すると彼女は笑顔を見せて前を向いた。そのまま放課後になるまで特になにもなかった。


















 


24h.ポイント 0pt
0
小説 192,862 位 / 192,862件 青春 7,025 位 / 7,025件

あなたにおすすめの小説

初恋エチュードの先に

片瀬ゆめじ。
青春
勉強・運動が苦手で要領も悪い広井。適当に勢いと元気でカバーしてる中学2年生。そんな広井は最近同じクラスの大田が気になって目で追ってしまう。大人になったら恥ずかしいと思ってしまうような若さ溢れる初々しい初恋や中学という小さな社会での部活動の楽しさ、いざこざ、苦しさ。学生の頃の弱さや強さ。あの頃にあった全てを書く青春群像小説。

終わりなき記憶

紫焔
青春
終わりなき青春の物語を描いた、人々の記憶の旅の時間を書いた話 ※人の話が長いです、あと、初めての作品なので、悪いところや良いところを言ってもらって全然かまわないです!

だらく倶楽部

うつろふめい
青春
 自称進学校・ウツミ高等学校は恐ろしいクラブが秘密裏に活動しているらしい。  曰く、怠惰を極めた人間の溜まり場。  曰く、落ちこぼれの寄せ集め。  それはまぁ良い噂の無いクラブである。そのクラブの名は、だらく倶楽部。……良い噂が無いのも、仕方ないといったところである。  

不良in文芸部

湯殿たもと
青春
不良が文芸部に入って新しく生まれ変わろうとします。 「ロボットの時代」の続編です。注意。

つまらないよね、生きるって

ドルドレオン
青春
怠惰、わたしたちを脅かすもの。 崇高なもの、それはあまりにも遠くにある。何のために生きているのか。 連載

通りすがりの日常。

花房山
青春
SS集。 人物名があるものから、とある人の独白まで。 価値観の相違に偏見が無い方向け。

大好きな先輩が付き合う条件にあげたのは「何でも言うことを聞くこと」でした。

天詩もも
青春
大好きな先輩が付き合う条件にあげたのは「何でも言うことを聞くこと」でした。 ※女性向け、挿入なしです。

そして明日の世界へ

喜多朱里
青春
 6年前の『平成30年7月東日本豪雨災害』で、最上 叶人(もがみ かなと)は大切なものをすべて失った。土石流に巻き込まれた家族は遺体で発見され、幼馴染の利根 彩佳(とね あやか)は必死の捜索も虚しく未だに行方不明のままだ。  高校2年生になった叶人は長女を失った利根家に迎え入れられ面倒を見てもらいながら、親友の鳴瀬 由良(なるせ ゆら)に協力してもらい彩佳の捜索を続けていた。  災害跡地を訪れた叶人は瓦礫の下に奇妙な扉を発見する。体勢を崩した拍子に扉の中へと落ちてしまい――その先はもう一つの足波市へと繋がっていた。  同じように見えて違いのある世界で、叶人は行方不明になっていた彩佳と死んだ筈の家族と再会する。そして彩佳の口から叶人こそがずっと行方不明になっていたのだと伝えられる。記憶の差異からお互いの探している彩佳と叶人は別人であると気付いた二人は、どちらの世界でも協力者になってくれた由良と共に、二つの世界からもう一人の自分を探すことになるが――?

処理中です...