狐、始めました。

怠惰

文字の大きさ
上 下
17 / 43
神話時代

神主の仕事2

しおりを挟む
~エラ視点~

 私は迫りくる魔物達を一瞬で凍らしてから大狐を視た。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【名前】バーク
【種族】大狐
【歳】1100  【性別】♂
【職業】王
魔力:C 妖力:B 神力:C
総合:C
【称号】支配者
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 なんと私よりも歳上だった。

 それにしてもこれは最近支配者になったばかりか。
 過去視を使い、大狐の過去をみてそう思った。するといきなり強さが上がって慢心したのか…。

 この人は性格さえ良ければ次の神主にしてもよかったのにな~。

「な、何が起こった。」

 大狐が何か言っている。まあ、交渉できないとわかったから早く処理しようか。私は大狐に向かって火を操り溶かしてしまった。
 はぁ~、早くこの仕事から開放されたい。私は神殿に戻り、仙狐の様子を見ることにした。








~仙狐視点~

 目を開けると真っ暗だった。私は狐火で明かりをつける。あの神主様。説明下手か?全く。私はこの場所を解析する。

 神主様……なぜこの世で一番危険と言われる大迷宮に転移させているのですか?

 最下層を目指せと言われたがこのステータスでは行けても下層だろう。

 取り敢えず私はレベルを上げるため下層を目指した。

 そして100年くらいでようやく下層までついた。

 そこまで強い魔物はいなかったが、下層の魔物は私と同格の者やそれ以上の者もいる。私は気を引き締めて下層を歩いた。そこで見つけたのは大きなクマ

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【名前】No name (Lv420)
【種族】エンペラーベアー
【歳】640  【性別】♂
体力:8500000
魔力:4000000
物理攻撃:9000000
物理防御:5000000
素早さ:6000000
魔力攻撃:5000000
魔力防御:6000000
【スキル】
[暴風魔法Lv9] [斬撃Lv10] [硬化Lv8]
【SP】200
【称号】なし
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 うわ~いきなり化物。

 だがこの場所ではこれが普通だということを私は知っている。

 そんなことを思考していくうちにエンペラーベアーが斬撃を飛ばして来た。

 私はそれを避けて大地魔法でクマを突き刺す。
 だがエンペラーベアーの暴風魔法をうまく使い避けられてしまった。

 私は仙狐だが獣化できない仙狐だ。仙狐は格の違いによって獣化出来るかできないかが決まる。

 私は戦闘能力は低いほうなので獣化はできないのだ。

 私は唯一のアドバンテージである解析で弱点を探す。

 だが、この下層レベルで弱点をさらけ出すようなアホはいない。

 こうなれば最終手段だ。私は大地魔法と、暴風魔法をを組み合わせ全魔力を注いで放った。

 するとエンペラーベアーは息絶えたが、同時に私の意識もそこで途切れた。




 私はこうして下層での戦闘を続けていきレベルが上がり支配者になった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【名前】No name
【種族】仙狐
【歳】1420  【性別】♂
【職業】神主後継者
魔力:C 妖力:B 神力:C
総合:C
【称号】[学者] [神主後継者]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 見てわかる通り、あれから早1000年がたった。

 神主様はあと884年で引退するそうだ。

 そして今、私は神殿の目の前にいる。

 私がここまで来たのではなく、最下層に降りた瞬間空間ごとここに連れてこられたのだ。神殿から神主様が出てくる。

「……おめでとう。やっとここまで来たね。」

「ありがとうございます。ですが、最下層の魔物と戦わなくて良かったのですか?」

「大丈夫……このペースだと私の引退目標まで間に合わない。……だから私が直接相手してあげる。」

--は?

 神主様が直接相手?

 神主様のステータスは解析したが総合Eだった。

 軽めに言っても勝てるわけがない。

 そう考えていると神主様は光り輝いて姿が変わった。全長数十メートルの美しい白色の毛並みを持ち、尻尾と耳と足先が赤色で目の上に赤色の模様がある瞳が黒色の大きな四尾の狐。私は咄嗟に解析する。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【名前】エラ
【種族】天狐(獣化)
【歳】2026  【性別】♀
【職業】神主
魔力:E 妖力:X 神力:X
総合:X
【称号】《最高位狐》
[管理者] [始祖] [最年少神主]
[七大罪所持者] [神獣]
[最上位神アテナの第一眷属]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 本当におかしい。因みにこれは下位神くらいの力がある。

『ん……行くよ。』

 神主様は口に魔力を貯める。その量は私の全魔力を簡単に超えた魔力だ。

 そして出てきたブレス。

 咄嗟に避けたがブレスに当たった遠くの島は粉砕されていた。

--え? 私ここで死ぬの?

 そんなことを考えながら私は暴風魔法を放ち牽制しようとするが、全く効かず魔力の吸収までされた。

 なので私は仙技で衝撃を操って物理に戦闘法を変えただが、神主様の身体をすり抜けて当たらなかった。

 私に尻尾が叩きつけられた。それをまともに受けた私は数百キロメートル吹き飛んで島に激突した。

 私は神主様が追いついて来る前に傷を癒やそうとする。

 だが残念なことに神主様はすでに目の前にいた。

 私は大地魔法で壁を作るが、吸収され意味をなさない。

 神主様はものすごく手加減されているのだろう。
 でなければあのブレスを避けれるはずないし、尻尾に弾かれ死んでないこともおかしい。

 それほどの戦力差だ。

 現に今も攻撃は飛んでこない。

 支配者になって、魔力、妖力、神力が許す限りは何でもできる。

 だが大体は元の戦闘スタイルが変わることはない。

 何故ならそれが自分にとって1番動きやすいからだ。

 神主様は元々暗殺系統の戦闘スタイルだったのだろう。気配が全く読めす、攻撃が全て死角から来る。そんなことはなかなかできない。
 私と神主様の戦闘訓練はこのままずっと続いた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生したら赤ん坊だった 奴隷だったお母さんと何とか幸せになっていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
転生したら奴隷の赤ん坊だった お母さんと離れ離れになりそうだったけど、何とか強くなって帰ってくることができました。 全力でお母さんと幸せを手に入れます ーーー カムイイムカです 今製作中の話ではないのですが前に作った話を投稿いたします 少しいいことがありましたので投稿したくなってしまいました^^ 最後まで行かないシリーズですのでご了承ください 23話でおしまいになります

転生令息は攻略拒否!?~前世の記憶持ってます!~

深郷由希菜
ファンタジー
前世の記憶持ちの令息、ジョーン・マレットスは悩んでいた。 ここの世界は、前世で妹がやっていたR15のゲームで、自分が攻略対象の貴族であることを知っている。 それはまだいいが、攻略されることに抵抗のある『ある理由』があって・・・?! (追記.2018.06.24) 物語を書く上で、特に知識不足なところはネットで調べて書いております。 もし違っていた場合は修正しますので、遠慮なくお伝えください。 (追記2018.07.02) お気に入り400超え、驚きで声が出なくなっています。 どんどん上がる順位に不審者になりそうで怖いです。 (追記2018.07.24) お気に入りが最高634まできましたが、600超えた今も嬉しく思います。 今更ですが1日1エピソードは書きたいと思ってますが、かなりマイペースで進行しています。 ちなみに不審者は通り越しました。 (追記2018.07.26) 完結しました。要らないとタイトルに書いておきながらかなり使っていたので、サブタイトルを要りませんから持ってます、に変更しました。 お気に入りしてくださった方、見てくださった方、ありがとうございました!

転生ヒロインは乙女ゲームを始めなかった。

よもぎ
ファンタジー
転生ヒロインがマトモな感性してる世界と、シナリオの強制力がある世界を混ぜたらどうなるの?という疑問への自分なりのアンサーです。転生ヒロインに近い視点でお話が進みます。激しい山場はございません。

魔力吸収体質が厄介すぎて追放されたけど、創造スキルに進化したので、もふもふライフを送ることにしました

うみ
ファンタジー
魔力吸収能力を持つリヒトは、魔力が枯渇して「魔法が使えなくなる」という理由で街はずれでひっそりと暮らしていた。 そんな折、どす黒い魔力である魔素溢れる魔境が拡大してきていたため、領主から魔境へ向かえと追い出されてしまう。 魔境の入り口に差し掛かった時、全ての魔素が主人公に向けて流れ込み、魔力吸収能力がオーバーフローし覚醒する。 その結果、リヒトは有り余る魔力を使って妄想を形にする力「創造スキル」を手に入れたのだった。 魔素の無くなった魔境は元の大自然に戻り、街に戻れない彼はここでノンビリ生きていく決意をする。 手に入れた力で高さ333メートルもある建物を作りご満悦の彼の元へ、邪神と名乗る白猫にのった小動物や、獣人の少女が訪れ、更には豊富な食糧を嗅ぎつけたゴブリンの大軍が迫って来て……。 いつしかリヒトは魔物たちから魔王と呼ばるようになる。それに伴い、333メートルの建物は魔王城として畏怖されるようになっていく。

悪役令嬢の独壇場

あくび。
ファンタジー
子爵令嬢のララリーは、学園の卒業パーティーの中心部を遠巻きに見ていた。 彼女は転生者で、この世界が乙女ゲームの舞台だということを知っている。 自分はモブ令嬢という位置づけではあるけれど、入学してからは、ゲームの記憶を掘り起こして各イベントだって散々覗き見してきた。 正直に言えば、登場人物の性格やイベントの内容がゲームと違う気がするけれど、大筋はゲームの通りに進んでいると思う。 ということは、今日はクライマックスの婚約破棄が行われるはずなのだ。 そう思って卒業パーティーの様子を傍から眺めていたのだけど。 あら?これは、何かがおかしいですね。

神による異世界転生〜転生した私の異世界ライフ〜

シュガーコクーン
ファンタジー
 女神のうっかりで死んでしまったOLが一人。そのOLは、女神によって幼女に戻って異世界転生させてもらうことに。  その幼女の新たな名前はリティア。リティアの繰り広げる異世界ファンタジーが今始まる!  「こんな話をいれて欲しい!」そんな要望も是非下さい!出来る限り書きたいと思います。  素人のつたない作品ですが、よければリティアの異世界ライフをお楽しみ下さい╰(*´︶`*)╯ 旧題「神による異世界転生〜転生幼女の異世界ライフ〜」  現在、小説家になろうでこの作品のリメイクを連載しています!そちらも是非覗いてみてください。

私の代わりが見つかったから契約破棄ですか……その代わりの人……私の勘が正しければ……結界詐欺師ですよ

Ryo-k
ファンタジー
「リリーナ! 貴様との契約を破棄する!」 結界魔術師リリーナにそう仰るのは、ライオネル・ウォルツ侯爵。 「彼女は結界魔術師1級を所持している。だから貴様はもう不要だ」 とシュナ・ファールと名乗る別の女性を部屋に呼んで宣言する。 リリーナは結界魔術師2級を所持している。 ライオネルの言葉が本当なら確かにすごいことだ。 ……本当なら……ね。 ※完結まで執筆済み

乙女ゲームの断罪イベントが終わった世界で転生したモブは何を思う

ひなクラゲ
ファンタジー
 ここは乙女ゲームの世界  悪役令嬢の断罪イベントも終わり、無事にエンディングを迎えたのだろう…  主人公と王子の幸せそうな笑顔で…  でも転生者であるモブは思う  きっとこのまま幸福なまま終わる筈がないと…

処理中です...