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プロローグ
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私は今、教室で数学の授業を受けている。
今の気持ちを一言で表すならばそれは“退屈”だ。
ならば授業を聞けば良いじゃないかと考える人が多いかもしれない。だが、そう言う問題じゃないんだよ。実は言うと私は生きる意味がみいだせない。
中学生の時、私は両親を失った。
その時の光景は今でも鮮明に思い出せる。
お腹に立派な銀の包丁を生やし目の前で倒れ込む父親。
私を庇う母親。
そしてそれに迫るかつての友人。
母親の血が飛び散り私の頬を汚す。
狂ったように笑うかつての友人。
私はこの時、この平和な世の中を生きる上で初めて本当の恐怖と言うものを味わった。
血に濡れた包丁……訳のわからない事を呟く友人。
結局、友人は異変に気付いた隣人が警察を呼んだらしく私が殺される前に取り押さえられた。
私は無事に生き残り……いや、虚しく私だけが生き残ってしまった。
私はこの日から笑うと言う事を忘れたのだと思う。
その後、私は祖父に引き取られる事になった。
しかし、祖父はギャンブル依存症になっており私は日々、賭け事が上手くいかない時に暴力を受けた。
ギャンブルに負けて機嫌が悪いときは気絶するまで殴られた。
私の身体には痣だらけ、私は日が経つごとに会話と言う行為をしなくなった。
ついには人と関わるのが辛くなり、友人と呼べる者はいなくなった。いや、そもそも私から拒絶した。
人と話すとかつてのトラウマが蘇る。
そして現在、高校生になって約2年。私が言葉を発したのは片手で数えるほどしかない。
生きる意味を見いだせない。
だが、死にたいわけではない。
私は前を向き授業に意識を向ける。その瞬間、私の意識は刈り取られた。
最後に目に入ったのは、一瞬だけ見えた真っ赤な炎と様々な瓦礫だった。
この日、学校の1つの教室が爆発すると言った事故が発生した。
原因は不明。犠牲者はクラスの生徒30人と先生1人だった。
目を覚ますと初めに目に入るのは真っ黒な世界。
〘スキル:暗視を獲得しました。〙
どこか機械的な声が聞こえた途端に視界がうっすら見えるようになりここが洞窟っぽい巨大空間にいることが分かった。
周囲には青白い水晶のような柱が立ち並び、その様は何処か幻想的にみえる。
水晶に近づこうと動いて初めて自分の身体に違和感を覚えた。
足で立とうとすると2本足ではなく4本で立った感覚がしたのだ。
更にはお尻の辺りに違和感。そしてそれは自在に動かせる。
--どういうこと? というか、ここはどこ?
頭が混乱し次第に思考が恐怖に塗りつぶされながら、そう考えていると視界にいきなり文字が浮かびあがった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【名前】No name (Lv1/10)
【種族】ベビーフォックス
【歳】17 【性別】♀
体力:15
魔力:30
物理攻撃:10
物理防御:5
素早さ:50
魔力攻撃:20
魔力防御:10
【スキル】:[狐火Lv1] [鑑定Lv1] [暗視Lv1]
【ユニークスキル】:[強欲Lv1]
【SP】:100
【称号】転生者
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
訳が分からなかった。目の前に起こる小さな超次元現象が。
頭の中には先程からこの文字に対する説明がうえつけられていく。
・ベビーフォックス:狐種に属する魔物の幼
体。レベル10で進化する。
・狐火:妖に属する狐種のみが使える特殊な火。火という現象を自在に操れる。レベル1なので今は明かりを灯すぐらいしかできない。
・鑑定:対象の情報を見ることが出来る。レベルが高いほど見れる情報量が変わってくる。
・暗視:暗闇でも視界が確保出来る。レベルが高いほど見やすくなる。
・ユニークスキル:その個体だけが持つスキル
・強欲:倒した相手のステータスのうち1つだけ、能力か、スキル、ユニークスキル、スキルポイントを奪える。
・SP:スキルポイントの略称。決して黒服の例の奴ではない。生物を倒すと手に入る。ポイントを使い、新たなスキルを獲得出来る。
・称号:その者の偉業、性質が刻まれる。称号には能力がある物もある。
・転生者:異界から魂のみの状態でやってくるという偉業を成し遂げ魂の格が上がったもの。
能力:異世界言語、成長補正
まるでそれが当たり前かのように理解した私は早速、スキルポイントで取れるスキルを見てみることにした。
無数のスキルが表示される。それだけでも先程までなら異常に見えたであろうソレも今では何も思わなくなっている。
私は今のスキルポイントで、使い勝手が良さそうなスキルを説明を見て選んだ。
・隠密(10pt):気配を周囲の者に悟られにくくする。
・気配察知(10pt):周囲の生物の気配を察知できる。
・危険察知(10pt):自分に迫りくる危険を察知する。
・恐怖耐性(10pt):恐怖を感じにくくする。
・魔力操作(10pt):魔力を扱いやすくなる。
・自己回復(50pt):怪我を少しずつ回復出来る。
そして今のステータスは……
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【名前】No name (Lv1/10)
【種族】ベビーフォックス
【歳】17 【性別】♀
体力:15
魔力:30
物理攻撃:10
物理防御:5
素早さ:50
魔力攻撃:20
魔力防御:10
【スキル】
[狐火Lv1] [鑑定Lv1] [暗視Lv1] [隠密Lv1]
[気配察知Lv1] [危険察知Lv1] [魔力操作Lv1]
[恐怖耐性Lv1] [魔力操作Lv1]
【ユニークスキル】
[強欲Lv1]
【SP】:0
【称号】
[転生者]
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
私はまず魔力の使い方を覚える。何故か知識にある魔力という存在は万物に宿るエネルギー物質らしい。
当然私の身体にも存在する。
取り敢えず私は長い時間をかけて身体の中にある魔力を感じ取り全身に行き渡るようにする。
そして、狐火を放った。
本能と言っても過言ではない方法で生み出したソレは火の玉と呼んでいいのだろうか……。
どちらかというと魂の様な火が目の前にフヨフヨと浮いている。
薄暗かった洞窟にほんのり明かりがついた。そういえばここはどこだろうか? 鑑定したらわかるだろうか? 試しにを鑑定を発動する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダンジョン石
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダンジョン壁
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ダンジョン壁
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダンジョン石
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダンジョン壁
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ダンジョン石…………………
私は多すぎる情報量に意識を失った。
〘スキル鑑定のレベルが上がりました。鑑定スキルのレベルがMAXになりました。鑑定が看破に進化します。スキル、高速思考を獲得しました。〙
今の気持ちを一言で表すならばそれは“退屈”だ。
ならば授業を聞けば良いじゃないかと考える人が多いかもしれない。だが、そう言う問題じゃないんだよ。実は言うと私は生きる意味がみいだせない。
中学生の時、私は両親を失った。
その時の光景は今でも鮮明に思い出せる。
お腹に立派な銀の包丁を生やし目の前で倒れ込む父親。
私を庇う母親。
そしてそれに迫るかつての友人。
母親の血が飛び散り私の頬を汚す。
狂ったように笑うかつての友人。
私はこの時、この平和な世の中を生きる上で初めて本当の恐怖と言うものを味わった。
血に濡れた包丁……訳のわからない事を呟く友人。
結局、友人は異変に気付いた隣人が警察を呼んだらしく私が殺される前に取り押さえられた。
私は無事に生き残り……いや、虚しく私だけが生き残ってしまった。
私はこの日から笑うと言う事を忘れたのだと思う。
その後、私は祖父に引き取られる事になった。
しかし、祖父はギャンブル依存症になっており私は日々、賭け事が上手くいかない時に暴力を受けた。
ギャンブルに負けて機嫌が悪いときは気絶するまで殴られた。
私の身体には痣だらけ、私は日が経つごとに会話と言う行為をしなくなった。
ついには人と関わるのが辛くなり、友人と呼べる者はいなくなった。いや、そもそも私から拒絶した。
人と話すとかつてのトラウマが蘇る。
そして現在、高校生になって約2年。私が言葉を発したのは片手で数えるほどしかない。
生きる意味を見いだせない。
だが、死にたいわけではない。
私は前を向き授業に意識を向ける。その瞬間、私の意識は刈り取られた。
最後に目に入ったのは、一瞬だけ見えた真っ赤な炎と様々な瓦礫だった。
この日、学校の1つの教室が爆発すると言った事故が発生した。
原因は不明。犠牲者はクラスの生徒30人と先生1人だった。
目を覚ますと初めに目に入るのは真っ黒な世界。
〘スキル:暗視を獲得しました。〙
どこか機械的な声が聞こえた途端に視界がうっすら見えるようになりここが洞窟っぽい巨大空間にいることが分かった。
周囲には青白い水晶のような柱が立ち並び、その様は何処か幻想的にみえる。
水晶に近づこうと動いて初めて自分の身体に違和感を覚えた。
足で立とうとすると2本足ではなく4本で立った感覚がしたのだ。
更にはお尻の辺りに違和感。そしてそれは自在に動かせる。
--どういうこと? というか、ここはどこ?
頭が混乱し次第に思考が恐怖に塗りつぶされながら、そう考えていると視界にいきなり文字が浮かびあがった。
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【名前】No name (Lv1/10)
【種族】ベビーフォックス
【歳】17 【性別】♀
体力:15
魔力:30
物理攻撃:10
物理防御:5
素早さ:50
魔力攻撃:20
魔力防御:10
【スキル】:[狐火Lv1] [鑑定Lv1] [暗視Lv1]
【ユニークスキル】:[強欲Lv1]
【SP】:100
【称号】転生者
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訳が分からなかった。目の前に起こる小さな超次元現象が。
頭の中には先程からこの文字に対する説明がうえつけられていく。
・ベビーフォックス:狐種に属する魔物の幼
体。レベル10で進化する。
・狐火:妖に属する狐種のみが使える特殊な火。火という現象を自在に操れる。レベル1なので今は明かりを灯すぐらいしかできない。
・鑑定:対象の情報を見ることが出来る。レベルが高いほど見れる情報量が変わってくる。
・暗視:暗闇でも視界が確保出来る。レベルが高いほど見やすくなる。
・ユニークスキル:その個体だけが持つスキル
・強欲:倒した相手のステータスのうち1つだけ、能力か、スキル、ユニークスキル、スキルポイントを奪える。
・SP:スキルポイントの略称。決して黒服の例の奴ではない。生物を倒すと手に入る。ポイントを使い、新たなスキルを獲得出来る。
・称号:その者の偉業、性質が刻まれる。称号には能力がある物もある。
・転生者:異界から魂のみの状態でやってくるという偉業を成し遂げ魂の格が上がったもの。
能力:異世界言語、成長補正
まるでそれが当たり前かのように理解した私は早速、スキルポイントで取れるスキルを見てみることにした。
無数のスキルが表示される。それだけでも先程までなら異常に見えたであろうソレも今では何も思わなくなっている。
私は今のスキルポイントで、使い勝手が良さそうなスキルを説明を見て選んだ。
・隠密(10pt):気配を周囲の者に悟られにくくする。
・気配察知(10pt):周囲の生物の気配を察知できる。
・危険察知(10pt):自分に迫りくる危険を察知する。
・恐怖耐性(10pt):恐怖を感じにくくする。
・魔力操作(10pt):魔力を扱いやすくなる。
・自己回復(50pt):怪我を少しずつ回復出来る。
そして今のステータスは……
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【名前】No name (Lv1/10)
【種族】ベビーフォックス
【歳】17 【性別】♀
体力:15
魔力:30
物理攻撃:10
物理防御:5
素早さ:50
魔力攻撃:20
魔力防御:10
【スキル】
[狐火Lv1] [鑑定Lv1] [暗視Lv1] [隠密Lv1]
[気配察知Lv1] [危険察知Lv1] [魔力操作Lv1]
[恐怖耐性Lv1] [魔力操作Lv1]
【ユニークスキル】
[強欲Lv1]
【SP】:0
【称号】
[転生者]
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私はまず魔力の使い方を覚える。何故か知識にある魔力という存在は万物に宿るエネルギー物質らしい。
当然私の身体にも存在する。
取り敢えず私は長い時間をかけて身体の中にある魔力を感じ取り全身に行き渡るようにする。
そして、狐火を放った。
本能と言っても過言ではない方法で生み出したソレは火の玉と呼んでいいのだろうか……。
どちらかというと魂の様な火が目の前にフヨフヨと浮いている。
薄暗かった洞窟にほんのり明かりがついた。そういえばここはどこだろうか? 鑑定したらわかるだろうか? 試しにを鑑定を発動する。
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ダンジョン石
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ダンジョン壁
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ダンジョン壁
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ダンジョン石
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ダンジョン壁
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ダンジョン石…………………
私は多すぎる情報量に意識を失った。
〘スキル鑑定のレベルが上がりました。鑑定スキルのレベルがMAXになりました。鑑定が看破に進化します。スキル、高速思考を獲得しました。〙
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