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学園編

第十六話

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「はぁ…はぁ…」

「リア様、急に走ってしまい申し訳ございません…。もうすぐ、我が家の馬車が見えてきますのでもう少しの辛抱ですわ!」

ビアンカが息切れてないのがすごい。

私はもうひーはーひーはー言ってるのに…、やはり体力つけようかな…。

「あ!あれですわ!リア様!じぃ!扉を開けて頂戴!」

馬の手綱を握って恐らくうたた寝をしていたご年配の方にビアンカは声をかける。

「…?お嬢様、お早いお帰りですね」

目を覚ましたじぃ様?はよぼよぼしながらも扉を開けてくれる。

「緊急事態ですの!さぁ、リア様中へお入りくださいまし」

「ハッハァ…ありがとう…」

息が上がるー。

ビアンカは先に馬車に乗り、手を差し伸べてくれる。

「じぃ!お兄様が後から来ると思うの、少し待っててくれるかしら?」

「かしこまりました」

扉を閉めて、元の定位置に戻るじぃ様。

じぃ様は小さく、白髪だらけ。

theおじぃちゃん。可愛いですじぃ様。

「それにしても、本当に我が家に泊まって頂くことでよろしいですか…?強引にお話を進めてしまいまして…」

「大丈夫よ。逆に迷惑じゃないかしら?」

「そんな!迷惑なんて!リア様が我が家に泊まるなんて…いまだに夢見心地です!」

「そうかしら?ありがとう」

「リア様、グランディエ公爵家にご連絡を入れた方がいいと思いますので、こちらに一筆書いて頂いてもよろしいでしょうか?」

「わかったわ、丁寧にありがとうね」

「いえいえ!」

そう言って真っ白い便箋とペンを渡される。

んー、なんて書こうかなー。

『お父様、お母様へ
今日は色々なことがありました。詳細はまた後日お話し致します。
本日はロールズ伯爵家にお泊まりします。急な外泊をお許しください。友人と女子会たるものをしてきます。 ロゼリア』

こんなもんでいいかしらね?

「ありがとう、ビアンカ。それでこれはどうすればいいかしら?」

「そちらはですね…じぃ、ピアはいるかしら?」

「こちらに…」

「ありがとう!こちらのピアに届けてもらいますわ!」

とても小さな青い鳥が出てきた。可愛い…、この小さな鳥にそんなことさせていいのか…?

「ピアちゃん?に頼んでも大丈夫かしら?」

「大丈夫ですよ!ピアは何度も配達を完璧にこなしていますので!」

「そう…ならお願いねピアちゃん」

「ピィ!」

可愛いィィィィィ、鳴き声まで可愛い!

「あら、ピアちゃんお返事してくれたのかしら…?」

「ピィピィ!」

「小鳥と戯れるリア様…天使…、ハッ!じゃあピア、グランディエ公爵家にこれをお願いね」

「ピッ!」

そう言ってピアちゃんは飛んで行った。





~おまけ~
父「見て!リーたんから手紙が…!」
母「まぁ!リーちゃんから!何々…色々あった…?」
父「まぁ、これはあとでアシュレイに聞くとしよう。問題はその下だよ」
母「外泊?!ロールズ伯爵家に?!」
父「ロールズ伯爵家の嫡男さえいなければ喜んで許可を出したいんだが…」
母「あの家だし大丈夫だと思うわ。それより私もロールズ伯爵家にお泊まりに行って女子会に混じりたいわ!」
父「何だって?!ジアンナが行くなら私も!」
母「貴方が来たら女子会じゃないじゃない!貴方はお留守番よ!」
父「えー、仲間外れはずるいよ…」



なんて会話をしていたらしいグランディエ夫妻でした。
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