39 / 65
クワンティエンの伝説
「めっそうもない。伏して…」殊勝な恵美?
しおりを挟む
「さて、神仏に美しい裸体を供養する、まあ結構なことですが、はたして神仏がこれを受け取るでしょうか?その答えは一目瞭然。他への祈念にしても想念にしても、もしこれを受け手が受けざれば、そのような想念の類は息せき切って、それを発した当人のもとに返ってまいります。嘘とお思いなら誰でもかまいません、誰か私に対してお怒りの強い思いをぶつけてみてください。いや、叩いてもかまいません。どうですか、恵美さん、さあ、ご遠慮なくどうぞ」と云うのに「いいえ、めっそうもない。伏してお話を頂戴するばかりです」と殊勝らしく恵美が答える。匡子と慶子が思わず吹き出してしまった。こんな口の聞き方ができるのかとなかば感心もしてのことである。
「そうですか。それでは仕方がない。私の話の確証を皆さんの前で実験して示そうと思ったのですが…もし私が、誰であるにせよその方の発した怒りなり不調和な念を受けなかったならば、その念は発した当人のもとへと帰って行くのです。するとどうなるか。その念が本人自身を縛り、その度合によっては諸天善神の法力による脱力状態、もしくは金縛り状態へと陥るやも知れません」ここでちらっと鳥羽に眼をやって「彼がその毒念を放棄しないかぎりその状態は続きます。そんなものは早く捨てて、楽になることです…えー、ともかく、ベトナムの御婦人たちがはからずもエクスタシーに陥ってしまうというのは、神仏が彼女たちの供養を受け取らずそれを返したからです。供養と称しながらその実みずからの身体への自負心こそがそこにはあった、身体への五官をともなって、です。そしてそれが顕現してしまったわけです。まあもっとも、そばで見ている男がいたとしたらまたとない見ものでしょうが…」娘たちがいっせいに笑う「えへん、まあともかく、さて梅子さん、さきほどの〝純蜜うんぬん〟のことですが、ここいらで私がそう申し上げた趣旨をわかっていただけたでしょうか?」といきなり梅子へと質問をぶつけた。
【ご婦人の自負心であろうとも、いかにも見もの…煩悩男の作者より ^_^;】
「そうですか。それでは仕方がない。私の話の確証を皆さんの前で実験して示そうと思ったのですが…もし私が、誰であるにせよその方の発した怒りなり不調和な念を受けなかったならば、その念は発した当人のもとへと帰って行くのです。するとどうなるか。その念が本人自身を縛り、その度合によっては諸天善神の法力による脱力状態、もしくは金縛り状態へと陥るやも知れません」ここでちらっと鳥羽に眼をやって「彼がその毒念を放棄しないかぎりその状態は続きます。そんなものは早く捨てて、楽になることです…えー、ともかく、ベトナムの御婦人たちがはからずもエクスタシーに陥ってしまうというのは、神仏が彼女たちの供養を受け取らずそれを返したからです。供養と称しながらその実みずからの身体への自負心こそがそこにはあった、身体への五官をともなって、です。そしてそれが顕現してしまったわけです。まあもっとも、そばで見ている男がいたとしたらまたとない見ものでしょうが…」娘たちがいっせいに笑う「えへん、まあともかく、さて梅子さん、さきほどの〝純蜜うんぬん〟のことですが、ここいらで私がそう申し上げた趣旨をわかっていただけたでしょうか?」といきなり梅子へと質問をぶつけた。
【ご婦人の自負心であろうとも、いかにも見もの…煩悩男の作者より ^_^;】
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。
【新作】読切超短編集 1分で読める!!!
Grisly
現代文学
⭐︎登録お願いします。
1分で読める!読切超短編小説
新作短編小説は全てこちらに投稿。
⭐︎登録忘れずに!コメントお待ちしております。
季節の織り糸
春秋花壇
現代文学
季節の織り糸
季節の織り糸
さわさわ、風が草原を撫で
ぽつぽつ、雨が地を染める
ひらひら、木の葉が舞い落ちて
ざわざわ、森が秋を囁く
ぱちぱち、焚火が燃える音
とくとく、湯が温かさを誘う
さらさら、川が冬の息吹を運び
きらきら、星が夜空に瞬く
ふわふわ、春の息吹が包み込み
ぴちぴち、草の芽が顔を出す
ぽかぽか、陽が心を溶かし
ゆらゆら、花が夢を揺らす
はらはら、夏の夜の蝉の声
ちりちり、砂浜が光を浴び
さらさら、波が優しく寄せて
とんとん、足音が新たな一歩を刻む
季節の織り糸は、ささやかに、
そして確かに、わたしを包み込む
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる