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第二章 デュランス河のほとりで

犯人たちの最後の抵抗

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「いや、それはダメだ。暴行致傷、挙動不審の嫌疑でどうしても署まで来てもらわねばならない」
「それはないだろう?!娘を奪われそうになって、それを防ぐために抵抗するのは当たり前じゃないか!ものの道理が分かっているのか?おまえ。ああ?」とこちらは従犯格の男だ。それへビアクが口をはさむ。
「ばかやろう。誰が誘拐か。なんであたしたち誘拐するか。おまえ、デタラメ云うな!」
「まあまあ、あなた…ビ、ビアクさん…」彼女の剣幕に押されながら私が云い、連れの女性も抱いていた幼女を下におろしてから抑えに入ろうとしたが、しかしそれを見た主犯格の男が幼女を奪うために近寄って来た。
「ダメ!この子に手を触れちゃダメよ!あなたには渡せないわ」
女性が幼女の前に立って男の接近を防ぎ山倉も間に入って男を押しやる。
「貴様ら…(警官に)おい、これを放置しておくのか?!娘を取り戻そうとする親を邪魔するこいつらを…ええ?…制止しないのか?!」
「そうだ!職務怠慢だ!ものの是非を弁えない、お、お前を訴えるぞ!」と男ら2人が怒号する。
「いや、だから待て。そういうことを取り調べるために署まで行こうと云っているんだ」
「ばかやろう!誘拐犯に娘を囲われたままで、お、俺が我慢できると思うのか?!俺は断固実行するぞ…いいな」そう云い放ってから主犯格が幼女に向かうのを警官が手を掛けて制止する。
「待て!云うことを聞かないのなら任意同行から逮捕に切り替えるぞ!」
「な、何を~?!」
この時サイレンを鳴らして別のパトカーが到着した。待ち受けていた警官から素早い指令を受けてバタンバタンとドアを鳴らしその警官とともに3名が堤を駆け上がって来る。
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