エッセイのプロムナード

多谷昇太

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エッセイ香港

エピローグ「我的香港 萬歲!」

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 上記の通りなのですが実は他にも許せないことがあって、それは何かと云うに彼らへの協力者がいるということなのです。私が転居する場合私の経済状態からしてそれはいつも共同住宅になるのですが、当然ながらそこには既に既住人が住んでいてストーカーどもがそこに入ろうとしても無理な筈です(転居する際私が上下左右の隣室が埋まっていることを確認するので尚更です)。ところが、です。“又借り”という手段を使ってストーカーどもは幾許もなくそこに、隣室に、容易に入り込んで来るのです。つまり本来の住人が金を提示されて又貸しをする分け。いかにも信じられない話でしょうが、またその事を詳述する間もないのですが、とにかく、これ、真実です!これは民間住宅のみならず公営住宅に於てもやらかし得るのです。それが可能な分けを一言だけここで云っておきましょう。先の「政・官・財・暴のスクエア」がそれに当たるのです。親分の金の力とコネクションは実に強大だ…とだけ明示しておきます。それよりもここで云いたいのは、チンピラに平気で部屋を又貸しする人間どもの、その下卑た根性のことです。金にさえなれば何でもやるのか。それによって私が受けるだろう苛みなどへっちゃらで、部屋を貸すのみか、時々そこに戻って来ては自分が未だそこに住んでいる風を私の前で装いもするのです。つまりヤクザに協力するわけ。前記した「こいつらが私の前で、まあ、実にくさい田舎芝居を打ち続ける…」というのは実にこのことです。我慢、ならない!

〔エピローグ〕こんなみっともない私の窮状に掛けて神聖なる香港市民の抗いを引いたことをお詫び申し上げます。しかしその引いた意趣は下記の通りです。
一、私はプレカリアートであり、二、政と財が親分に当たり、三、香港ヤクザがストーカーに該当し、四、官が(何度窮状を訴えっても相手にすらしない)公団やら警察に相当する、と思ったからです。
 彼我の力の差は余りにも大きく、私はいかにも絶望的です。法律や賃貸契約などというものは「政・官・財・暴」に於てジャスト恣意的で、その適用に於てはすべて彼らの意のままに施行されるだけです。人権や自由という人間としての最低条件さえもが、いとも簡単に否定される世の中です。長、年にわたる私のこの災禍の中で、またすっかり馴らされたプレカリアートとしての世の中に於て、奇跡のように現出した昨今の香港の抗いは、グローバリズムの弊害に真っ向から立ち向かうもので、連帯の意を込めて、私なりに香港の人々の意趣を想像し、斯く綴った次第です。

        【我的香港 萬歲!…史上最大300万人のデモ】
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