エッセイのプロムナード

多谷昇太

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エッセイ香港

蛇足エッセイ「フレディストーカー」1

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しかし現実には香港自由金融市場の命運を掛けて日本との提携を図るなど、更には「本国」中国の成長エンジンをも取り込もうと、香港の充実と発展の為に懸命…というのが実体の方だ。また同庁議員たちは資産家層出身が主だそうで、自分たちの財を守るという上で長官と足並みを揃えていると見ます。しかしまさかの逃亡犯条例が自分たちにも適用…?と危惧してもいるのでしょう。香港蓄財と自由香港を秤に掛けての対中模索中にも拘わらず、学生らめが…というのが実態ではないでしょうか。
 要はウイグル圧迫など思想統制から見る中国政府のその干渉度指数やいかに…が問題なのですが、他方その本土政府は本土政府で香港に対するそれなりの思惑があるのだと思います。その類ない金融センターとしての実力を維持する上に於て、また利用する上に於て、果して自らの干渉度は奈辺まで…が相当なのではないでしょうか。しかし将来本国と全き同条件の中国人とする上に於ては、香港人が抱き続ける人権と自由指向性は、これはいかにも認め難いのに違いありません。

[付三]話しがぐっと卑近なものになります…。
いま私の足下の部屋からは小型ジェネレーターのような機械音が、ドンドンドンという振動とともに、瞬時も休みなく伝わって来ています。常人ならば寸時も耐え難いでしょうが私はもう半ば馴れてしまっている。この音は前住居だった某市営住宅在住当時から始まったもので、もうかれこれ5、6年になるでしょうか。いま居るこの住まいは秦野市にある、半分崩れかかったようなオンボロ団地で、その最上階の5階角部屋に私はいま住んでいます。前の市営団地が4階の部屋でして、その上の5階の部屋に今と同じようにヤクザどもが入り込み、こちらはこちらで四六時中床を足で踏み鳴らしては私を苛んだものですから、それに閉口して斯く最上階の部屋に移り住んだのですが…。
 しかしヤクザどもの追跡、ストーカーには果てしがなくて、その後も私を追いかけて来、今度は真下の4階の部屋に移り住んで来ました。寝れば天井を棒で叩く、前記した機械音を立てる等々のことをし、私を満足に眠らせません。ゆえに映画「エルム街の悪魔フレディ」にかこつけて私はこいつらをフレディストーカーと命名しています。平成14年来いまに至る、実に都合18年間に及ぶことで、まさに気違い沙汰です。
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