自らを越えて 第一巻

丹沢行（３）new birthへの旅

コブレンツ古城（４）

「おい、ちょっと待ってくれ」と俺は帰ろうとする城兵たちを呼び止めた。
「俺は行く。あんたらといっしょに巨人のもとへ。対決するから連れてってくれ」。
城兵たちは顔を見合わせた後、鷹揚に俺にうなずいて、「ついて来い」と一言。
しかし手で首を切る仕草をして「こんど逃げたら、これだぞ」とばかり、腰の剣をつまんで鞘にもどしてみせた。
（時空転化）
うなされている同室のホステラーを残して、俺は城兵たちの後をついて行った。「いい夢に変わるよ」と彼に一言を云って。
表でシェパードの吠え声がしない。ということはドアを閉めた途端に城は中世に戻ったということで、さらにということは、
表には…

【運命の城兵たちは決してあなたを、我々を見逃さない。あなたが真にあなたの持つ宿業を超えない限り。写真はpixabayより拝借】

（これで詩編は終了です。ではどうぞ小説本編へとお戻りください）