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ビバルディ弦楽四重奏曲
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ミキ「わー、最高!!」
マサト、ミキ「いっただきまーす!!」
ロビタ『ピー、ワラ、どうぞ召し上がれ。われにても嬉しからざるや。これ家事ロボットとしての本懐なりせば……などと云うにしもあらず。はからずも二人への親しみがたいそう増し来るのが不思議なり。そればかりか、慈しみの思いさえ湧き出ずるなり。久しく離れ離れでいたりしこと、また一人として合体せしのちも、長きにわたって人々に尽くせしこと、これあっぱれなり!褒め、慈しまざるや。さればわれロビタ、なおも尽くし尽くさむ。さよう、次は食事のすすむ音楽など、お聞かせもうさばや。ピー』
M:弦楽四重奏、ビバルディ「四季」第一楽章。
(サービス、下のURLを右クリックしてネットに張り付けて聞いてください)
https://www.youtube.com/watch?v=Gwvrg4ym7BU
ミキ「うーん、なにこれ?すってき!聞いたこともないような音楽。昔の曲かしら」
マサト「知らないね。ぼくたちの居た時はもっぱらA1ロボット演奏家たちの、自律神経賦活をうながす電子音楽ばかりだった。ぼくはあまり好きじゃなかったけど、この曲はいいね。自然に心がはずむ。なにより食欲がわくよ。もっと料理出ないかな」
ロビタ『こ、心得たりィ。はて、なんとはなし、不思議の思いす。ミキの思いの移り来たるがごとし……か、かなしや、マサト。いかに長く、食せざりしものか。いかにか食べたからむ。とく馳走をばせむ』
ロビタ、ミキ「マサト、かわいそうに。食べることもできなかったわね。いますぐ、食事つくるわね」
マサト「え?ミキ、なんだって?このワインやご馳走、君が出したのかい?それに……なんかいまの声、変だったな」
ミキ「そう?わたし知らない。あなたのことを思うと、たまらなくなって……結婚したんだからわたし、あなたの妻でしょ?それなのに食事ひとつつくってあげられなくって。ごめんね、マサト」
マサト「そんなこと、仕方ないさ。それよりこの魔法の数々、いったい誰がしてくれてるんだろう?……わ、ほらさっそくご馳走が出た。おいしそうだな、なんだろ、このいっぱいの料理の数々」
【ピィー、ワラ、ムッシュー、召し上がれ】
マサト、ミキ「いっただきまーす!!」
ロビタ『ピー、ワラ、どうぞ召し上がれ。われにても嬉しからざるや。これ家事ロボットとしての本懐なりせば……などと云うにしもあらず。はからずも二人への親しみがたいそう増し来るのが不思議なり。そればかりか、慈しみの思いさえ湧き出ずるなり。久しく離れ離れでいたりしこと、また一人として合体せしのちも、長きにわたって人々に尽くせしこと、これあっぱれなり!褒め、慈しまざるや。さればわれロビタ、なおも尽くし尽くさむ。さよう、次は食事のすすむ音楽など、お聞かせもうさばや。ピー』
M:弦楽四重奏、ビバルディ「四季」第一楽章。
(サービス、下のURLを右クリックしてネットに張り付けて聞いてください)
https://www.youtube.com/watch?v=Gwvrg4ym7BU
ミキ「うーん、なにこれ?すってき!聞いたこともないような音楽。昔の曲かしら」
マサト「知らないね。ぼくたちの居た時はもっぱらA1ロボット演奏家たちの、自律神経賦活をうながす電子音楽ばかりだった。ぼくはあまり好きじゃなかったけど、この曲はいいね。自然に心がはずむ。なにより食欲がわくよ。もっと料理出ないかな」
ロビタ『こ、心得たりィ。はて、なんとはなし、不思議の思いす。ミキの思いの移り来たるがごとし……か、かなしや、マサト。いかに長く、食せざりしものか。いかにか食べたからむ。とく馳走をばせむ』
ロビタ、ミキ「マサト、かわいそうに。食べることもできなかったわね。いますぐ、食事つくるわね」
マサト「え?ミキ、なんだって?このワインやご馳走、君が出したのかい?それに……なんかいまの声、変だったな」
ミキ「そう?わたし知らない。あなたのことを思うと、たまらなくなって……結婚したんだからわたし、あなたの妻でしょ?それなのに食事ひとつつくってあげられなくって。ごめんね、マサト」
マサト「そんなこと、仕方ないさ。それよりこの魔法の数々、いったい誰がしてくれてるんだろう?……わ、ほらさっそくご馳走が出た。おいしそうだな、なんだろ、このいっぱいの料理の数々」
【ピィー、ワラ、ムッシュー、召し上がれ】
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