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荒るる風

矢切の渡し

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ひとり来ぬ矢切の渡し連れ立ちは悲しびとふ名の孤独女(め)なりき
※車上生活者に零落れてしまった(そのわけはこれ以降の和歌ですべて記す〔特に第三章の「ツイッター和歌・by写楽呆介」で〕。霊視というものが深く絡む)。人々の(白い)眼から逃れ逃れて、深夜に辿り着いた場所は、なんと偶然にもあの矢切の渡し場でした。その折りに抱いた孤独さと、惨憺たる感慨たるや!

【矢切の渡し;その時は深夜で真っ暗、全く気付かなかった。いかにも象徴的で悲惨な偶然だったのです】


いつ踏まれ死なむとままか舗道行く人のあしもと行き来す蟻や
※大森駅の線路沿いの公園で詠みました。力なく俯いた視線に写った蟻たちの姿。この蟻たち同様に、何の伝手も保障もない我が車上生活です…

己が世は音なしの構え隠滅流たたかはずして仕舞ふべきもの
※組織と、ヤクザ集団とどうやって戦いますやら…いかが?

露底の夢さへバクの老獣に命ともども食はれなまし
※1.老獣というわけは私はもう老人ですから夢も何も…命すらも。
※2、式子内親王の和歌「…露の底なる松虫のこゑ」に絡めて詠んだ。

      【おいバク君、抱く夢ではなく悪夢を食ってくれよ…】


人見れば厭はしく声聞かば憂し手負いの獣牙むくごとし
※一度車上生活者に零落れれば世間の白い眼とその罵りさ加減に限りはない!畢竟この歌のような塩梅となってしまうのです。

       【こんな感じ?誰か人が寄りつくでしょうか…?】
by Viergacht
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