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魔軍上陸編
氷刹の姫、発つ 2
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幾重にも連なった魔法陣によって形成された破滅の恒星は、光度を倍に、倍に倍増する。
零絶蔽域もろとも、道路を覆う氷雪、そして天空を覆う曇天全てを跡形も無く消し飛ばした。
狂わしい光の爆轟。まるで幾星霜の時を生きた星の壮絶な最期。
人々が住まう地において炸裂した超新星爆発は、中威区を永久の凍土から解放した。
肌を強張ばらせる冷気を打ち消し、舗装された道路を覆っていた氷雪は完全に融け去って、融水は太陽光を含む。
冬場静かに降り積もる粉雪の如く、二人の周囲に降り積もる。エスパーダは眼前に起こった事態に、ぐったりと崩れた。
竜位魔法の直撃を受ければ、最悪存在そのものを消滅してもおかしくない。
あまりに強烈な閃光で閉ざした瞼を開けた景色は、明るみを取り戻した世界と、災厄の申し子であった。
何故だ。あの魔法を使えば少なからず再起不能にはできた筈。
零絶蔽域によって形成された究極の極冷世界を粉々にしたのだ。全力の殺意と敵意を、激情と憎悪を以って。
なのに、なのに何故―――。
「そこまでです!!」
二人の鼓膜を大きく震撼させる怒号に両者、一斉に振り向く。
エスパーダと全く同じ色、少し短めのセミロングを靡かせ、ドレスを着こなす少女が二人を見上げている。
年齢は澄男よりも低く、背も低いが、薄碧色の瞳から伝わる気迫は、年齢に相応しい代物ではない。
とても凛々しく、とても眩しい。
透き通った氷に光を当てたようで、太陽に照らされた海原のようであった。小さい背を最大限に伸ばし、二人の姿を交互に見つめる。
二人とも、既に衣服や身体はぼろぼろ。
エスパーダは氷の鎧装甲が朽ち果てて無くなっているばかりか、体の一部分さえも所々融けてしまい、かなりの傷ついているようだった。
あの禍々しい魔法陣の中で未だ生きているのが奇跡だろう。
一方、澄男と思われる男は衣服の繊維が殆ど朽ちて半裸の状態に近い上、体の各所から鮮血が流れていた。
それだけでもかなり胸が痛くなるが、それ以上に胸を締めつけたのは冷たい視線で見据えてくる彼の瞳。あまりの冷たさに思わず身が震わせる。
暗黒の瞳から放たれる明確な敵意。半裸の状態で複数に割れた腹筋が、攻撃的な感情を更に助長させている。
満身創痍な二人。自分が割り込んで尚、殺気を解く事はない。澄男の敵意に呼応し、エスパーダの崩れた拳が握られる。
まずい。このままだとまた戦いを始めてしまう。
胸が締め付けられるような痛み。爆発する拍動。
いや。もう、もう―――。
「エン……トロ……ピー……? 何をぬぐあっ」
自らの恥によって起こした経緯を話そうとしない彼にエントロピーは優しく、包み込むように抱きしめた。
まさに母親。悪さをした実の息子を全力で嗜める親のような抱擁に、エスパーダは身を埋めた。
彼女の身体は大変小さい。だがこのときだけ、どことなく大きく見えた。戦士であるエスパーダよりも遥かに。
融けかけの氷原に立つは幼き女神。抱かれるは荘厳な使徒。
無限の曇天から解放され、遂にその支配権を取り戻した陽光が、彼等を優しく照らした。
エスパーダの拳が脱力する。エントロピーは更に強く抱擁する。
姿を消す敵意、周囲を取り囲む慈悲。
最早冷たい氷点下の世界ではない。彼等だけの桃源郷、絶対領域を緻密に描く筆となり、彼等の前に漠然と顕現する。
暗黒の帳が消滅し、純粋な暖かい青空が二人を包み込む中で、エントロピーの瞼から一滴の雫が垂れた。
太陽の光を一瞬だけ乱反射させ、地面を優しく濡らしながら融け切ってない氷雪に熱を与えた。
熱くもなければ寒くもない。何者かを傷つける苛烈さはなく、何者を凍えさせる冷淡さもない。
寒さに身をやつす者を暖め、熱さに身をやつす者を肩代わりする。
彼女の涙は暖かった。融雪が陽光に照らされ、その慈愛を輝映する。個々に輝く、静寂な満天の星空の如く―――。
「本当に……本当にごめんなさい……貴方にこんな……惨い想いをさせて……」
謝罪の言葉を反芻し、陽に照らされて暖かい涙を流す姫。
彼女の暖かさに充てられ、冷え切った身体を投げた支配者。
その姿を一瞥し、澄男は元の姿に戻るや否や、二人を無視して弥平達の方へと歩き去る。
彼が動く気配を感じ、エスパーダとともに、彼らから去る彼の背を見やりながら、深く、深くお辞儀をした。
「ありがとうございました」
涙を払い、一言だけそう呟く。だがその呟きはとても力強く、むしろ呟きというよりも強い感謝。
本来自分がするべき事を代わりに執行してくれた恩義とも、謝罪とも解釈できる。
しかし澄男が彼等に向けたのは、視線でもなければ首肯でもなく、痛烈な拒絶であった。
「……勘違いすんじゃねぇ。俺はただテメェんトコの野郎が糞目障りだから首だけ持って帰って金にしてぱーっと遊んでやろうと思っただけだ」
声音はとても低い。
華奢な姫の前で平然と凄惨な言葉を吐く澄男。エントロピーの態度に変化は無かった。
ただの怪物としてエスパーダ諸共殺されても文句を言える筋合いじゃない。
往時は住処を荒らされる側だった。しかし今回、自分達は彼らの住処を荒らす側となった。その行いはまさしく``重責``。
「だからもう消えろ。次騒いだら泣こうが喚こうが、テメェもろとも遊興費の足しにしてやる」
苛烈な抹殺勧告にほんの僅かに身を震わせ、右手で頭を掻いた。
彼の背からは、依然として並々ならぬ拒絶と敵意が放たれ、頭を上げる事を決して許さない。
その気迫に、もうあの殺意は無いように思えた。
ただの希望的観測なだけかもしれないし、気を張っていたからなのかもしれないが。
エスパーダに視線を寄せる。
このもつれを経て分かった事がある。今までは沢山の事に気を遣い、お互い必要以上の事情に踏み入らないようににしていた。
過去の経緯が自然と自分達を歩ませたのだろうけれど、今こそ、その過去を乗り越える時なのだろう。
エスパーダは相変わらず。だから私から歩み寄ってみよう。
どちらか先に歩み寄ればエスパーダもきっと、自分の想いを自然と話してくれるようになる筈だから。
ゆっくりでも良い、少しずつでも良い。三億年間でできなかった話をしていこう。
今すぐは無理だけれど、いつかは目の前の彼のように、想った事を想ったように言える仲になってみせる―――。
エントロピーとエスパーダ。二人は彼の背に頭を下げたまま彼から敵意を圧が消えるその時まで、無言であり続けたのだった。
零絶蔽域もろとも、道路を覆う氷雪、そして天空を覆う曇天全てを跡形も無く消し飛ばした。
狂わしい光の爆轟。まるで幾星霜の時を生きた星の壮絶な最期。
人々が住まう地において炸裂した超新星爆発は、中威区を永久の凍土から解放した。
肌を強張ばらせる冷気を打ち消し、舗装された道路を覆っていた氷雪は完全に融け去って、融水は太陽光を含む。
冬場静かに降り積もる粉雪の如く、二人の周囲に降り積もる。エスパーダは眼前に起こった事態に、ぐったりと崩れた。
竜位魔法の直撃を受ければ、最悪存在そのものを消滅してもおかしくない。
あまりに強烈な閃光で閉ざした瞼を開けた景色は、明るみを取り戻した世界と、災厄の申し子であった。
何故だ。あの魔法を使えば少なからず再起不能にはできた筈。
零絶蔽域によって形成された究極の極冷世界を粉々にしたのだ。全力の殺意と敵意を、激情と憎悪を以って。
なのに、なのに何故―――。
「そこまでです!!」
二人の鼓膜を大きく震撼させる怒号に両者、一斉に振り向く。
エスパーダと全く同じ色、少し短めのセミロングを靡かせ、ドレスを着こなす少女が二人を見上げている。
年齢は澄男よりも低く、背も低いが、薄碧色の瞳から伝わる気迫は、年齢に相応しい代物ではない。
とても凛々しく、とても眩しい。
透き通った氷に光を当てたようで、太陽に照らされた海原のようであった。小さい背を最大限に伸ばし、二人の姿を交互に見つめる。
二人とも、既に衣服や身体はぼろぼろ。
エスパーダは氷の鎧装甲が朽ち果てて無くなっているばかりか、体の一部分さえも所々融けてしまい、かなりの傷ついているようだった。
あの禍々しい魔法陣の中で未だ生きているのが奇跡だろう。
一方、澄男と思われる男は衣服の繊維が殆ど朽ちて半裸の状態に近い上、体の各所から鮮血が流れていた。
それだけでもかなり胸が痛くなるが、それ以上に胸を締めつけたのは冷たい視線で見据えてくる彼の瞳。あまりの冷たさに思わず身が震わせる。
暗黒の瞳から放たれる明確な敵意。半裸の状態で複数に割れた腹筋が、攻撃的な感情を更に助長させている。
満身創痍な二人。自分が割り込んで尚、殺気を解く事はない。澄男の敵意に呼応し、エスパーダの崩れた拳が握られる。
まずい。このままだとまた戦いを始めてしまう。
胸が締め付けられるような痛み。爆発する拍動。
いや。もう、もう―――。
「エン……トロ……ピー……? 何をぬぐあっ」
自らの恥によって起こした経緯を話そうとしない彼にエントロピーは優しく、包み込むように抱きしめた。
まさに母親。悪さをした実の息子を全力で嗜める親のような抱擁に、エスパーダは身を埋めた。
彼女の身体は大変小さい。だがこのときだけ、どことなく大きく見えた。戦士であるエスパーダよりも遥かに。
融けかけの氷原に立つは幼き女神。抱かれるは荘厳な使徒。
無限の曇天から解放され、遂にその支配権を取り戻した陽光が、彼等を優しく照らした。
エスパーダの拳が脱力する。エントロピーは更に強く抱擁する。
姿を消す敵意、周囲を取り囲む慈悲。
最早冷たい氷点下の世界ではない。彼等だけの桃源郷、絶対領域を緻密に描く筆となり、彼等の前に漠然と顕現する。
暗黒の帳が消滅し、純粋な暖かい青空が二人を包み込む中で、エントロピーの瞼から一滴の雫が垂れた。
太陽の光を一瞬だけ乱反射させ、地面を優しく濡らしながら融け切ってない氷雪に熱を与えた。
熱くもなければ寒くもない。何者かを傷つける苛烈さはなく、何者を凍えさせる冷淡さもない。
寒さに身をやつす者を暖め、熱さに身をやつす者を肩代わりする。
彼女の涙は暖かった。融雪が陽光に照らされ、その慈愛を輝映する。個々に輝く、静寂な満天の星空の如く―――。
「本当に……本当にごめんなさい……貴方にこんな……惨い想いをさせて……」
謝罪の言葉を反芻し、陽に照らされて暖かい涙を流す姫。
彼女の暖かさに充てられ、冷え切った身体を投げた支配者。
その姿を一瞥し、澄男は元の姿に戻るや否や、二人を無視して弥平達の方へと歩き去る。
彼が動く気配を感じ、エスパーダとともに、彼らから去る彼の背を見やりながら、深く、深くお辞儀をした。
「ありがとうございました」
涙を払い、一言だけそう呟く。だがその呟きはとても力強く、むしろ呟きというよりも強い感謝。
本来自分がするべき事を代わりに執行してくれた恩義とも、謝罪とも解釈できる。
しかし澄男が彼等に向けたのは、視線でもなければ首肯でもなく、痛烈な拒絶であった。
「……勘違いすんじゃねぇ。俺はただテメェんトコの野郎が糞目障りだから首だけ持って帰って金にしてぱーっと遊んでやろうと思っただけだ」
声音はとても低い。
華奢な姫の前で平然と凄惨な言葉を吐く澄男。エントロピーの態度に変化は無かった。
ただの怪物としてエスパーダ諸共殺されても文句を言える筋合いじゃない。
往時は住処を荒らされる側だった。しかし今回、自分達は彼らの住処を荒らす側となった。その行いはまさしく``重責``。
「だからもう消えろ。次騒いだら泣こうが喚こうが、テメェもろとも遊興費の足しにしてやる」
苛烈な抹殺勧告にほんの僅かに身を震わせ、右手で頭を掻いた。
彼の背からは、依然として並々ならぬ拒絶と敵意が放たれ、頭を上げる事を決して許さない。
その気迫に、もうあの殺意は無いように思えた。
ただの希望的観測なだけかもしれないし、気を張っていたからなのかもしれないが。
エスパーダに視線を寄せる。
このもつれを経て分かった事がある。今までは沢山の事に気を遣い、お互い必要以上の事情に踏み入らないようににしていた。
過去の経緯が自然と自分達を歩ませたのだろうけれど、今こそ、その過去を乗り越える時なのだろう。
エスパーダは相変わらず。だから私から歩み寄ってみよう。
どちらか先に歩み寄ればエスパーダもきっと、自分の想いを自然と話してくれるようになる筈だから。
ゆっくりでも良い、少しずつでも良い。三億年間でできなかった話をしていこう。
今すぐは無理だけれど、いつかは目の前の彼のように、想った事を想ったように言える仲になってみせる―――。
エントロピーとエスパーダ。二人は彼の背に頭を下げたまま彼から敵意を圧が消えるその時まで、無言であり続けたのだった。
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