上 下
83 / 94
防衛西支部編

エピローグ:擬巖の脈動

しおりを挟む
「チッ……雅禍まさかがしくじっただと? 他の凡愚どもならともかく、奴が撤退したとなると笑えねぇな」

 一筋の光すら通さぬ暗黒の一室で、一人の男が無造作に机を叩いた。机はぐしゃぐしゃにへしゃげたのち、見るも無惨に砕け散る。

「ふざけやがって、どういうことだ……? 彼我戦力的に、西支部は確実に落とせる目算のはず……!」

 何故か血塗れだった雅禍まさかからの報告によると、当初相手は``閃光``と``竜殺``の付き人幼女、そして誰に仕えているのか不明だが北支部の無名請負人と思われる青髪のメイドの三名。正門を攻め入り、地下シェルターを守っていた彼らと交戦となったという。

「東支部のときに``閃光``と``百足使い``が出張ってきたのは予想外だったからな……手の内を晒すことにはなるのは惜しいが不安要素を確実に取り除くために雅禍まさかを送り込んだんだが……」

 目論見通り、戦況は雅禍まさかの味方をしてくれていた。雅禍まさかは見た目こそ華奢だが、戦いに愛された駒だ。北支部と西支部の監督官相手だろうと引けを取らないと踏んで戦地へ送り出したのだ。実際、その目算自体は正しかった。彼女なら確実に奴らの息の根を止めることができたのだ。

「なのに……巫女……? 巫女だと……? まさか北方の巫女どもが嗅ぎつけてきたってのか……!?」

 ありえない。そう吐き捨てたい気持ちで溢れそうになるが、雅禍まさかを圧倒した巫女装束の少女となると、否定材料が思いつかず、口を縫い合わせるしかない。

 雅禍まさかは肉体能力と技量を併せれば本部の請負官相手なら、たとえ一対多の戦局だろうと虐殺できる実力を持っている。実際、剣技では中威区なかのいく北部では最高峰と名高い``閃光``を圧倒せしめたのだ。その力に疑いようはない。彼女が敗北するとしたら、それらを遥かに凌ぐ存在―――人外の領域に達したごく一部の強者のみ。

 だがそれほどの強者は、強すぎるがゆえに世俗と関わりを持たず、ヘルリオン山脈の奥地でのうのうと山籠り生活をしていて、滅多なことでは人里に降りてこない。それら以外で脅威になりそうなのは、請負機関本部の重鎮たる八大魔導師、その中でも``氷のニヴルヘイア``、``光のメタトロニオス``、``闇のバロール``の三柱さんにんだが、彼女たちも余程の有事でない限りは本部から出張ることなどなく、まず雑兵が討伐隊として矢面に立たされるはず。

 つまり、現時点ではそれほどの強者と鉢合わせることはないはずなのだ。刺激せず、秘密裏に支部を葬れば、強者が出る前に根を張り巡らせることができる。それだけの手札を持っているはずだった。

「情報封鎖が甘かったのか……? いや、考えられる全ての筋道は潰させたはずだ。たとえ花筏はないかだの巫女といえど、俺の企みには気づけねぇ……はず。はずなんだが……なんで巫女は現れた……?」

 考えれば考えるほど、思考の海を泳げば泳ぐほど、足が取られ、波に煽られ、光を通さぬ暗黒の深海へと誘われる。

 花筏はないかだに出張られては、抵抗などできない。今持ちうる全ての手札を使い潰したとしても、巫女たった一人撃退することも叶わないだろう。彼女らは、いわば生ける戦略核。人でありながら、人ならざる者たち。大戦時代の覇者である。

 況してや新たに当主の座に就いたと言われている``終夜しゅうや``だったならば―――。

「奴は放浪癖があると有名な当主……ありえねぇ話じゃねぇ……」

 だが確認する方法はない。花筏はないかだの巫女は容姿や顔に至るまで、全て同一。同族以外では見分けることができないと言われている。

 また数多の姉妹がおり、それらが群体となって独自の戦術を展開する戦闘民族だ。仮に雅禍まさかが相対した巫女が花筏はないかだの巫女の一人だったしたら、こちらから接近するのは悪手であるし、なにより接近したところで、その巫女が``終夜しゅうや``かどうかを見分けることは叶わない。

 物見遊山で人里に降りてきただけなのか。だとしてもこちらの動きが漏れた可能性は高い。雅禍まさか曰くフードが破られてしまい、巫女には面が割れているようだし、もはや支部には手を出せなくなったと言っていい。

「駒どもには世俗の情報を逐一報告するよう厳命していた……なのに東支部のときといい、今回といい、二度もしくじってやがる……」

 戦力の目算に誤りはない。想定していた敵の排除は、確実にできる戦力を送り込んでいた。真正面からでは東支部の連中を討ちそびれるかもしれない。だから暗殺に長けた駒を三匹走らせておいた。だがそれらも全て捕らえられ、雅禍まさかに後始末を頼む羽目になってしまった。今回はその反省を生かし兵全体の質を上げ、指揮官に切り札の雅禍まさかまでつけた。そうすることで、``閃光``等を含めた、多くの不確定要素に備えたのだ。

 何かが、正体不明の何かが邪魔をしている。それも走らせている駒どもの目や耳に届かないような、透けていて、矮小で、しかし強大な何かが。

「…………そういえば」

 雅禍まさかの報告、その最後を思い出した。

 あまりに巫女に関する報告内容が出鱈目すぎて忘却寸前だったが、雅禍まさかは転移魔法で命からがら撤退してきたと言っていた。冷静になって思えば、転移魔法を使える者など、現代人類には存在しない。転移魔法は二千年以上もの昔、当時の文明が滅ぶほどの大戦の業火に焼き尽くされ失伝したとされる伝説の大魔法―――というのが現代の通説だが、例外が存在する。

流川るせん……」

 花筏はないかだの巫女と双璧を成す絶対強者―――流川るせん家。武市もののふしの父王にして、二千年も続いた武力統一大戦時代の覇者。大戦時代が終わり三十年経った今でも、圧倒的な武力を背景に独自の栄華を極める戦闘民族。

 おそるおそる一冊の本を取り出した。それはあまりにぼろぼろで、落丁、乱丁の激しい、もはや寿命が尽きかけている古本。本物の古文書ともいうべきか。その本をおもむろに開く。

 頁もぐしゃぐしゃ、文字も掠れ掠れで読める代物ではなく、ほんの少し力を入れただけで破けてしまうのではないかと思うくらい脆くなったそれに描かれているのは、どこからともなく魑魅魍魎ちみもうりょうが現れ、軍を壊滅に陥れる地獄のような挿絵だった。

 二千年以上もの昔に失われた大魔法―――転移魔法``顕現トランシートル``。今となっては、この魔法を行使できる魔導師など存在しないのが常識だが、今から三十年以上前に終結した武力統一大戦時代、その失われた転移魔法を当たり前のように行使し、あろうことか戦術級魔法として多用していた暴閥ぼうばつがいた。

 その事実はあまりにも多くの人々に恐怖と絶望を与えたがために、当時の戦役を知る者たちによって闇に葬られたが、一部の上位暴閥ぼうばつと当時を生き残った大魔導師たちは、古文書としてその恐怖と武威を脈々と己の子に語り継いできた。

 誰しもがその暴閥ぼうばつに敵対せぬこと、そして後世に生きる己が子たちが、愚かな企みを決して抱かぬために。

「まさか…………ああ、そう……か……」

 また一つ思い出した。脳内で散り散りになりかけていた雅禍まさかの報告内容。その中で最初に聞いた、雅禍まさかが最初に戦ったという三人。``閃光``と``竜殺``の付き人幼女、そして。

「青髪のメイド……」

 その存在に心当たりがあった。今から四ヶ月ほど前だったか。流川るせん家が主催する新当主就任の祝杯会に参加したときのこと。

 当時は凪上なぎうえ家が催していた競売会が正体不明の何者かによって頓挫し、その何者かを探るために愛着も何もない流川るせんの祝杯会に潜り込んだのだが、そのとき``禍焔かえん``と顔合わせをした際にも、ほぼ同じ風貌のメイドがいたのを覚えている。

 ``禍焔かえん``に仕える者、それすなわち流川るせん本家派の直系に属する存在。水守すもり家の現当主であり、同じく大陸八暴閥ぼうばつ一柱ひとり

「そうか……そういうことかよ」

 全ての憶測が、確信へと変わっていく。

 東支部での失敗と、今回の失敗。事前に得た情報から彼我戦力の目算、それをことごとく裏切る現実の裏に存在した、察知しようにも察知できなかった不確定要素。

 その全ての要因が、流川るせんとその関係者なら説明がつく。雅禍まさかはあの場から逃げ出すのに転移魔法が刻まれた技能球スキルボールを盗んで使ったと言っていた。一体どこからそんなものをと思っていたが、青髪のメイドが``凍刹とうせつ``だったなら、納得のいく話になる。

流川るせん……大戦が終わって尚、俺の邪魔をするってのかよ。面白ぇ」

 ボロボロの古文書を躊躇いなく投げ捨てる。落丁しかけていただけに、頁だったものが床中に散らばるが、そんなことなど砂塵でしか思えないと言わんばかりに、不気味で暗澹とした笑みが呼応する。

「申し上げます!!」

「うるせぇ殺すぞ三下が」

「ど、どうかご容赦を!! 直ちにお伝えしたいことが!!」

 扉を勢いよく押し開け、手下と思わしき者が跪く。扉の外は明るいのか、室内灯の灯りが部屋の中に差し込むが、それでも部屋を明るく照らすには足りず、漏れ出た光は部屋の闇に吸い込まれてしまう。

 縮こまる手下に、怒りのこもった舌打ちをかまし、前へ来るよう手招きする。

下威区しものいく方面より擬巖ぎがん邸へ侵入者。敵は一名、剣技を巧みに扱い、我らを圧倒しております」

「……ソイツ、姿が現れたり消えたりしてねぇか?」

「え、あ、はい……何故……?」

 疑問符に支配される手下を尻目に、手を頭に持っていて天井を見つめる。

 ただの侵入者だったなら、この無知で馬鹿で空気を読む能のない三下を殺してやったところだが、姿が消えたり現れたりする、下威区しものいく方面からきた剣技を巧に操る奴となれば、敵はたった一人に絞られる。

「まだ生きてやがったかよ、ツムジのガキ」

「は……?」

「チッ……ソイツを離着陸場へ誘導しろ。あとは何もしなくていい」

「え、それは、どういう……?」

手前てめぇが知る必要はねぇ。とっととやれ」

 部屋の空気が霊圧で重厚化する。

 常人なら息もできなくなり、下手をすれば心肺が止まるほどの致死的な霊圧を受け、三下は更に身を縮こませる。

 死にたくない。その一心で息を殺し、そそくさと部屋を後にした。

「何度来ようが無駄だ那由多なゆた手前てめぇの魂胆は分かってんだよ」

 扉が閉ざされ再び常闇に支配されたその場所で、足を机の上に乗り上げては両手を頭の下に組む。

「ツムジの奴もそうやって死んだ。俺の義眼が下威区しものいくを照らす限り、``もののふノ壁``は崩させねぇ」

 組んだ右手を頭から離し、右目まで持っていく。そして指を右目に突っ込んだ。

 肉と肉が擦り合い、引き千切れるような、生々しい不快音が鳴り響く。指が瞼から引き抜かれ、右目だったであろう部位から何かをとりだすと、それを手の中で転がした。

「嗚呼……義眼が疼くぜ……」

 部屋に笑いが呼応する。邪悪で、醜悪な笑みが。

 誰もいない暗黒の帳。右腕を空に掲げ、指で眼球を摘む影は狂喜し乱舞し、奥底から無限に湧き出る恍惚な劣情をしゃぶり尽くすように、笑い続けたのだった。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

落ちこぼれの烙印を押された少年、唯一無二のスキルを開花させ世界に裁きの鉄槌を!

酒井 曳野
ファンタジー
この世界ニードにはスキルと呼ばれる物がある。 スキルは、生まれた時に全員が神から授けられ 個人差はあるが5〜8歳で開花する。 そのスキルによって今後の人生が決まる。 しかし、極めて稀にスキルが開花しない者がいる。 世界はその者たちを、ドロップアウト(落ちこぼれ)と呼んで差別し、見下した。 カイアスもスキルは開花しなかった。 しかし、それは気付いていないだけだった。 遅咲きで開花したスキルは唯一無二の特異であり最強のもの!! それを使い、自分を蔑んだ世界に裁きを降す!

―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》

EPIC
SF
日本国の混成1個中隊、そして超常的存在。異世界へ―― とある別の歴史を歩んだ世界。 その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。 第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる―― 日本国陸隊の有事官、――〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟。 歪で醜く禍々しい容姿と、常識外れの身体能力、そしてスタンスを持つ、隊員として非常に異質な存在である彼。 そんな隊員である制刻は、陸隊の行う大規模な演習に参加中であったが、その最中に取った一時的な休眠の途中で、不可解な空間へと導かれる。そして、そこで会った作業服と白衣姿の謎の人物からこう告げられた。 「異なる世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ちその世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。 そして再び目を覚ました時、制刻は――そして制刻の所属する普通科小隊を始めとする、各職種混成の約一個中隊は。剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する未知の世界へと降り立っていた――。 制刻を始めとする異質な隊員等。 そして問題部隊、〝第54普通科連隊〟を始めとする各部隊。 元居た世界の常識が通用しないその異世界を、それを越える常識外れな存在が、掻き乱し始める。 〇案内と注意 1) このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。 2) 部隊規模(始めは中隊規模)での転移物となります。 3) チャプター3くらいまでは単一事件をいくつか描き、チャプター4くらいから単一事件を混ぜつつ、一つの大筋にだんだん乗っていく流れになっています。 4) 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。ぶっ飛んでます。かなりなんでも有りです。 5) 小説家になろう、カクヨムにてすでに投稿済のものになりますが、そちらより一話当たり分量を多くして話数を減らす整理のし直しを行っています。

『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる

農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」 そんな言葉から始まった異世界召喚。 呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!? そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう! このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。 勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定 私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。 ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。 他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。 なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

仮想空間のなかだけでもモフモフと戯れたかった

夏男
SF
動物から嫌われる体質のヒロインがモフモフを求めて剣と魔法のVRオンラインゲームでテイマーを目指す話です。(なれるとは言っていない) ※R-15は保険です。 ※小説家になろう様、カクヨム様でも同タイトルで投稿しております。

8分間のパピリオ

横田コネクタ
SF
人間の血管内に寄生する謎の有機構造体”ソレウス構造体”により、人類はその尊厳を脅かされていた。 蒲生里大学「ソレウス・キラー操縦研究会」のメンバーは、20マイクロメートルのマイクロマシーンを操りソレウス構造体を倒すことに青春を捧げるーー。 というSFです。

英雄の息子だし軍に入ったけど、戦う気がないから追放、最新鋭機を操縦できる最強の存在だからって、また期待されても、悪いけど今は整備士だから。

ちちんぷいぷい
SF
太陽系の大地球圏を中心とし、植民惑星を支配する銀河連合。 宇宙開拓暦2345年。  第2次星間大戦が勃発。 シリウス星系の惑星ティル・ナ・ノーグを盟主とした シリウス同盟は、独立をかけ、再び立ち上がる。 大戦のさなかに現れた強敵ーー。 シリウス同盟の最新鋭小型戦闘宇宙船『インフィニティ』。 銀河連合は、『インフィニティ』打倒のため 第9世代小型戦闘宇宙船スクエアを投入する『スクエア作戦』を発動した。 彗星の如く現れた銀河連合、新鋭のエース 銀髪赤眼のマリア・ルカ大尉はスクエア0号機 ファルシオンに搭乗し、機動要塞ネフィリムに着任した 謎の女性マリアの正体と秘められた真の目的ーー。 先の星間大戦の英雄である父を持つ ユウキ・スレインは 天性の素質を持つ操縦士として 周囲から期待されるが 戦う覚悟がなく 居場所をなくしてしまい 銀河連合に所属する、機動要塞ネフィリムに整備士として乗艦していた。 スクエアを超えた、次世代新型戦闘宇宙船開発計画 『ネクスト』。 ネクスト実験機とし、開発された1号機『ノヴァ』に 唯一、承認された、ユウキは再び、操縦士となり戦うことを選ぶのか。 2万年もの悠久の時を刻み、太陽を廻る白きプラネット 太陽系第9番惑星エリュシオンで新たな時代の戦いの幕があがろうとしている。 『機動要塞ネフィリム』

処理中です...