44 / 51
「ヒーロー」
しおりを挟む
慣れていたはずの助手席は、ひどく居心地悪かった。
「なぁ覚えてるか? 初めてデートしたときさぁ」
伸二は無表情のまま、ぺらぺらと「ふたりの思い出」を話す。カーステレオから流れるのは結婚式で使った音楽。指先が冷えて、背中を冷たい汗がつたう。
(どう、しよう……)
あの地下鉄の改札の前で、伸二は人形みたいに笑って言ったのだ。
『麻衣はいいかもな』
『……なにが?』
『不倫しててもな、所詮平社員だもんな』
『どういう──』
『柳常務はどうかな?』
プラスチックみたいな瞳が私を射すくめる。
『部下に手を出して不倫して』
『……っ、伸二』
『なぁ、麻衣。どうだろう? 責任問題になるんじゃないか?』
喉がねばついて、なにも言葉が出てこなかった──そうして、言われるがままに伸二について歩く。
謙一さんに、迷惑は……かけられなかった。
(私の、せいで)
私の、浅慮が招いた事態だった。
そうして、近くのコインパーキングに停められていた、伸二の車に乗り込む。そうしてしばらくして──伸二は唐突に語り始めたのだ。
私たちがいかに出会い、「愛」を育んできたのか、を。
「……ね、どうするつもりなの」
どこへ向かっているか──は簡単に分かった。見慣れた道筋。一緒に暮らしていた、あのマンションへ向かっている。
「どうする?」
きょとんとした声音で伸二は言った。
「どうするもこうするも──麻衣に思い直してもらうために努力する」
「……あ、のね。もう無理、だよ」
膝の上で手を握り締めた。ぎゅっ、と。
「私、好きな人ができたの。愛して、る、人が」
「へぇ」
「だから、伸二とはもう無──」
「で?」
乱暴に伸二はブレーキをかけた。シートベルトが一瞬突っ張って、ゆるむ。は、と息を吐き出した。信号は黄色から赤に変わる。
「だからなに?」
「……なに、って」
反駁しながら、落ち着こうと息を吸う。
車の中の酸素が、ひどく低い気がしてくらくらした。
「知ってるよ。柳謙一。麻衣の会社の常務サン」
「……そう、だけど……」
「そいつはオレより大事なの? 麻衣」
伸二がこちらに向かって、身体を乗り出す。
「命の恩人の、オレより?」
「──それ、は」
私は首を振る。
「大事とかじゃなくて、……謙一さんと、一緒にいたいの。好きなの」
「へぇ」
興味なさそうな顔で伸二はちらっと私を見た。
「どこが?」
「──え?」
「どこが好きなんだ」
なぜそんなことを聞くのか分からなくて、私はしばらく逡巡する。ややあって、唇を動かした。
「……ヒーロー、みたいなところ」
それは直接的に助けてくれるってことだけじゃなくて……正義の味方みたいに、それこそ「ヒーロー」みたいに、信じていられるところ。
まっすぐに私を見つめてくれるまなざし。それを思い出して──私は後悔、した。
(……、まただ)
謙一さんに、頼るべきだった。連絡するべきだった。迷惑はかけたくないけれど、おなじくらい心配もかけるべきじゃなかったのに。
伸二のこととなると、考えが浅くなる。離婚を決めて飛び出したときも、結局はそう。あんなに反射的に行動する人間だっけ、私は──。
それはやっぱり、どこかまだ──伸二に依存しているから? 自ら頭を動かさないようにしてるとしか思えない。
自分で自分が、分からなくなる。
(謙一さん、謙一さん……!)
呼吸が浅くなって、思わず胸の辺りを押さえた。
信号が青に変わる。
アクセルを踏んで、伸二は──笑った。嗤った。大きく、楽しげに。
「あっは、麻衣。麻衣、落ち着けよ。バカだなぁ相変わらず、なぁ、麻衣」
「な、にを……笑って」
唇が痺れたようにうまく動かない。
「そんなの気の迷いだよ! そうだろ?」
ひきつけを起こしたかのように哄笑しながら、伸二は何度もハンドルを叩いた。そうして笑う。気管支が裏返ったような笑い声。
「お前にオレ以上の存在が現れるのか!? お前がいま生きてるのは誰のおかげなんだよ? なぁ、麻衣。麻衣。麻衣──」
伸二は何度も私の名前を呼ぶ。
それから嘲笑うように続けた。
「お前のヒーローはオレだよ。なぁ。いじめられっ子の、自殺志願の、可哀想なオレの麻衣」
ひゅっと息を飲む。
「お前を助けたのはオレなんだから」
ゾッとした。震えそうな身体を叱咤して、私は声を出す。
「……っ、そん、なの……もう無理だって! あんな不倫しておきながら」
あの日知った真実が心を抉る。
セックスを強請った同じベッドで、伸二は別の女を抱いていて。
私を馬鹿にして、2人で楽しんでいた。
「だーかーらー!」
ばんばん、と伸二は強くハンドルを叩く。その度に、車が少し蛇行した。
「──っ!」
恐怖で身が竦む。
身を縮めた私に気がついて、伸二はふっと力を抜いた。そのまま、ゆっくりと路肩に止まる。ほう、と息をついた。
「……だから、違うんだって麻衣。なぁ麻衣。やっぱ馬鹿だなお前は、オレがいないとダメだよな、ほんとうに」
一転、穏やかな口調で伸二は言う。
「ちょっとした冒険だったんだよ、他の女ともシてみたかっただけ。遊びだったんだよ。言っただろ? ──でも、もうお互い様だよな」
伸二は薄く笑う。
「オレたち、お互いしか知らなかったもんな。仕方ないよな。オレもお前を許すよ、麻衣」
笑いを貼り付けたまま、伸二は私に手を伸ばす。髪の毛に触れる。身体を引いた。
「やめ、て。さわらないで……」
「バカな麻衣。可哀想な麻衣。──オレの、麻衣」
逃すもんかと低く笑う声が、ただ耳の中でざわざわと鼓膜を揺らした。
「なぁ覚えてるか? 初めてデートしたときさぁ」
伸二は無表情のまま、ぺらぺらと「ふたりの思い出」を話す。カーステレオから流れるのは結婚式で使った音楽。指先が冷えて、背中を冷たい汗がつたう。
(どう、しよう……)
あの地下鉄の改札の前で、伸二は人形みたいに笑って言ったのだ。
『麻衣はいいかもな』
『……なにが?』
『不倫しててもな、所詮平社員だもんな』
『どういう──』
『柳常務はどうかな?』
プラスチックみたいな瞳が私を射すくめる。
『部下に手を出して不倫して』
『……っ、伸二』
『なぁ、麻衣。どうだろう? 責任問題になるんじゃないか?』
喉がねばついて、なにも言葉が出てこなかった──そうして、言われるがままに伸二について歩く。
謙一さんに、迷惑は……かけられなかった。
(私の、せいで)
私の、浅慮が招いた事態だった。
そうして、近くのコインパーキングに停められていた、伸二の車に乗り込む。そうしてしばらくして──伸二は唐突に語り始めたのだ。
私たちがいかに出会い、「愛」を育んできたのか、を。
「……ね、どうするつもりなの」
どこへ向かっているか──は簡単に分かった。見慣れた道筋。一緒に暮らしていた、あのマンションへ向かっている。
「どうする?」
きょとんとした声音で伸二は言った。
「どうするもこうするも──麻衣に思い直してもらうために努力する」
「……あ、のね。もう無理、だよ」
膝の上で手を握り締めた。ぎゅっ、と。
「私、好きな人ができたの。愛して、る、人が」
「へぇ」
「だから、伸二とはもう無──」
「で?」
乱暴に伸二はブレーキをかけた。シートベルトが一瞬突っ張って、ゆるむ。は、と息を吐き出した。信号は黄色から赤に変わる。
「だからなに?」
「……なに、って」
反駁しながら、落ち着こうと息を吸う。
車の中の酸素が、ひどく低い気がしてくらくらした。
「知ってるよ。柳謙一。麻衣の会社の常務サン」
「……そう、だけど……」
「そいつはオレより大事なの? 麻衣」
伸二がこちらに向かって、身体を乗り出す。
「命の恩人の、オレより?」
「──それ、は」
私は首を振る。
「大事とかじゃなくて、……謙一さんと、一緒にいたいの。好きなの」
「へぇ」
興味なさそうな顔で伸二はちらっと私を見た。
「どこが?」
「──え?」
「どこが好きなんだ」
なぜそんなことを聞くのか分からなくて、私はしばらく逡巡する。ややあって、唇を動かした。
「……ヒーロー、みたいなところ」
それは直接的に助けてくれるってことだけじゃなくて……正義の味方みたいに、それこそ「ヒーロー」みたいに、信じていられるところ。
まっすぐに私を見つめてくれるまなざし。それを思い出して──私は後悔、した。
(……、まただ)
謙一さんに、頼るべきだった。連絡するべきだった。迷惑はかけたくないけれど、おなじくらい心配もかけるべきじゃなかったのに。
伸二のこととなると、考えが浅くなる。離婚を決めて飛び出したときも、結局はそう。あんなに反射的に行動する人間だっけ、私は──。
それはやっぱり、どこかまだ──伸二に依存しているから? 自ら頭を動かさないようにしてるとしか思えない。
自分で自分が、分からなくなる。
(謙一さん、謙一さん……!)
呼吸が浅くなって、思わず胸の辺りを押さえた。
信号が青に変わる。
アクセルを踏んで、伸二は──笑った。嗤った。大きく、楽しげに。
「あっは、麻衣。麻衣、落ち着けよ。バカだなぁ相変わらず、なぁ、麻衣」
「な、にを……笑って」
唇が痺れたようにうまく動かない。
「そんなの気の迷いだよ! そうだろ?」
ひきつけを起こしたかのように哄笑しながら、伸二は何度もハンドルを叩いた。そうして笑う。気管支が裏返ったような笑い声。
「お前にオレ以上の存在が現れるのか!? お前がいま生きてるのは誰のおかげなんだよ? なぁ、麻衣。麻衣。麻衣──」
伸二は何度も私の名前を呼ぶ。
それから嘲笑うように続けた。
「お前のヒーローはオレだよ。なぁ。いじめられっ子の、自殺志願の、可哀想なオレの麻衣」
ひゅっと息を飲む。
「お前を助けたのはオレなんだから」
ゾッとした。震えそうな身体を叱咤して、私は声を出す。
「……っ、そん、なの……もう無理だって! あんな不倫しておきながら」
あの日知った真実が心を抉る。
セックスを強請った同じベッドで、伸二は別の女を抱いていて。
私を馬鹿にして、2人で楽しんでいた。
「だーかーらー!」
ばんばん、と伸二は強くハンドルを叩く。その度に、車が少し蛇行した。
「──っ!」
恐怖で身が竦む。
身を縮めた私に気がついて、伸二はふっと力を抜いた。そのまま、ゆっくりと路肩に止まる。ほう、と息をついた。
「……だから、違うんだって麻衣。なぁ麻衣。やっぱ馬鹿だなお前は、オレがいないとダメだよな、ほんとうに」
一転、穏やかな口調で伸二は言う。
「ちょっとした冒険だったんだよ、他の女ともシてみたかっただけ。遊びだったんだよ。言っただろ? ──でも、もうお互い様だよな」
伸二は薄く笑う。
「オレたち、お互いしか知らなかったもんな。仕方ないよな。オレもお前を許すよ、麻衣」
笑いを貼り付けたまま、伸二は私に手を伸ばす。髪の毛に触れる。身体を引いた。
「やめ、て。さわらないで……」
「バカな麻衣。可哀想な麻衣。──オレの、麻衣」
逃すもんかと低く笑う声が、ただ耳の中でざわざわと鼓膜を揺らした。
0
お気に入りに追加
2,602
あなたにおすすめの小説
継母の心得 〜 番外編 〜
トール
恋愛
継母の心得の番外編のみを投稿しています。
【本編第一部完結済、2023/10/1〜第二部スタート☆書籍化 2024/11/22ノベル5巻、コミックス1巻同時刊行予定】
誕生日当日、親友に裏切られて婚約破棄された勢いでヤケ酒をしましたら
Rohdea
恋愛
───酔っ払って人を踏みつけたら……いつしか恋になりました!?
政略結婚で王子を婚約者に持つ侯爵令嬢のガーネット。
十八歳の誕生日、開かれていたパーティーで親友に裏切られて冤罪を着せられてしまう。
さらにその場で王子から婚約破棄をされた挙句、その親友に王子の婚約者の座も奪われることに。
(───よくも、やってくれたわね?)
親友と婚約者に復讐を誓いながらも、嵌められた苛立ちが止まらず、
パーティーで浴びるようにヤケ酒をし続けたガーネット。
そんな中、熱を冷まそうと出た庭先で、
(邪魔よっ!)
目の前に転がっていた“邪魔な何か”を思いっきり踏みつけた。
しかし、その“邪魔な何か”は、物ではなく────……
★リクエストの多かった、~踏まれて始まる恋~
『結婚式当日、婚約者と姉に裏切られて惨めに捨てられた花嫁ですが』
こちらの話のヒーローの父と母の馴れ初め話です。
秘密のカレはV(ヴィジュアル)系
ルカ(聖夜月ルカ)
恋愛
シュバルツ・シュメルツの華麗なるヴォーカリスト・瑠威には誰にも言えない秘密があって…
※表紙画はリカオ様に描いていただきました。m(__)m
君を愛することは無いと言うのならさっさと離婚して頂けますか
砂礫レキ
恋愛
十九歳のマリアンは、かなり年上だが美男子のフェリクスに一目惚れをした。
そして公爵である父に頼み伯爵の彼と去年結婚したのだ。
しかし彼は妻を愛することは無いと毎日宣言し、マリアンは泣きながら暮らしていた。
ある日転んだことが切っ掛けでマリアンは自分が二十五歳の日本人女性だった記憶を取り戻す。
そして三十歳になるフェリクスが今まで独身だったことも含め、彼を地雷男だと認識した。
「君を愛することはない」「いちいち言わなくて結構ですよ、それより離婚して頂けます?」
別人のように冷たくなった新妻にフェリクスは呆然とする。しかしこれは反撃の始まりに過ぎなかった。
※一万文字ぐらいで終わる予定です。
Kingの寵愛~一夜のお仕事だったのに…捕獲されたの?~ 【完結】
まぁ
恋愛
高校卒業後、アルバイト生活を続ける 大島才花
すでに22歳の彼女はプロダンサーの実力がありながら
プロ契約はせずに、いつも少しのところで手が届かない世界大会優勝を目指している
そして、今年も日本代表には選ばれたものの
今年の世界大会開催地イギリスまでの渡航費がどうしても足りない
そこで一夜の仕事を選んだ才花だったが…
その夜出会った冷たそうな男が
周りから‘King’と呼ばれる男だと知るのは
世界大会断念の失意の中でだった
絶望の中で見るのは光か闇か…
※完全なるフィクションであり、登場する固有名詞の全て、また設定は架空のものです※
※ダークな男も登場しますが、本作は違法行為を奨励するものではありません※
あなたを解放してあげるね【本編完結・続編連載中】
青空一夏
恋愛
私はグラフトン侯爵家のデリア。13歳になったある日、スローカム伯爵家のクラーク様が、ご両親と一緒にグラフトン侯爵家を訪れた。
クラーク様は華奢で繊細な体つきをしていた。柔らかな金髪は風になびき、ふんわりとした雰囲気を醸し出していた。彼の笑顔には無邪気さと親しみやすさが感じられ、周りの人たちを引き込んでしまうような魅力があった。それに、とても優秀で古代魔法の分厚い書物を、たった二週間で読んでしまうほどだった。
私たちは婚約者になり、順調に愛を育んでいたと思っていた。私に対する態度や言葉も優しく、思いやりも籠もっていたから、私はこの婚約に満足していた。ところが・・・・・・
この世界では15歳から18歳まで、貴族の子女は王都にある王立貴族学園に通うのだけれど、クラーク様からのお手紙も来訪も入学を機にピタリと止まってしまう。寂しいけれど、きっと学業に勤しんでいて忙しいのだろうと思い我慢した。
その1年後に同じ学園に入学してみると、私は上級生の女生徒に囲まれ「クラーク様から身を引きなさいよ。あの方には思い合う女性がいるのよ!」と言われた。 なんと学園では、私が無理矢理彼に一間惚れをして婚約を迫ったという噂が流れていたのよ。私は愛し合う恋人たちを邪魔する悪役令嬢と決めつけられ、(そもそも悪役令嬢ってなに?)責められた私は婚約者を解放してあげることにしたわ。
その結果、真実の愛を見つけた私は・・・・・・
これは私が婚約者を解放してあげて、お陰で別の真実の愛を見つける物語。魔法が当然ありの世界のラブファンタジー。ざまぁあり。シリアスあり、コメディあり、甘々溺愛ありの世界です。ヒロインはメソメソやられっぱなしの女性ではありません。しっかりしたプライドを持った令嬢です。
もふもふも登場予定。イケメン多数登場予定。多分、あやかしも出るかな・・・・・・
※作者独自の世界で、『ざまぁから始まる恋物語』です。
※ゆるふわ設定ご都合主義です。
※お話がすすんでいくなかでタグの変更があるかもしれません。
※以前書いたものに新しい魔法要素を加え、展開も少し違ってくるかもしれませんので、前に読んだ方でも楽しめると思いますので、読んでいただけると嬉しいです。(以前のものは非公開にしております)
※表紙は作者作成AIイラストです。
※女性むけhotランキング一位、人気ランキング三位、ありがとうございます。(2023/12/21)
※人気ランキング1位(2023/12/23~2023/12/27)ありがとうございます!
※AIイラスト動画をインスタに投稿中。bluesky77_77。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
姿を偽った黒髪令嬢は、女嫌いな公爵様のお世話係をしているうちに溺愛されていたみたいです
鳴宮野々花@初書籍発売中【二度婚約破棄】
恋愛
王国の片田舎にある小さな町から、八歳の時に母方の縁戚であるエヴェリー伯爵家に引き取られたミシェル。彼女は伯爵一家に疎まれ、美しい髪を黒く染めて使用人として生活するよう強いられた。以来エヴェリー一家に虐げられて育つ。
十年後。ミシェルは同い年でエヴェリー伯爵家の一人娘であるパドマの婚約者に嵌められ、伯爵家を身一つで追い出されることに。ボロボロの格好で人気のない場所を彷徨っていたミシェルは、空腹のあまりふらつき倒れそうになる。
そこへ馬で通りがかった男性と、危うくぶつかりそうになり──────
※いつもの独自の世界のゆる設定なお話です。何もかもファンタジーです。よろしくお願いします。
※この作品はカクヨム、小説家になろう、ベリーズカフェにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる