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いじわる!

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 唯一。
 じっとその言葉を発した唇を見つめる。すぐさまそれは私の唇に重なる。
 はむはむと下唇を噛んで、つい開いた口内はまた、謙一さんに食べられてるみたいに蹂躙されていく。
 ゆっくりと目を閉じた。
 捕食されてる、気分になる。
 そんな風にされてると──。
 謙一さんの手が背中を撫でる。肩甲骨を指の腹で撫でて、軽くぐりぐりされた。

「──っ」

 ぴくん、と背中が反る。

(え? え?)

 変な感覚に慌ててしまう。え、うそ、肩甲骨、性感帯? うそだ!
 混乱して目を開く。唇が離れて、謙一さんは楽しげに唇をあげた。

「可愛い、麻衣」
「……っ、やぁ……っ」

 ぶつん、とブラのホックが外される。解放感と羞恥心。隠そうと腕を動かすと、手首を掴まれて動脈のあたりをかりっと噛まれる。

「ひゃっ」
「見せなさい」

 ちゅ、と強く手首の内側を吸われる。ぞくぞくとした何かが背中を走っていって、私はされるがままにブラを外す。

「……もしかして、下着。新しい?」

 抱き寄せられて、膝上に乗せられる。背後から抱きしめられた。ちゅ、と頸にキス。
 は、と息が漏れた。恥ずかしいくらいに、甘い。
 謙一さんは私の胸を下から持ち上げるように揉んで、先端を軽くつまむ。

「んっ、……」
「麻衣?」

 ……まだ一緒に住んでそう時間が経っていないのに、下着を把握されているのはなぜでしょうか。聞いてみたかったけれど、そんな余裕はなかった。
 ぐにぐに、と形が変わるくらいに揉みしだかれる膨らみ。

「ふ、ぁんっ、そ、おですっ」
「なぜ?」
「り、旅行だからぁっ」

 なんだか特別な気がして──昨日、買いに走ったのでした。単純に、6日間分も換えがなかったのもあるけれど……。

「わざわざ? 可愛すぎる」

 何の変哲もない、シンプルな下着。
 なんだか……変にごちゃごちゃしたのは選ぶ気になれなくて。
 別に、あの2人に色々言われたのを気にしてるわけじゃないつもり、だけれど……気にしてる、のかな。

「可愛い、麻衣。綺麗だ」

 耳殻を舌でなぞられて、そのまま甘噛みされた。片手では胸を弄りながら、もう片方の手は足の付け根に。ぺちゃぺちゃと舌が耳を犯していく。

「……っ、やぁ、っ」

 下着越しに、もうとっくに濡れていたソコに謙一さんの指が触れる。そっと、もどかしいほど優しく。

「ん、んぁっ、謙一さ……んっ」
「ん?」

 めちゃくちゃ楽しんでる声だった。私ははふはふ息をしながら、指の先で布越しに弱々と引っ掻かれるだけの刺激に耐えている。もっと強くって思いながら、腰が揺れる。
 とろり、とナカが蕩けて溢れて下着を濡らす。

「お、お願いっ、もっと……っ」
「もっと? もっと強く?」

 頷けば、ぴん、と乳首を突かれた。

「ぁんっ!」

 ぐにぐにと念入りに揉まれる胸の膨らみ。くちゅくちゅと耳はしゃぶられて甘噛みされて、鼓膜までえっちな音でグズグズに蕩けそう。
 なのに、強い刺激を欲しがって溶け落ちそうな足の間のソコには、相変わらず弱い刺激しかもらえない。時折、つん、と突かれる程度で。

「あ、ぁっ、ちが、違います……っ」
「じゃあ──どこだ?」

 頬が熱さを増す。きっと真っ赤だ。

「言えないようなところか?」

 耳元で、ゾクゾクするような低い声で囁かれる。

「言えないのか?」
「う、……っ」

 目頭が熱い。肉芽にちょん、と触れられて腰が跳ねる。でもそれ以上はしてくれない。

「い、意地悪」
「なにが」

 謙一さんは喉元で楽しげに笑う。
 肉芽が疼いて、ナカの肉襞がうねる。欲しくて、欲しくてたまらなくて。膝をすり合わせた。濡れすぎて、くちゅくちゅと下着が音を立てた。恥ずかしすぎて、鼻の奥がツンとする。

「だ、だって!」
「──じゃあ、こうしよう。麻衣」

 くい、とクロッチがずらされる。空気に触れた入り口は、少しヒンヤリとした。
 そしてトロトロのソコに、謙一さんは指をあてがう──けれど、入れてはくれない。

「好きにしていい」
「……っ、え?」
「俺の指、好きに使っていい」

 かぷり、と耳を噛まれた。

「麻衣の好きなように。気持ちのいいように──しなさい」
「……!」

 そ、それは、ええと!?
 逡巡していると、くちゅ、とほんの少しだけ指が動かされる。もどかしい動きに腰を揺らすけれど、入らないように逃げられた。
 子宮が痛いほどに疼いている。
 ナカがキュンキュン蕩けて締まる。挿れて、挿れて、ってうねって止まらない。
 は、は、と浅く息をしながら──半泣きで、私は謙一さんの手を両手で掴む。

「も、っ、いじわる……っ」

 そう言うのが精一杯。
 私は羞恥心でどうにかなりそうになりながら、謙一さんの指を自らのナカに埋めていく。

「ぁ、あっ、あっ、……っ」

 やっと挿入ってきた異物感に、私は安堵の息を漏らす。同時にぽろりと涙が溢れた。
 ちゅ、とそれが吸われる。

「麻衣」
「ん、……っ、んっ」

 ぎこちなく、その大きな手を動かす。

(わ、私、何してるんだろ!?)

 謙一さんの指を使って、……なにを!
 そう思うのに、肉欲に突き動かされてしまう。
 私、こんなに──淫ら、だったっけ……?
 くちゅくちゅ、必死で動かす。
 でもやっぱり、もどかしくて。

「謙一さぁん……」
「……すまん、あんまりにも可愛すぎて……」

 謙一さんはそう言って片手で私を抱きしめる。

「可愛すぎて可愛すぎて、可愛すぎる」
「な、なんですかそれ……っ、やぁんっ!」

 ぐちゅ、とナカで指が動いた。すぐさま指の本数を増やされて、激しくナカを撹拌する。

「は、はぁっ、ぁあっ、んっ、ほしかった、のおっ……」
「そうか、欲しかったのか」

 宥めるような、優しい謙一さんの声。

「悪かった。──嫌いに、なったか?」

 少し語勢の弱い言葉に、ぶんぶんと首を振った。それよりなにより、もうすでにイきそうで体が震える。

「謙一さんっ、はぁっ、きもち、いっ、きもちぃ、よおっ……!」

 さんざん焦らされたせいで、口から溢れる言葉は素直すぎ、というか恥ずかしすぎる内容で。でも謙一さんは嬉しそうに頬を緩める。

「好きだ、麻衣」

 耳元でそう告げられながら、腰をあがってくる快楽に私は爪先を跳ね上げた。ナカがヒクヒク痙攣して、きゅんきゅん締まって──ずっと欲しかった達する感覚に、私はだらしなく身を任せた。
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