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【高校編】分岐・黒田健
【side青花】あたしが愛した小鳥
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最初は、小鳥だった。
数年前、あたしが目を覚ますと、あたしは「桜澤青花」になっていた。
ゲームの主人公、桜澤青花に。
(気が狂った)
あたしは、そう思った。あり得ない話だった。気がおかしくなった、そう思って、怖くなった。
「おそらく頭を打った衝撃で、一時的な記憶の混乱が起きているのでしょう」
医者はそう言った。青花は、自宅の階段から落ちたそうだ。
だけれどあたしはーー確信していた。「この記憶」のほうが、本当のあたしだって。
退院しても、あたしは塞ぎ込んでいた。だって、そんなはずは無いじゃない? ゲームのキャラクターに、生まれ変わる、なんて。
(あたしの目に見えないだけで)
あたしの目に見えてるのは、全部あたしの妄想で。
目の前には、本当は白い病院の壁しかないのかもしれはい。
そうして、それを医者と看護師が見ているのかもしれない。
「ゲームのキャラクターになった妄想をしているようなんです」
そんな話を、されているのかもしれない。そう思うと、あたしは「この世界」に馴染めなかった。
常に、薄い膜のようなものが、あたしと世界を隔てていた。
うまく息ができなくて。
水の中で聞く音のような。
砂を食べているような。
フィルターを通して、世界を見ているような。
少し上から、俯瞰して自分を見ているような……そんな、毎日。
(無理)
あたしは、あたしを壊したくなった。
死のうと思って、握りしめた包丁は、ふとその小さな小鳥に向かった。
鳥籠の中に、それはいた。飼っていた小鳥。青花は可愛がっていたらしい、その小鳥。綺麗な声で啼く、その小鳥。鳥籠の中にいた、それを、掴んで。
その小さな塊が動きと熱を失くして行くたびに、世界が彩りを帯びてきた。
びくん、と思ってる以上に力強く小鳥が断末の震えを見せて、それきり動かなくなった瞬間、全てが、本当に総てが、ヴィヴィッドでカラフルになった。
(……あ)
あたしと世界を隔てていた膜が、ほんの間、消えた。息ができた。肺に酸素が行き渡るのを感じた。
(あたし、生きてる)
嬉しくて、嬉しくて、泣いた。自分がここにいていいんだと、やっと、分かった気がした。
(ありがとう)
あたしは血塗れのその小鳥に頬擦りをした。本当に愛おしくて、仕方なかった。あたしに愛を教えてくれた小鳥。
狂おしくて、あたしは小鳥の腹を割いて心臓を取り出して、飲み込んだ。
もうこの子が生きていないことが、本当に悲しかった。
名残惜しいけれど、残りははビニールに入れて、新聞紙に包んで燃えるゴミの袋に捨てた。血を拭いて、包丁は洗った。
「あら」
買い物から帰宅した母親は眉をひそめた。
「どうしたの?」
「鼻血」
大丈夫、と心配そうな母親に、あたしは微笑んだ。それくらいの血しか出なかった。
「うん、大丈夫。それより、ピーちゃん、逃げちゃったの」
「えっ」
母親はなぜか、窓から空を見て、それから「探さなきゃね」と気遣わしげに言った。
あたしは機嫌が良かったから、その茶番に付き合ってあげた。
「みつかるかなぁ」
不安げに言うあたしを、母親は抱きしめた。
「きっと見つかるわ」
その日の晩ご飯は、唐揚げだった。あたしがあの黄色い小鳥を切り裂いた包丁で、母親は鳥もも肉を切って、唐揚げを作ったのたった。
(このニワトリと、あの小鳥の命の差はなんだろう)
あたしは唐揚げを咀嚼しながら、そんなことを考えた。
翌日には、また世界とあたしの間には膜が張っていた。しっかりと。あたしは世界を俯瞰してるような気分になる。
最悪な気分に、なる。
(でも、もう身近に殺せるようなのはいない)
また小鳥を飼ってもらったところで、すぐに殺せば流石に怪しまれるだろうし。
だから、こっそりあたしは誰かを傷つけた。ターゲットは、同じ学校の子供たち。
噂話をコントロールして、先入観を植えつけて、手のひらで転がしてーーいじめを発生させ、時に被害者ぶって、あたしはヒトが壊れる様を見ていた。傷つく様子を、つぶさに観察した。
楽しかった。
生きてる、ってかんじがした。
(でも、乾いてる)
あたしは見たかった。「死ぬ」ところがみたかった。
あったかいのが、動かなくなるのが見たかった。
だから、乾いて仕方なかった。
喉が乾くみたいに、砂漠の真ん中でオアシスを願うみたいに、あたしはただ、なにかをーー。
中学に上がって、あたしはもう耐えきれなくて、鳩を殺した。ホームセンターで農薬を買ってきて、餌に混ぜて。
(すぐにバレた)
すごく、びっくりした。警察って、鳩ごときでも捜査するんだあ、っていうのは新鮮な驚きだった。
高校に入って、あたしは「設楽華」をみつけた。
(そうだ)
あたしは思いついた。そうだ、現実とゲームの擦り合わせ作業をしてみよう。
(そうすれば、少しはこの"世界に貼ってる膜"も消えるかも)
けれど、やっぱり「ゲーム」と「現実」と、は違うのか……ゲームと違い、設楽華はモブキャラの黒田と付き合ってた。
(へんなの!)
やっぱり、ここはゲームではない、のかな? でも現実でもない。
イライラする。
ムシャクシャする。
お腹の底が、もぞもぞと気持ちが悪いーー。
(殺さなくては、いけない)
なにかを。なにを?
鳩は見た。もっと、大きものがいい。でも、もう、バレないようにーー。
(だから、今度はちゃんと考える)
さすがに隣県のホームセンターまでは捜査しないだろう、と踏んでわざわざ足を伸ばして買いに行った。農薬と殺鼠剤。
どんな農薬を買えばいいかは、ニュースが教えてくれる。類似事件を検索すれば、「○○入りの農薬で」とご丁寧に必要な成分を、そして手口まで教えてくれるのだから。
カラスを殺した。あんなにウルサイ生き物が、あっという間に動かなくなった。
艶やかな、深い緑を反射する、黒い黒い黒。その羽が最期にばさりと動いた。
「次は何にしよう」
どきどきと、鼓動が興奮でうるさい。けれど、それは不快ではなくて、むしろーー。
(旅行の前日のよう)
運動会の前日の子供のように。結婚式の前日の花嫁のように。
あたしは期待に胸を膨らませて、次のターゲットを探して微笑んだ。
「だーれーにーしーよーうーかーなー」
天の神様の言う通り。
数年前、あたしが目を覚ますと、あたしは「桜澤青花」になっていた。
ゲームの主人公、桜澤青花に。
(気が狂った)
あたしは、そう思った。あり得ない話だった。気がおかしくなった、そう思って、怖くなった。
「おそらく頭を打った衝撃で、一時的な記憶の混乱が起きているのでしょう」
医者はそう言った。青花は、自宅の階段から落ちたそうだ。
だけれどあたしはーー確信していた。「この記憶」のほうが、本当のあたしだって。
退院しても、あたしは塞ぎ込んでいた。だって、そんなはずは無いじゃない? ゲームのキャラクターに、生まれ変わる、なんて。
(あたしの目に見えないだけで)
あたしの目に見えてるのは、全部あたしの妄想で。
目の前には、本当は白い病院の壁しかないのかもしれはい。
そうして、それを医者と看護師が見ているのかもしれない。
「ゲームのキャラクターになった妄想をしているようなんです」
そんな話を、されているのかもしれない。そう思うと、あたしは「この世界」に馴染めなかった。
常に、薄い膜のようなものが、あたしと世界を隔てていた。
うまく息ができなくて。
水の中で聞く音のような。
砂を食べているような。
フィルターを通して、世界を見ているような。
少し上から、俯瞰して自分を見ているような……そんな、毎日。
(無理)
あたしは、あたしを壊したくなった。
死のうと思って、握りしめた包丁は、ふとその小さな小鳥に向かった。
鳥籠の中に、それはいた。飼っていた小鳥。青花は可愛がっていたらしい、その小鳥。綺麗な声で啼く、その小鳥。鳥籠の中にいた、それを、掴んで。
その小さな塊が動きと熱を失くして行くたびに、世界が彩りを帯びてきた。
びくん、と思ってる以上に力強く小鳥が断末の震えを見せて、それきり動かなくなった瞬間、全てが、本当に総てが、ヴィヴィッドでカラフルになった。
(……あ)
あたしと世界を隔てていた膜が、ほんの間、消えた。息ができた。肺に酸素が行き渡るのを感じた。
(あたし、生きてる)
嬉しくて、嬉しくて、泣いた。自分がここにいていいんだと、やっと、分かった気がした。
(ありがとう)
あたしは血塗れのその小鳥に頬擦りをした。本当に愛おしくて、仕方なかった。あたしに愛を教えてくれた小鳥。
狂おしくて、あたしは小鳥の腹を割いて心臓を取り出して、飲み込んだ。
もうこの子が生きていないことが、本当に悲しかった。
名残惜しいけれど、残りははビニールに入れて、新聞紙に包んで燃えるゴミの袋に捨てた。血を拭いて、包丁は洗った。
「あら」
買い物から帰宅した母親は眉をひそめた。
「どうしたの?」
「鼻血」
大丈夫、と心配そうな母親に、あたしは微笑んだ。それくらいの血しか出なかった。
「うん、大丈夫。それより、ピーちゃん、逃げちゃったの」
「えっ」
母親はなぜか、窓から空を見て、それから「探さなきゃね」と気遣わしげに言った。
あたしは機嫌が良かったから、その茶番に付き合ってあげた。
「みつかるかなぁ」
不安げに言うあたしを、母親は抱きしめた。
「きっと見つかるわ」
その日の晩ご飯は、唐揚げだった。あたしがあの黄色い小鳥を切り裂いた包丁で、母親は鳥もも肉を切って、唐揚げを作ったのたった。
(このニワトリと、あの小鳥の命の差はなんだろう)
あたしは唐揚げを咀嚼しながら、そんなことを考えた。
翌日には、また世界とあたしの間には膜が張っていた。しっかりと。あたしは世界を俯瞰してるような気分になる。
最悪な気分に、なる。
(でも、もう身近に殺せるようなのはいない)
また小鳥を飼ってもらったところで、すぐに殺せば流石に怪しまれるだろうし。
だから、こっそりあたしは誰かを傷つけた。ターゲットは、同じ学校の子供たち。
噂話をコントロールして、先入観を植えつけて、手のひらで転がしてーーいじめを発生させ、時に被害者ぶって、あたしはヒトが壊れる様を見ていた。傷つく様子を、つぶさに観察した。
楽しかった。
生きてる、ってかんじがした。
(でも、乾いてる)
あたしは見たかった。「死ぬ」ところがみたかった。
あったかいのが、動かなくなるのが見たかった。
だから、乾いて仕方なかった。
喉が乾くみたいに、砂漠の真ん中でオアシスを願うみたいに、あたしはただ、なにかをーー。
中学に上がって、あたしはもう耐えきれなくて、鳩を殺した。ホームセンターで農薬を買ってきて、餌に混ぜて。
(すぐにバレた)
すごく、びっくりした。警察って、鳩ごときでも捜査するんだあ、っていうのは新鮮な驚きだった。
高校に入って、あたしは「設楽華」をみつけた。
(そうだ)
あたしは思いついた。そうだ、現実とゲームの擦り合わせ作業をしてみよう。
(そうすれば、少しはこの"世界に貼ってる膜"も消えるかも)
けれど、やっぱり「ゲーム」と「現実」と、は違うのか……ゲームと違い、設楽華はモブキャラの黒田と付き合ってた。
(へんなの!)
やっぱり、ここはゲームではない、のかな? でも現実でもない。
イライラする。
ムシャクシャする。
お腹の底が、もぞもぞと気持ちが悪いーー。
(殺さなくては、いけない)
なにかを。なにを?
鳩は見た。もっと、大きものがいい。でも、もう、バレないようにーー。
(だから、今度はちゃんと考える)
さすがに隣県のホームセンターまでは捜査しないだろう、と踏んでわざわざ足を伸ばして買いに行った。農薬と殺鼠剤。
どんな農薬を買えばいいかは、ニュースが教えてくれる。類似事件を検索すれば、「○○入りの農薬で」とご丁寧に必要な成分を、そして手口まで教えてくれるのだから。
カラスを殺した。あんなにウルサイ生き物が、あっという間に動かなくなった。
艶やかな、深い緑を反射する、黒い黒い黒。その羽が最期にばさりと動いた。
「次は何にしよう」
どきどきと、鼓動が興奮でうるさい。けれど、それは不快ではなくて、むしろーー。
(旅行の前日のよう)
運動会の前日の子供のように。結婚式の前日の花嫁のように。
あたしは期待に胸を膨らませて、次のターゲットを探して微笑んだ。
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