381 / 702
【高校編】分岐・山ノ内瑛
八つ当たりすんなよな(side???)
しおりを挟む
山ノ内が設楽先輩の腕をとって連れて行ったから、オレは「お、頑張れ!」なんて思ってちょっとニヤニヤした。
(だって山ノ内、あいつ、設楽先輩のこと好きなんだもんな~)
超意外だけど、夏に教えてもらった山ノ内の「超ド級」の秘密。山ノ内は設楽先輩に恋してる。
ニヤニヤを隠してへんな顔になってるのを誤魔化すようにスマホなんていじぅてると、さっき設楽先輩とすれ違ったやつにこっそり囁かれた。
「なあ、設楽先輩って、もしかして普段は結構フツーっていうか、柔らかい感じの人だったりすんのかな」
「は?」
思わずそいつを見ると、そいつは慌てたように言った。
「や、先輩が山ノ内に色々言ったりしてんのは知ってんだけどさ!? 鉄の女だとか、氷の女王だとか、なんかそういうアダ名が似合わないような、気がして」
「なんで?」
「いや、さっきなんか、素っぽい表情が、なんか」
柔らかかったから、とかそいつが言うから、オレは後で山ノ内に教えてやろうと思う。オイオイ山ノ内、さっさとモノにしないとライバルできるかもだぞ?
「鹿王院さんの前だと、いつもあんな感じなのかな」
そいつの声で、ふと気がつく。そっか、設楽先輩、許婚いるんだ。それも鹿王院樹。山ノ内でも、敵うかどうか。
「いいなぁ、普段ツンで2人だとデレてくれるの」
「そーいう子が好きなの?」
「そういう訳じゃないけど、なんかオレだけ知ってる顔~! って感じしない?」
言われて、ちょっと考える。例えば、あくまで例えばだけど、あの設楽先輩が2人きりだと甘えたり優しく触れたりしてくれたら……うん、あ、好きってなるかも。そもそも超絶美人だし。
「もしかして、」
なんて想像する。もしかして、設楽先輩、山ノ内の前ではデレだったりして?
「……ないか」
「さっきからブツブツどうしたんだよ」
「なんでも」
オレはさっさと歩き出す。どっちにしろ、山ノ内は色々大変そうだ。
しばらくしての風紀週間、山ノ内はやっぱり設楽先輩に捕まっていた。
「……」
「何も言わへんの?」
「もう言葉が……尽きました……」
はあ、と眉間を揉む設楽先輩。オレは苦笑いしながら、山ノ内の背中を軽くぽん、と叩く。
「はよ」
「おう」
にかり、と笑う山ノ内は相変わらずキレーな顔で朝から羨ましい。
「染め直したら?」
「は!? なんでお前までそんなんっ」
裏切るんか、なんて言う山ノ内の耳元で、こっそり言う。
「言うこと聞いた方がイメージいいかもだよ?」
「……それは分かってんねんけどさぁ」
ヒソヒソ話すオレたちを、設楽先輩は不思議そうに見ていた。
「……」
思わず、その顔を見てしまう。いつもみたいな「キリッ」とした顔じゃなくて、「ほへー」とか「へにょん」みたいな擬音が似合う顔で、なんなら少し口角も上がっていた。笑うのを我慢してるような。
(表情筋あるんだー)
あるに決まってるだろ、とは思うけれど、そんな風に考えてしまう。この人、笑ったらどんな感じなんだろう?
「……なに見てんねん」
山ノ内の少し、不機嫌そうな声。オレははっとして手を振った。
「いや、違う。そのー、設楽先輩、笑ったらどんな顔なのかなって」
そう言った瞬間、設楽先輩は吹き出した。綺麗なアーモンド型の、猫みたいな大きな目を細めて、きれいに笑った。
「あっは、私、笑わないとでも思われてるの?」
あんまり楽しげに笑うので、しかもその表情が「きれい」というより「可愛い」類に分類される系の顔で、オレは思わずぽかん、と設楽先輩を見た。
「はあ、……あの、思ってました」
「やだなぁもう。ほら、山ノ内くんのせいだからね?」
怖い人だと思われちゃってるじゃん、なんて山ノ内の腕を軽く叩いた設楽先輩に、山ノ内は「むっ」て顔をして眉間のシワを深くした。
「や、……俺のせいちゃいますし? 行こか」
「……いい加減、ちゃんと検討してください」
設楽先輩はまた「きりっ」とした顔で言ったし、山ノ内は今度は視線すら向けずにさくさく歩いた。
「?」
好きな人相手に、あんな感じで大丈夫なのか……?
と、思ってたら靴箱の前で山ノ内は「やってもた」と頭を抱えて座り込んだ。
「俺、完璧にイヤな奴やったな?」
「は?」
「せっかく腕触ってくれたのに、むって顔してもたやん?」
「まぁそれは印象悪いと思うよ」
正直に答えると、山ノ内は「お前のせーやでっ!?」と八つ当たりをかましてきた。
「は!? なんでオレ」
「や、なんか、……キレーとか可愛いとか思ってたやろ、あの人のこと」
「あ、それは、うん」
「それでイライラしてしもーたんやっ」
「えぇー!?」
オレは呆れてへんな声が出てしまう。知らんがな! ってオレは関西人じゃないけれど。
「あー、あかん、弁明したい。つか、しよ」
「なんか知らないけど、頑張って」
「おう、頑張るわ……譲らへんで?」
「なにが」
「あの人に惚れたって、」
山ノ内は立ち上がり、オレを軽く睨んだ。
「あの人のこと、俺は絶対に譲らへんで」
「……はいはい」
そんなつもりない、とか言っても聞きそうになかったので、テキトーに返事をする。
「ハイは一回!」
「ハァイ」
「伸ばしたらあかん!」
山ノ内のよく分からない主張にまたもや「はいはい」と頷きつつ、オレたちは教室へ向かった。なんか知らないけど、山ノ内頑張れよ。
(だって山ノ内、あいつ、設楽先輩のこと好きなんだもんな~)
超意外だけど、夏に教えてもらった山ノ内の「超ド級」の秘密。山ノ内は設楽先輩に恋してる。
ニヤニヤを隠してへんな顔になってるのを誤魔化すようにスマホなんていじぅてると、さっき設楽先輩とすれ違ったやつにこっそり囁かれた。
「なあ、設楽先輩って、もしかして普段は結構フツーっていうか、柔らかい感じの人だったりすんのかな」
「は?」
思わずそいつを見ると、そいつは慌てたように言った。
「や、先輩が山ノ内に色々言ったりしてんのは知ってんだけどさ!? 鉄の女だとか、氷の女王だとか、なんかそういうアダ名が似合わないような、気がして」
「なんで?」
「いや、さっきなんか、素っぽい表情が、なんか」
柔らかかったから、とかそいつが言うから、オレは後で山ノ内に教えてやろうと思う。オイオイ山ノ内、さっさとモノにしないとライバルできるかもだぞ?
「鹿王院さんの前だと、いつもあんな感じなのかな」
そいつの声で、ふと気がつく。そっか、設楽先輩、許婚いるんだ。それも鹿王院樹。山ノ内でも、敵うかどうか。
「いいなぁ、普段ツンで2人だとデレてくれるの」
「そーいう子が好きなの?」
「そういう訳じゃないけど、なんかオレだけ知ってる顔~! って感じしない?」
言われて、ちょっと考える。例えば、あくまで例えばだけど、あの設楽先輩が2人きりだと甘えたり優しく触れたりしてくれたら……うん、あ、好きってなるかも。そもそも超絶美人だし。
「もしかして、」
なんて想像する。もしかして、設楽先輩、山ノ内の前ではデレだったりして?
「……ないか」
「さっきからブツブツどうしたんだよ」
「なんでも」
オレはさっさと歩き出す。どっちにしろ、山ノ内は色々大変そうだ。
しばらくしての風紀週間、山ノ内はやっぱり設楽先輩に捕まっていた。
「……」
「何も言わへんの?」
「もう言葉が……尽きました……」
はあ、と眉間を揉む設楽先輩。オレは苦笑いしながら、山ノ内の背中を軽くぽん、と叩く。
「はよ」
「おう」
にかり、と笑う山ノ内は相変わらずキレーな顔で朝から羨ましい。
「染め直したら?」
「は!? なんでお前までそんなんっ」
裏切るんか、なんて言う山ノ内の耳元で、こっそり言う。
「言うこと聞いた方がイメージいいかもだよ?」
「……それは分かってんねんけどさぁ」
ヒソヒソ話すオレたちを、設楽先輩は不思議そうに見ていた。
「……」
思わず、その顔を見てしまう。いつもみたいな「キリッ」とした顔じゃなくて、「ほへー」とか「へにょん」みたいな擬音が似合う顔で、なんなら少し口角も上がっていた。笑うのを我慢してるような。
(表情筋あるんだー)
あるに決まってるだろ、とは思うけれど、そんな風に考えてしまう。この人、笑ったらどんな感じなんだろう?
「……なに見てんねん」
山ノ内の少し、不機嫌そうな声。オレははっとして手を振った。
「いや、違う。そのー、設楽先輩、笑ったらどんな顔なのかなって」
そう言った瞬間、設楽先輩は吹き出した。綺麗なアーモンド型の、猫みたいな大きな目を細めて、きれいに笑った。
「あっは、私、笑わないとでも思われてるの?」
あんまり楽しげに笑うので、しかもその表情が「きれい」というより「可愛い」類に分類される系の顔で、オレは思わずぽかん、と設楽先輩を見た。
「はあ、……あの、思ってました」
「やだなぁもう。ほら、山ノ内くんのせいだからね?」
怖い人だと思われちゃってるじゃん、なんて山ノ内の腕を軽く叩いた設楽先輩に、山ノ内は「むっ」て顔をして眉間のシワを深くした。
「や、……俺のせいちゃいますし? 行こか」
「……いい加減、ちゃんと検討してください」
設楽先輩はまた「きりっ」とした顔で言ったし、山ノ内は今度は視線すら向けずにさくさく歩いた。
「?」
好きな人相手に、あんな感じで大丈夫なのか……?
と、思ってたら靴箱の前で山ノ内は「やってもた」と頭を抱えて座り込んだ。
「俺、完璧にイヤな奴やったな?」
「は?」
「せっかく腕触ってくれたのに、むって顔してもたやん?」
「まぁそれは印象悪いと思うよ」
正直に答えると、山ノ内は「お前のせーやでっ!?」と八つ当たりをかましてきた。
「は!? なんでオレ」
「や、なんか、……キレーとか可愛いとか思ってたやろ、あの人のこと」
「あ、それは、うん」
「それでイライラしてしもーたんやっ」
「えぇー!?」
オレは呆れてへんな声が出てしまう。知らんがな! ってオレは関西人じゃないけれど。
「あー、あかん、弁明したい。つか、しよ」
「なんか知らないけど、頑張って」
「おう、頑張るわ……譲らへんで?」
「なにが」
「あの人に惚れたって、」
山ノ内は立ち上がり、オレを軽く睨んだ。
「あの人のこと、俺は絶対に譲らへんで」
「……はいはい」
そんなつもりない、とか言っても聞きそうになかったので、テキトーに返事をする。
「ハイは一回!」
「ハァイ」
「伸ばしたらあかん!」
山ノ内のよく分からない主張にまたもや「はいはい」と頷きつつ、オレたちは教室へ向かった。なんか知らないけど、山ノ内頑張れよ。
0
お気に入りに追加
3,083
あなたにおすすめの小説
モブ令嬢ですが、悪役令嬢の妹です。
霜月零
恋愛
私は、ある日思い出した。
ヒロインに、悪役令嬢たるお姉様が言った一言で。
「どうして、このお茶会に平民がまぎれているのかしら」
その瞬間、私はこの世界が、前世やってた乙女ゲームに酷似した世界だと気が付いた。
思い出した私がとった行動は、ヒロインをこの場から逃がさない事。
だってここで走り出されたら、婚約者のいる攻略対象とヒロインのフラグが立っちゃうんだもの!!!
略奪愛ダメ絶対。
そんなことをしたら国が滅ぶのよ。
バッドエンド回避の為に、クリスティーナ=ローエンガルデ。
悪役令嬢の妹だけど、前世の知識総動員で、破滅の運命回避して見せます。
※他サイト様にも掲載中です。
ヒロインを虐めなくても死亡エンドしかない悪役令嬢に転生してしまった!
青星 みづ
恋愛
【第Ⅰ章完結】『イケメン達と乙女ゲームの様な甘くてせつない恋模様を描く。少しシリアスな悪役令嬢の物語』
なんで今、前世を思い出したかな?!ルクレツィアは顔を真っ青に染めた。目の前には前世の押しである超絶イケメンのクレイが憎悪の表情でこちらを睨んでいた。
それもそのはず、ルクレツィアは固い扇子を振りかざして目の前のクレイの頬を引っぱたこうとしていたのだから。でもそれはクレイの手によって阻まれていた。
そしてその瞬間に前世を思い出した。
この世界は前世で遊んでいた乙女ゲームの世界であり、自分が悪役令嬢だという事を。
や、やばい……。
何故なら既にゲームは開始されている。
そのゲームでは悪役令嬢である私はどのルートでも必ず死を迎えてしまう末路だった!
しかもそれはヒロインを虐めても虐めなくても全く関係ない死に方だし!
どうしよう、どうしよう……。
どうやったら生き延びる事ができる?!
何とか生き延びる為に頑張ります!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました
小倉みち
恋愛
7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。
前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。
唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。
そして――。
この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。
この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。
しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。
それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。
しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。
レティシアは考えた。
どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。
――ということは。
これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。
私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる