450 / 702
【高校編】分岐・黒田健
夏
しおりを挟む
「夏といえば海だって!」
「だからっていきなり海はハードル高くない? 水着だよ? 花火のほうがさぁ」
夏休み直前の昼休み、俺の机の前であーだこーだ言い合う2人は、俺に設楽の学校の女子を紹介しろ紹介しろと煩かったヤツらだ。近藤と根岸。
5月にした紹介の約束だけど、あっちはさすがド級の進学校、中間試験だの模試だの期末試験だの、こっちはこっちで部活だ大会だ、で結局夏休みに会うことになったのだ。
「おい黒田、どうなんだよ」
「知るか」
「つめてーなー、オイ! 自分がラブラブだからってな!」
「そーだそーだ!」
俺は眉間に深く深くシワを寄せて黙った。果てしなく、どっちでもいいからだ。海だろうが花火だろうが。
(設楽は)
花火はどうだろう、手を繋いでいれば暗いところもある程度歩けるようにはなっているけど。
「……聞いてみるよ」
「お! 頼むよ黒田大明神!」
「変なあだ名つけんな」
俺は設楽にメールを送る。向こうも昼休みなのか、すぐに帰ってきた。
「……あっちも海派と花火派といるらしい」
「じゃーさ!」
近藤が大きく手を挙げた。
「両方!」
「は?」
聞き返すと、近藤は嬉しそうに言った。
「海行って花火すればいいじゃん!」
「おお、名案」
名案なのか……?
「オレの親戚のさぁ」
根岸は言った。
「貸別荘があんだけど。空いてる日聞いてみようか?」
「お、まじー!?」
「泊まりはマズイだろうけど、朝から海行って昼食って夕方から花火してだったらオッケーでそうじゃね?」
女子側からも! と根岸はすっかりその気だ。
「聞いて聞いて聞いてみて黒田」
「……わーったよ」
そのままをメールする。しばらく返ってこなくて、根岸と近藤はやきもきしたみてーだけど、やがて返ってきたメールは「おっけー」だった。
2人はハイタッチを交わす。楽しそうでなによりだよ、ほんとに。
やがて終了式が来て、夏休みに突入したけどあんまり俺の生活は変わらない。朝練の後が授業じゃなくて、ずっと部活なだけ。多分、近藤(野球部)も根岸(バレー部)も同じ感じだろう。
設楽は毎日学校らしい。進学校ってのは、夏休みも授業があるらしい。午前中は学校で授業、午後からは予備校の夏期講習。
『クーラー病になりそうだよ』
部活の後、家のリビングで麦茶を飲んでいると、設楽からのメールが来た。
時刻は夕方、だけれどまだ蝉は頑張っている、そんな時間。
寒がりだからな、設楽は。けど暑いのにも弱いから、クーラー無しだとへたるしな。
『風邪引くなよ』
『黒田くんも夏バテしないでね、熱中症とか気をつけて』
設楽もな、と返信しようとしたら追加でメールが来た。
『怪我にも気をつけてね』
俺はごん、と机に頭をぶつけた。
(可愛すぎる)
なにがどう可愛いか、なんて説明不可能だ。ただ、胸に刺さるんだから。
「……なにやってるんだ健」
親父だった。いつのまにか帰宅していたらしい。
「うるせえ。おかえり。麦茶飲むか」
「なにその甘辛ミックス」
甘辛ミックスの意味は不明だが、俺は親父に麦茶を注いでやる。
「つーか、今日、早いな」
「んん、まぁ、ね。ちょっと事件もなんとなくうまくいきそうな」
「今なにやってんだ親父」
「いま? いまなぁ、えーと。サンズイ」
「サンズイ? ああ、汚職だのなんだのか。つか、親父んな頭使う仕事できんだな」
「お前、父親に向かってそんな……ま、いいや。うん。立件できそうだし逮捕できそうだし有罪いけそうだし、これなら検事さんにも怒られないで済むや」
「普段怒られてんのか」
「いやいや、全然? たまに」
「結局怒られてんのかよ」
そんな会話をしていると、母さんが帰宅してきた。珍しく家族が揃う。
3人で夕飯を作る。その方が早いから。
「そういや」
料理ができて、テーブルに並んだ。揃って座って、ふと俺は口を開いた。
「来週の日曜、俺、帰るの遅くなるわ」
「どこか行くの?」
「朝から海」
母さんに答えると、母さんは「まー」と手を頬に当てて微笑んだ。
「デートね。海水浴デートね」
「華さん、あまり日光とか得意じゃないんじゃなかったのか」
「あー、だから無理はさせねーつもりなんだけど」
俺はざっとあらましを説明した。要は合コンに付き合わされてるんだってこと。
「あら、健ったらキューピッドになるのね」
キューピッド、とは、これまた。
俺は少し呆れて母さんを見る。まったく気にせず、母さんは嬉しそうに笑った。
「でも、ほんとに順調ねぇ。あんたと華ちゃん。早くお嫁に来て欲しいわ」
「あ、プロポーズしたわ」
ちょっと前だけど、
「は!?」
親父が変な声を出した。
「はやくない!? 高校生でしょ君達」
「はやくねーよ、別に。プロポーズって、結婚決めたらするんだろーが。けど、ちゃんとしたのは警官なってからする。金貯めて」
「警察官は確定なのね」
母さんは首を傾げた。
「そういえば、いいのよ、大学行っても。うち、そこそこ余裕あるのよ?」
「いーよ、遠回りなだけだ」
そう答えると、母さんは「そう?」と頷いた。
「結局警官になるのは、もう決めたことだから」
「頑固ねぇ。誰に似たのかしら」
「オレではないな」
親父は飄々と言う。なんか腹立つーーけど、警官の話が出たついでに、俺は親父に聞きたかったことを聞くことにした。
「なぁ、設楽の亡くなった親父さんって警察官だったらしーんだよ」
「へえ? 奇遇だね」
「それで、」
俺は少しいいあぐねる。母さんの前でする会話ではなかったか?
けど、ここで止めるのも変だ。思い切って続けた。
「殉職、されてるらしいんだけど」
「……そうなのか」
「親父、なんかしらねー?」
「うーん、突然言われてもなぁ。なに県警?」
「前、設楽関西に住んでたんだけど」
「あ」
そう言ったのは、母さんだった。
「もしかして、京都の、通り魔の」
「あー」
親父も、なにかを思い出すような顔をした。
「そうだ、……設楽さんだ。そうだ……」
親父は少し、呆然としたように呟いた。
「新聞、とってあるよ。みてみる?」
そう言われて、俺は頷いた。
「だからっていきなり海はハードル高くない? 水着だよ? 花火のほうがさぁ」
夏休み直前の昼休み、俺の机の前であーだこーだ言い合う2人は、俺に設楽の学校の女子を紹介しろ紹介しろと煩かったヤツらだ。近藤と根岸。
5月にした紹介の約束だけど、あっちはさすがド級の進学校、中間試験だの模試だの期末試験だの、こっちはこっちで部活だ大会だ、で結局夏休みに会うことになったのだ。
「おい黒田、どうなんだよ」
「知るか」
「つめてーなー、オイ! 自分がラブラブだからってな!」
「そーだそーだ!」
俺は眉間に深く深くシワを寄せて黙った。果てしなく、どっちでもいいからだ。海だろうが花火だろうが。
(設楽は)
花火はどうだろう、手を繋いでいれば暗いところもある程度歩けるようにはなっているけど。
「……聞いてみるよ」
「お! 頼むよ黒田大明神!」
「変なあだ名つけんな」
俺は設楽にメールを送る。向こうも昼休みなのか、すぐに帰ってきた。
「……あっちも海派と花火派といるらしい」
「じゃーさ!」
近藤が大きく手を挙げた。
「両方!」
「は?」
聞き返すと、近藤は嬉しそうに言った。
「海行って花火すればいいじゃん!」
「おお、名案」
名案なのか……?
「オレの親戚のさぁ」
根岸は言った。
「貸別荘があんだけど。空いてる日聞いてみようか?」
「お、まじー!?」
「泊まりはマズイだろうけど、朝から海行って昼食って夕方から花火してだったらオッケーでそうじゃね?」
女子側からも! と根岸はすっかりその気だ。
「聞いて聞いて聞いてみて黒田」
「……わーったよ」
そのままをメールする。しばらく返ってこなくて、根岸と近藤はやきもきしたみてーだけど、やがて返ってきたメールは「おっけー」だった。
2人はハイタッチを交わす。楽しそうでなによりだよ、ほんとに。
やがて終了式が来て、夏休みに突入したけどあんまり俺の生活は変わらない。朝練の後が授業じゃなくて、ずっと部活なだけ。多分、近藤(野球部)も根岸(バレー部)も同じ感じだろう。
設楽は毎日学校らしい。進学校ってのは、夏休みも授業があるらしい。午前中は学校で授業、午後からは予備校の夏期講習。
『クーラー病になりそうだよ』
部活の後、家のリビングで麦茶を飲んでいると、設楽からのメールが来た。
時刻は夕方、だけれどまだ蝉は頑張っている、そんな時間。
寒がりだからな、設楽は。けど暑いのにも弱いから、クーラー無しだとへたるしな。
『風邪引くなよ』
『黒田くんも夏バテしないでね、熱中症とか気をつけて』
設楽もな、と返信しようとしたら追加でメールが来た。
『怪我にも気をつけてね』
俺はごん、と机に頭をぶつけた。
(可愛すぎる)
なにがどう可愛いか、なんて説明不可能だ。ただ、胸に刺さるんだから。
「……なにやってるんだ健」
親父だった。いつのまにか帰宅していたらしい。
「うるせえ。おかえり。麦茶飲むか」
「なにその甘辛ミックス」
甘辛ミックスの意味は不明だが、俺は親父に麦茶を注いでやる。
「つーか、今日、早いな」
「んん、まぁ、ね。ちょっと事件もなんとなくうまくいきそうな」
「今なにやってんだ親父」
「いま? いまなぁ、えーと。サンズイ」
「サンズイ? ああ、汚職だのなんだのか。つか、親父んな頭使う仕事できんだな」
「お前、父親に向かってそんな……ま、いいや。うん。立件できそうだし逮捕できそうだし有罪いけそうだし、これなら検事さんにも怒られないで済むや」
「普段怒られてんのか」
「いやいや、全然? たまに」
「結局怒られてんのかよ」
そんな会話をしていると、母さんが帰宅してきた。珍しく家族が揃う。
3人で夕飯を作る。その方が早いから。
「そういや」
料理ができて、テーブルに並んだ。揃って座って、ふと俺は口を開いた。
「来週の日曜、俺、帰るの遅くなるわ」
「どこか行くの?」
「朝から海」
母さんに答えると、母さんは「まー」と手を頬に当てて微笑んだ。
「デートね。海水浴デートね」
「華さん、あまり日光とか得意じゃないんじゃなかったのか」
「あー、だから無理はさせねーつもりなんだけど」
俺はざっとあらましを説明した。要は合コンに付き合わされてるんだってこと。
「あら、健ったらキューピッドになるのね」
キューピッド、とは、これまた。
俺は少し呆れて母さんを見る。まったく気にせず、母さんは嬉しそうに笑った。
「でも、ほんとに順調ねぇ。あんたと華ちゃん。早くお嫁に来て欲しいわ」
「あ、プロポーズしたわ」
ちょっと前だけど、
「は!?」
親父が変な声を出した。
「はやくない!? 高校生でしょ君達」
「はやくねーよ、別に。プロポーズって、結婚決めたらするんだろーが。けど、ちゃんとしたのは警官なってからする。金貯めて」
「警察官は確定なのね」
母さんは首を傾げた。
「そういえば、いいのよ、大学行っても。うち、そこそこ余裕あるのよ?」
「いーよ、遠回りなだけだ」
そう答えると、母さんは「そう?」と頷いた。
「結局警官になるのは、もう決めたことだから」
「頑固ねぇ。誰に似たのかしら」
「オレではないな」
親父は飄々と言う。なんか腹立つーーけど、警官の話が出たついでに、俺は親父に聞きたかったことを聞くことにした。
「なぁ、設楽の亡くなった親父さんって警察官だったらしーんだよ」
「へえ? 奇遇だね」
「それで、」
俺は少しいいあぐねる。母さんの前でする会話ではなかったか?
けど、ここで止めるのも変だ。思い切って続けた。
「殉職、されてるらしいんだけど」
「……そうなのか」
「親父、なんかしらねー?」
「うーん、突然言われてもなぁ。なに県警?」
「前、設楽関西に住んでたんだけど」
「あ」
そう言ったのは、母さんだった。
「もしかして、京都の、通り魔の」
「あー」
親父も、なにかを思い出すような顔をした。
「そうだ、……設楽さんだ。そうだ……」
親父は少し、呆然としたように呟いた。
「新聞、とってあるよ。みてみる?」
そう言われて、俺は頷いた。
0
お気に入りに追加
3,083
あなたにおすすめの小説
モブ令嬢ですが、悪役令嬢の妹です。
霜月零
恋愛
私は、ある日思い出した。
ヒロインに、悪役令嬢たるお姉様が言った一言で。
「どうして、このお茶会に平民がまぎれているのかしら」
その瞬間、私はこの世界が、前世やってた乙女ゲームに酷似した世界だと気が付いた。
思い出した私がとった行動は、ヒロインをこの場から逃がさない事。
だってここで走り出されたら、婚約者のいる攻略対象とヒロインのフラグが立っちゃうんだもの!!!
略奪愛ダメ絶対。
そんなことをしたら国が滅ぶのよ。
バッドエンド回避の為に、クリスティーナ=ローエンガルデ。
悪役令嬢の妹だけど、前世の知識総動員で、破滅の運命回避して見せます。
※他サイト様にも掲載中です。
ヒロインを虐めなくても死亡エンドしかない悪役令嬢に転生してしまった!
青星 みづ
恋愛
【第Ⅰ章完結】『イケメン達と乙女ゲームの様な甘くてせつない恋模様を描く。少しシリアスな悪役令嬢の物語』
なんで今、前世を思い出したかな?!ルクレツィアは顔を真っ青に染めた。目の前には前世の押しである超絶イケメンのクレイが憎悪の表情でこちらを睨んでいた。
それもそのはず、ルクレツィアは固い扇子を振りかざして目の前のクレイの頬を引っぱたこうとしていたのだから。でもそれはクレイの手によって阻まれていた。
そしてその瞬間に前世を思い出した。
この世界は前世で遊んでいた乙女ゲームの世界であり、自分が悪役令嬢だという事を。
や、やばい……。
何故なら既にゲームは開始されている。
そのゲームでは悪役令嬢である私はどのルートでも必ず死を迎えてしまう末路だった!
しかもそれはヒロインを虐めても虐めなくても全く関係ない死に方だし!
どうしよう、どうしよう……。
どうやったら生き延びる事ができる?!
何とか生き延びる為に頑張ります!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました
小倉みち
恋愛
7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。
前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。
唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。
そして――。
この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。
この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。
しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。
それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。
しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。
レティシアは考えた。
どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。
――ということは。
これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。
私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる