363 / 702
【高校編】分岐・山ノ内瑛
取引
しおりを挟む
図書館の、ひんやりとした地下一階。閉架書庫の片隅、大きな閲覧机に、私とアキラくんが並んで、向かいに松井さんが座る。
念のため周りは確認したけど、少なくとも近くには誰もいなかった。それでも一応、小声で話す。
私はざっと、私たちのことを説明する。記憶がなくて入院してたとか、そういうめんどくさいことは伏せて。
「そんなわけで、交際に反対されてまして」
「バレたらたぶん、華どっか転校やで。下手したら外国とか」
ひゃあ、と私は思わず言う。外国……! アキラくんと離れるのも嫌だけど、外国暮らしなんか無理だ。3日でホームシックになりそう……。
「気づかなかったよ。てっきり犬猿の仲かと……、髪で怒ってるのはカモフラージュ?」
「それはガチ」
私は低く言う。ジト目だ。
「髪は染め直してほしい。ほかの生徒の規律にも影響する」
「せやからなぁ、華。校則にやな」
「ふふ、仲良しなんだね」
言われて私たちは顔を見合わせる。アキラくんが笑って、私は「笑っても誤魔化されないよ!?」と頬を膨らませた。アキラくんは片手でそれを潰す。むう。
「てなわけでやな、松井さん。俺らのこと黙っててな?」
軽く首を傾げて、松井さんに悪戯っぽく言うアキラくんの言葉に、私はハッとした。
(あ、そうか)
これで、イーブンなんだ。
松井さんの心理的負担としては。
(私たちも、松井さんも、お互いにお互いの秘密を知ってる)
ちょっとは気楽になるんじゃないかなぁ。
松井さんも気づいたのか「ありがと、気を使ってくれて」と泣き笑いで言った。
「優しいね、設楽さんの彼氏」
「でっしょう」
うふふ、と私はにやける。
(カッコいいんです、私の彼氏)
「あたしの彼とは……大違い」
「松井さん」
悲しげに伏せられた瞳に、私は思わず彼女の手を取る。
「何が出来るかわかんないけど、……もし、話して楽になるなら話して欲しい」
きっと、聞くしかできないけれど。
私たち弱味握られてるんだから、誰にも話せないよ、なんて少しおちゃらけて言うと、松井さんはほんの少し、柔らかく笑った。
「あのね、彼……彼って言っていいのかな。付き合ってるかも微妙なんだけど」
言いにくそうに、松井さんは言う。
「あたしの父親、そんなに大きくない専門商社を経営してて」
「うん」
「でね、その大口の取引先の社長の息子さんが、同じ学校にいるんだけど」
同じ学校、っていう言い方が少し気になった。クラスの人ではなさそうで、ちょっとだけ、安心する。
「そもそもは、あたしから告白したの。元々好きで、それで。でもハッキリした答えはなかったんだけど、デートもしてくれたし、キス、とかも。だから……その」
松井さんはほんの少し口ごもる。
「そういうこと、とかも」
「うん」
「あ、もし俺おらんほうが話しやすいんやったら席外すけど」
アキラくんが軽く手を上げて言う。
松井さんは首を振った。
「ううん、……その、差し支えなければ、男子の意見も聞きたいから」
「分かった」
アキラくんが頷いて、松井さんは続けた。
「最初は避妊してくれてたの。でも、段々と……」
(ひどい!)
私の中でモヤモヤが大きくなる。なんてヤツだ!
「それで、一度喧嘩になったの。その時に、彼が……『お前の父親の仕事がどうなってもいいのか』って」
そう言われたら、あたし、何も言えなくて、と松井さんは震えた。
「松井さん……」
「それで、……梅雨明けくらいかな。生理来てないって気づいて、それからしばらくしてほんと、体調崩して。夏バテかなって思ってたんだけど、今月も生理来なくて」
それで調べたんだけど、と松井さんはうなだれた。
「どうしたらいいか、わからない……」
「とりあえず、病院へ行ってみないと分からないよ」
「……親になんて言うの」
ぽろり、とまた松井さんの瞳から涙が。
「私、付いていく」
「設楽さん?」
「一緒に言うから、大丈夫」
産むのかどうか、それは松井さんが決めることだけれど、それにしたって一人では心細いと思う。
「でも、とりあえずはその彼氏……? に言うべきじゃない、かな」
松井さんの話の感じからして、まともに取り合ってもらえるか、正直、微妙すぎる予感がするけど。
私の残念な前世、セカンド彼女経験から言ってそう言う言動のオトコは大概クソ野郎だ。
「そ、だよね」
松井さんは頷く。
「ねぇ山ノ内くん、いきなりそんなこと言われたらどう思う? 男子として」
「そんなん避妊してへんのやから、それくらい予想しとかなあかんやん、とは、思うけど……、想像つかへんな」
すまん、ガキなもんで、とアキラくんは正直そうに言う。
「でももし、華に俺の赤ちゃんできたら、俺全世界に土下座してでもなんとか産んでもらう。めっちゃ周りに迷惑かけるやろうけど、絶対後で恩でも金でも返すから産ませてくれって言う」
それから「せやけど」と続けた。
「まだ俺ガキやし、責任取られへん。夢あるし、その夢は華に横におってもらって叶えたい夢やから、無責任なことはできへん。……ってすまん、あんま答えになっとらへんな」
松井さんは静かにその言葉を聞いて、やっぱり静かに笑った。
「設楽さんは、すてきな人を選んだね」
私は俯いた。嬉しくて胸がぎゅっとなるけど、同じくらい、今の松井さんの気持ちを考えて辛くなってる。
(松井さんは、彼氏が産んでくれなんて、そんなこと言ってくれるなんて考えてない)
きっと悲しい想像をしていて、そしておそらくその想像は当たってしまうのだろうと私は思った。
そしてその想像はやっぱり当たったのだった。
念のため周りは確認したけど、少なくとも近くには誰もいなかった。それでも一応、小声で話す。
私はざっと、私たちのことを説明する。記憶がなくて入院してたとか、そういうめんどくさいことは伏せて。
「そんなわけで、交際に反対されてまして」
「バレたらたぶん、華どっか転校やで。下手したら外国とか」
ひゃあ、と私は思わず言う。外国……! アキラくんと離れるのも嫌だけど、外国暮らしなんか無理だ。3日でホームシックになりそう……。
「気づかなかったよ。てっきり犬猿の仲かと……、髪で怒ってるのはカモフラージュ?」
「それはガチ」
私は低く言う。ジト目だ。
「髪は染め直してほしい。ほかの生徒の規律にも影響する」
「せやからなぁ、華。校則にやな」
「ふふ、仲良しなんだね」
言われて私たちは顔を見合わせる。アキラくんが笑って、私は「笑っても誤魔化されないよ!?」と頬を膨らませた。アキラくんは片手でそれを潰す。むう。
「てなわけでやな、松井さん。俺らのこと黙っててな?」
軽く首を傾げて、松井さんに悪戯っぽく言うアキラくんの言葉に、私はハッとした。
(あ、そうか)
これで、イーブンなんだ。
松井さんの心理的負担としては。
(私たちも、松井さんも、お互いにお互いの秘密を知ってる)
ちょっとは気楽になるんじゃないかなぁ。
松井さんも気づいたのか「ありがと、気を使ってくれて」と泣き笑いで言った。
「優しいね、設楽さんの彼氏」
「でっしょう」
うふふ、と私はにやける。
(カッコいいんです、私の彼氏)
「あたしの彼とは……大違い」
「松井さん」
悲しげに伏せられた瞳に、私は思わず彼女の手を取る。
「何が出来るかわかんないけど、……もし、話して楽になるなら話して欲しい」
きっと、聞くしかできないけれど。
私たち弱味握られてるんだから、誰にも話せないよ、なんて少しおちゃらけて言うと、松井さんはほんの少し、柔らかく笑った。
「あのね、彼……彼って言っていいのかな。付き合ってるかも微妙なんだけど」
言いにくそうに、松井さんは言う。
「あたしの父親、そんなに大きくない専門商社を経営してて」
「うん」
「でね、その大口の取引先の社長の息子さんが、同じ学校にいるんだけど」
同じ学校、っていう言い方が少し気になった。クラスの人ではなさそうで、ちょっとだけ、安心する。
「そもそもは、あたしから告白したの。元々好きで、それで。でもハッキリした答えはなかったんだけど、デートもしてくれたし、キス、とかも。だから……その」
松井さんはほんの少し口ごもる。
「そういうこと、とかも」
「うん」
「あ、もし俺おらんほうが話しやすいんやったら席外すけど」
アキラくんが軽く手を上げて言う。
松井さんは首を振った。
「ううん、……その、差し支えなければ、男子の意見も聞きたいから」
「分かった」
アキラくんが頷いて、松井さんは続けた。
「最初は避妊してくれてたの。でも、段々と……」
(ひどい!)
私の中でモヤモヤが大きくなる。なんてヤツだ!
「それで、一度喧嘩になったの。その時に、彼が……『お前の父親の仕事がどうなってもいいのか』って」
そう言われたら、あたし、何も言えなくて、と松井さんは震えた。
「松井さん……」
「それで、……梅雨明けくらいかな。生理来てないって気づいて、それからしばらくしてほんと、体調崩して。夏バテかなって思ってたんだけど、今月も生理来なくて」
それで調べたんだけど、と松井さんはうなだれた。
「どうしたらいいか、わからない……」
「とりあえず、病院へ行ってみないと分からないよ」
「……親になんて言うの」
ぽろり、とまた松井さんの瞳から涙が。
「私、付いていく」
「設楽さん?」
「一緒に言うから、大丈夫」
産むのかどうか、それは松井さんが決めることだけれど、それにしたって一人では心細いと思う。
「でも、とりあえずはその彼氏……? に言うべきじゃない、かな」
松井さんの話の感じからして、まともに取り合ってもらえるか、正直、微妙すぎる予感がするけど。
私の残念な前世、セカンド彼女経験から言ってそう言う言動のオトコは大概クソ野郎だ。
「そ、だよね」
松井さんは頷く。
「ねぇ山ノ内くん、いきなりそんなこと言われたらどう思う? 男子として」
「そんなん避妊してへんのやから、それくらい予想しとかなあかんやん、とは、思うけど……、想像つかへんな」
すまん、ガキなもんで、とアキラくんは正直そうに言う。
「でももし、華に俺の赤ちゃんできたら、俺全世界に土下座してでもなんとか産んでもらう。めっちゃ周りに迷惑かけるやろうけど、絶対後で恩でも金でも返すから産ませてくれって言う」
それから「せやけど」と続けた。
「まだ俺ガキやし、責任取られへん。夢あるし、その夢は華に横におってもらって叶えたい夢やから、無責任なことはできへん。……ってすまん、あんま答えになっとらへんな」
松井さんは静かにその言葉を聞いて、やっぱり静かに笑った。
「設楽さんは、すてきな人を選んだね」
私は俯いた。嬉しくて胸がぎゅっとなるけど、同じくらい、今の松井さんの気持ちを考えて辛くなってる。
(松井さんは、彼氏が産んでくれなんて、そんなこと言ってくれるなんて考えてない)
きっと悲しい想像をしていて、そしておそらくその想像は当たってしまうのだろうと私は思った。
そしてその想像はやっぱり当たったのだった。
0
お気に入りに追加
3,083
あなたにおすすめの小説
モブ令嬢ですが、悪役令嬢の妹です。
霜月零
恋愛
私は、ある日思い出した。
ヒロインに、悪役令嬢たるお姉様が言った一言で。
「どうして、このお茶会に平民がまぎれているのかしら」
その瞬間、私はこの世界が、前世やってた乙女ゲームに酷似した世界だと気が付いた。
思い出した私がとった行動は、ヒロインをこの場から逃がさない事。
だってここで走り出されたら、婚約者のいる攻略対象とヒロインのフラグが立っちゃうんだもの!!!
略奪愛ダメ絶対。
そんなことをしたら国が滅ぶのよ。
バッドエンド回避の為に、クリスティーナ=ローエンガルデ。
悪役令嬢の妹だけど、前世の知識総動員で、破滅の運命回避して見せます。
※他サイト様にも掲載中です。
ヒロインを虐めなくても死亡エンドしかない悪役令嬢に転生してしまった!
青星 みづ
恋愛
【第Ⅰ章完結】『イケメン達と乙女ゲームの様な甘くてせつない恋模様を描く。少しシリアスな悪役令嬢の物語』
なんで今、前世を思い出したかな?!ルクレツィアは顔を真っ青に染めた。目の前には前世の押しである超絶イケメンのクレイが憎悪の表情でこちらを睨んでいた。
それもそのはず、ルクレツィアは固い扇子を振りかざして目の前のクレイの頬を引っぱたこうとしていたのだから。でもそれはクレイの手によって阻まれていた。
そしてその瞬間に前世を思い出した。
この世界は前世で遊んでいた乙女ゲームの世界であり、自分が悪役令嬢だという事を。
や、やばい……。
何故なら既にゲームは開始されている。
そのゲームでは悪役令嬢である私はどのルートでも必ず死を迎えてしまう末路だった!
しかもそれはヒロインを虐めても虐めなくても全く関係ない死に方だし!
どうしよう、どうしよう……。
どうやったら生き延びる事ができる?!
何とか生き延びる為に頑張ります!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました
小倉みち
恋愛
7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。
前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。
唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。
そして――。
この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。
この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。
しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。
それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。
しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。
レティシアは考えた。
どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。
――ということは。
これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。
私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる