229 / 702
分岐・鹿王院樹
黒猫は遊ぶ(side真)
しおりを挟む
「ねぇ千晶、嘘をついたことがないって嘘、どう思う?」
「そんなの信じる人いるんですか」
呆れたように千晶は言って、僕は心の中で「君の友達はすっかり信じてるけど」と返事をする。
まぁ今回に限っては、僕は"嘘"は言っていない、"嘘"は。意図的に言わなかったことはあるけれど。
(だって、樹クン言ってたもんね。"華が"他の誰かを選んだら、許婚続けるのは地獄だって)
知らず、ふふふ、と笑いが出てしまい、千晶に不審そうな目で見られる。まったく疑い深い妹だなぁ。そこが可愛らしいところなんだけどね。
(いやぁ、しかし拍子抜けしちゃうくらいだったなぁ)
あの子に見せた「証拠」とは、とても簡単なものだった。
今日の夕方のことだ。あの子に引っ越し祝いを渡して、すぐ僕は学園にとんぼ返り。中等部のサッカー部の練習場まで行って、樹クンが通るのをフェンス越しに待つ。
「何をしているんです」
やっぱり不機嫌そうにしかめられた眉。僕は笑う。まったく、夏と変わらないじゃないか。
僕がポケットからスマホを取り出してぽちぼちと操作しているのを樹クンは訝しげに見つつ「誰かに用事ですか」と抑えた声で聞いてきた。
「キミ以外にいると思う?」
「いいえ」
「あっは。まぁいいや、しかし陽が落ちるの早くなったねぇ」
練習場は照明に煌々と照らされている。
「……」
返事もなく、無言で僕を見下ろす、ほんの少し高いところにあるその目。
やだやだ、僕だって背が低いほうじゃないのに、この中学生また背が伸びちゃって、腹立つなぁ。
(ほんと、)
僕は薄く笑う。
(こいつは僕が持ってないもの、みんな持ってるなぁ)
きっと、だから、こんな風にまっすぐに育ったんだ。
(ずるいよな)
ひとつくらい、僕にくれたってバチは当たらないと思うけどなぁ。
「確認しようと思って。ねぇ、キミ、言ってたよね」
「何をです?」
「前、夏にさ、こんな風に僕がキミを訪ねた時。高等部のカフェでお話ししたでしょ。好きな人できたらどうするのぅシュビドゥバー? って」
「……はぁ」
呆れたような表情。ひどいなぁ、場を和ませようとしただけなのに。
「地獄ですって答えたね?」
「……それがどうかしたんですか」
「答えは変わらない?」
「何がいいたいんです?」
「キミの答えが知りたいだけさ。ねえ、変わらない? もしそうなったら、地獄なのは。ねぇ」
「……そうですね、変わりませんが」
「それだけ知りたかったんだぁ」
僕はにんまりと笑う。
「じゃあねん」
がしゃん! とフェンスを掴む音。
「華に何かしたら許さない」
「何かってなにさ」
「華を傷つけるすべてのこと」
「そうかぁ覚えておくよ」
なるほど、キミに許されたくなかったら、あの子を傷つけたらいいわけだ。なるほどなるほど。
(じゃあ僕、もう許してもらえないだろうなぁ)
少し前に切れている通話画面、発信先は設楽華ちゃんでした。ふふ。
「んーと、たぶん、夏にどうのこうのあたりから、フェンスの音くらいまでは聞いてくれてたかな?」
僕は上機嫌でスマホをしまう。
それから、華ちゃんの指定したカフェまで向かう。
窓側の席で、まぁ呆れるくらい泣きじゃくってくれていた。あっは。そんなに泣かなくたって。勘違いしてるにしても、まだ仮定の話じゃん。好きな人できたら、っていう。
「泣いてるねー?」
「ないてません」
盛大に鼻をすする。
「嘘つきだなぁ」
僕は向かいの席に座って、華ちゃんの泣き顔を眺める。かわいいなぁ。千晶とはまた違う可愛さだから、僕はとってもとってもいじめたくなる。
「どう? 破棄する気になった? 僕のお嫁さんになってくれる?」
「お、断り、ですっ」
「そーなのー?」
ニヤニヤとその泣き顔を覗き込むけど、案外と目は生きていてビックリした。
「あれー?」
「いい、んですっ、樹くんっ、樹くんに、ほかに好きな人、できるまでの間だけでもっ」
華ちゃんは涙をぬぐって、まっすぐに僕を見る。
「あの人のそばにいたいから」
「……あーそーう?」
僕はすっかり嬉しくなる。まだ折れてない。まだこの子と遊べるんだなぁ。嬉しい。さすが僕の未来のお嫁さん、にしたい候補ナンバーワン。てか、この子しかいないんだけど。
「い、樹くんに、好きな人、できたっぽかったら、すぐ身を引きます」
「そー? ふーん?」
「それまでっ、それまでだけ、私、あの人のそばに、いようと思います」
ぽろぽろぽろ、と涙が溢れて。
僕はそっとそれを指で拭って、とても温かいなと少しだけ、そう思ったのだった。
(しかし警戒心が無い子だなぁ)
はらはらはら、と落ちる涙を僕は興味津々に拭うけど、この子はされるがままだ。
「大丈夫だよ」
僕が笑うと、華ちゃんは潤んだ瞳で僕を見上げる。やばい、これ、クる。いいなぁ。
「樹クン、きっと地獄を耐え抜いてくれるよ。キミのこと大事みたいだから。友達としてか、家族的な存在としてか、それは分からないけれど」
華ちゃんはまた目を見開く。きらきらと涙で彩られた瞳は本当に綺麗で、僕はうっとりとそれを眺めた。
しばらくすると落ち着いて、華ちゃんは何度も息を整えた。それからふう、と大きく息をついて「帰ります」とだけ言う。
「送るよ」
「いいです、車、来てもらいます」
「いいから乗りなよ、泣いてる女の子ほって帰れないからさ」
困ったように目線をうろうろさせる華ちゃん。
「大丈夫大丈夫、僕、泣いてる子に手を出すほど女性に困ってないから」
そう言うと、華ちゃんは少しその綺麗な眉をしかめて「相変わらずですね」といつも通りに言った。
泣いてるのもいいけど、こういう反抗的なとこもいいね。僕はにっこり笑う。
(うん)
僕は確信する。やっぱりこの子が欲しい。
車内では、華ちゃんは無言だった。ずっと。何考えてるんだろうなぁ、と僕はその横顔を眺める。
樹クンの家について、玄関まで送ろうと(この子は暗闇が怖いんだって、なんでだろう)すると、僕と華ちゃんの間に大きな影が割り込んでくる。
「手を出したら許さないと言いました、俺は」
周りが暗くても、はっきり分かる樹クンの目に浮かんだ怒り。あは。怒らせちゃった。
「たまたま会ったから、送ってきただけだよ。それにほら、体調悪そう」
華ちゃんは少し息が上がっている。
「ご、ごめん、暗いとこ、ダメで」
「華」
慌てたように樹クンは迷わず華ちゃんを抱き上げて、さっさと門をくぐる。こちらを一顧だにしない。
「ねぇ、それ、ちょうだい?」
その後ろ姿に、僕は薄く笑って、小さく問いかける。
聞こえていないだろうその声は、秋の濃いぬばたま色の空に、ふわりと消えた。
「そんなの信じる人いるんですか」
呆れたように千晶は言って、僕は心の中で「君の友達はすっかり信じてるけど」と返事をする。
まぁ今回に限っては、僕は"嘘"は言っていない、"嘘"は。意図的に言わなかったことはあるけれど。
(だって、樹クン言ってたもんね。"華が"他の誰かを選んだら、許婚続けるのは地獄だって)
知らず、ふふふ、と笑いが出てしまい、千晶に不審そうな目で見られる。まったく疑い深い妹だなぁ。そこが可愛らしいところなんだけどね。
(いやぁ、しかし拍子抜けしちゃうくらいだったなぁ)
あの子に見せた「証拠」とは、とても簡単なものだった。
今日の夕方のことだ。あの子に引っ越し祝いを渡して、すぐ僕は学園にとんぼ返り。中等部のサッカー部の練習場まで行って、樹クンが通るのをフェンス越しに待つ。
「何をしているんです」
やっぱり不機嫌そうにしかめられた眉。僕は笑う。まったく、夏と変わらないじゃないか。
僕がポケットからスマホを取り出してぽちぼちと操作しているのを樹クンは訝しげに見つつ「誰かに用事ですか」と抑えた声で聞いてきた。
「キミ以外にいると思う?」
「いいえ」
「あっは。まぁいいや、しかし陽が落ちるの早くなったねぇ」
練習場は照明に煌々と照らされている。
「……」
返事もなく、無言で僕を見下ろす、ほんの少し高いところにあるその目。
やだやだ、僕だって背が低いほうじゃないのに、この中学生また背が伸びちゃって、腹立つなぁ。
(ほんと、)
僕は薄く笑う。
(こいつは僕が持ってないもの、みんな持ってるなぁ)
きっと、だから、こんな風にまっすぐに育ったんだ。
(ずるいよな)
ひとつくらい、僕にくれたってバチは当たらないと思うけどなぁ。
「確認しようと思って。ねぇ、キミ、言ってたよね」
「何をです?」
「前、夏にさ、こんな風に僕がキミを訪ねた時。高等部のカフェでお話ししたでしょ。好きな人できたらどうするのぅシュビドゥバー? って」
「……はぁ」
呆れたような表情。ひどいなぁ、場を和ませようとしただけなのに。
「地獄ですって答えたね?」
「……それがどうかしたんですか」
「答えは変わらない?」
「何がいいたいんです?」
「キミの答えが知りたいだけさ。ねえ、変わらない? もしそうなったら、地獄なのは。ねぇ」
「……そうですね、変わりませんが」
「それだけ知りたかったんだぁ」
僕はにんまりと笑う。
「じゃあねん」
がしゃん! とフェンスを掴む音。
「華に何かしたら許さない」
「何かってなにさ」
「華を傷つけるすべてのこと」
「そうかぁ覚えておくよ」
なるほど、キミに許されたくなかったら、あの子を傷つけたらいいわけだ。なるほどなるほど。
(じゃあ僕、もう許してもらえないだろうなぁ)
少し前に切れている通話画面、発信先は設楽華ちゃんでした。ふふ。
「んーと、たぶん、夏にどうのこうのあたりから、フェンスの音くらいまでは聞いてくれてたかな?」
僕は上機嫌でスマホをしまう。
それから、華ちゃんの指定したカフェまで向かう。
窓側の席で、まぁ呆れるくらい泣きじゃくってくれていた。あっは。そんなに泣かなくたって。勘違いしてるにしても、まだ仮定の話じゃん。好きな人できたら、っていう。
「泣いてるねー?」
「ないてません」
盛大に鼻をすする。
「嘘つきだなぁ」
僕は向かいの席に座って、華ちゃんの泣き顔を眺める。かわいいなぁ。千晶とはまた違う可愛さだから、僕はとってもとってもいじめたくなる。
「どう? 破棄する気になった? 僕のお嫁さんになってくれる?」
「お、断り、ですっ」
「そーなのー?」
ニヤニヤとその泣き顔を覗き込むけど、案外と目は生きていてビックリした。
「あれー?」
「いい、んですっ、樹くんっ、樹くんに、ほかに好きな人、できるまでの間だけでもっ」
華ちゃんは涙をぬぐって、まっすぐに僕を見る。
「あの人のそばにいたいから」
「……あーそーう?」
僕はすっかり嬉しくなる。まだ折れてない。まだこの子と遊べるんだなぁ。嬉しい。さすが僕の未来のお嫁さん、にしたい候補ナンバーワン。てか、この子しかいないんだけど。
「い、樹くんに、好きな人、できたっぽかったら、すぐ身を引きます」
「そー? ふーん?」
「それまでっ、それまでだけ、私、あの人のそばに、いようと思います」
ぽろぽろぽろ、と涙が溢れて。
僕はそっとそれを指で拭って、とても温かいなと少しだけ、そう思ったのだった。
(しかし警戒心が無い子だなぁ)
はらはらはら、と落ちる涙を僕は興味津々に拭うけど、この子はされるがままだ。
「大丈夫だよ」
僕が笑うと、華ちゃんは潤んだ瞳で僕を見上げる。やばい、これ、クる。いいなぁ。
「樹クン、きっと地獄を耐え抜いてくれるよ。キミのこと大事みたいだから。友達としてか、家族的な存在としてか、それは分からないけれど」
華ちゃんはまた目を見開く。きらきらと涙で彩られた瞳は本当に綺麗で、僕はうっとりとそれを眺めた。
しばらくすると落ち着いて、華ちゃんは何度も息を整えた。それからふう、と大きく息をついて「帰ります」とだけ言う。
「送るよ」
「いいです、車、来てもらいます」
「いいから乗りなよ、泣いてる女の子ほって帰れないからさ」
困ったように目線をうろうろさせる華ちゃん。
「大丈夫大丈夫、僕、泣いてる子に手を出すほど女性に困ってないから」
そう言うと、華ちゃんは少しその綺麗な眉をしかめて「相変わらずですね」といつも通りに言った。
泣いてるのもいいけど、こういう反抗的なとこもいいね。僕はにっこり笑う。
(うん)
僕は確信する。やっぱりこの子が欲しい。
車内では、華ちゃんは無言だった。ずっと。何考えてるんだろうなぁ、と僕はその横顔を眺める。
樹クンの家について、玄関まで送ろうと(この子は暗闇が怖いんだって、なんでだろう)すると、僕と華ちゃんの間に大きな影が割り込んでくる。
「手を出したら許さないと言いました、俺は」
周りが暗くても、はっきり分かる樹クンの目に浮かんだ怒り。あは。怒らせちゃった。
「たまたま会ったから、送ってきただけだよ。それにほら、体調悪そう」
華ちゃんは少し息が上がっている。
「ご、ごめん、暗いとこ、ダメで」
「華」
慌てたように樹クンは迷わず華ちゃんを抱き上げて、さっさと門をくぐる。こちらを一顧だにしない。
「ねぇ、それ、ちょうだい?」
その後ろ姿に、僕は薄く笑って、小さく問いかける。
聞こえていないだろうその声は、秋の濃いぬばたま色の空に、ふわりと消えた。
0
お気に入りに追加
3,077
あなたにおすすめの小説
転生王女は異世界でも美味しい生活がしたい!~モブですがヒロインを排除します~
ちゃんこ
ファンタジー
乙女ゲームの世界に転生した⁉
攻略対象である3人の王子は私の兄さまたちだ。
私は……名前も出てこないモブ王女だけど、兄さまたちを誑かすヒロインが嫌いなので色々回避したいと思います。
美味しいものをモグモグしながら(重要)兄さまたちも、お国の平和も、きっちりお守り致します。守ってみせます、守りたい、守れたらいいな。え~と……ひとりじゃ何もできない! 助けてMyファミリー、私の知識を形にして~!
【1章】飯テロ/スイーツテロ・局地戦争・飢饉回避
【2章】王国発展・vs.ヒロイン
【予定】全面戦争回避、婚約破棄、陰謀?、養い子の子育て、恋愛、ざまぁ、などなど。
※〈私〉=〈わたし〉と読んで頂きたいと存じます。
※恋愛相手とはまだ出会っていません(年の差)
ブログ https://tenseioujo.blogspot.com/
Pinterest https://www.pinterest.jp/chankoroom/
※作中のイラストは画像生成AIで作成したものです。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
乙女ゲームのヒロインに転生しました。でも、私男性恐怖症なんですけど…。
三木猫
恋愛
乙女ゲームの世界に転生した主人公の美鈴。どうせ転生するなら悪役令嬢とかライバルに転生したかったのにっ!!男性が怖い私に乙女ゲームの世界、しかもヒロインってどう言う事よっ!?
テンプレ設定から始まる美鈴のヒロイン人生。どうなることやら…?
※本編ストーリー、他キャラルート共に全て完結致しました。
本作を読むにあたり、まず本編をお読みの上で小話をお読み下さい。小話はあくまで日常話なので読まずとも支障はありません。お暇な時にどうぞ。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
【完結】騎士団長の旦那様は小さくて年下な私がお好みではないようです
大森 樹
恋愛
貧乏令嬢のヴィヴィアンヌと公爵家の嫡男で騎士団長のランドルフは、お互いの親の思惑によって結婚が決まった。
「俺は子どもみたいな女は好きではない」
ヴィヴィアンヌは十八歳で、ランドルフは三十歳。
ヴィヴィアンヌは背が低く、ランドルフは背が高い。
ヴィヴィアンヌは貧乏で、ランドルフは金持ち。
何もかもが違う二人。彼の好みの女性とは真逆のヴィヴィアンヌだったが、お金の恩があるためなんとか彼の妻になろうと奮闘する。そんな中ランドルフはぶっきらぼうで冷たいが、とろこどころに優しさを見せてきて……!?
貧乏令嬢×不器用な騎士の年の差ラブストーリーです。必ずハッピーエンドにします。
英雄になった夫が妻子と帰還するそうです
白野佑奈
恋愛
初夜もなく戦場へ向かった夫。それから5年。
愛する彼の為に必死に留守を守ってきたけれど、戦場で『英雄』になった彼には、すでに妻子がいて、王命により離婚することに。
好きだからこそ王命に従うしかない。大人しく離縁して、実家の領地で暮らすことになったのに。
今、目の前にいる人は誰なのだろう?
ヤンデレ激愛系ヒーローと、周囲に翻弄される流され系ヒロインです。
珍しくもちょっとだけ切ない系を目指してみました(恥)
ざまぁが少々キツイので、※がついています。苦手な方はご注意下さい。
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる