193 / 702
分岐・相良仁
赤信号(side相良)
しおりを挟む
新学期始まっても、華と黒田はいつも通りだから俺はちょっとイライラする。
(振られてるのに!)
遂に黒田は華に告白したのだ。
前世の俺ができなかったこと、今の俺が簡単にはできないことを(結局ぐるぐる考えている、年齢のことなんかも含めてだ)できちゃう黒田に、正直、俺は嫉妬している。すごいとも思うけど。
華は黒田の告白を断った。あとで聞いたところによると「なんとなく体育祭あたりからそんな気はしてた」とのことだ。ただ、「いっぱい考えたけど違う気がした」そうで、俺は胸をなでおろした。
(しかしまぁ、黒田、お前かっこいいよ)
振られた次の瞬間に、もう黒田は普段通りだった。さすがに身体的接触は減った、気がする。
が、仲良く話すし、相変わらず下校は一緒だ。華が学校に残る日を除いて。
少し距離はあるけど、でも誰も違和感に気づいてない。俺以外は。正確には、俺たち護衛のメンバー以外は。
「まぁ振られてからが勝負ですよね?」
小西は謎の微笑みを浮かべながら言った。だからなぜ俺の家にいる。
護衛の方の同僚からの華の帰宅確認をきっちり受けて、それから学校から帰宅した。そしてマンションの俺の部屋の玄関に、これ見よがしに揃えられた黒いハイヒール。小西来襲だ。
「定期的なチェックです」
「なんの」
「性的嗜好?」
「勘弁してくれよ」
俺はソファに座り込む。小西はパソコンの前のイスで足を組んで、俺をジロジロと見た。
「パソコン、やっとセキュリティ解除できまして」
「怪しいものありましたか」
「いいええ、清廉潔白でございました。逆にアヤシイ」
「なんでだよ、つか、なに? 公安調査庁って鍵の開け方まで教えてくれんの?」
小西は元国家公務員だ。なんで辞めたかとかは知らない。
「いえ、これはわたしの個人的な技術です」
「こえーよ」
個人的ってなんだ、個人的って。
「……、なんだか最近、華様と相良さんの接触が多いような気がして?」
「勉強教えてるだけ! いちいち断るのもアヤシイだろ!」
「いちいち社会科準備室に連れ込んで?」
「人聞きの悪い言い方を!」
「人聞き?」
クスリと小西は笑う。妖艶と言っていいと思う。大抵の男はクラリとするんじゃないか。
「わたしと相良さんの2人きりですよ?」
「やめてくれよー……」
「あら本気で嫌がってますね、据え膳なのに」
「自分で言うなよ……送る」
俺は車のキーを持って立ち上がった。
「いいですよ、わざわざ」
「いいよ、若い女1人で返すほうが罪悪感わくから」
「へー。いい人なんですね。こんな不法侵入してるのに」
「警察行きたいけどね」
「警察なんか行って、ロリコンの証拠見つけられたらヤバイですもんね?」
「ないから! つか次入ったらマジで考えるからな!」
「あら」
小西は笑った。
車で小西のマンションに向かいつつ、話は山ノ内瑛の話題になった。
「まさかこちらに転校してくるとは思いませんでしたね?」
「……親御さんの転勤なら仕方ないだろ」
東京地検に異動になった山ノ内の父親について、母親と瑛とその1つ下の弟で横浜に引っ越してきた。新居が都内でなく横浜になったのは、なんと山ノ内の転校先が鎌倉のバスケ強豪校であるからで。
(華と鍋島の話じゃ、"攻略対象"なんだっけ?)
それにしちゃ、華にベタ惚れだけど。まぁいくらなんでも、こんなに近くに引っ越してきて接触が増えたら、鈍い華でも気持ちに気づくだろう。
(やーだなー)
イケメンだしスペック高いし、惚れても仕方ないと思う。
眉を顰めていると「ロリコン先生」と小西に話しかけられた。
「ロリコンじゃない!」
「あらすみませんつい本音が」
「やめてくれよ……」
「来週はキャンプですね?」
「話の転換が急」
しかしまぁ、確かに来週は二年生の一大イベント、自然体験学習だ。一泊二日。
まぁキャンプといっても、泊まるのは宿舎だし、風呂もトイレもあるし、そんなの全然キャンプじゃないと思うんだよなぁ。
「あ、ここで大丈夫です」
「ハイハイ」
「どーもあざっしたぁ」
「え、なにその口調」
小西は読めない。なんだその口調。スタスタとマンション横のコンビニに入っていく。
ふう、とため息をついてアクセルを踏んだ。
(……バレなくて良かった)
写真に撮っている、というか撮りまくってる華の写真。パソコンにいれてなくて良かった、と赤信号でスマホをスライドする。
社会科準備室で、教科書枕にして寝てる華とか。勉強してる顔とか、普通にピースサインしてるとことか、こっそり撮られてることに気づいて怒る顔とか。
(あーヤバイヤバイ、これハタから見たらロリコンだ)
でもそんなんじゃないんです神様、と俺は大して信じてもない神様に言い訳する。あいつ中身は大人なんですよ一応。好きな人の写真って持ってたいじゃないですか、神様。違いますか。
(でもまさか)
青信号で、アクセルを踏む。
(結構な頻度で、2人きりで話せるようになるとは)
言って良かった前世の記憶。
別に大したことを話しているわけではない。学校であったこととか、塾のこととか。華はとても普通に中学生をしているように思う。
(だからこそ)
俺はまだ踏み出せない。まだ、というよりは「また」。華の「普通の中学生としての暮らし」を壊してしまう気がして。
信号がまた赤に変わる。そして俺は、やっぱりブレーキを踏んだまま動けない。
(振られてるのに!)
遂に黒田は華に告白したのだ。
前世の俺ができなかったこと、今の俺が簡単にはできないことを(結局ぐるぐる考えている、年齢のことなんかも含めてだ)できちゃう黒田に、正直、俺は嫉妬している。すごいとも思うけど。
華は黒田の告白を断った。あとで聞いたところによると「なんとなく体育祭あたりからそんな気はしてた」とのことだ。ただ、「いっぱい考えたけど違う気がした」そうで、俺は胸をなでおろした。
(しかしまぁ、黒田、お前かっこいいよ)
振られた次の瞬間に、もう黒田は普段通りだった。さすがに身体的接触は減った、気がする。
が、仲良く話すし、相変わらず下校は一緒だ。華が学校に残る日を除いて。
少し距離はあるけど、でも誰も違和感に気づいてない。俺以外は。正確には、俺たち護衛のメンバー以外は。
「まぁ振られてからが勝負ですよね?」
小西は謎の微笑みを浮かべながら言った。だからなぜ俺の家にいる。
護衛の方の同僚からの華の帰宅確認をきっちり受けて、それから学校から帰宅した。そしてマンションの俺の部屋の玄関に、これ見よがしに揃えられた黒いハイヒール。小西来襲だ。
「定期的なチェックです」
「なんの」
「性的嗜好?」
「勘弁してくれよ」
俺はソファに座り込む。小西はパソコンの前のイスで足を組んで、俺をジロジロと見た。
「パソコン、やっとセキュリティ解除できまして」
「怪しいものありましたか」
「いいええ、清廉潔白でございました。逆にアヤシイ」
「なんでだよ、つか、なに? 公安調査庁って鍵の開け方まで教えてくれんの?」
小西は元国家公務員だ。なんで辞めたかとかは知らない。
「いえ、これはわたしの個人的な技術です」
「こえーよ」
個人的ってなんだ、個人的って。
「……、なんだか最近、華様と相良さんの接触が多いような気がして?」
「勉強教えてるだけ! いちいち断るのもアヤシイだろ!」
「いちいち社会科準備室に連れ込んで?」
「人聞きの悪い言い方を!」
「人聞き?」
クスリと小西は笑う。妖艶と言っていいと思う。大抵の男はクラリとするんじゃないか。
「わたしと相良さんの2人きりですよ?」
「やめてくれよー……」
「あら本気で嫌がってますね、据え膳なのに」
「自分で言うなよ……送る」
俺は車のキーを持って立ち上がった。
「いいですよ、わざわざ」
「いいよ、若い女1人で返すほうが罪悪感わくから」
「へー。いい人なんですね。こんな不法侵入してるのに」
「警察行きたいけどね」
「警察なんか行って、ロリコンの証拠見つけられたらヤバイですもんね?」
「ないから! つか次入ったらマジで考えるからな!」
「あら」
小西は笑った。
車で小西のマンションに向かいつつ、話は山ノ内瑛の話題になった。
「まさかこちらに転校してくるとは思いませんでしたね?」
「……親御さんの転勤なら仕方ないだろ」
東京地検に異動になった山ノ内の父親について、母親と瑛とその1つ下の弟で横浜に引っ越してきた。新居が都内でなく横浜になったのは、なんと山ノ内の転校先が鎌倉のバスケ強豪校であるからで。
(華と鍋島の話じゃ、"攻略対象"なんだっけ?)
それにしちゃ、華にベタ惚れだけど。まぁいくらなんでも、こんなに近くに引っ越してきて接触が増えたら、鈍い華でも気持ちに気づくだろう。
(やーだなー)
イケメンだしスペック高いし、惚れても仕方ないと思う。
眉を顰めていると「ロリコン先生」と小西に話しかけられた。
「ロリコンじゃない!」
「あらすみませんつい本音が」
「やめてくれよ……」
「来週はキャンプですね?」
「話の転換が急」
しかしまぁ、確かに来週は二年生の一大イベント、自然体験学習だ。一泊二日。
まぁキャンプといっても、泊まるのは宿舎だし、風呂もトイレもあるし、そんなの全然キャンプじゃないと思うんだよなぁ。
「あ、ここで大丈夫です」
「ハイハイ」
「どーもあざっしたぁ」
「え、なにその口調」
小西は読めない。なんだその口調。スタスタとマンション横のコンビニに入っていく。
ふう、とため息をついてアクセルを踏んだ。
(……バレなくて良かった)
写真に撮っている、というか撮りまくってる華の写真。パソコンにいれてなくて良かった、と赤信号でスマホをスライドする。
社会科準備室で、教科書枕にして寝てる華とか。勉強してる顔とか、普通にピースサインしてるとことか、こっそり撮られてることに気づいて怒る顔とか。
(あーヤバイヤバイ、これハタから見たらロリコンだ)
でもそんなんじゃないんです神様、と俺は大して信じてもない神様に言い訳する。あいつ中身は大人なんですよ一応。好きな人の写真って持ってたいじゃないですか、神様。違いますか。
(でもまさか)
青信号で、アクセルを踏む。
(結構な頻度で、2人きりで話せるようになるとは)
言って良かった前世の記憶。
別に大したことを話しているわけではない。学校であったこととか、塾のこととか。華はとても普通に中学生をしているように思う。
(だからこそ)
俺はまだ踏み出せない。まだ、というよりは「また」。華の「普通の中学生としての暮らし」を壊してしまう気がして。
信号がまた赤に変わる。そして俺は、やっぱりブレーキを踏んだまま動けない。
20
お気に入りに追加
3,083
あなたにおすすめの小説
モブ令嬢ですが、悪役令嬢の妹です。
霜月零
恋愛
私は、ある日思い出した。
ヒロインに、悪役令嬢たるお姉様が言った一言で。
「どうして、このお茶会に平民がまぎれているのかしら」
その瞬間、私はこの世界が、前世やってた乙女ゲームに酷似した世界だと気が付いた。
思い出した私がとった行動は、ヒロインをこの場から逃がさない事。
だってここで走り出されたら、婚約者のいる攻略対象とヒロインのフラグが立っちゃうんだもの!!!
略奪愛ダメ絶対。
そんなことをしたら国が滅ぶのよ。
バッドエンド回避の為に、クリスティーナ=ローエンガルデ。
悪役令嬢の妹だけど、前世の知識総動員で、破滅の運命回避して見せます。
※他サイト様にも掲載中です。
ヒロインを虐めなくても死亡エンドしかない悪役令嬢に転生してしまった!
青星 みづ
恋愛
【第Ⅰ章完結】『イケメン達と乙女ゲームの様な甘くてせつない恋模様を描く。少しシリアスな悪役令嬢の物語』
なんで今、前世を思い出したかな?!ルクレツィアは顔を真っ青に染めた。目の前には前世の押しである超絶イケメンのクレイが憎悪の表情でこちらを睨んでいた。
それもそのはず、ルクレツィアは固い扇子を振りかざして目の前のクレイの頬を引っぱたこうとしていたのだから。でもそれはクレイの手によって阻まれていた。
そしてその瞬間に前世を思い出した。
この世界は前世で遊んでいた乙女ゲームの世界であり、自分が悪役令嬢だという事を。
や、やばい……。
何故なら既にゲームは開始されている。
そのゲームでは悪役令嬢である私はどのルートでも必ず死を迎えてしまう末路だった!
しかもそれはヒロインを虐めても虐めなくても全く関係ない死に方だし!
どうしよう、どうしよう……。
どうやったら生き延びる事ができる?!
何とか生き延びる為に頑張ります!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました
小倉みち
恋愛
7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。
前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。
唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。
そして――。
この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。
この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。
しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。
それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。
しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。
レティシアは考えた。
どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。
――ということは。
これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。
私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる