220 / 702
分岐・鹿王院樹
ワガママな悪役令嬢
しおりを挟む
なんだか最近の私はワガママだ。すごくワガママだ。自覚がある。悪役令嬢ここにありって感じ。
「どっか行きたい」
「どっかってどこだ」
「どこでも」
この数日、いや、もう1週間になる。毎日樹くんの家に来ている。魚を観るって名目で。
(もーすぐ夏休みも終わっちゃう)
夏休み明けたら、こう頻繁には来られないだろうなぁと思う。
そんなわけで、今日は午前練だけだった樹くんの家に、お昼すぐに来てお昼ご飯までいただいた。お素麺に穴子飯。美味しかった……! 八重子さんもお料理上手だけど、吉田さんもほんとにお上手。
と、いうか。さすがに連日だし。
(バレバレだよね)
私が樹くんのこと、気になってることなんか。
(どう思ってるんだろ、こういうの。毎日来てるの。樹くんは)
そう思うと、ぽおっと頰が熱くなるのでさりげなく(さりげなく無いかも)水槽を覗き込むフリをして顔を隠す。
「そうだな」
樹くんはふむ、と腕を組んだ。
「パスポートはあるか?」
「? ないよ」
「明日と明後日、塾は?」
「あるけど、休めるよ」
てか、遊んでくれるならおやすみする。ダメかなぁ。この夏休み、休まず通ったしそれくらいは許してほしいなぁ。
「ふむ」
樹くんは首をかしげる。
「俺は、明日は休みで、明後日は午後練なんだ」
「うん」
「というわけでだ」
樹くんは立ち上がる。
「行くぞ」
「どこに?」
「どこでもいいのだろう?」
樹くんは少しいたずらっぽく笑った。
そして私は、気がつけばめんそーれ、否、おーりとーりだった。
どこいくんだろ、なんて思っている間にホイホイと車で空港まで連れていかれて、ですね。
樹くんが車内で敦子さんに許可を取っていたけど、……そういえばあの会話なんだったんだろ?
「例の件は心配ないので、明後日まで解除するようにお願いできますか?」
例の件、が気になったけど樹くんは何でもないような顔をしていたから、大したことではないのかもしれないなあ、と思う。教えてくれなかったし。
そのあと飛行機に乗せられて、飛行機が降り立ったのは、めんそーれもめんそーれ、じゃない、おーりとーり。
ハイビスカス咲き乱れる、ここは。
「おーりとーり石垣島」
看板には「ようこそ」の意味だと書いてある。めんそーれは沖縄本島らしい。
「へぇ~」
「急ぐぞ華、船に乗る」
「え、さらに!?」
「さらに、だ」
樹くんは面白そうに言うけど、私、手ぶらだし。樹くんはバックパック背負ってるけど。
(大丈夫なのかなぁ)
ぼけーっと手ぶらでのんびり樹くんの後をついて歩く。
タクシーに乗せられて、港へ。そこで高速船に乗せられて数十分。着いたのはもはや台湾の方が沖縄本島より近い、マングローブ生い茂る南の島、西表島。
「うわぁ」
船が港に着き、デッキから空を見上げる。もう夕方が近いので、空は紺と朱色が入り混じった不思議な紫で、透明な海はそれを映して深い色をしている。昼と夜のあわい。
「きれー……」
本州では、少なくとも私の行動範囲では見られない色。
(すごい)
思わずじっと見つめてしまう。こんな色、初めてだ。
「日が落ちるが大丈夫か?」
「んー……」
私は首を傾げて、手を差し出した。
「繋いでくれてたら」
「お安い御用だ」
樹くんはふっと笑って私の手を握り、2人で船を降りる。
(ズルじゃないもん)
私は頭の中で、誰かに言い訳する。
(誰かに手を繋いでてもらわなきゃダメなんだもんね)
とはいえ、降りてすぐに車が待機してくれていたので、繋がなくても大丈夫だったかもなんだけど。
なんだかこの南の島にあんまり似つかわしくない、黒塗りの高級国産車はのんびりと島を走り、その間にもゆっくりと陽が落ちて行く。
私は窓越しに、なんだか黙ってそれを見つめていて、樹くんも何も言わなかった。時折、視線を感じたような気がするけど、……気のせいかもしれない。
やがて車はリゾートホテルらしい建物のエントランス前に停車する。
「あ、ここ、知ってる」
私はぱちくりとホテルの名前を見つめた。有名高級リゾートチェーンのひとつ。アクティビティとかが充実してて、雑誌とかの旅行特集で載ってる。敦子さんの雑誌で見かけたことがある。
「樹様、ようこそおいでくださいました」
「突然すみません、お世話になります」
「とんでもないことでございます、あ、お荷物お預かりいたしましょうか」
そう微笑む四十代くらいの、姿勢が良い気持ちいい笑顔の男性の胸には「支配人」の文字が。
(わ、わざわざ支配人さんがお出迎え)
てか、樹くん、どうやってここ抑えたんだろ……?
シーズン中なのに。
(セレブにはセレブなルートがあるのかも)
私は首をひねりつつ、支配人さんと談笑しながら歩く樹くんに着いて行く。
「華様」
突然、支配人さんに話しかけられて、「ひゃい」と返事をする。ちょっと、噛んだ。
「お着替え等はお部屋に準備してございますので」
「え、あ、ありがとうございます」
てか、名前知ってるんだ。いつのまに。
部屋はワンフロアまるまる、とは行かないけど、結構高級な部屋でどきまぎする。年末年始に泊まる箱根の高級旅館と同じか、もっと豪華かも。
支配人さんは特に説明することもなく「何かあればお申し付けください」と笑って去っていった。
メインルームの大きな窓からは、ほとんど濃い紫になった空と、深い紺の海が見える。白い月と、きらきらとした星。
「う、わあ」
「綺麗だな」
「ねー」
「6月くらいまでなら、南十字星も見えるらしいが……夏は厳しいようだな」
「え、ほんと」
南半球でしか見られないと思ってた。
「いつかまた来よう」
「うん」
私はにこりと樹くんを見上げる。
樹くんは嬉しそうに笑う。胸があったかくなる。幸せだなって思う。そう思ったぶん、ぎゅうっとした切なさみたいなのが胸を締め付ける。
「そういえば、夕食はビュッフェだぞ」
「うっわーい」
「部屋でも食べられるが、ビュッフェのほうがいいかと思って」
「うん、その方が楽しい」
私はついニコニコしてしまう。
「ああ、あと、華の寝室は海側だ。着替えもそちらにあると思う」
「樹くんは?」
「あっちだ」
メインルームを挟んで反対側。
(別々に寝るんだ)
当たり前だけど。許婚とはいえ、中学生で、……「お付き合い」さえしてない。たんなる許婚ってだけ。
(寂しい)
そう思ってしまった。離れたくないなぁって、そう思ってしまったから、つい変な言葉が口から出る。
「一緒に寝よ?」
言った瞬間、私は赤面する。
(何言ってるの私!!!)
いや、バカだ。ほんとに。中学生相手に何を口走ってるんだほんと! や、そんな変なつもりはないけど、ほんとにただ、一緒にいたかっただけなんど。
私、ほんとに中身オトナ? なんか最近、自信というか、余裕みたいなのが無くなってきた気がする。
樹くんの顔が見られない。顔を伏せて、足元を見つめる。樹くんは無言。怖い。
樹くんは近づいてきて、ぽん、と私の頭を撫でた、というか少し叩いた、のかもしれない。
「自分を大事にしろ、華。そんなつもりで連れてきたんじゃない」
胸がぎゅっとする。痛い。
"そんなつもり"はないんだ。そりゃそうだけど。家族みたいなもの、なんだもんね。
と、いうか、まだ子供だし。うん、ごもっともなんだけど。
「あは」
私は笑う。
せっかく連れてきてもらったのに(あんな「どっか連れてけ」っていうワガママで!)変な空気になっちゃうのはヤダ。
「ビュッフェ何時から?」
樹くんは明らかにホッとした顔をして「もう行けるはずだ」と笑う。
「じゃあ行こ」
手を取って言うと、樹くんは少し驚いた顔をして、それから笑った。
「どっか行きたい」
「どっかってどこだ」
「どこでも」
この数日、いや、もう1週間になる。毎日樹くんの家に来ている。魚を観るって名目で。
(もーすぐ夏休みも終わっちゃう)
夏休み明けたら、こう頻繁には来られないだろうなぁと思う。
そんなわけで、今日は午前練だけだった樹くんの家に、お昼すぐに来てお昼ご飯までいただいた。お素麺に穴子飯。美味しかった……! 八重子さんもお料理上手だけど、吉田さんもほんとにお上手。
と、いうか。さすがに連日だし。
(バレバレだよね)
私が樹くんのこと、気になってることなんか。
(どう思ってるんだろ、こういうの。毎日来てるの。樹くんは)
そう思うと、ぽおっと頰が熱くなるのでさりげなく(さりげなく無いかも)水槽を覗き込むフリをして顔を隠す。
「そうだな」
樹くんはふむ、と腕を組んだ。
「パスポートはあるか?」
「? ないよ」
「明日と明後日、塾は?」
「あるけど、休めるよ」
てか、遊んでくれるならおやすみする。ダメかなぁ。この夏休み、休まず通ったしそれくらいは許してほしいなぁ。
「ふむ」
樹くんは首をかしげる。
「俺は、明日は休みで、明後日は午後練なんだ」
「うん」
「というわけでだ」
樹くんは立ち上がる。
「行くぞ」
「どこに?」
「どこでもいいのだろう?」
樹くんは少しいたずらっぽく笑った。
そして私は、気がつけばめんそーれ、否、おーりとーりだった。
どこいくんだろ、なんて思っている間にホイホイと車で空港まで連れていかれて、ですね。
樹くんが車内で敦子さんに許可を取っていたけど、……そういえばあの会話なんだったんだろ?
「例の件は心配ないので、明後日まで解除するようにお願いできますか?」
例の件、が気になったけど樹くんは何でもないような顔をしていたから、大したことではないのかもしれないなあ、と思う。教えてくれなかったし。
そのあと飛行機に乗せられて、飛行機が降り立ったのは、めんそーれもめんそーれ、じゃない、おーりとーり。
ハイビスカス咲き乱れる、ここは。
「おーりとーり石垣島」
看板には「ようこそ」の意味だと書いてある。めんそーれは沖縄本島らしい。
「へぇ~」
「急ぐぞ華、船に乗る」
「え、さらに!?」
「さらに、だ」
樹くんは面白そうに言うけど、私、手ぶらだし。樹くんはバックパック背負ってるけど。
(大丈夫なのかなぁ)
ぼけーっと手ぶらでのんびり樹くんの後をついて歩く。
タクシーに乗せられて、港へ。そこで高速船に乗せられて数十分。着いたのはもはや台湾の方が沖縄本島より近い、マングローブ生い茂る南の島、西表島。
「うわぁ」
船が港に着き、デッキから空を見上げる。もう夕方が近いので、空は紺と朱色が入り混じった不思議な紫で、透明な海はそれを映して深い色をしている。昼と夜のあわい。
「きれー……」
本州では、少なくとも私の行動範囲では見られない色。
(すごい)
思わずじっと見つめてしまう。こんな色、初めてだ。
「日が落ちるが大丈夫か?」
「んー……」
私は首を傾げて、手を差し出した。
「繋いでくれてたら」
「お安い御用だ」
樹くんはふっと笑って私の手を握り、2人で船を降りる。
(ズルじゃないもん)
私は頭の中で、誰かに言い訳する。
(誰かに手を繋いでてもらわなきゃダメなんだもんね)
とはいえ、降りてすぐに車が待機してくれていたので、繋がなくても大丈夫だったかもなんだけど。
なんだかこの南の島にあんまり似つかわしくない、黒塗りの高級国産車はのんびりと島を走り、その間にもゆっくりと陽が落ちて行く。
私は窓越しに、なんだか黙ってそれを見つめていて、樹くんも何も言わなかった。時折、視線を感じたような気がするけど、……気のせいかもしれない。
やがて車はリゾートホテルらしい建物のエントランス前に停車する。
「あ、ここ、知ってる」
私はぱちくりとホテルの名前を見つめた。有名高級リゾートチェーンのひとつ。アクティビティとかが充実してて、雑誌とかの旅行特集で載ってる。敦子さんの雑誌で見かけたことがある。
「樹様、ようこそおいでくださいました」
「突然すみません、お世話になります」
「とんでもないことでございます、あ、お荷物お預かりいたしましょうか」
そう微笑む四十代くらいの、姿勢が良い気持ちいい笑顔の男性の胸には「支配人」の文字が。
(わ、わざわざ支配人さんがお出迎え)
てか、樹くん、どうやってここ抑えたんだろ……?
シーズン中なのに。
(セレブにはセレブなルートがあるのかも)
私は首をひねりつつ、支配人さんと談笑しながら歩く樹くんに着いて行く。
「華様」
突然、支配人さんに話しかけられて、「ひゃい」と返事をする。ちょっと、噛んだ。
「お着替え等はお部屋に準備してございますので」
「え、あ、ありがとうございます」
てか、名前知ってるんだ。いつのまに。
部屋はワンフロアまるまる、とは行かないけど、結構高級な部屋でどきまぎする。年末年始に泊まる箱根の高級旅館と同じか、もっと豪華かも。
支配人さんは特に説明することもなく「何かあればお申し付けください」と笑って去っていった。
メインルームの大きな窓からは、ほとんど濃い紫になった空と、深い紺の海が見える。白い月と、きらきらとした星。
「う、わあ」
「綺麗だな」
「ねー」
「6月くらいまでなら、南十字星も見えるらしいが……夏は厳しいようだな」
「え、ほんと」
南半球でしか見られないと思ってた。
「いつかまた来よう」
「うん」
私はにこりと樹くんを見上げる。
樹くんは嬉しそうに笑う。胸があったかくなる。幸せだなって思う。そう思ったぶん、ぎゅうっとした切なさみたいなのが胸を締め付ける。
「そういえば、夕食はビュッフェだぞ」
「うっわーい」
「部屋でも食べられるが、ビュッフェのほうがいいかと思って」
「うん、その方が楽しい」
私はついニコニコしてしまう。
「ああ、あと、華の寝室は海側だ。着替えもそちらにあると思う」
「樹くんは?」
「あっちだ」
メインルームを挟んで反対側。
(別々に寝るんだ)
当たり前だけど。許婚とはいえ、中学生で、……「お付き合い」さえしてない。たんなる許婚ってだけ。
(寂しい)
そう思ってしまった。離れたくないなぁって、そう思ってしまったから、つい変な言葉が口から出る。
「一緒に寝よ?」
言った瞬間、私は赤面する。
(何言ってるの私!!!)
いや、バカだ。ほんとに。中学生相手に何を口走ってるんだほんと! や、そんな変なつもりはないけど、ほんとにただ、一緒にいたかっただけなんど。
私、ほんとに中身オトナ? なんか最近、自信というか、余裕みたいなのが無くなってきた気がする。
樹くんの顔が見られない。顔を伏せて、足元を見つめる。樹くんは無言。怖い。
樹くんは近づいてきて、ぽん、と私の頭を撫でた、というか少し叩いた、のかもしれない。
「自分を大事にしろ、華。そんなつもりで連れてきたんじゃない」
胸がぎゅっとする。痛い。
"そんなつもり"はないんだ。そりゃそうだけど。家族みたいなもの、なんだもんね。
と、いうか、まだ子供だし。うん、ごもっともなんだけど。
「あは」
私は笑う。
せっかく連れてきてもらったのに(あんな「どっか連れてけ」っていうワガママで!)変な空気になっちゃうのはヤダ。
「ビュッフェ何時から?」
樹くんは明らかにホッとした顔をして「もう行けるはずだ」と笑う。
「じゃあ行こ」
手を取って言うと、樹くんは少し驚いた顔をして、それから笑った。
10
お気に入りに追加
3,083
あなたにおすすめの小説
モブ令嬢ですが、悪役令嬢の妹です。
霜月零
恋愛
私は、ある日思い出した。
ヒロインに、悪役令嬢たるお姉様が言った一言で。
「どうして、このお茶会に平民がまぎれているのかしら」
その瞬間、私はこの世界が、前世やってた乙女ゲームに酷似した世界だと気が付いた。
思い出した私がとった行動は、ヒロインをこの場から逃がさない事。
だってここで走り出されたら、婚約者のいる攻略対象とヒロインのフラグが立っちゃうんだもの!!!
略奪愛ダメ絶対。
そんなことをしたら国が滅ぶのよ。
バッドエンド回避の為に、クリスティーナ=ローエンガルデ。
悪役令嬢の妹だけど、前世の知識総動員で、破滅の運命回避して見せます。
※他サイト様にも掲載中です。
ヒロインを虐めなくても死亡エンドしかない悪役令嬢に転生してしまった!
青星 みづ
恋愛
【第Ⅰ章完結】『イケメン達と乙女ゲームの様な甘くてせつない恋模様を描く。少しシリアスな悪役令嬢の物語』
なんで今、前世を思い出したかな?!ルクレツィアは顔を真っ青に染めた。目の前には前世の押しである超絶イケメンのクレイが憎悪の表情でこちらを睨んでいた。
それもそのはず、ルクレツィアは固い扇子を振りかざして目の前のクレイの頬を引っぱたこうとしていたのだから。でもそれはクレイの手によって阻まれていた。
そしてその瞬間に前世を思い出した。
この世界は前世で遊んでいた乙女ゲームの世界であり、自分が悪役令嬢だという事を。
や、やばい……。
何故なら既にゲームは開始されている。
そのゲームでは悪役令嬢である私はどのルートでも必ず死を迎えてしまう末路だった!
しかもそれはヒロインを虐めても虐めなくても全く関係ない死に方だし!
どうしよう、どうしよう……。
どうやったら生き延びる事ができる?!
何とか生き延びる為に頑張ります!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました
小倉みち
恋愛
7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。
前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。
唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。
そして――。
この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。
この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。
しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。
それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。
しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。
レティシアは考えた。
どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。
――ということは。
これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。
私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる