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分岐・山ノ内瑛
山ノ内というやつについて(side???)
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山ノ内瑛という1年生は、なかなかオモロイ奴で、オレは気に入っている。キャプテンとしても、個人的にも。
入学前の春休みから、推薦組は練習に参加しているけど、山ノ内は段違いだった。
ミニバスと中学バスケは、細かいルールは置いておいて、リングの高さとボールの大きさの違いに最初は戸惑うと思う。
けど山ノ内はそうでもなかった。話を聞いていると、小学生の時から近所の公園のバスケコートで高校生とかと遊びでバスケしてたらしい。道理で。
そんな山ノ内が頭角を現したのは、横浜であった姉妹校での合宿中だった。まるで乾いたスポンジみたいに、コーチやオレらの言うことを吸い込んで、そして実行していく。
簡単なことではないと思う。山ノ内も最初からできるわけではない。ただ人並み外れた集中力で、できるまで繰り返す。何度も何度も。
「目がええんやな」
コーチは感心したように言った。
「目、ですか」
「おん。あいつシュー練で並んでる時やら、めっちゃ見てるで、お前らの動き。ほんで盗んでるんや、一挙手一投足」
オレはほう、と息を吐いた。言うが易し、ってこういうこと。オレらだって上手い人の動きは観察するし、マネしようと思うけど、見ててやれるなら苦労はしない。けど山ノ内はそれを実行しちゃってるみたいだった。
「一対一の時もそうっすよね」
「せやなぁ。よう見てるであいつ」
対峙する相手の、細かい動き。目線、手、指、膝、足、それらの向き、かすかな動き、それから呼吸、多分そういうのを全部見て観察して、総合的に判断している。意識しているかどうかはともかく。だから、一対一にめっぽう強い。
「まだ早いと思うてたけど、ベンチ入れとくかぁ。あいつ試合で成長するタイプやろ。どない?」
「うっす、オレもそれでいいと思います」
技術的にはまだまだ拙いところはあるけど、それに関しては異存なかった。
異存はなかったが、予想以上ではあった。鎌倉にある強豪との練習試合、山ノ内は想像以上に本番に強いタイプだった。度胸が据わってるし、メンタルも強い。背はそこそこ、まだちょっと細すぎるから多少当たりに弱いけど、それはこれからだろう。あとはもうちょい体力も欲しい。
「今年は無理でも、来年は主力やなぁ」
コーチが感心半ば、呆れ半ばみたいな声で言って、オレは来年コイツと同じコートにいられないことをひどく悔しく思った。全国行けるかもしれん。
そして7月。県予選の日、山ノ内は明らかに変な方向にテンションが高かった。
「どないしたんや」
「や、なんもないっす」
そういう割に会場入りしてからキョロキョロしとるし、応援席を見上げては誰かを探している。親でも来るんかいな。
「先輩」
くすくす、と2年の女子マネージャーが笑いながら手招きした。
「なんや」
「1年の子に聞いたんやけど、山ノ内くん、彼女来るんやって」
「はあ!?」
オレは呆れた。そんなことでアイツ落ち着き無くしとるんか。まじか。
「いや困るんやけど、そんなことで調子崩されたら」
「や、逆ちゃいます?」
マネージャーがコートを指差す。試合前のアップ、シュー練。山ノ内のボールは綺麗にリングに収まった。
(キレイなフォームやな)
入学したときあった、変なクセはコーチによって徹底的に叩き直されていた。いや、こういうの直りにくいんやけど、多分本人的にも上手いやつを観察して、自分の動きに取り入れたんだろう。この短期間で。舌を巻く。
「……調子崩してないんやったらええんやけど」
「めっちゃ可愛いらしいですよ、本人談らしいですけど」
「ほんまかー? だいたいそう言うのって、ハードル上げすぎて大したことないやんってなるやん」
「まぁ、それも含めて楽しみにしときましょ」
「つか、あいつにそんな可愛い彼女おったら腹立つから」
何にでも恵まれおって。顔からセンスから。
「あ」
「ん?」
「来たんちゃいます? 彼女。めっちゃ手ぇ振ってますもん」
「ほんまや」
満面の笑みで手を振る山ノ内の目線の先に、目をやる。
「……クッソ、腹立つわ」
「うーわ、モデルさんみたい」
応援席のすみのほう、すみっこなのにえらく目立つ美人さん。控えめに微笑んで、山ノ内に手を振り返している。
「なんでなん。なんでアイツ顔も良くて彼女も美人なん」
「そら、イケメンには美人の彼女ができるんちゃいますかねぇ……」
「オレらはどないしたらええんや」
「顔面偏差値同じくらいの彼女作ったらええんちゃいます?」
「どれくらいや、オレ」
「54くらい」
「普通に毛が生えたくらいやん」
「でも試合中は70くらいになりますよ?」
「ほんま?」
「ちなみにあたし、友達に55くらいや言われてますけど、どう思います?」
首をかしげるマネージャー。55? もっと可愛いと思ってたけど。
「……お前56くらいはあるで」
「大して変わらへん」
爆笑するマネージャー。うん、なんやろな、この空気。ちょっとドギマギ。
ドギマギしようがどうしようが、予選1日目は始まる。オレらはシードなので少し遅め。
とりあえず1日目は無難に勝ち進んだ。後は明日。それから来週、再来週まで続く。
山ノ内もまぁまぁ試合に出て、そこそこ(結構、とは腹立つので言わないでおく)活躍してた。特に一対一は相変わらず強い。強いチームと当たってない、というのもあるけど、3年だろうが体格差あろうが御構い無しだ。めちゃくちゃ楽しそうにプレイしてる。なんならちょっと笑ってるし。あれ、無意識に笑ってんだろうなぁ。イケメンだから絵になる。
会場から出て、地下鉄で学校に戻る、という段になって「絶対駅で合流しますんで友達と途中まで帰らせてください」と山ノ内が監督に直談判していた。
「友達、新神戸まで帰るんです」
オレらの学校はそのいくつか手前の駅だ。彼女、新神戸辺りに住んでいるのか?
「そのあと新幹線なんで」
「え、そんな遠くから応援来てくれてたん?」
思わず会話に入る。
「うっす」
山ノ内は眉毛を下げてうなずく。
(遠距離なんかぁ……)
そりゃ、ちょっとでも会いたいよなぁ。
「……絶対に駅で合流するんやな?」
「はい!」
それを聞いて、監督も少し不憫に思ったらしい。試合の結果も良くて機嫌が良かったのも功を奏し、山ノ内はひとり、走って駅まで向かっていった。
改札をくぐり、駅の階段を降りた先に、山ノ内と彼女が並んで歩いているのを見つけた。
「あーあ」
「腹立つ」
「イケメン爆ぜろ」
彼女がいないメンバーほとんど全員が同じ意見のようだ。彼女持ちたちは笑っている。チッ。
山ノ内たちは離れた車両に乗る気らしく、すみっこの方まで行って笑いあっている。
「あーあ、ええなぁ、青春やんけ」
「先輩もそろそろ青春しません?」
いつのまにか横にいたマネージャーがオレのことを覗き込んで言った。
「……せやなぁ」
これって告白なんやろか。アピられてるんやろか。からかわれてるんやろか。バスケしかしてなくて、恋愛偏差値クッソ低いから分からへん。
とりあえず1つ分かるのは、オレはこいつのこと他のやつより可愛く見えてるっぽいってことだけ。
白線の内側までおさがりくださいっていうアナウンスを聞きながら、オレはぼんやりとそんなことを考えていた。
入学前の春休みから、推薦組は練習に参加しているけど、山ノ内は段違いだった。
ミニバスと中学バスケは、細かいルールは置いておいて、リングの高さとボールの大きさの違いに最初は戸惑うと思う。
けど山ノ内はそうでもなかった。話を聞いていると、小学生の時から近所の公園のバスケコートで高校生とかと遊びでバスケしてたらしい。道理で。
そんな山ノ内が頭角を現したのは、横浜であった姉妹校での合宿中だった。まるで乾いたスポンジみたいに、コーチやオレらの言うことを吸い込んで、そして実行していく。
簡単なことではないと思う。山ノ内も最初からできるわけではない。ただ人並み外れた集中力で、できるまで繰り返す。何度も何度も。
「目がええんやな」
コーチは感心したように言った。
「目、ですか」
「おん。あいつシュー練で並んでる時やら、めっちゃ見てるで、お前らの動き。ほんで盗んでるんや、一挙手一投足」
オレはほう、と息を吐いた。言うが易し、ってこういうこと。オレらだって上手い人の動きは観察するし、マネしようと思うけど、見ててやれるなら苦労はしない。けど山ノ内はそれを実行しちゃってるみたいだった。
「一対一の時もそうっすよね」
「せやなぁ。よう見てるであいつ」
対峙する相手の、細かい動き。目線、手、指、膝、足、それらの向き、かすかな動き、それから呼吸、多分そういうのを全部見て観察して、総合的に判断している。意識しているかどうかはともかく。だから、一対一にめっぽう強い。
「まだ早いと思うてたけど、ベンチ入れとくかぁ。あいつ試合で成長するタイプやろ。どない?」
「うっす、オレもそれでいいと思います」
技術的にはまだまだ拙いところはあるけど、それに関しては異存なかった。
異存はなかったが、予想以上ではあった。鎌倉にある強豪との練習試合、山ノ内は想像以上に本番に強いタイプだった。度胸が据わってるし、メンタルも強い。背はそこそこ、まだちょっと細すぎるから多少当たりに弱いけど、それはこれからだろう。あとはもうちょい体力も欲しい。
「今年は無理でも、来年は主力やなぁ」
コーチが感心半ば、呆れ半ばみたいな声で言って、オレは来年コイツと同じコートにいられないことをひどく悔しく思った。全国行けるかもしれん。
そして7月。県予選の日、山ノ内は明らかに変な方向にテンションが高かった。
「どないしたんや」
「や、なんもないっす」
そういう割に会場入りしてからキョロキョロしとるし、応援席を見上げては誰かを探している。親でも来るんかいな。
「先輩」
くすくす、と2年の女子マネージャーが笑いながら手招きした。
「なんや」
「1年の子に聞いたんやけど、山ノ内くん、彼女来るんやって」
「はあ!?」
オレは呆れた。そんなことでアイツ落ち着き無くしとるんか。まじか。
「いや困るんやけど、そんなことで調子崩されたら」
「や、逆ちゃいます?」
マネージャーがコートを指差す。試合前のアップ、シュー練。山ノ内のボールは綺麗にリングに収まった。
(キレイなフォームやな)
入学したときあった、変なクセはコーチによって徹底的に叩き直されていた。いや、こういうの直りにくいんやけど、多分本人的にも上手いやつを観察して、自分の動きに取り入れたんだろう。この短期間で。舌を巻く。
「……調子崩してないんやったらええんやけど」
「めっちゃ可愛いらしいですよ、本人談らしいですけど」
「ほんまかー? だいたいそう言うのって、ハードル上げすぎて大したことないやんってなるやん」
「まぁ、それも含めて楽しみにしときましょ」
「つか、あいつにそんな可愛い彼女おったら腹立つから」
何にでも恵まれおって。顔からセンスから。
「あ」
「ん?」
「来たんちゃいます? 彼女。めっちゃ手ぇ振ってますもん」
「ほんまや」
満面の笑みで手を振る山ノ内の目線の先に、目をやる。
「……クッソ、腹立つわ」
「うーわ、モデルさんみたい」
応援席のすみのほう、すみっこなのにえらく目立つ美人さん。控えめに微笑んで、山ノ内に手を振り返している。
「なんでなん。なんでアイツ顔も良くて彼女も美人なん」
「そら、イケメンには美人の彼女ができるんちゃいますかねぇ……」
「オレらはどないしたらええんや」
「顔面偏差値同じくらいの彼女作ったらええんちゃいます?」
「どれくらいや、オレ」
「54くらい」
「普通に毛が生えたくらいやん」
「でも試合中は70くらいになりますよ?」
「ほんま?」
「ちなみにあたし、友達に55くらいや言われてますけど、どう思います?」
首をかしげるマネージャー。55? もっと可愛いと思ってたけど。
「……お前56くらいはあるで」
「大して変わらへん」
爆笑するマネージャー。うん、なんやろな、この空気。ちょっとドギマギ。
ドギマギしようがどうしようが、予選1日目は始まる。オレらはシードなので少し遅め。
とりあえず1日目は無難に勝ち進んだ。後は明日。それから来週、再来週まで続く。
山ノ内もまぁまぁ試合に出て、そこそこ(結構、とは腹立つので言わないでおく)活躍してた。特に一対一は相変わらず強い。強いチームと当たってない、というのもあるけど、3年だろうが体格差あろうが御構い無しだ。めちゃくちゃ楽しそうにプレイしてる。なんならちょっと笑ってるし。あれ、無意識に笑ってんだろうなぁ。イケメンだから絵になる。
会場から出て、地下鉄で学校に戻る、という段になって「絶対駅で合流しますんで友達と途中まで帰らせてください」と山ノ内が監督に直談判していた。
「友達、新神戸まで帰るんです」
オレらの学校はそのいくつか手前の駅だ。彼女、新神戸辺りに住んでいるのか?
「そのあと新幹線なんで」
「え、そんな遠くから応援来てくれてたん?」
思わず会話に入る。
「うっす」
山ノ内は眉毛を下げてうなずく。
(遠距離なんかぁ……)
そりゃ、ちょっとでも会いたいよなぁ。
「……絶対に駅で合流するんやな?」
「はい!」
それを聞いて、監督も少し不憫に思ったらしい。試合の結果も良くて機嫌が良かったのも功を奏し、山ノ内はひとり、走って駅まで向かっていった。
改札をくぐり、駅の階段を降りた先に、山ノ内と彼女が並んで歩いているのを見つけた。
「あーあ」
「腹立つ」
「イケメン爆ぜろ」
彼女がいないメンバーほとんど全員が同じ意見のようだ。彼女持ちたちは笑っている。チッ。
山ノ内たちは離れた車両に乗る気らしく、すみっこの方まで行って笑いあっている。
「あーあ、ええなぁ、青春やんけ」
「先輩もそろそろ青春しません?」
いつのまにか横にいたマネージャーがオレのことを覗き込んで言った。
「……せやなぁ」
これって告白なんやろか。アピられてるんやろか。からかわれてるんやろか。バスケしかしてなくて、恋愛偏差値クッソ低いから分からへん。
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