103 / 702
7
悪役令嬢はそれでもご飯が美味しい
しおりを挟む
ぐずる敦子さんを引きずるように、会食の会場にたどり着いた。警備の人なんかも立ってて、ちょっと物々しい。
「あいつらと食べるご飯なんか絶対まずい」
「そんなことないですよ、美味しいですよきっと」
敦子さんは着物。薄いグリーンの無地。よく分からないけど、帯や小物が少し派手目なので全体的にシックだけど華やかって感じ。ネイルも合わせた色で、さすがこういうお店経営してるだけあると思う。
私は明日の新年会で振袖を着るので、今日はワンピース。紺のシンプルなものだけど、真珠のネックレスを敦子さんが貸してくれたので少し華やか。
髪にも真珠の飾りをつけてくれながら「あなたは綺麗だから、これくらいでも十分華やかねぇ」と褒めてくれて、ちょっと嬉しい。
「しち面倒臭いけど、とりあえず色ボケジジイに挨拶しときましょうか……、とりあえず大伯父様でもクソジジイでも好きな呼び方で呼んでいいわよ」
(……大伯父様って呼ぼう)
敦子さんはため息をつきつつ、私は苦笑いをしつつ会食会場に入ると、既にほとんど人が揃っているようだった。
敦子さんは意に介すことなく、堂々と中央の席に座る壮年の男性の元へ向かう。
「ごきげんようお兄様お招きありがとう」
無表情な声。
「相変わらずだな、お前は」
「褒め言葉として受け取りますわ。この子が華です」
紹介されて、慌ててぺこりと頭を下げる。
「はじめまして」
「ふん」
大伯父様はほとんど表情を崩すことなく私をみて「やはりロスケの娘だな、色が白い」とだけ言った。
(……ろすけ?)
私は首をかしげる。なんだそりゃ。
「お兄様ッ!」
敦子さんが激昂した。
「お言葉にも、ほどが」
「しかし見目が良くて良かった、鹿王院のもまぁ、気に入ったんじゃないか。飽きられんようにしなさい」
「モノのような言い方はよしてください、この子は」
「分かった分かった、キンキン叫ぶなお前は」
「……失礼します」
敦子さんは私を連れて一度会場を出た。少し震えている。
「ごめんなさい華、嫌な思いを」
「大丈夫敦子さん、私何が何だか良く分かってないから」
そう言って微笑むと、敦子さんは手を私の頬に当ててから、やっと笑ってくれた。
もう一度会場に入り直して、席順に座って(シュリちゃんが向かいの席。圭くんの名前はなかった。今回は不参加なのかな)食事が始まり、私はこう思った。
シュリちゃん怖いんですけど誰か助けて。
「育ちの悪さが顔に出てるわね」
シュリちゃん、顔可愛いのに怖い。
大人席と子ども席が離れていて、敦子さんの援護がない! チラチラと気にしてはくれているけど、でも泣いて助けを求めるってほどでもない、シュリちゃんからの口撃。
周りの子たちは完全に見て見ぬ振り……というか、シュリちゃんも私のことも、気にしてすらいないようだ。
(でも、何で会った瞬間に既に敵認定されてんの!?)
私は怯えながらお刺身を食べる。美味しい。それでも美味しい。メニュー表によるとヒラメ。
「あんた言われてるより全然ブスじゃん」
(や、でもあん肝も美味しいなぁ……このジュレがまた)
私は「はぁ」と愛想笑いする。ブスもなにもカピバラですから……テンジクネズミ科なんで……へへ……
「目つきもきつ過ぎ!」
(お嬢さんはタレ目ですね)
そう思いつつ、炊き合わせへ箸を移動させる。擦り下ろされた海老芋をお団子にして揚げたものと、焼かれたおネギと鴨の炊き合わせ。
(うっわ絶品!)
これどうやって作るの……?
私が呆然とそれを見つめていると、シュリちゃんはサディスティックに笑った。
「あは、それに色白すぎて気持ち悪い!」
どうやら口撃に傷ついて呆然としていると思われているらしいが、なんのそのだ。
中身はアラサーなんだぞ。
女子社会で30年近く生きたんだぞ。
もっとエゲツないもん見てきたんだぞこっちはよぅ、えぇ、お嬢様!? って気持ちでノドグロの焼き物に箸をすすめる。
美味しい。
車海老もあるぞ! と思っていたら、斜め後ろあたりから「雪のようで綺麗だろう、俺の許婚は」と聞き慣れた声がした。
見上げるように振り向くと、なぜか立ってる私の許婚殿、というか樹くん。きっちり三つ揃いのスーツ。
シュリちゃんが今度は呆然としている。
「あれ、樹くん?」
「クリスマス以来だな、華。近くの旅館に来ていたのでな、御前にご挨拶と思ってな」
樹くんはじろりとシュリちゃんを睨みつけた。それから、私の髪をひとふさ、そっと持ち上げてキスをする。
(……?)
またイタリア人でも乗り移ったのだろうか?
私が首を傾げている間に、樹くんはスタスタと大伯父様のところへ向かった。何人か大人たちも、慌てて立ち上がっている。
「御前、お久しぶりでございます」
「おお、鹿王院の」
「お食事中に失礼かとは思ったのですが」
「いや、アンタが来て失礼な場などないよ、鹿王院の。食事は」
「もういただいております」
「そうか」
「今回は、お礼に」
「礼?」
「はい」
「何かしたかな」
大伯父様は、あごに手をやり考えるそぶりをした。
「華を俺の許婚にしてくださったことです」
「……ほう?」
「望外の幸せです」
「そうか」
大伯父様はチラリと私を見て、そのあとシュリちゃんを見ながら「他に候補はいたのだがな」と呟いた。
「華以外は考えられません」
「ふん、なるほどな。敦子の差し金か」
「なんのことか」
にこりと笑う樹くん。
(ああいう笑い方、初めて見たなぁ)
でもなんとなく、事情は読めた。敦子さんが静子さんに援護射撃を要請して、それで樹くんが来たんだろう。何でかは分かんないけど。
「はは、まぁ噂には聞いていたが……なるほどな、おい華、どんな手を使った?」
「……は?」
私は車海老を食べようとした姿勢のまま止まった。
(手?)
手もなにも、エビの殻は剥いてありましたが……なので箸しか使っておりませんのことよ大伯父様。
「華はなにもしていませんよ御前、俺が一方的に……、好きなだけで」
エビを?
車海老を?
私は箸で掴んだ車海老をお皿に戻した。あとであげよう。そんなにエビが好きだったとは……。
「そう言うな鹿王院の」
「お兄様、いい加減にしてくださらないかしら、無粋ですわよ」
敦子さんが間に入る。
「ふん、どうせここに呼んだのもお前のくせに」
「なんのことだかサッパリ。樹くん、静子さんは?」
「旅館におります、俺もそろそろ戻らなくては。御前、また後日正式に披露の日取りをお知らせしますので」
「……分かった。おい華、お送りしなさい」
「あ、はい」
私は立ち上がる。
私の席まで来て「行こう、華」という樹くんに「エビたべてく?」と聞いたら不思議そうな顔で「いらん」と言われた。いやいやこっちが不思議なんですけど。好きって言ってたじゃん。
そして、なぜかわざわざ樹くんは私の腰を引き寄せるようにして歩く。イタリア人型宇宙人に身体でも操られている……!?
首を傾げて見上げると、ちょっと怖い顔をしている。照れてる。
会場を出ると、樹くんはぱっと私の腰から手を離した。
「すまん、嫌じゃなかったか」
「嫌じゃないけど状況がいまいち」
「ああ」
樹くんは笑った。
「いや何、本当に挨拶というのもあったのだがな、釘を刺しに」
「くぎ?」
「うむ。あの御前の娘な」
「ゴゼンって大伯父様のこと?」
「そうだ」
「じゃあシュリちゃん?」
「うむ。その娘だが、俺の許婚候補、だったらしい。俺もさっきまで知らなかったのだが」
「え!?」
私はぽかんと口を開けた。
「御前の奥様が一方的に決めていたことで、祖母も両親も相手にしていなかったらしいが、なにせ御前の娘だろう。無碍にもできず、なぁなぁにしていたらしい」
「ほえーん。じゃあさ、アカネさんとシュリちゃんからしたら、私急に現れて樹くん奪ってったヤな奴じゃない……?」
「そんなことはない、それに俺は華が許婚で良かったと思っている」
「うん、私も樹くんで良かった」
真さんとでなくて本当に良かった……。
ふと樹くんを見上げると、ぼけっと私を見つめていた。
「なに?」
「いや夢かと思って」
「ほっぺ引っ張ってあげようか、びよーん」
「ふは、華やめろ」
楽しそうに笑う樹くん。
(うん、こっちの笑顔のほうが断然いいね)
さっきの大人びた笑顔は、あんまり似合ってなかったよ。
「あいつらと食べるご飯なんか絶対まずい」
「そんなことないですよ、美味しいですよきっと」
敦子さんは着物。薄いグリーンの無地。よく分からないけど、帯や小物が少し派手目なので全体的にシックだけど華やかって感じ。ネイルも合わせた色で、さすがこういうお店経営してるだけあると思う。
私は明日の新年会で振袖を着るので、今日はワンピース。紺のシンプルなものだけど、真珠のネックレスを敦子さんが貸してくれたので少し華やか。
髪にも真珠の飾りをつけてくれながら「あなたは綺麗だから、これくらいでも十分華やかねぇ」と褒めてくれて、ちょっと嬉しい。
「しち面倒臭いけど、とりあえず色ボケジジイに挨拶しときましょうか……、とりあえず大伯父様でもクソジジイでも好きな呼び方で呼んでいいわよ」
(……大伯父様って呼ぼう)
敦子さんはため息をつきつつ、私は苦笑いをしつつ会食会場に入ると、既にほとんど人が揃っているようだった。
敦子さんは意に介すことなく、堂々と中央の席に座る壮年の男性の元へ向かう。
「ごきげんようお兄様お招きありがとう」
無表情な声。
「相変わらずだな、お前は」
「褒め言葉として受け取りますわ。この子が華です」
紹介されて、慌ててぺこりと頭を下げる。
「はじめまして」
「ふん」
大伯父様はほとんど表情を崩すことなく私をみて「やはりロスケの娘だな、色が白い」とだけ言った。
(……ろすけ?)
私は首をかしげる。なんだそりゃ。
「お兄様ッ!」
敦子さんが激昂した。
「お言葉にも、ほどが」
「しかし見目が良くて良かった、鹿王院のもまぁ、気に入ったんじゃないか。飽きられんようにしなさい」
「モノのような言い方はよしてください、この子は」
「分かった分かった、キンキン叫ぶなお前は」
「……失礼します」
敦子さんは私を連れて一度会場を出た。少し震えている。
「ごめんなさい華、嫌な思いを」
「大丈夫敦子さん、私何が何だか良く分かってないから」
そう言って微笑むと、敦子さんは手を私の頬に当ててから、やっと笑ってくれた。
もう一度会場に入り直して、席順に座って(シュリちゃんが向かいの席。圭くんの名前はなかった。今回は不参加なのかな)食事が始まり、私はこう思った。
シュリちゃん怖いんですけど誰か助けて。
「育ちの悪さが顔に出てるわね」
シュリちゃん、顔可愛いのに怖い。
大人席と子ども席が離れていて、敦子さんの援護がない! チラチラと気にしてはくれているけど、でも泣いて助けを求めるってほどでもない、シュリちゃんからの口撃。
周りの子たちは完全に見て見ぬ振り……というか、シュリちゃんも私のことも、気にしてすらいないようだ。
(でも、何で会った瞬間に既に敵認定されてんの!?)
私は怯えながらお刺身を食べる。美味しい。それでも美味しい。メニュー表によるとヒラメ。
「あんた言われてるより全然ブスじゃん」
(や、でもあん肝も美味しいなぁ……このジュレがまた)
私は「はぁ」と愛想笑いする。ブスもなにもカピバラですから……テンジクネズミ科なんで……へへ……
「目つきもきつ過ぎ!」
(お嬢さんはタレ目ですね)
そう思いつつ、炊き合わせへ箸を移動させる。擦り下ろされた海老芋をお団子にして揚げたものと、焼かれたおネギと鴨の炊き合わせ。
(うっわ絶品!)
これどうやって作るの……?
私が呆然とそれを見つめていると、シュリちゃんはサディスティックに笑った。
「あは、それに色白すぎて気持ち悪い!」
どうやら口撃に傷ついて呆然としていると思われているらしいが、なんのそのだ。
中身はアラサーなんだぞ。
女子社会で30年近く生きたんだぞ。
もっとエゲツないもん見てきたんだぞこっちはよぅ、えぇ、お嬢様!? って気持ちでノドグロの焼き物に箸をすすめる。
美味しい。
車海老もあるぞ! と思っていたら、斜め後ろあたりから「雪のようで綺麗だろう、俺の許婚は」と聞き慣れた声がした。
見上げるように振り向くと、なぜか立ってる私の許婚殿、というか樹くん。きっちり三つ揃いのスーツ。
シュリちゃんが今度は呆然としている。
「あれ、樹くん?」
「クリスマス以来だな、華。近くの旅館に来ていたのでな、御前にご挨拶と思ってな」
樹くんはじろりとシュリちゃんを睨みつけた。それから、私の髪をひとふさ、そっと持ち上げてキスをする。
(……?)
またイタリア人でも乗り移ったのだろうか?
私が首を傾げている間に、樹くんはスタスタと大伯父様のところへ向かった。何人か大人たちも、慌てて立ち上がっている。
「御前、お久しぶりでございます」
「おお、鹿王院の」
「お食事中に失礼かとは思ったのですが」
「いや、アンタが来て失礼な場などないよ、鹿王院の。食事は」
「もういただいております」
「そうか」
「今回は、お礼に」
「礼?」
「はい」
「何かしたかな」
大伯父様は、あごに手をやり考えるそぶりをした。
「華を俺の許婚にしてくださったことです」
「……ほう?」
「望外の幸せです」
「そうか」
大伯父様はチラリと私を見て、そのあとシュリちゃんを見ながら「他に候補はいたのだがな」と呟いた。
「華以外は考えられません」
「ふん、なるほどな。敦子の差し金か」
「なんのことか」
にこりと笑う樹くん。
(ああいう笑い方、初めて見たなぁ)
でもなんとなく、事情は読めた。敦子さんが静子さんに援護射撃を要請して、それで樹くんが来たんだろう。何でかは分かんないけど。
「はは、まぁ噂には聞いていたが……なるほどな、おい華、どんな手を使った?」
「……は?」
私は車海老を食べようとした姿勢のまま止まった。
(手?)
手もなにも、エビの殻は剥いてありましたが……なので箸しか使っておりませんのことよ大伯父様。
「華はなにもしていませんよ御前、俺が一方的に……、好きなだけで」
エビを?
車海老を?
私は箸で掴んだ車海老をお皿に戻した。あとであげよう。そんなにエビが好きだったとは……。
「そう言うな鹿王院の」
「お兄様、いい加減にしてくださらないかしら、無粋ですわよ」
敦子さんが間に入る。
「ふん、どうせここに呼んだのもお前のくせに」
「なんのことだかサッパリ。樹くん、静子さんは?」
「旅館におります、俺もそろそろ戻らなくては。御前、また後日正式に披露の日取りをお知らせしますので」
「……分かった。おい華、お送りしなさい」
「あ、はい」
私は立ち上がる。
私の席まで来て「行こう、華」という樹くんに「エビたべてく?」と聞いたら不思議そうな顔で「いらん」と言われた。いやいやこっちが不思議なんですけど。好きって言ってたじゃん。
そして、なぜかわざわざ樹くんは私の腰を引き寄せるようにして歩く。イタリア人型宇宙人に身体でも操られている……!?
首を傾げて見上げると、ちょっと怖い顔をしている。照れてる。
会場を出ると、樹くんはぱっと私の腰から手を離した。
「すまん、嫌じゃなかったか」
「嫌じゃないけど状況がいまいち」
「ああ」
樹くんは笑った。
「いや何、本当に挨拶というのもあったのだがな、釘を刺しに」
「くぎ?」
「うむ。あの御前の娘な」
「ゴゼンって大伯父様のこと?」
「そうだ」
「じゃあシュリちゃん?」
「うむ。その娘だが、俺の許婚候補、だったらしい。俺もさっきまで知らなかったのだが」
「え!?」
私はぽかんと口を開けた。
「御前の奥様が一方的に決めていたことで、祖母も両親も相手にしていなかったらしいが、なにせ御前の娘だろう。無碍にもできず、なぁなぁにしていたらしい」
「ほえーん。じゃあさ、アカネさんとシュリちゃんからしたら、私急に現れて樹くん奪ってったヤな奴じゃない……?」
「そんなことはない、それに俺は華が許婚で良かったと思っている」
「うん、私も樹くんで良かった」
真さんとでなくて本当に良かった……。
ふと樹くんを見上げると、ぼけっと私を見つめていた。
「なに?」
「いや夢かと思って」
「ほっぺ引っ張ってあげようか、びよーん」
「ふは、華やめろ」
楽しそうに笑う樹くん。
(うん、こっちの笑顔のほうが断然いいね)
さっきの大人びた笑顔は、あんまり似合ってなかったよ。
10
お気に入りに追加
3,083
あなたにおすすめの小説
モブ令嬢ですが、悪役令嬢の妹です。
霜月零
恋愛
私は、ある日思い出した。
ヒロインに、悪役令嬢たるお姉様が言った一言で。
「どうして、このお茶会に平民がまぎれているのかしら」
その瞬間、私はこの世界が、前世やってた乙女ゲームに酷似した世界だと気が付いた。
思い出した私がとった行動は、ヒロインをこの場から逃がさない事。
だってここで走り出されたら、婚約者のいる攻略対象とヒロインのフラグが立っちゃうんだもの!!!
略奪愛ダメ絶対。
そんなことをしたら国が滅ぶのよ。
バッドエンド回避の為に、クリスティーナ=ローエンガルデ。
悪役令嬢の妹だけど、前世の知識総動員で、破滅の運命回避して見せます。
※他サイト様にも掲載中です。
ヒロインを虐めなくても死亡エンドしかない悪役令嬢に転生してしまった!
青星 みづ
恋愛
【第Ⅰ章完結】『イケメン達と乙女ゲームの様な甘くてせつない恋模様を描く。少しシリアスな悪役令嬢の物語』
なんで今、前世を思い出したかな?!ルクレツィアは顔を真っ青に染めた。目の前には前世の押しである超絶イケメンのクレイが憎悪の表情でこちらを睨んでいた。
それもそのはず、ルクレツィアは固い扇子を振りかざして目の前のクレイの頬を引っぱたこうとしていたのだから。でもそれはクレイの手によって阻まれていた。
そしてその瞬間に前世を思い出した。
この世界は前世で遊んでいた乙女ゲームの世界であり、自分が悪役令嬢だという事を。
や、やばい……。
何故なら既にゲームは開始されている。
そのゲームでは悪役令嬢である私はどのルートでも必ず死を迎えてしまう末路だった!
しかもそれはヒロインを虐めても虐めなくても全く関係ない死に方だし!
どうしよう、どうしよう……。
どうやったら生き延びる事ができる?!
何とか生き延びる為に頑張ります!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました
小倉みち
恋愛
7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。
前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。
唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。
そして――。
この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。
この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。
しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。
それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。
しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。
レティシアは考えた。
どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。
――ということは。
これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。
私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる