94 / 702
6
悪役令嬢は追跡される(side黒田健)
しおりを挟む
「……、パーキングエリアに寄ろうか」
高速を走り出してすぐ、親父がそう言った。
「なに? まだ高速乗ったばかりじゃない」
母さんは不服顔だ。そもそも親父、ナビ無視で少し迷ったし。
「華ちゃん乗せてるんだからあまり遅くならないでよね」
「ああ」
「あ、じゃ、私お手洗いに」
設楽は笑って言った。多分気を使って、だろう。
パーキングエリアに駐車してすぐ、親父は何かを母さんに小さく言っていた。
母さんは少しだけ目を見開いたあと、小さく頷いて微笑む。
「一緒にお手洗いいこうか、華ちゃん」
「あ、はい」
4人で車を降りて、2人がトイレに入ったのを確認してから、親父は女子トイレと男子トイレの間の壁近くに立った。
「便所行かねーの」
「…….体育館の駐車場を出てしばらく走ってから」
「は?」
「2台後……要は1台挟んで後ろということだが、その車がずっと同じだった。気づいてたか?」
「……いや」
「都内は混んでたし、高速に入っても常に、だ。おそらく尾けられている」
俺は驚いて親父を見た。
「……どれかな」
「どれ?」
「いや、尾けられる心当たりがありすぎて」
「マジかよ」
普段どんな仕事してんだこのオヤジ。
「……設楽かもしんねー」
「なぜ」
「勘」
そう答えておきながら、脳裏に浮かんだのは、さがらん。それから、久保。
久保はもういないけど、似たようなやつはいるかもしんねーと思う。
さがらんも、なんかな。
(何か裏がある)
何か悪さしようって訳でもなさそうではある、が。
「そうか」
親父は腕を組んで考えた。
「じゃあ飯を食おう」
「あ?」
「尾行に気づいているのを気取られるのが一番マズイ」
「そういうもんか」
「尾けてきた車もそこに止まっている。しばらく様子を見よう」
「分かった」
そう返事をした時、2人がトイレから出てきた。
「おまたせしました」
微笑む設楽。
「いや、……ところで華さん、夕食良ければここで食べていきませんか。少し早いですが」
「え? あ、はい大丈夫です。家に電話だけしていいでしょうか?」
「もちろん」
設楽は相変わらずのお子様ケータイで通話を始めた。
「あ、敦子さん? 今お友達のご家族といるんだけど、お夕飯に誘われてて。うん。また帰るときに連絡します」
通話を切って「大丈夫でした」と言う設楽に、母さんが尋ねた。
「敦子さん?」
「あ、おばあちゃんなんですけど、おばあちゃんって言うと怒るんです」
少し面白そうに言う設楽。
「あ、なるほどね~。あたし孫になんて呼んでもらおうかな」
「ふふふ気が早いな、でも俺はじいじがいいかな」
「じゃあ、ばあば」
「なんの話してんだあんたらは。飯食うんだろうが」
俺は少しいらついて突っ込んだ。
「いいじゃないの」
「腹が減っているんだろう、まったく成長期ってやつは」
「そうだよね、お腹すいてるよね。黒田くんなに食べる?」
三者三様の答え。
俺は両親を無視して設楽に答えた。
「設楽は何食いたい?」
和食レストランと、フードコートと併設してある。
「私、なんでも」
設楽の腹が、ぐうとなる。
「……あは」
「フードコートでいいか」
「うん」
両親も異存はないようで「何にしよう」とすっかり通常モードだ。
(尾けられてるかも、ってんのに)
親父はものすごくリラックスしているように見える。もしかしたらこれでも警戒してんのか。
「華さんと同じ店のメニューにしろ、会計も離れるな」
ぽそり、と耳元で言われる。やはり警戒モードではあるらしい。
返事はせず、頷くだけに留めた。3千円渡される。
「華さんのぶんも」
「……足りるかな」
「そんなに腹減ってるのか健」
「いや、設楽。あいつクソほど食うよ」
「はっはっは、冗談が上手くなったな」
結局。
「おやじー、やっぱ足んねぇー!」
「いやいやいや黒田くん、私自分の分は出すからっ」
「はっはっはっいいさいいさ、どうせ健がとんでもない量を食べてるんだろう、成長期はそれでいいんだ」
親父はすぐに寄ってきて差額を払う。
「す、すみません、奢っていただけるなんて思ってなくて、私欲望のままに注文を」
番号札を握りしめて、設楽は申し訳なさそうに言う。
「なにを言うんです、たくさん食べなさい」
にこにこ笑う親父。
(こいつ、設楽の食欲が底なしだって知らねーからな)
俺は少し面白くなる。どんな反応すんのかな親父。
ニヤリとしたとき、俺と設楽の番号が呼ばれて、受け取り口へ向かう。
「うう……食欲しかない人間だと思われちゃう……」
「いや他に何があんだ設楽に」
「うう……」
冗談だったのだが、まじめに受け取られてしまった。
「アホか。他にも色々あんだろ、良いとこ」
「例えばあ?」
ちょっと拗ね顔だ。いちいち可愛くて腹がたつ。
「食いもん美味そうに食う」
「一緒じゃない!?」
「良いことだろが」
「そうかなぁ」
まぁ悪くはないよね、と設楽。
「あとはまぁ、……優しい、とか」
「優しいかなぁ」
不思議そうな顔。
「割と周り見てる」
「あは、ほんと?」
「話してて、楽しい。俺は」
「あ」
設楽は笑う。
「私もそれ思う、黒田くんに」
「お前俺を殺す気か」
「え!? なぜに!?」
「知るか」
俺はぶっきらぼうに言いながら番号札を受付のおばさんに渡す。設楽も不思議そうにしながら続いて、お盆を受け取る。
「すげーな」
「……うん……」
親父たちが待つテーブルに戻ると、親父と母さんは「……、ほんとに入るの?」と訝しげに言った。
「……ハイ」
「こいつヨユーだよこんくらい」
「うう」
設楽のお盆には、チャーシューメン(大)餃子定食(ミニチャーハン付き)に単品の唐揚げと杏仁豆腐。
ちなみに俺は醤油ラーメン(大)の唐揚げ定食、チャーハン大盛り。試合後の俺と同じくらいか、それ以上食べるってすげえ。まぁ食ってる時の表情可愛いのでいいと思う。
(こないだのアイス、やばかったな)
新幹線で俺が食わせたアイス。
(俺って変な性癖でもあんのかな)
好きな子がモノ食ってるの見るのが好きって、どうなんだ。よくわからん。
「小さい頃からそんな感じ?」
親子丼を食べながら、母さんは面白そうに聞く。
「あ、はい……どうなのかな、多分」
設楽は笑いながら答えた。開き直ることにしたらしく、もりもり食っている。いいことだ。
「この子もね、昔から良く食べる子でね」
母さんは笑う。
「1歳くらいだったかなぁ」
「はい」
「おばーちゃんちに行っててね、ちょっと目を離した隙に、お仏壇の花、もしゃもしゃ食べてて」
「えー!?」
楽しそうに設楽は俺を見た。
「何だよその話、やめろよなんか」
俺は少し眉を寄せる。
なんで好きなヤツに俺の小さい頃のやらかしたエピソードを聞かせねぇといけねーんだ。
「いいじゃない」
「お花とか焦りますね」
「そうなのよ、もう何食べてるか分かんなくて慌てて病院連れてって」
「大変でしたね」
設楽はちらりと俺を見た。からかうように笑う。
「覚えてねーし」
「そりゃそうでしょ。ほら、他にもさ、アンタ3歳くらいだったかな、チーズ食べたすぎて、野菜室と冷凍室の引き出し階段みたいにして上がって、冷蔵庫の扉開けてチーズむさぼり食べてたことも」
「だからなんなんだよその俺のほんわかエピソードは」
「この子にも知恵あんのね、と感心した記憶がね」
「バカにしてんだろ」
「アンタにも可愛い頃あったんですアピールよ」
「何のためだよ」
俺ははぁ、とため息をつきながらラーメンをすすった。
高速を走り出してすぐ、親父がそう言った。
「なに? まだ高速乗ったばかりじゃない」
母さんは不服顔だ。そもそも親父、ナビ無視で少し迷ったし。
「華ちゃん乗せてるんだからあまり遅くならないでよね」
「ああ」
「あ、じゃ、私お手洗いに」
設楽は笑って言った。多分気を使って、だろう。
パーキングエリアに駐車してすぐ、親父は何かを母さんに小さく言っていた。
母さんは少しだけ目を見開いたあと、小さく頷いて微笑む。
「一緒にお手洗いいこうか、華ちゃん」
「あ、はい」
4人で車を降りて、2人がトイレに入ったのを確認してから、親父は女子トイレと男子トイレの間の壁近くに立った。
「便所行かねーの」
「…….体育館の駐車場を出てしばらく走ってから」
「は?」
「2台後……要は1台挟んで後ろということだが、その車がずっと同じだった。気づいてたか?」
「……いや」
「都内は混んでたし、高速に入っても常に、だ。おそらく尾けられている」
俺は驚いて親父を見た。
「……どれかな」
「どれ?」
「いや、尾けられる心当たりがありすぎて」
「マジかよ」
普段どんな仕事してんだこのオヤジ。
「……設楽かもしんねー」
「なぜ」
「勘」
そう答えておきながら、脳裏に浮かんだのは、さがらん。それから、久保。
久保はもういないけど、似たようなやつはいるかもしんねーと思う。
さがらんも、なんかな。
(何か裏がある)
何か悪さしようって訳でもなさそうではある、が。
「そうか」
親父は腕を組んで考えた。
「じゃあ飯を食おう」
「あ?」
「尾行に気づいているのを気取られるのが一番マズイ」
「そういうもんか」
「尾けてきた車もそこに止まっている。しばらく様子を見よう」
「分かった」
そう返事をした時、2人がトイレから出てきた。
「おまたせしました」
微笑む設楽。
「いや、……ところで華さん、夕食良ければここで食べていきませんか。少し早いですが」
「え? あ、はい大丈夫です。家に電話だけしていいでしょうか?」
「もちろん」
設楽は相変わらずのお子様ケータイで通話を始めた。
「あ、敦子さん? 今お友達のご家族といるんだけど、お夕飯に誘われてて。うん。また帰るときに連絡します」
通話を切って「大丈夫でした」と言う設楽に、母さんが尋ねた。
「敦子さん?」
「あ、おばあちゃんなんですけど、おばあちゃんって言うと怒るんです」
少し面白そうに言う設楽。
「あ、なるほどね~。あたし孫になんて呼んでもらおうかな」
「ふふふ気が早いな、でも俺はじいじがいいかな」
「じゃあ、ばあば」
「なんの話してんだあんたらは。飯食うんだろうが」
俺は少しいらついて突っ込んだ。
「いいじゃないの」
「腹が減っているんだろう、まったく成長期ってやつは」
「そうだよね、お腹すいてるよね。黒田くんなに食べる?」
三者三様の答え。
俺は両親を無視して設楽に答えた。
「設楽は何食いたい?」
和食レストランと、フードコートと併設してある。
「私、なんでも」
設楽の腹が、ぐうとなる。
「……あは」
「フードコートでいいか」
「うん」
両親も異存はないようで「何にしよう」とすっかり通常モードだ。
(尾けられてるかも、ってんのに)
親父はものすごくリラックスしているように見える。もしかしたらこれでも警戒してんのか。
「華さんと同じ店のメニューにしろ、会計も離れるな」
ぽそり、と耳元で言われる。やはり警戒モードではあるらしい。
返事はせず、頷くだけに留めた。3千円渡される。
「華さんのぶんも」
「……足りるかな」
「そんなに腹減ってるのか健」
「いや、設楽。あいつクソほど食うよ」
「はっはっは、冗談が上手くなったな」
結局。
「おやじー、やっぱ足んねぇー!」
「いやいやいや黒田くん、私自分の分は出すからっ」
「はっはっはっいいさいいさ、どうせ健がとんでもない量を食べてるんだろう、成長期はそれでいいんだ」
親父はすぐに寄ってきて差額を払う。
「す、すみません、奢っていただけるなんて思ってなくて、私欲望のままに注文を」
番号札を握りしめて、設楽は申し訳なさそうに言う。
「なにを言うんです、たくさん食べなさい」
にこにこ笑う親父。
(こいつ、設楽の食欲が底なしだって知らねーからな)
俺は少し面白くなる。どんな反応すんのかな親父。
ニヤリとしたとき、俺と設楽の番号が呼ばれて、受け取り口へ向かう。
「うう……食欲しかない人間だと思われちゃう……」
「いや他に何があんだ設楽に」
「うう……」
冗談だったのだが、まじめに受け取られてしまった。
「アホか。他にも色々あんだろ、良いとこ」
「例えばあ?」
ちょっと拗ね顔だ。いちいち可愛くて腹がたつ。
「食いもん美味そうに食う」
「一緒じゃない!?」
「良いことだろが」
「そうかなぁ」
まぁ悪くはないよね、と設楽。
「あとはまぁ、……優しい、とか」
「優しいかなぁ」
不思議そうな顔。
「割と周り見てる」
「あは、ほんと?」
「話してて、楽しい。俺は」
「あ」
設楽は笑う。
「私もそれ思う、黒田くんに」
「お前俺を殺す気か」
「え!? なぜに!?」
「知るか」
俺はぶっきらぼうに言いながら番号札を受付のおばさんに渡す。設楽も不思議そうにしながら続いて、お盆を受け取る。
「すげーな」
「……うん……」
親父たちが待つテーブルに戻ると、親父と母さんは「……、ほんとに入るの?」と訝しげに言った。
「……ハイ」
「こいつヨユーだよこんくらい」
「うう」
設楽のお盆には、チャーシューメン(大)餃子定食(ミニチャーハン付き)に単品の唐揚げと杏仁豆腐。
ちなみに俺は醤油ラーメン(大)の唐揚げ定食、チャーハン大盛り。試合後の俺と同じくらいか、それ以上食べるってすげえ。まぁ食ってる時の表情可愛いのでいいと思う。
(こないだのアイス、やばかったな)
新幹線で俺が食わせたアイス。
(俺って変な性癖でもあんのかな)
好きな子がモノ食ってるの見るのが好きって、どうなんだ。よくわからん。
「小さい頃からそんな感じ?」
親子丼を食べながら、母さんは面白そうに聞く。
「あ、はい……どうなのかな、多分」
設楽は笑いながら答えた。開き直ることにしたらしく、もりもり食っている。いいことだ。
「この子もね、昔から良く食べる子でね」
母さんは笑う。
「1歳くらいだったかなぁ」
「はい」
「おばーちゃんちに行っててね、ちょっと目を離した隙に、お仏壇の花、もしゃもしゃ食べてて」
「えー!?」
楽しそうに設楽は俺を見た。
「何だよその話、やめろよなんか」
俺は少し眉を寄せる。
なんで好きなヤツに俺の小さい頃のやらかしたエピソードを聞かせねぇといけねーんだ。
「いいじゃない」
「お花とか焦りますね」
「そうなのよ、もう何食べてるか分かんなくて慌てて病院連れてって」
「大変でしたね」
設楽はちらりと俺を見た。からかうように笑う。
「覚えてねーし」
「そりゃそうでしょ。ほら、他にもさ、アンタ3歳くらいだったかな、チーズ食べたすぎて、野菜室と冷凍室の引き出し階段みたいにして上がって、冷蔵庫の扉開けてチーズむさぼり食べてたことも」
「だからなんなんだよその俺のほんわかエピソードは」
「この子にも知恵あんのね、と感心した記憶がね」
「バカにしてんだろ」
「アンタにも可愛い頃あったんですアピールよ」
「何のためだよ」
俺ははぁ、とため息をつきながらラーメンをすすった。
10
お気に入りに追加
3,083
あなたにおすすめの小説
モブ令嬢ですが、悪役令嬢の妹です。
霜月零
恋愛
私は、ある日思い出した。
ヒロインに、悪役令嬢たるお姉様が言った一言で。
「どうして、このお茶会に平民がまぎれているのかしら」
その瞬間、私はこの世界が、前世やってた乙女ゲームに酷似した世界だと気が付いた。
思い出した私がとった行動は、ヒロインをこの場から逃がさない事。
だってここで走り出されたら、婚約者のいる攻略対象とヒロインのフラグが立っちゃうんだもの!!!
略奪愛ダメ絶対。
そんなことをしたら国が滅ぶのよ。
バッドエンド回避の為に、クリスティーナ=ローエンガルデ。
悪役令嬢の妹だけど、前世の知識総動員で、破滅の運命回避して見せます。
※他サイト様にも掲載中です。
ヒロインを虐めなくても死亡エンドしかない悪役令嬢に転生してしまった!
青星 みづ
恋愛
【第Ⅰ章完結】『イケメン達と乙女ゲームの様な甘くてせつない恋模様を描く。少しシリアスな悪役令嬢の物語』
なんで今、前世を思い出したかな?!ルクレツィアは顔を真っ青に染めた。目の前には前世の押しである超絶イケメンのクレイが憎悪の表情でこちらを睨んでいた。
それもそのはず、ルクレツィアは固い扇子を振りかざして目の前のクレイの頬を引っぱたこうとしていたのだから。でもそれはクレイの手によって阻まれていた。
そしてその瞬間に前世を思い出した。
この世界は前世で遊んでいた乙女ゲームの世界であり、自分が悪役令嬢だという事を。
や、やばい……。
何故なら既にゲームは開始されている。
そのゲームでは悪役令嬢である私はどのルートでも必ず死を迎えてしまう末路だった!
しかもそれはヒロインを虐めても虐めなくても全く関係ない死に方だし!
どうしよう、どうしよう……。
どうやったら生き延びる事ができる?!
何とか生き延びる為に頑張ります!
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
どう頑張っても死亡ルートしかない悪役令嬢に転生したので、一切頑張らないことにしました
小倉みち
恋愛
7歳の誕生日、突然雷に打たれ、そのショックで前世を思い出した公爵令嬢のレティシア。
前世では夥しいほどの仕事に追われる社畜だった彼女。
唯一の楽しみだった乙女ゲームの新作を発売日当日に買いに行こうとしたその日、交通事故で命を落としたこと。
そして――。
この世界が、その乙女ゲームの設定とそっくりそのままであり、自分自身が悪役令嬢であるレティシアに転生してしまったことを。
この悪役令嬢、自分に関心のない家族を振り向かせるために、死に物狂いで努力し、第一王子の婚約者という地位を勝ち取った。
しかしその第一王子の心がぽっと出の主人公に奪われ、嫉妬に狂い主人公に毒を盛る。
それがバレてしまい、最終的に死刑に処される役となっている。
しかも、第一王子ではなくどの攻略対象ルートでも、必ず主人公を虐め、処刑されてしまう噛ませ犬的キャラクター。
レティシアは考えた。
どれだけ努力をしても、どれだけ頑張っても、最終的に自分は死んでしまう。
――ということは。
これから先どんな努力もせず、ただの馬鹿な一般令嬢として生きれば、一切攻略対象と関わらなければ、そもそもその土俵に乗ることさえしなければ。
私はこの恐ろしい世界で、生き残ることが出来るのではないだろうか。
悪役令嬢に転生したので、すべて無視することにしたのですが……?
りーさん
恋愛
気がついたら、生まれ変わっていた。自分が死んだ記憶もない。どうやら、悪役令嬢に生まれ変わったみたい。しかも、生まれ変わったタイミングが、学園の入学式の前日で、攻略対象からも嫌われまくってる!?
こうなったら、破滅回避は諦めよう。だって、悪役令嬢は、悪口しか言ってなかったんだから。それだけで、公の場で断罪するような婚約者など、こっちから願い下げだ。
他の攻略対象も、別にお前らは関係ないだろ!って感じなのに、一緒に断罪に参加するんだから!そんな奴らのご機嫌をとるだけ無駄なのよ。
もう攻略対象もヒロインもシナリオも全部無視!やりたいことをやらせてもらうわ!
そうやって無視していたら、なんでか攻略対象がこっちに来るんだけど……?
※恋愛はのんびりになります。タグにあるように、主人公が恋をし出すのは後半です。
1/31 タイトル変更 破滅寸前→ゲーム開始直前
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
見ず知らずの(たぶん)乙女ゲーに(おそらく)悪役令嬢として転生したので(とりあえず)破滅回避をめざします!
すな子
恋愛
ステラフィッサ王国公爵家令嬢ルクレツィア・ガラッシアが、前世の記憶を思い出したのは5歳のとき。
現代ニホンの枯れ果てたアラサーOLから、異世界の高位貴族の令嬢として天使の容貌を持って生まれ変わった自分は、昨今流行りの(?)「乙女ゲーム」の「悪役令嬢」に「転生」したのだと確信したものの、前世であれほどプレイした乙女ゲームのどんな設定にも、今の自分もその環境も、思い当たるものがなにひとつない!
それでもいつか訪れるはずの「破滅」を「回避」するために、前世の記憶を総動員、乙女ゲームや転生悪役令嬢がざまぁする物語からあらゆる事態を想定し、今世は幸せに生きようと奮闘するお話。
───エンディミオン様、あなたいったい、どこのどなたなんですの?
********
できるだけストレスフリーに読めるようご都合展開を陽気に突き進んでおりますので予めご了承くださいませ。
また、【閑話】には死ネタが含まれますので、苦手な方はご注意ください。
☆「小説家になろう」様にも常羽名義で投稿しております。
婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる