Between the Life and the Death

かみつ

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スズちゃんの願い

大好きだよ

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「凛ちゃん、お願いがあるの。」
スズちゃんの真っ直ぐな瞳が僕をとらえた。

「明日、
スーパー行って
猫たちに缶詰めあげてね…。」


「わかった。必ず食べさせるよ。」

スズちゃんはいつもよりゆっくり話す。
「話変わるけどさ、
東京のどこに住んでるの?
詳しい住所言ってみて。」

僕は言われるがまま答えた。

スズちゃんの声が
か細くなっていく。
「何て言う会社で働いてるの?」


「(株)◯◯ソフトだよ。」

スズちゃん
「凛ちゃん、SEなの?」


「そうだよ。ブラック企業(笑)」
僕は涙をこらえて、笑って見せる。

スズちゃんは声にならない笑い声を出す。
「あはは…。大変だ。」

スズちゃんはゆっくり呼吸するように
言葉をつむぐ。
「でもお願い。
住所も会社も変えないで…

辛いだろうけど。
おねがい…ね。

凛ちゃん…

楽しかったなぁ

ありがとう…

…大好きよ凛ちゃん……」

「スズちゃん、僕も大好きだよ。」

最後の僕の言葉は
スズちゃんに届いただろうか?

スズちゃんは事切れた。
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