Between the Life and the Death

背中合わせ

小さな背中

僕も庭に出てみた。

窓から見た光景も天国だとは思ったが、
直に見る庭は本当に綺麗で。

やっぱ僕、死んでるんじゃないかと
確信したくなるほどだった。

花だけではない。

何の木かわからないけどたくさんあり
果物を実らせているものもあれば、
花を満開にさせている木もある。

畑はそんなに広くはないが
２つに区切られ
片方は花、もう片方は野菜が
植えてあるようだった。


いつの間にか
僕の足元には猫がたくさん
すり寄って来ていた。
5匹いた。

「凛ちゃんは猫好きなんやね。
みんな野良猫やから
初めて会う人は警戒するんやけど、

猫ってちゃんと人を見てるから
凛ちゃんは大丈夫ってことやろね。」
スズコさんが隣に来た。

「この縁側に座るとね、
足の上にみんな乗ってくるよ。」

僕はスズコさんが背中合わせで
座ろうと言うので
そうして足を伸ばした。

猫たちが僕の足の上に寝転がる。

そんなことより
初めてのスズコさんの小さな背中の感覚が
僕の全身に伝わった。

心地よかった。