Between the Life and the Death

ここはどこだ？？

天国は和式トイレ？

ああ、なんかすごく温かい。
お日さまの匂いのする布団。
気持ち良くてまだ眠っていたい。

でもそろそろ会社行く準備しないとなあ。
目覚まし時計はまだ鳴らないけど
たぶんそろそろだろう。

目を開ける。

横向きに寝ていた僕の目に入ってきた光景は
驚くほど綺麗だった。

これが美しいということか。
そう思った。

窓から見える庭らしき所には
沢山の花が咲き誇っていた。

花の名前には詳しくない。
ただ、色とりどりの沢山の花が…。


「あ、起きた？大丈夫？」
女の人の声が足元から聞こえた。

「え？あ、すいません。
僕、なんでここにいるんだろ。」

飛び起きた。びっくりした。

「こっちこそ、驚かせちゃったね。
まだゆっくり寝てていいよ。
君が何でここに来たのかは
あたしにもわからんけど、
２日眠りっぱなしだったからね。
あー、トイレとか大丈夫？
飲み物はすぐ持ってくるよ。」

おっとりとした喋りで女の人は言った。

猛烈に尿意を感じて
トイレに案内してもらった。

大きな日本家屋のようだった。

トイレはまさかの和式だった。

「はい。とりあえず
ぬるめのお水にしてみた。
急に冷たいの飲むとお腹壊しそうやから。
ご飯、準備してくるね。」

僕はキョトンとしてしまった。
なんだろうこの状況。

あの人、美人とかじゃないけど
優しげで愛嬌が可愛らしい。

白湯を飲みながら
ほけっとその人の後ろ姿をぼんやり見て。

いやいや僕って
交通事故にあったんじゃなかったっけ？

あー、ここって
もしかして天国？
天国って和式トイレなんだ。

そんなことを考えていた。