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第ニ章 学園入学編
帰宅②
しおりを挟む~車に乗ること数十分
彼女が車から下りたて少し歩いたら、岡崎が彼女に駆け寄って、
「お帰りなさいませお嬢様」
と鞄を受け取ってから言った。
「ええ、ただいま」
彼女と岡崎は、彼女の部屋に着ていた。
部屋に入るなり彼女が岡崎に近寄り小さな声量で
「岡崎さん。話しがありますの。」
と言った。
「…例の件ですね。」
「ええ。」
彼女と岡崎は、朝と同じ部屋に入った。
「それで如何でしたか?」
「うーんそうね。夢の中で私が呼んでいた貴方という人物を視たのだけれど、夢の中のように恋はしなかったですわ。」
「一体どういうことでしょう?お嬢様は、今までで予知夢とは違う未来になった事は、ありませんよね。もしかしたら予知夢には、必ずその結果にならなくてですね。予知夢は、未来がそうなる確率が高いとかかも知れませんし、今回はたまたまなのかも知れません。」
「そうね。でも私小さい頃に予知夢が使えるようになったでしょう?」
「そうですね。」
「でも私覚えていないんですの。」
「何をですが?」
「だから私が予知夢を使えるようになった原因を。」
「では、お嬢様は予知夢を使えるようになった原因を覚えていらっしゃらないんですね。」
「それも不思議なのだけれど、何故私以外の方は、予知夢どおりになったのかという事の方が不思議ですわ。」
「そうですね。お嬢様何か些細な事でもいいんです!何か変わったことなどはありませんでした?」
「そうね。予知夢では、新入生代表の方が舞台に上がった所からいつも始まりますから、その前の出来事が分からないのですわ。特に変わったところなどなかったですわ。」
「そうですか。では、整理しますとお嬢様は、幼い頃に何らかの出来事が起こり予知夢が使えるようになり、今まで予知夢どおり現実で全く同じ出来事が起きていると言うことですね。ですが一ヶ月間全く同じ夢を見ていて、今まで予知夢どおり現実になっていた事が何故かお嬢様だけ違うと言うことですか。」
「ええ!岡崎さんの言うとおり私だけ予知夢どおりじゃないの。岡崎さんが先程言っていた事も可能性はあると思うのだけど、それだと高確率すぎるの。だってそうでしょう。今まで予知夢どおり現実で起きているんですもの。岡崎さん疑問が湧きません?」
「確かにお嬢様の仰るとおりですね。」
それから岡崎と彼女は、数十分間話し続けたのだった。
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