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第一章:壊れ始める運命の歯車
第五話:救いの手~過去⑤
しおりを挟む天気はいつの間にか雨に変わっていて、次第に激しくなっていきました。それと共鳴するように私は泣き叫びました。雨粒が私の背中に激しく打ち付けてきますが私は、このままでは風邪を引く等頭の中になく耳にはとても淋しい雨音が響いていました。私は不意に立ち上がりただ夢中で走り出しました。
もはやお母様のお墓からだいぶ離れていて屋敷を抜け出していて一体何処を目指しているのか何故走っているのか、帰りはどうするのか等全く考えていませんでした。ただ走りながら思うのはみんなを観察し始めてからずっと心の何処かでは思っていたことでした。
私の決断が甘かったのでしょうか?
私が居ても変わらないないのでは?
私ではなくお母様なら
きっとみんな傷付くのでしょう
では、私の生きる意味は
本当にあったのでしょうか?
いいえ
きっとないのでしょう
ずっと心の何処かでは思っていました
けれど、確信が私を大事に思ってくれている人も居るのだと信じたかっただけなのでしょう
でも後少しでいいんです
後少しだけもう少しだけ私に考える時間をどうかお願いします
考える時間を下さったなら私は今度こそ覚悟を決めます
お母様私はあなたの事は何一つ分かりません。例え知っていてもあなたの気持ちを正確には理解できないでしょう。何故なら私はあなたではないからです。
今まで当たり前の事を忘れていました。私はあなたが羨ましかったのだと思います
この世に居なくなってもなお、みんなから思われていたのですから
でも意味のないものです
私があなたを羨んでも、あなたはとっくにこの世界に居ないのですから
ただ思いが強くなるだけです
でも全てを分かってもなお思いが絶えずそれどころか増すばかりの感情に私はもうどうしたらいいのか
誰か誰でも良いので
「…………たすけてっ……。」
私はそう小さく消え入りそうな声で呟きました。
「…あの?大丈夫ですか?」
そう声が聞こえたのを最後に無理をしたのでしょう全身の力が抜けて意識を失いました。
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