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第一章:壊れ始める運命の歯車
第四話:救いの手~過去④
しおりを挟む私が私で居られるように断ち切ろうと、覚悟を決めることが出来た私はお母様のお墓に迷いなく入りました。天気は曇り空で、まるで私の心の中のモヤモヤのようでした。私は一度歩みを止めると、空を仰ぎ見て一つ深い深い息を吐きました。気合いを入れるように、お母様のお墓を睨みつけ、最初の頃に来た時とは逆に活き活きとした表情で、手や足も震えずにお墓の目の前まで来ました。
「お母様あなたが何故私を、自らの命を捨ててまで産んだのか、ここ一ヶ月半ほど考えていました。……でも、いくら考えてもどれほど時間を使ってもっ!…あなたの考えは理解できなかったのです。…私はお母様のような体験をしたことはなく、何故そんな選択をしたのかっ……お母様は生きることが出来ましたっ!」
私は、お母様に思いをぶつけるように言葉を心の中にある悩んでいた、考えていた事を縋るように話していきました。
「……それなのに、何故っ……。大切な人を置いて逝ってしまった……置いて逝くことが出来たのですかっ!…あなたを大切に思う人は沢山居るのに何故なのですかっ!」
私はみんなの余所余所しい態度を思い出しいつの間にか握りしめていた手に爪が食い込むほど握りしめて、嫉妬、羨望、怒り、悲しみを綯い交ぜにしてぶつけました。
「お父様以外にもあなたは好かれていたはずですっ!…どうしてっ!どうして……ここから消える事を…選択したのですか…………。」
私は行き場のない感情を持て余したまま膝から崩れ落ちました。私は涙を流していたようで、地面には涙の跡がありました。私は先程まで強く握りしめていた手をほどき赤くなったところをそっと撫でました。覚悟を決めたはずでした。返事が返ってくることはないと分かっていたはずでした。
でも、話していく内に虚しくなりました。私が考えた時間が、みんなを観察する日々が、何の疑問も持たなかった頃が、全てがこれまがで無駄だったようで私は、私が生きている意味があるのかないのか分からなくなりました。
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