破産した令嬢は復讐する

1話

　まあそこそこ有名になりつつあったアニメ制作会社の子会社に勤める令嬢は絵も描けない、脚本も書けないなど、なんのスキルもないのに簡単なＰＣ作業や経理業務すらできないためしかたなく制作に回されたアニメ監督を夢見るアダルトチルドレンであった。（本人はそれが全部作戦だったと本気で思っている）

しかし浪人してなんとか入ったその国で2番目に偏差値の高い国立大学に受かったという学歴を盾にして当時好きだったアイドル（典型的なアイドル好きのキモオタだったため）のダンスをパクるなどのせこい行為ばかりであったもののまわりをアレオレ詐欺で説き伏せて、ようやくまぐれみたいなものだが監督になってしまう。当然なんの能力も持っていなかったため、その作品の原作である四コマ漫画をトレースして劣化させただけのようなコンテになってないコンテを作ってしまったり（もともとコンテ絵もタイムシートも切れないためである）、理由もなくアニメーターたちを罵倒して暴力をふるったりとまわりの反感を買ったため製作現場でスタッフ全員に袋だたきにされわずかな期間で監督を降板した上、その会社もクビになる。（正確にはその会社から「君はここにとどまっているような器ではない」など適当に褒めて出ていくよう仕向けたわけだが令嬢はそれを見事に真に受けた）