「俺ごとやれ!」魔王と共に封印された騎士ですが、1000年経つ頃にはすっかり仲良くなりまして今では最高の相棒です

「俺ごとやれ! 俺ごと封印するんだ!」


 魔竜王ブルームを討伐するため勇者一行に同行していた騎士アルフレッド。

 彼が身を挺して動きを止めたことにより、魔竜王を封印することに成功する。

 これで世界に平和が訪れた――だが、封印されたアルフレッドには魔竜王と亜空間の中で1000年も一緒に過ごすという地獄が待ち構えていた。


「人類の宿敵と1000年も同居生活!? うわキツイッ!」
「それはコッチの台詞だよ」


 魔竜王と膝つき合わせる距離で寝ることも出来ない苦行……かと思いきや、会話をする内にお互いの誤解が解け数ヶ月で意気投合。気がつけば「アル」「マリュー」と呼び合う仲に。

 そして暇な二人は1000年もの間、亜空間で一緒に魔法の開発や研鑽を積むことに。


「アルは筋が良いな、立派な魔族になれるぞ」
「冗談だろマリュー」


 気がつけばアルフレッドはモンスターの特技「妖術」を身につけ、蜘蛛の糸を出したり水中呼吸や火を噴くこともできるようになっていた。

 そして1000年の時を超え、封印から解放された二人を待ち受けていたのは、平和になり弱くなった人類だった。

 アルフレッドは英雄扱いされており、そして何故か勇者イザークが世界を滅ぼそうと魔竜王を利用した黒幕になっていた。


「どういうこと、ボク利用されてなんていないけど?」と首を傾げるマリュー。


 1000年前の仲間の子孫カミラと出会い人類が弱くなった経緯、そして一部の魔族が裏で暗躍していることを耳にする。


「魔族と戦うため、騎士団を鍛え直してください」


 来るべき決戦の日のため、アルフレッドはマリューと共に1000年前の古巣、騎士団に隊長として復職する。


「余裕だろ、なぁマリュー」
「あぁ、人間と魔族が争うなんて馬鹿げているとボクらが証明するんだ!」


 これは1000年の時を経て人知を超えたスキル「妖術」を身に着けた騎士と規格外の魔王が織りなす無双物語。
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